光に選ばれし勇者達   作:BREAKERZ

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劇場版みたいなモノです。

『魔装学園H×H』が終了し、『最弱無敗』も『ハンドレッド』も間もなく終了しそうなので書きました。


ティガ・ダイナ・ガイア 大激戦 ウルトラの友情! chapterⅠ

“光に選ばれた者”がいれば、“光に選ばれなかった者”もいるーーーーーーーーーーー。

 

「俺は、俺は守れなかった・・・守るって言ったのに・・・誰も、守れなかった・・・!!」

 

暗い暗い暗黒の世界で、一人の少年が蹲っていた。

 

《力が欲しいかい・・・?》

 

「誰だ・・・・・!」

 

《力が欲しいのかい? 自分の全てを奪った者達へ復讐する力を・・・?》

 

「・・・・・・あぁ、欲しい・・・俺の全てを奪った奴等に・・・俺の仲間達を奪った奴等に・・・“機械神”達に、復讐してやるっ!!!」

 

少年は、憤怒の形相を浮かべ、身体に“白いパワードスーツ”を纏うと、純白のスーツが強い光を放った!

 

 

 

 

 

ー『ウルトラマンティガ・ウルトラマンダイナ・ウルトラマンガイア 大激戦 ウルトラの友情!』ー

 

 

 

 

 

 

ーダイナ・ハンドレッドの世界ー

 

「キシャアアアアアアアアっ!!!」

 

リトルガーデン近海に突如として現れた海老か蟹のような甲殻類の身体に左右非対称の鋏をもった『宇宙海獣 レイキュバス』が現れた。

 

「シュワッ!!」

 

リトルガーデンに向かおうとするレイキュバスの前に銀の身体に赤と青のラインが入り額の角にクリスタルが付いた巨人、『熱き闘志の勇士 ウルトラマンダイナ』が立ち塞がった。

 

「《コイツ、前に倒した蟹野郎か?! 何で復活したのか分からないけど、覚悟は出来てるか!!》」

 

ウルトラマンダイナである如月ハヤトは、リトルガーデンで訓練に勤しんでいると、突如現れたレイキュバスを見て直ぐに周りから(特にエミリアに見つからないように)離れて直ぐにダイナに変身し、戦闘を開始した。

 

「シャァッ! デヤッ! シュゥワッ!!」

 

膝蹴り、正拳、肘打ちでレイキュバスを攻撃するダイナだが、硬い外骨格に阻まれ、レイキュバスにダメージが無かった。

 

「キシャアアアアアアアアアッッ!!!」

 

「グゥワッ!!」

 

レイキュバスの右腕の大きな鋏がダイナの首を掴んだ!首を切断されないように、両手で鋏を押さえるダイナ。レイキュバスはもう片方の鋏を振り回し、ダイナを攻撃する。

 

「キシャアアア・・・・・!!」

 

「グゥワアアアアアアっ!!!」

 

レイキュバスの瞳が赤く発光すると、火炎弾をダイナの身体にぶつけ、ダイナを怯ませる。

 

 

 

ークレアsideー

 

「・・・・・・・・・・」

 

リトルガーデンのブリッジでは、金色の髪を縦ロールにし、豊麗で抜群のプロポーションをしたクレア・ハーヴェイがブリッジからダイナとレイキュバスの戦闘を見ていた。

 

「クレア様・・・・・!」

 

オペレーターでクレアの秘書である金髪の小柄な少年クリスが、ダイナの状況を静観するクレアを見るが、その視線に気付いたクレアは安心するように微笑む。

 

「大丈夫ですわ、クリス。確かに以前の戦闘ではダイナはレイキュバスに苦戦しましたが今の彼は、あの時とは違いますわっ!」

 

 

ーダイナsideー

 

「~~~~~~~~!!!」

 

勝利を確信したのか、レイキュバスはダイナに向けて身体を振るわせ笑っているような態度を取るが。

 

「《舐、めんな、よっ!!》 シュッ!」

 

ダイナの角のクリスタルが光ると、ダイナの身体がより逞しく、赤い身体に変わった!

 

変幻自在の超能力を駆使する青の『ミラクルタイプ』と対となる、剛力無双の赤の『ストロングタイプ』である。

 

「シュワッ!!」

 

ダイナストロングタイプ(ダイナS)は首を挟んだレイキュバスの鋏を外し、そのままレイキュバスごと振り回し『バルカンスウィング』を繰り出す!

