その日の夜、春日野武志提督は自室の布団の上で生まれたままの姿で仰向けに寝そべり、同じように生まれたままの姿になっている長門と陸奥に話しかける。
「長門、陸奥、吹雪がこの鎮守府に来てもう1ヶ月になるな・・・・」
「えぇ、そうですが・・・ん♥」
普段の凛々しさが無くなり、艶っぽい雰囲気で豊満な胸を揺らす長門は武志提督の胸板を舌で舐める。
「吹雪に“アレ”をやらせて見ようかなって思うんだけど」
すると提督の下腹部の固くなったモノを豊満な胸で挟んで舌を這わせていた陸奥が声をあげる。
「提督ったら、ン♥ “アレ”を吹雪ちゃんに、あっ♥ やらせるの?」
「まあね、ここにいる艦娘達は皆経験してるんだし、そろそろ頃合いかなってさ♪」
「私は構いませんが・・・・」
「そうね、吹雪ちゃんがどんな風にできるか興味あるし♪」
二人の了承を得た武志提督は起き上がり、横たわる長門の上に陸奥を抱き合わせるように乗せる。
「「あっ、提督・・・♥」」
「んじゃ二人共、明日はヨロシクな♪」
「「あぁああんッ!♥♥♥」」
合わされた二人の秘所に武志提督の熱く硬いモノが入り長門と陸奥は嬌声を上げる。
ー翌日ー
「え、ええええええええええぇぇぇッ!!! わ、私が1日秘書艦っ!!!???」
朝早く提督室に呼び出された吹雪は長門と陸奥(二人共お肌がツヤツヤ状態)からの突然の辞令に仰天した。
「ウム、実は私と陸奥はこれから少々所用で手が離せなくなってな、サボり癖がある提督を働かせる為に臨時秘書艦を必要としている。そこでお前に任せてみようと思ったのだ」
「で、でも私に秘書艦だなんて・・・・」
「まあそんなに緊張しなくて良いわよ、ここの艦娘は全員経験していることだし♪」
「え、と言う事は睦月ちゃんや夕立ちゃんも?」
「無論だ、暁達とてやっている」
「でもどうして?」
「それはだな、知っての通りウチの提督は良く仕事をサボる」
「はい、それは知ってます」
着任してすぐ、仕事をサボって吹雪を連れて鏑矢諸島に飛んでいき(吹雪はリドリアスの巨体に目を回すがすぐにリドリアスに夢中になる)、間宮の甘味処で和風スイーツを食べていたり、飛龍と蒼龍の部屋から何か服を着崩して出てきたり、暁達と遊んでいたり、那珂ちゃんのライブに付き合ったりとかなりのサボりの常習犯である事を睦月達から聞いていた。
「この鎮守府にいる艦娘達は、私や陸奥が仕事で手が回らなくなったり、遠征で留守の際に提督を捕獲して仕事をやらせるための訓練として、秘書艦の仕事を経験させているのだ・・・!」
「ハア・・・・」
「そこでだ・・・!」
長門は封がされている書類が入る大きめの分厚い茶封筒を吹雪に差し出す。
「この封筒に入っている“重要書類”を提督にやらせるのがお前の任務だ」
「これをですか・・・?」
「そうだ、“今日中”にやらせるのだ」
「え、“今日中”ですか!?」
「そうだ、任せたぞ」
そう言って長門と陸奥は去っていった。
ー鎮守府・食堂ー
「あぁ、吹雪ちゃんにも遂にその任務が来ちゃったんだ・・・」
「夕立達もやらされて、大変な思いをしたっぽい・・・」
「やっぱり睦月ちゃん達もしたんだ、それでどうしたの?」
「提督にのらりくらりと逃げられて、その日は1日中提督と追いかけっこしたよ・・・」
「夕立も丸め込まれて提督や暁ちゃん達とビーチバレーで遊んだっぽい♪」
「追いかけっこにビーチバレー・・・」
睦月は苦笑いを浮かべ、夕立はビーチバレーが楽しかったのか嬉しそうに話した。
「吹雪ちゃんも気を付けてね、提督のペースに巻き込まれたらこっちの負けだから・・・」
「加賀さんと瑞鶴さんも提督のペースに乗せられてその任務に失敗したっぽいよ・・・」
「加賀さんと瑞鶴さんが・・・・!」
「赤城さんと翔鶴さんは成功したけど、かなり苦戦したって言ってたし・・・」
「吹雪ちゃんも頑張ってね」
友人二人はそのまま川内達と哨戒任務に赴き、吹雪は朝食を片付け、提督室へと向かった。
ー武志sideー
「♪~♪~♪、いや~間宮の甘味はなぜあんなに美味しいのかなぁ・・・♪」
ガチャ・・・・。
提督室の扉を開けた提督の目の前に吹雪がおり、目を細める。
「提督、お待ちしておりました! さあ! この封筒の書類を・・・」
バタン・・・ピュ~~!
