『湯けむり町』ーーーー温泉街として賑わうこの町にやって来て住む事になった。黒髪を後ろに結わえ、鋭い目付きにどこぞの某奇妙な冒険の三代目と四代目主人公のように常時学ランを着た霊媒体質の高校生『冬空コガラシ』。
彼は『幽霊にとり憑かれやすい体質』故に、多くの霊に憑かれマトモな青春を送れず、更に借金まで背負うことになり、バイトをしながら生活する苦学生なのである。しかし、あらゆる霊に取り憑かれた事で“料理”から“スポーツ”や“漫画製作”とあらゆる事が出来る“万能超人”になったのだ!
「フゥ~。今日はバイトが少し長引いちまった、“幽奈”のヤツ心配してないだろうな・・・?」
現在コガラシが下宿している『曰く付きの元温泉宿 ゆらぎ荘』。其処には浮遊霊でコガラシと同室の女子高生地縛霊の『湯ノ花幽奈』、妖怪を成敗する忍者『誅魔忍』の『雨野狭霧』と、この間ゆらぎ荘に越してきた狭霧の従妹『雨野雲雀』、猫神に愛された猫系女子『伏黒夜々』、酒呑童子の末裔の飲んだくれ爆乳美女『荒覇吐呑子』、化け狸のおっぱいマニア幼女『信楽こゆず』、龍神の家『龍雅家』に仕える神刀『神刀朧』、ゆらぎ荘最古参の座敷童子『中居ちとせ』、そしてゆらぎ荘の住人では無いがコガラシのクラスメートの『宮崎千紗希』、普通じゃない住人達とドタバタな日々を過ごしていた。
バイトが長引き、夜の街道を歩いていたコガラシが夜空を見上げると、“一筋の流れ星”が山に降りて行くのが見えた。
「あの“流星”、まさか・・・・・!」
コガラシは勢い(本気になるとアスファルトを砕くので手加減をして)を付けて走り、山へ向かう。山に付いたコガラシの目の前に“光”が佇んでいた。
コガラシはフッと笑うとその“光”に触れたーーーーーーーーーー。
すると、コガラシは“光の空間”に立っており、見上げると深紅の身体にプロテクターを付けた逞しい身体の“巨人”がいた。
「ウルトラマン・・・!」
『久しぶりだな冬空コガラシ、君が“月の裏側”に現れた“悪霊”を退治した時以来か・・・』
“光の巨人『ウルトラマン』”。彼等は宇宙の秩序と正義と平和を守るために宇宙を駆け巡りながら“悪辣な宇宙人”や“凶暴な怪獣”と銀河を舞台に戦っているのだ。
そしてコガラシとの関係は、かつてこの地球に“最悪の悪霊”が現れ、コガラシとその“師匠”、そして多くの霊媒師達が力を合わせてその“悪霊”を倒した。
そして、実はその“悪霊”の力を狙って多くの凶悪な宇宙人達が地球に迫っていたが、『ウルトラマン』達は宇宙人の襲来から地球を守るために戦い、その経緯でコガラシと知り合ったのだ。
「一体どうしたんだよ? お前さんは確か地球では長時間活動が出来ない筈だろう・・・?」
『コガラシ、実はこの地球を“宇宙人”達が狙っている・・・!』
「何・・・!?」
『かつて地球に現れた“悪霊”の存在により、多くの凶悪宇宙人がこの地球に興味を持ってしまい、この地球で暗躍をしているようだ・・・!』
「成る程な・・・それで俺にどうして欲しいんだ?」
『知っての通り、私はこの地球では長時間活動する事が出来ない。コガラシ、私に力を貸して欲しい・・・!』
「俺の知り合いにその手の事に長けた奴等がいるから、ソイツらに協力を求める気は?」
『残念ながら、我々『ウルトラマン』の存在を知っているのは、君と君の“師”と一部の霊媒師だけだ、異星人の存在を知るには地球人全てが、その段階に来ていない。我々の存在は無用な混乱を招く恐れがある。私は、私が本当に心から“信頼”できる君に、力を貸して欲しいのだ・・・!』
「・・・・・・分かったよ、一緒にやろうぜ、『マックス』!」
コガラシが答えると『マックス』と呼ばれた『ウルトラマン』は手を翳すとコガラシに向かって“光”を放つ。コガラシはその“光”を受けとると周りの景色が光に溢れ・・・・・。
「ん? 夢・・・って事はないよな・・・」
目を覚ましたコガラシの手には鳥のようなエンブレムが刻まれたスティック、『マックススパーク』が握られていた。
「コガラシさ~~ん!」
「ん? 幽奈・・・?」
コガラシが山を降りて町道に戻ると声が聞こえたので見上げると『湯ノ花幽奈』が飛んできた。
「良かったぁ、帰りが遅いので心配したですぅ・・・」
「悪い、悪い、さぁ帰るとするか、『ゆらぎ荘』にな!」
「はいっ!」
それからしばらく経ちーーーーーーーーーー。
ーとあるスタジアムー
そこに、昆虫のような頭部に鋏のような形状の短剣が付いた両腕をした『高速宇宙人 スラン星人』がいた。
「ククク、地球は美しい星だ。この星ならば我々スラン星人の第二の故郷にするか・・・!」
ドゴンっ!!!