 

「ヌゥアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!」

 

「キュアアアアアアアアアッッ!!!」

 

「《残念だったなレイキュバス! 俺も日々、成長しているんだよ!!》シャアッ!!」

 

「キュアアアアアアアアっ!!!」

 

「フウゥゥゥ・・・・シャアアアアアアアっ!!!」

 

振り回したレイキュバスを上空に投げ飛ばしたダイナSは右腕から赤色光弾『ガルネイトボンバー』を放ちレイキュバスに当たる、これで決まったと思った次の瞬間!

 

ビキィイイイイイイイイっ!!!

 

「っ!!??《何だ!?》」

 

『ガルネイトボンバー』がレイキュバスをぶつかる寸前、レイキュバスを泡のようなバリアが包み、『ガルネイトボンバー』を防いだ。

 

 

ークレアsideー

 

「何ですの・・・・・?」

 

「クレア様! レイキュバス上空の空間に次元振動を確認しました! 何かが来ます!」

 

「何ですって!?」

 

 

ーダイナsideー

 

レイキュバスの真上の空間が『謎の魔法陣』が現れ、そこから“白い甲冑を纏った巨人”が現れた。

 

「《白い、騎士・・・?》」

 

美しくも刺々しさと禍々しさがある白い騎士にダイナSは唖然となるが、直ぐに構え直す。

 

「・・・・・・・・・・違う」

 

「《何?》」

 

「お前ではない・・・・・」

 

そう言って騎士はレイキュバスを連れて魔法陣の中に入る。

 

「《待て!》」

 

「追いたければ来い、“選ばれし者”よ。お前も俺の“標的”だ・・・・・!」

 

「《っ! 会長、聞こえますか?》」

 

 

 

ークレアsideー

 

クレアの頭にハヤトのテレパシーが入った。

 

「(っ! 如月ハヤト、どうしましたの?)」

 

《俺はヤツを追います・・・!》

 

「(何を言ってるんですの?! あの得体の知れない魔法陣から戻ってくる保証があるか分かりませんのよ!)」

 

《でもヤツは俺を“標的”と言いました。つまり、“いずれはまた来る”って事です!》

 

「(その前に打って出ると言う事ですの・・・?)」

 

《はい!》

 

「(・・・・・・先程も言いましたが、戻ってくる保証があるか分かりませんのよ。それでもですの?)」

 

《大丈夫です、信じて下さい!》

 

「(・・・・・分かりましたわ。ただし、必ず戻ってくるのですのよ!)」

 

《分かってます。会長、心配しないで下さい!》

 

「(~~!! 早くお行きなさい!!!///////)」

 

 

 

ーダイナsideー

 

「《了解!》シュワッ!!」

 

ダイナSはフラッシュタイプにチェンジして白い騎士を追って『魔法陣』の中に入っていった。

 

 

ークレアsideー

 

「ウルトラマンダイナ、“白い騎士”とレイキュバスを追いました・・・!」

 

「(如月ハヤト、必ず戻って来なさい!)」

 

そして数分後、クレアはエミリアとハヤトの妹のカレンにどう説明するか頭を悩ませるのであった。

 

 

 

 

ー『最弱無敗の古代巨人<ティガ>』の世界ー

 

「ヂェヤッ!」

 

『超古代の勇者 ウルトラマンティガ』は、疾風迅雷の青紫『スカイタイプ』にチェンジし、『超古代竜 メルバ』と空中戦を繰り広げていた!

 

「ピヤァアアアアアっ!」

 

「《素早い、でも!》ヂェヤっ!」

 

ウルトラマンティガに変身するルクス・アーカディアは近くの街にメルバが近づかせないように縦横無尽に飛び回り『ハンドスラッシュ』を放ちながらメルバを牽制する!