無言で扉を閉めてトンズラした。
「提督ーーーーーーーーーーー!!」
ー鎮守府・工房ー
「あ、提督。今度の新武装の開発計画なんですけど・・・」
「明石、今は流石に新武装を作るには少し無茶があるぞ、資材だってタダじゃないんだからな・・・」
明石と工房で駄弁り始める提督。
「提督!」
その後ろから吹雪が現れた。
「おお~吹雪、どうした?」
「“どうした?”、じゃないですよ! 直ぐにこの書類に・・・!」
「分かった分かった。それじゃあさ吹雪、“小さく前へならえ”してくれる?」
「何でですか?」
「それを見ればやる気が出るんだよね~」
「本当ですか?」
「本当本当♪」
渋々と“小さく前へならえ”をする吹雪。
「じゃ今度は少し頭を下げて」
「はい・・・」
会釈するように頭を下げる吹雪の隣に提督が立ち。
「『募金、お願いしまーーーーーーーーーす!!』」
吹雪の今のポーズはまさに、“募金を求める人”のポーズであった。
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・プププ・・・!」
「ウフフ・・・♪」
愕然となる吹雪と笑いを堪える明石をおいてけぼりにして提督は姿を消した。
ー愛宕&高雄の部屋前ー
「さてと、次はドコヘ・・・・・」
「提督ーーーーーーーーーーー!!」
遠くで吹雪の叫び声が聞こえた。
「おっと、吹雪のヤツもう来たか・・・!」
逃げようと行動を起こそうとする提督の後ろにあった扉が開き、そこから伸びた2つの手に服を捕まれ提督は部屋の中に連れ込まれる。
「うわっ・・・・・!」
提督が部屋の中に消えると、入れ替わるように、黒髪のボブカットヘアに青緑の軍服にタイトスカートから伸びるムチッとした肉付きの良い足をガーターベルトで包んだ豊満で抜群のプロポーションをした美女、高雄型重巡洋艦一番艦 高雄。
「あ、高雄さん。提督を見かけませんでしたか?」
「提督? ごめんなさい、見てませんわ・・・」
「すみません、提督ってば一体何処に・・・・!」
高雄に会釈すると直ぐに別の場所に探しに行く吹雪を見送ると、高雄は部屋に戻る。
「提督、吹雪ちゃんは行って・・・って愛宕! 抜け駆けはダメって言ったでしょ!!」
高雄の目の前に提督の服が殆ど脱がされ露になった胸元に舌を這わせている、金色の長髪に高雄に負けず劣らずの豊満で抜群なプロポーションに前が大きく開いた長スカートからでるムチッとした肉付きの良い足を黒タイツで包んで、ほんわかとした雰囲気の美女、高雄型重巡洋艦二番艦 愛宕を引き剥がす。
「あん♪ だって高雄。最近怪獣任務や深海との出撃が多くて中々提督との夜の時間が取れなかったじゃない・・・!」
プウッと頬を膨らませる愛宕に提督は頭を掻く。
「ああぁ、確かにそうだったな、悪いな愛宕、寂しい思いさせちゃってさ・・・」
提督は起き上がり片腕で愛宕の腰回りに腕を回して抱き締める。
「提督・・・♥」
「て、提督! 私だって寂しかったんですよ!」
「分かってるって、高雄もほら・・・」
もう片方の腕を広げて、高雄を呼ぶ。
「提督・・・♥」
両手に愛宕と高雄を抱き締めて、二人をベッドに転がせると、二人の軍服を丁寧に脱がせ、愛宕はピンクのフリルの着いた下着姿、高雄は黒いレースの下着姿となった。
ー提督室前ー
昼御飯近くになり。提督を探し回っていた吹雪は提督室に戻ってきた。
「提督~! どこですか~!」
提督室に入ると、提督(お肌がテカテカ状態)が執務机に座っていた。
「提督!(パアッ)」
「おお~吹雪、良いところにソコの用紙を持ってきてくれ・・・」
「はいっ! 提督もやっとやる気に・・・」
「当たり前だろ・・・」
軍服の下に愛宕と高雄に付けられた大量のキスマークを隠すように服を整えた提督は、吹雪から用紙を貰うとハサミを持ってチョキチョキと切る。