「っ!?」
「勝手に他人様の星にやって来て侵略なんて、させる訳ねぇだろ・・・!」
スタジアムの壁をぶち破り、コガラシがやってきた。
「この星の人間は、大地を、空を汚し続ける。星の悲鳴が聞こえないのか? ウルトラマンに選ばれし者よ・・・! 我々ならばその悲鳴を止める事が出来る!」
「確かに人間は星を汚している。だがな、だからって侵略して良い理由にはならねぇよ、人間だってその過ちに気付く事が出来る筈だ!」
「だが、そのまま危機を乗り越えない限り、その文明は存続する事が出来ない。それは宇宙の歴史が証明している。人間にそんな力があるのか?」
「人間にはな、過ちを正そうとする力がある。間違いを犯したら、その間違いから少しずつ成長していく!」
「この星の未来の為に、我々スラン星人がこの星を支配した方が良い! 我々スラン星人の力を想い知るが良い!」
スラン星人はスタジアムに擬態させた宇宙船を起動させて上昇させるが。
「させねぇよ!!」
コガラシが宇宙船を拳で破壊した! 落下し、爆発する宇宙船からスラン星人が巨大化して現れる。脱出したコガラシはスラン星人を睨むと『マックススパーク』を取りだすと先端が煌めき、左腕に装着されるとコガラシの身体を光が包み込むと、コガラシの胸元に青いクリスタルが現れそこからプロテクターが展開され、コガラシの身体が『ウルトラマンマックス』へと変身した!
「シュワッ!」
「グウゥッ!!」
マックスとスラン星人がにらみ合う。そしてその光景はテレビに報道され、ゆらぎ荘のテレビにも報道される。
「マックスだーーーーーーーーーー!!」
「うぅ、頑張れーー・・・!」
こゆずと夜々は目を輝かせながらここ最近現れた『超人 ウルトラマンマックス』を応援し、幽奈達もそれを見ていた。
「出たな、ウルトラマン・・・」
「一体何者なのかな?」
誅魔忍の情報網にかからない謎の存在に狭霧と雲雀は目を細め、呑子とちとせと朧は静かにマックスを眺め、千紗希と幽奈は。
「幽奈さんはどう思う?」
「え~と、多分好い人?だと思いますよ・・・」
幽奈達は知らない、この『ウルトラマンマックス』の正体が冬空コガラシである事をーーーーーーーーーー。
「シュワッッッ!」
『最強・最速のウルトラマン』、ウルトラマンマックスに選ばれた冬空コガラシは、これから多くの『残虐宇宙人』や『狂暴な怪獣』と戦い続ける事になる。
ー『ゆらぎ荘のマックス』ー
諦めないで伝えよう! 涙さえも強さに変えて! 限界を越えて生きる証を刻もう!精一杯未来をいま目指そう!
「冬空コガラシ、肉体派霊能力者にして、ウルトラマンマックスだッッッッ!!!!」
コガラシにウルトラマンは必要無くね?と思いましたが、『最強・最速』と言われているのに、敵側が強すぎるヤツ等ばかりでイマイチ名前負けしているマックスと、作中最強クラスなのに色仕掛けや幻術や特殊能力にからっきし弱いコガラシは合うと思いました(笑)。
次回はメビウスです! 自分にウルトラマンへの情熱を取り戻させてくれた作品なので、メビウスは『原作メビウス』と『あるアニメ』をクロスさせようと思います!
そのアニメとは、ヒント『喫茶店』。