 

 

ーリーシャsideー

 

ティガとメルバが空中戦を繰り広げている空の真下では、金の髪をサイドテールにした赤い瞳に均整の取れたプロポーションをしたリーズシャルテ・アティスマータ(通称リーシャ)と蒼い長髪に芸術品のようなスレンダーのクルルシファー・エインフォルク。

 

『怪獣対策騎士団<ガッツ>』の設立者兼技術主任と参謀である二人は、それぞれの神装機竜である『ティアマト』と『ファフニール』を纏い、メルバが街に近づいたら迎撃出来るように待機していた。

 

「しかし、メルバがまだ存在していたとはなぁ・・・」

 

「幻神獣<アビス>だって同じ個体が何体も存在するのだから、メルバもそうなのかも知れないわね。とりあえず、副団長<セリス先輩>達が街の住人を避難させている間、私達はメルバが来たときに備えましょう」

 

「あの巨体であのスピードの怪獣が後何体もいると思うと、少し気が滅入るな・・・」

 

「そう・・・・・・っ!?」

 

「クルルシファー?」

 

そうねと答えようとしたクルルシファーは、突然地上を凝視した。リーシャも釣られて見ると、地面が盛り上がるのが見えて、そこから!

 

「グワアアアアアアアアアアッッ!!!」

 

「ゴルザだとっ!?」

 

「待って、あのゴルザ、身体に太い血管みたいなのが張り巡っているわっ!」

 

地面から現れたのは、『全竜戦』で倒された『超古代怪獣ゴルザ』。だが、今回現れたのは同じ個体が、地下のマグマエネルギーを得て進化した『超古代怪獣 ファイヤーゴルザ』だ!

 

「グワアアアアアアアアアアッッ!!!」

 

ファイヤーゴルザはそのままリーシャ達のいる街へ進行してきた。リーシャとクルルシファーはファイヤーゴルザを迎撃しようと構えるが。

 

突如、上空に『魔法陣』が現れ、そこから“光”が飛び出した!

 

「シェアっ!!」

 

ドカッ!

 

「グワアアアッッ?!」

 

“光”がファイヤーゴルザを蹴り飛ばすとファイヤーゴルザは地面に倒れ、“光”は“巨人”となって大地に降り立つ。

 

「なっ!?」

 

「っ!?」

 

リーシャとクルルシファーが驚愕した。そこに現れたのは、ティガと同じ“光の巨人”、ウルトラマンダイナだったのだ!

 

「《あれは・・・!》」

 

メルバと戦っていたティガ<ルクス>も現れた“光の巨人”に驚き、メルバが地上に降りるのを見て、ティガもマルチタイプになって地上に降りダイナの隣に立つ、ダイナ<ハヤト>もティガを見て驚く。

 

「《俺の他にもウルトラマンに選ばれたヤツがいたのか?》」

 

「《君は、誰何だ・・・?》」

 

「《ウルトラマンダイナ、如月ハヤト・・・!》」

 

「《僕は、ウルトラマンティガ、ルクス・アーカディア・・・!》」

 

ティガとダイナ、ルクスとハヤトはお互いに無言で見つめあっていた。

 

「ピヤァアアアアアアアっ!」

 

「グワアアアアアアアアッッ!」

 

「「ッ!!」」

 

ティガとダイナのいる地点の前後にいた、メルバとファイヤーゴルザの雄叫びを聞いた二人は背中合わせになって構える。

 

「《話は後だ! 今はこの場を切り抜けようぜ!》」

 

「《分かった!》」

 

『超古代の勇者』と『熱き闘志の巨人』の共闘が始まった!

 

 

 

ーリーシャsideー

 

「ティガと同じ巨人が、もう一体だと・・・?!」

 

「お姫様。驚く気持ちは分かるけど、副団長達ももうすぐ来るわ、今は皆と合流しましょう・・・!」

 

ダイナの登場に唖然となるリーシャだが、クルルシファーの言葉で我に返ると、セリス達と合流すべく地上に向かった。

 

 

ーティガsideー

 

「ディヤッ!」

 

「シェアッ!」

 

ティガはスカイタイプに、ダイナは『ミラクルタイプ』にチェンジすると、ティガSは上空に飛び上がる。

 

「シュワッ!!」

 

ダイナMはファイヤーゴルザとメルバをエネルギー波で拘束すると、上空に持ち上げ。

 

「ヂィヤッ!!」

 

ガガガガガガガガガガガガガガガガガッ!!!

 

持ち上げられた二体をティガSが高速飛行で縦横無尽に飛び回りながら攻撃する!