「あれ?・・・・・」
「実は(愛宕と高雄の部屋から出て直ぐ)、暁達に凧上げを教えて欲しいって言われてな♪」
黒の色紙で『武』と作られた凧を持ち上げる。
「うわあああああああああああああっっ!!」
吹雪の悲鳴が鎮守府に響いたーーーーーーーーーーー
ー鎮守府・グラウンドー
「オイ吹雪、返してくれよ俺の凧!」
「書類を書いてくれるまで返しません!」
追いかけっこを始める吹雪と提督。
「絶対! 絶対に渡しませーーん!!」
吹雪は鎮守府の外にまで逃げ出した。
「死んでも渡しませーーーーーーーーーーーーん!!・・・・・・・・・・」
しかし、吹雪のうしろに提督の姿はなく、吹雪はそのまま駆けていった。
ー提督sideー
「提督! 提督! あがったのです!」
「おお、上手いぞ電・・・!」
「暁の方がもっと高くあげられるわ!」
「暁には負けないわよ!」
「まだまだあがりそうだね・・・」
黄色の色紙で『電』、青い色紙で『暁』、赤の色紙で『雷』、緑色の色紙で『響』と張られた凧が鎮守府の空を舞っていた。それはもう通り過ぎる艦娘達は皆ほのぼのとした顔になるほどに微笑ましい光景だった。
「提督ーーーーーーーーーーー!!」
すると、吹雪が提督の凧を持ってようやく戻ってきた。
「おお~吹雪、やっと戻ってきたか、昼飯はまだあるから食べておいで、ね♪」
「~~~~~~~~~!」
暢気に笑う提督に吹雪はさめざめと涙を流した。
ー鎮守府・提督室ー
「さ~て、暁達ともたっぷり遊んだし、今度は金剛達とお茶でもしようかな~~?」
「そう言う事は! 書類を終わらせてから「ウー!ウー!ウー!ウー!」この音って・・・」
顔を青くする吹雪を余所に、提督はシリアスな顔になり、端末で大淀に連絡を取る。
「大淀、何が起きた?」
《哨戒に出ていた川内達から通信です、不法投棄されていたゴミの山に“光のウイルス”が入り込み、未確認の怪獣が現れ、暴れているそうです!》
「分かった、川内達には怪獣の牽制をするように伝えてくれ・・・!」
《了解・・・!》
「吹雪、出撃だ!」
「了解しました! あ、でも書類が・・・」
「言ってる場合か! 睦月達が戦ってるんだぞ!」
「は、はい! 吹雪、出撃します!」
封筒を提督室の机に置き、急いで出撃する吹雪を見送った提督は封筒を一瞥するとーーーーーーーーーーー。
ー鎮守府・外ー
指揮を長門に任せ、鎮守府の外に出た武志提督は『コスモプラック』を天に突き出し叫ぶ!
「コスモオオオオオオオオオオオオオスっ!!」
『コスモプラック』の上部が花の花弁が花開くように展開され、中のクリスタルが光輝くと武志提督の身体を包み、その姿を変えた!
ー川内のいる地点ー
そして、川内、神通、那珂、睦月、夕立。吹雪を除いた第三水雷船体の五人は、後頭部にドクロの模様がある昆虫のような怪獣『カオスバグ』と遭遇し、応戦するが『カオスバグ』の左腕から放たれる光を浴びて、空腹で倒れた。『カオスバグ』の蛍のような尻尾が緑色に光る。
「シュオワッ!」
『コスモスっ!!』
睦月達の体力を奪っているカオスバグの光を防ぎ、睦月達は遅れてやった来た吹雪達に救出される。
カオスバグは触覚から怪光線を放つも、コスモスはバク転やらを駆使し怪光線をかわし、興奮抑制光線『フルムーンレクト』を放つ。しかし、命の無いゴミから生まれたカオスバグには効かず、カオスバグはエネルギーを救出し、目から光線をコスモスに向けて放つ!
「デヤッ!」
コスモスは手から障壁を張り防ぐが、押し出され倒れてしまう。
「キシャアアアアアアアアアっ!!」
倒れたコスモスにカオスバグは奇声を発して迫る。
「フワッ・・・・!」
コスモスはカオスバグを“倒す”決意を持つ、立ち上がり、右手を天高く伸ばすとコスモスの回りに炎が舞いコスモスの身体を包むと赤く光輝き、頭部も伸びてその姿を変えた!