 

「シュッ!」

 

「フッ!」

 

ダイナMは拘束を解くと二体は落下し、空かさずダイナSにチェンジし、落下するファイヤーゴルザを掴み。ティガSは力強さの赤の『パワータイプ』にチェンジし、同じようにメルバを掴むと、ティガPとダイナSは空中でジャイアントスイングをする!

 

「ダアアアアアアアアアッッ!!!」

 

「シュワアアアアアアアアッッ!!!」

 

「グワアアアアアアアアアアッッ!!!」

 

「ピヤァアアアアアアアアアッッ!!!」

 

ティガPとダイナSは力を込めてファイヤーゴルザとメルバを投げ飛ばす!

 

「ハァッ!」

 

「シャッ!」

 

「「ギャアアアアアアアアアアアアッッッ!!!!」」

 

投げ飛ばされた二体は空中で激突し、重なるように地面に落下した!

 

 

 

ーリーシャsideー

 

セレスティーナ達と合流したリーシャとクルルシファーは初めて共闘して、見事なコンビネーションを見せるティガ<ルクス>とダイナ<ハヤト>に唖然となった。

 

「な、なんてコンビネーション・・・!」

 

「合って直ぐなのに、まるで熟練コンビのような戦いぶりね・・・」

 

セリス達もティガとダイナの戦いぶりに目を奪われた。

 

 

ーティガsideー

 

「ハッ!」

 

「シュッ!」

 

ティガPとダイナSはそれぞれマルチタイプとフラッシュタイプにチェンジすると、必殺の構えをとるが。突如、ファイヤーゴルザとメルバが泡のようなモノに包まれ、空中に浮く。

 

「《何なんだ・・・?》」

 

「《気をつけろ、ティガ。黒幕が来る・・・!》」

 

魔法陣にまで浮いた二体の前に“白い騎士”が現れた。

 

「・・・・・・・・・」

 

「《あの“白い騎士”が、ゴルザとメルバをけしかけたのか?》」

 

「《あぁ、俺の処でもヤツは怪獣をけしかけたんだ。俺はヤツを追って此処に来たんだ・・・!》」

 

“白い騎士”は、警戒するティガとダイナを一瞥する。

 

「違う・・・」

 

「「《っ?!》」」

 

「この“世界”でも無い。お前達も“標的”だが、相手をするのは今ではない・・・」

 

「《貴方の目的は何なんですか? ゴルザとメルバを呼び出したのも貴方なんですか!?》」

 

「《レイキュバスも、お前が蘇らせたのか!?》」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

ティガ<ルクス>とダイナ<ハヤト>の問い掛けにも、無言を貫く。

 

「《僕達を“標的”と言いましたね?》」

 

「《何故俺達を狙う!?》」

 

「・・・何故か・・・それはお前達が、“選ばれし者”だからだッッ!!!!」

 

“白い騎士”は左手を上げると、そこから高出力のエネルギー光線をティガとダイナのいる地点に放った!

 

「っ!!」

 

「っ!?」

 

ドゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッッ!!!!!

 

地面に当たった光線は、地面を膨れ上がらせ大爆発を引き起こした!

 

『ルクスッ!!!(ルーちゃん・・・!)(兄さんっ!?)』

 

リーシャ達の悲鳴が上がるが、煙が晴れるとそこには。

 

「ハア、ハア、ハア、ハア・・・・・・」ピコンピコンピコンピコンピコン・・・

 

「フゥ、フゥ、フゥ、フゥ・・・・・・」ピコンピコンピコンピコンピコン・・・

 

咄嗟にバリアを張って光線を防いだティガとダイナであった。しかし、防ぐのに相当のエネルギーを消費したのか、カラータイマーが点滅を起こしていた。

 

「フン、さすがに防ぐか・・・」

 

“白い騎”はファイヤーゴルザとメルバを連れて魔法陣の中へ消えようとする。

 

「《待てッ!》」

 

「言った筈だぞダイナ。追いたければ来いとな、次の世界で、必ずヤツを見つける・・・! ヤツを、ーーーーーーーーーーーッ!!!」

 

 

魔法陣の中へ消えた“白い騎士”。だが、魔法陣はそのまま空中に漂っていた。

 

「アァッ・・・!」

 

「グゥッ・・・!」

 

ティガとダイナは限界なのか、膝を付くと光となって消えた。

 

 

 

ーリーシャsideー

 

「ルクス、しっかりしろ!」

 

「・・・リーシャ様・・・彼は、ダイナは・・・?」

 

リーシャに肩を借りながら立ち上がった少年、灰色の髪と灰色の瞳をした中性的な美少年ルクス・アーカディア。

 

「“ダイナ”? もう一人の巨人か? それなら心配するな、今セリスから連絡が入ってな。無事のようだ、現在シャリス達が救出に向かった・・・」

 

「お姫様、ルクス君、もう一人の方も来たわ」

 

クルルシファーの目線を追うと、シャリス達に連れられた黒髪に精悍な顔付きで黒いパイロットスーツを着た少年、“如月ハヤト”が来た。

 

「君が、如月ハヤト・・・ウルトラマンダイナなんだね・・・」

 

「じゃ、君がルクス・アーカディア、ウルトラマンティガなのか?」

 

「うん・・・」

 

「「・・・・・・・・・・・・・・・」」

 

無言で見つめ合うルクスとハヤト。

 

「お前ら、男同士で何を見つめ合っている!」

 

「「っ!」」

 

リーシャから突っ込まれ、我に返る二人が周りを見ると、ニヤニヤしている者や、呆れ目の者とおり苦笑いを浮かべた。

 

「と、とりあえず、如月ハヤトさん」

 

「ハヤトで良いぜ。見たところ同い年みたいだしさ、話し方も気軽に頼む」

 

「それじゃハヤト、あの“白い騎士”と、君の事を教えて欲しいんだ」

 

「俺の分かる範囲で言うし、かなり突拍子も無い話だと思うけど・・・」

 

「構わん、もう一人のウルトラマンが現れたのだ。多少の荒唐無稽の話を受け入れられる」

 

リーシャの言葉にルクスとクルルシファー達も頷く。

 

「・・・分かった。俺は、こことは別の世界からやって来たウルトラマンだ・・・!」

 

それからハヤトは自分の世界の事を淡々と話した。宇宙から襲来した“侵略者<サベージ>”と“スフィア”の事、ハヤトは“サベージ”と対抗するアーマー『百武装<ハンドレッド>』を使う“武芸者<スレイヤー>”である事、ウルトラマンダイナに変身して“スフィア”が集まって生まれる怪獣達や自然に生まれてきた怪獣達と戦ってきた事を。

 

『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』

 

ハヤトの話にルクスを含んだ全員が、頭を捻らせ、唖然となる。まさか異世界から来た人間だとは少し意表を突かれたからだ。

 

「それじゃ、次は僕達の世界について話すね・・・」

 

唖然となりながらも、ルクスも自分達の世界の事を話した。

 

自分達の国はアティスマータ新王国で、そこに所属する機竜使い<ドラグナイト>の訓練生であり、幻神獣<アビス>や遺跡<ルイン>に潜むラグナロクの事、そして超古代の怪獣達と超古代の巨人ウルトラマンティガとなった事、リーシャ達はティガと共に戦う“怪獣対策騎士団<ガッツ>”である事を説明した。

 

「・・・・・やっぱり、此処は俺の世界では無いようだな・・・」

 

「君はどうして“白い騎士<ヤツ>”を追ってきたんだ?」

 

「ヤツは言った。“お前も標的”だと・・・」

 

「成る程。貴方はいずれヤツは、貴方の世界や私達の世界にやって来ると思い、先手を打って追って来たのね?」

 

「あぁ、そしてヤツの標的が誰なのか分かった・・・」

 

「うん、ヤツは最後にこう言っていた“次の世界で、必ずヤツを見つける・・・!”っと。」

 

『“ヤツ”・・・・・?』

 

リーシャ達の言葉が重なると、ルクスとハヤトは上空に佇む魔法陣を睨む。

 

「ヤツの最初の“標的”は、あの魔法陣の向こうの世界に居ます・・・!」

 

「俺やルクスと同じように、ウルトラマンに選ばれし者・・・!」

 

ルクスとハヤトの言葉が重なる。

 

 

 

 

 

 

 

「「『ウルトラマンガイア』!!」」

 

 

 

ー魔装学園H×G<ハイブリッド・ガイア>の世界ー

 