数々の攻撃技を駆使して戦う姿、『コスモス・コロナモード(コスモスC)』。
迫り来るカオスバグの攻撃を払い、正拳を叩きつける!
「トアッ! ダァッ!」
「キシャアアアアアアアアアっ!!」
奇声を上げて迫るカオスバグの攻撃をかわし、コスモスCは回し蹴りを胸元に叩きつける!
「フワッ! タアッ!」
ピコン、ピコン、ピコン・・・
カラータイマーが点滅を初めた。コスモスCはカオスバグを投げ飛ばす!
「キシャアアアアアアアアアっ!!」
「フウゥ~~~!!」
カオスバグは目を青くし、怪光線を放とうとするが、コスモスCは両腕を広げて円を描くように回し力を込めて放つ『ネイバスター光線』を放つ!
「デヤアアアアアアアアアアアアアアアっ!!」
カオスバグが放った怪光線とぶつかるが突き破り、カオスバグの頭部を貫き、カオスバグを粉砕した!
「(グッ!)」
「やったーーーーーーーーーーー!!」
「コスモスーーーーーーーーーーー!!」
吹雪は良しと言わんばかりに拳を握り、睦月と夕立はコスモスCの勝利を喜び、川内達もお互いを見て頷きながら、コスモスCに向かってサムズアップする。
「シュウワッ!!」
そして、コスモスCは天高く飛んで行った。
ー鎮守府ー
「皆お疲れ様♪」
「提督! 書類仕事を!」
「今間宮が特性餡蜜を作ってくれたから食べてきな」
『は~~い!』
「え、ちょっと、提督~~~~!」
皆の波に飲まれた吹雪は餡蜜を御相伴になった。
ー鎮守府・廊下ー
夕方になり提督は肩を鳴らしながら廊下を歩いていた。
「さ~て、今日も1日ご苦労様っと・・・」
「そう言う台詞は、書類を終わらせてからにしてください!」
「それはそうと餡蜜って美味しいよな吹雪?」
「提督! 今日私は秘書艦として長門さんに託された書類を終わらせないと・・・「毎日でも食べたいけど、でも爪がな・・・」爪・・・・?」
両手と爪を見る提督に吹雪は首を傾げる。
「餡蜜ってあんまり食べ過ぎると、爪が臭くなるって言うからなぁ・・・」
「えっ・・・?」
「『うふっ♥』」
両手の爪の匂いを嗅ごうとする吹雪に『うふっ♥』と書かれたプラカードを取りだした提督。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「吹雪、お前って良い娘だな♪」
愕然とする吹雪を置いていって、提督はささっと去っていった。
ー鎮守府・食堂ー
「(ず~~~~~ん)」
提督にすっかり手玉に取られた吹雪は落ち込んでいた。
「吹雪ちゃん、元気だして・・・・」
「瑞鶴さんなんて『募金お願いします!』でプッツンしちゃってフル装備で提督追い回したっぽいし、加賀さんも『うふっ♥』のポーズ取らされちゃって、それを青葉さんに撮影されちゃってプッツンしちゃったっぽいから・・・」
「でも加賀さんの『うふっ♥』のポーズはかなりレアだったから青葉さん、凄いはしゃいでたね・・・」
落ち込む吹雪を元気付けようと睦月と夕立がフォローするが、吹雪は顔を上げなかった。すると、食堂に長門と陸奥がやって来て、吹雪に近づく、吹雪は二人の姿を見ると慌てて立ち上がる。
「吹雪・・・」
「長門さん、陸奥さん!? ごめんなさい!私・・・」
「良くやったな・・・」
「えっ・・・?」
長門の言葉に首を傾げると陸奥が書類の入った封筒を差し出し、吹雪が中身を見ると。
「『今日はお疲れ様、実は吹雪が出撃して直ぐに終わらせちゃいました♪』」
と書かれた紙があった。
「出来ているなら、ヒック・・・出来ているって、何で・・・ヒック・・・!」
既に終わらせていた提督に吹雪は涙ぐむ。
「ああぁ~~何だ吹雪・・・ご苦労・・・」
「頑張ったわね、吹雪ちゃん・・・」
「ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンッ!!」
大滝の涙を流す吹雪を睦月と夕立が慰め、長門と陸奥を不憫そうに見つめていた。
ー鎮守府・屋上ー
ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンッ!!
「フッ吹雪、まだまだ甘いな・・・」
吹雪の泣き声を聴きながらニヒルに笑いながら満天の星空を眺めてましたとさ。
ちゃんちゃん♪
次回でネクサスです。一話完結で行きたいですね、クロスするのは。ヒント『宇宙人』。