此処は『アタラクシア』、現在はほぼ独立国のようになってしまったこの場所の海沿いの区画で一人の青年がいた。

 

「・・・・・・・・」

 

黒髪に整った顔立ちの青年。“飛騨傷無”は横たわりながら物思いに耽っていた。

 

異世界『バトランティス』との戦争、地球を含む異世界を支配していた『機械神』との激戦。そして『根源的破滅招来体』と怪獣達との死闘。

 

傷無は仲間達と、自分と一体となった“二体のウルトラマン”と共に戦い、『バトランティス』と和解し、『機械神』達を救い、『根源的破滅招来体』でも最強の存在、『根源的破滅天使 ゾグ』を倒して全ての世界を救った。

 

だが、『バトランティス』との繋がりであった『衝突面<エントランス>』が消えてしまい、『バトランティス』で出来た仲間達と合う事が出来なくなってしまった。

 

それだけではなく、現在地球は異世界との戦争が終わっても、復興が進んでいない他国の領土に押し入り、実効支配する国、勝手に国境を作り新しい国を宣言する国、他国の資源の横取り等、混乱に乗じて己の欲望と野望を満たすための人間も多くいる。そして異世界テクノロジーの宝庫とも言えるアタラクシアと魔導装甲<ハート・ハイブリッド・ギア>とそのパイロット達も狙われていた。

 

「(俺達が望んで得た平和って、中々来ないモノだなぁ・・・)」

 

現在傷無達は他国からの侵略行為(ICBMや核ミサイルや無人機の迎撃等)を防ぐ任務から帰還し、久しぶりにのんびりしていると。

 

「何してるのよ、傷無」

 

「愛音・・・」

 

傷無を見下ろすように見つけるのは、銀髪の長髪に赤い瞳、均整の取れたプロポーションに大きな胸をした驚く程の美少女、バトランティス帝国の第一皇女『アイネス・シンクラヴィア』であり、傷無の(一応)正妻である『千鳥ヶ淵 愛音』であった。

 

「どうしたのよ。こんな所でのんびり寝そべったりして、10代で早めのボケが来たの?」

 

「そんなんじゃねぇよ、ただ・・・っ!!」

 

軽口を叩き合う二人だが、傷無が跳ねるように飛び起きると、空を見上げた。

 

「傷無・・・?」

 

「何か来るっ!」

 

傷無が睨む先の空から、魔法陣が展開され、そこから巨大な眼球に手足が生え、角や足に目玉を付けた『奇獣 ガンQ』が現れた!

 

「キュワアアアアアアアアアアアアッ!!!」

 

「アイツ! 東京で戦った目玉怪獣じゃない!?」

 

「『根源的破滅招来体』とすら謂われたヤツが、現れたってことは・・・」

 

「まさか、『ゾグ』がまた現れるの!?」

 

機械神達とも遜色無い圧倒的な強さをもった『根源的破滅天使 ゾグ』。倒したら更に力を増し進化するヤツの存在は、愛音だけではなく多くのパイロット達に恐怖を与えた。

 

「愛音、ユリシアとハユル、シルヴィアやスカーレット達と合流して、避難誘導を頼む!」

 

「傷無は?」

 

傷無は右手首に装着された発光体が付いたブレスレット『アグレイター』に触れる。

 

「俺は、アイツの相手をする・・・!」

 

「分かったわ・・・傷無・・・」

 

「何だ愛ンっ!?」

 

突如愛音が自分の唇を傷無の唇に合わせた、少しして唇を離す。

 

「気を付けなさいよ・・・/////」

 

「あ、あぁ///////」

 

いくら恋人同士になっても気恥ずかしさがある二人は顔を赤らめながら離れ、それぞれの戦場に向かった。

 

「行くぜ、『アグル』・・・!」

 

傷無は右手の拳を握ると、アグレイターの側面の左右の翼が展開されると叫ぶ、己のもう一人の分身を!!

 

「アグルウウウウウウウウウウウゥゥゥゥッ!!!」

 

アグレイターを付けた腕を胸元に伸ばすと、展開された翼の上部からエネルギー波が発生し、エネルギー波が傷無を包むと、その姿を変えた!

 

かつてバトランティスに連れ去られ、脱出した際、一時的に力を失った『大地の巨人』に変わり、傷無と共に戦ってくれた『大海の巨人』!

 

「ジェヤッ!!」

 

銀の身体に黒と青(群青)のラインが入り、キリッとした目付きの巨人、『青い“海の光”の巨人 ウルトラマンアグル』だ!!

 

 

ー魔法陣・内部ー

 

「見つけた・・・ヤツが、“二人のウルトラマン”に選ばれし者・・・そして“機械神”を倒した者・・・“飛騨 傷無”アアアアアアアアァァァァァッッ!!!!」

 

“白い騎士”は憎悪と怒りと怨嗟の込めた声を上げた。

 

 

ーアグルsideー

 

「っ!?」

 

ガンQと対峙していたアグルの頭上にあった魔法陣から、かつて『根源的破滅招来体』によりバトランティスに送られ、バトランティスの生体兵器として地球<レムリア>で猛威を振るった『宇宙戦闘獣 コッヴ』に良く似ているが、細部がより刺々しく強化された。

 

『宇宙戦闘獣 超コッヴ』が現れた。

 

「《コッヴっ!? 嫌、少し姿形が違う・・・!》」

 

「キシャアアアアアアアアアアッ!!」

 

「キュワアアアアアアアアアッ!!」

 

超コッヴとガンQがアグルに迫る!

 

「《くっ! 一体でも二体でも関係無い! 相手になってやるぜっ!!》シュワッ!!」

 

アグルは二体に向かって走り出した!

 

 

 

ー『最弱無敗の古代巨人<ティガ>』の世界ー

 

ルクスとハヤトは空に浮かんだ魔法陣を睨んで、それぞれ『スパークレンス』と『リーフラッシャー』を持った。

 

「ルクス、行くのか?」

 

「はい、ハヤトの言う通りだとすればあの“白い騎士”はいずれ必ず僕達の世界にまたやって来ます。それに・・・」

 

「それに?」

 

「僕の他にもウルトラマンに選ばれた人がいるなら、力になりたいんです。同じウルトラマンとして・・・!」

 

「・・・・・ルクス、お前は私の騎士だ。だから、必ず戻って来いよ!」

 

「っ! はい、リーシャ様!」

 

「ルクス君、気を付けてね」

 

「ルクス、貴方が戻って来るまで、怪獣対策騎士団<ガッツ>の指揮は、私に任せてください・・・!」

 

「ルーちゃん、頑張って・・・」

 

「主様と共に行けないのは口惜しいですが・・・」

 

「全く、本当に兄さんはお節介なんですから・・・!」

 

「クルルシファーさん、セリス先輩、フィーちゃん、夜架、アイリ、必ず戻るよ」

 

頼りになる参謀と、先輩にしてガッツの副隊長である『セリスティナ・ラルグリス』と『フィルフィ・アイングラム』と『切姫夜架』、妹の『アイリ・アーカディア』と約束を交わす。

 

「先に行くぞ、ルクス」

 

ハヤトはリーフラッシャーを構える。

 

「ダイナアアアアアアアアアアアアアアアッ!」

 

突きだしたリーフラッシャーの折り畳まれたクリスタルが展開し、光が放たれ、ハヤトの身体を包み込むと、如月ハヤトはその姿を変えた。

 

「シャアッ!」

 

ウルトラマンダイナになったハヤトは魔法陣の近くまで飛んでいく。

 

「ルーちゃんもティガって叫ぶ?」

 

「イヤ、流石にソレは・・・・・」

 

「良いんじゃないか? 機竜を呼ぶ感覚でやれば」

 

「え~と、それじゃ・・・・・」

 

ルクスはスパークレンスを天に向かって突き出し叫ぶ。

 

「ティガアアアアアアアアアアッ!」

 

スパークレンスが展開され、光がルクスを包む。

 

「ディヤッ!」

 

ウルトラマンティガに変身したルクスも飛び上がり、ダイナと隣り合わせになる。

 

「「(コクン)」」

 

二人のウルトラマンは頷き合うと、魔法陣の中へ入っていった。

 

そして、ティガ<ルクス>とダイナ<ハヤト>は出逢う、ガイアとアグルに選ばれし者<傷無>と・・・・・。




chapterⅠ『襲来の脅威と集結する守護者』でした。

ウルトラマンゼロは暫く先になると思います。

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