光に選ばれし勇者達   作:BREAKERZ

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デート・ア・ライブとウルトラマンXです。

注意:『大空大地』と『山瀬アスナ』は出ません。二人以外の『Xio』メンバーは出ます。


デート・X・アライブⅠ

~15年前~

 

無限に広がる宇宙にある太陽系に、『赤い光』と『黒い光』がぶつかり合いながら地球を迂回して、太陽の方へと向かった。

 

『ーーーーー!!』

 

『黒い光』は不気味な笑いのような声を出し、『赤い光』とぶつかり合いを繰り広げ、太陽の表面にたどり着いた。

『赤い光』が『黒い光』に浸かって突っ込むと、『黒い光』は燃え盛る太陽に呑まれ、大きな爆弾を巻き起こし、『赤い光』も呑み込まれてしまった。

 

 

ー地球sideー

 

そして太陽に起こった異変は、地球にも影響を及ぼした。地球に太陽から放たれたスーパーフレアにより黒いオーロラが現れ、そこから“脅威”が現れた。

 

『ギュワアアアアアアアアアアアッ!!!』

 

『グワアアアアアアアアアアアアッ!!!』

 

『キシャアアアアアアアアアアアッ!!!』

 

『ガアアアアアアアアアアアアアッ!!!』

 

『ファアアアッ!!! ファアアアッ!!!』

 

その太陽のスーパーフレアの光によって、世界各地に眠っていた謎のオーパーツ『スパークドールズ』の怪獣が実体化し、暴れだしたのだ。

次々に出現する怪獣や異星人に対抗する為、世界各国に組織された特殊防衛部隊として、『Xeno invasion outcutters(未知なる外敵からの防衛戦闘部隊)』、通称『Xio<ジオ>』が設立された。

 

 

 

~現在 天宮市~

 

俺には子供の頃から夢があった。巨大な生物、怪獣と人間が共存できる世界を作りたいと。何でそんな夢を持つようになったから解らない。でも、俺は何故か時々放送される怪獣のニュースを見ていると、怪獣達が人間の都合で住み家を追い出されているように見えた。

 

「(アイツらだって、静かに暮らしてきたいだけなんだよな・・・・)」

 

15年前、突如起こった太陽光線、別名『ウルトラフレア』がこの地球に『怪獣』と呼ばれる巨大生物を出現させた。しかし、この地球には、もう一つの人類を悩ます災害がある。

30年前から起こる広域震動現象『空間震』。発生原因不明、発生時期不定期、被害規模不確定の爆発、震動、消失、その他諸々の現象の総称である。怪獣達と同じように街や人類に牙を剥く現象。多くの国の一帯がくりぬかれたかのように消失した。

『怪獣災害』と『空間震災害』、この二つが現在世界各国の人々を悩ます災害なのだ。

 

「(空間震に怪獣、本当に世の中どうなっているだか・・・・)」

 

春休みの昼時、TVの怪獣に対する特別番組を眺めながら、中性的な顔立ちをした優しそうな少年『五河士道』はそんな気持ちになっていた。

 

Prrrrr、Prrrrr、Prrrrr、Prrrrr・・・・・。

 

「おっと、もうすぐバイトの時間だな・・・・・」

 

四月には高校二年生となる士道は、去年から始めている“バイト”の時間を報せる携帯のアラームを切ると、着替えてウェストポーチを持って家を出て行った。

天宮市郊外にある五河家から徒歩30分の距離にある同じように郊外にあるXの形をした大きな施設、『Xio』の基地に着いた士道は早速着替えて、仕事に励んだ。

 

「五河君、お疲れ様」

 

「こんにちは料理長」

 

『Xio』の食堂でバイトをしていた士道は、その料理スキルを見込まれて、時々『Xio』にいる“ある人物”のいる場所に料理を作る為に働いていた。そして料理を作り終えたのでトレーワゴン、料理が入った鍋やご飯が入ったおひつを乗せて、“ある人物”がいる『Xioのラボ』に向かった。

 

「こんにちは、グルマン博士」

 

「おぉ、士道か! 待っていたぞ、良く来たな!!」

 

士道が挨拶をすると機嫌良く返事したのは、オレンジ色の体色にカタツムリのように突き出た目をして、大きな口をし、2mの身体に両肩にはカタツムリの殻のようなの付けた宇宙人『健啖宇宙人ファンドン星人のグルマン』である。『Xioラボのラボチーム特別顧問』をしている異星人だ。『ファンドン星人』は物凄い大食いの宇宙人で、ファンドン星人の平均的食事は1日5回の上に大の大人数人前は軽く平らげる程。以前士道の手料理を食べたおり。

 

【ウマーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーイィッッ!!!!】

 

と口や目から光を放つ程に感動し、以来士道の事をいたく気に入り、そのまま士道は、『Xio』で『グルマン博士専属料理人』として雇われる事となった。学生である士道を『Xio』に入隊させる訳にはいかないと考えた『Xio隊長』だが、グルマン博士はオーバーテクノロジーを提供してくれたり、怪獣災害に対する防衛対策にも協力してくれている。

そのお陰で『Xio』は色々と不穏なウワサが絶えない『DEMインダストリー』や、その配下組織とも言える『AST』に遅れを取る事なく、活動ができている。

そのグルマン博士からのたっての頼み故に、士道にはこちらから要請があったらグルマン博士の元に来てほしいとXioの隊長に頼まれ、士道本人もグルマン博士に聞きたい事があったので了承した。

 

「博士、今日はなんの話を聞かせてくれるんだ?」

 

「モグモグ・・・・ウム、実はな。士道に“あるもの”を見せてやろうと思ったのだ。おかわり」

 

「はいはい。んで“あるもの”ってなんだよ?」

 

ラボの一角に三畳もある畳に丸ちゃぶ台が置かれた昭和の雰囲気あるグルマン博士の個人スペースである。『士道特性のカツ丼(大盛りラーメン丼の超特)』を食べながら5杯目のおかわりをするグルマン博士に士道はイヤな顔一つせずカツ丼を盛り付けた。自分の作った料理を異星人のグルマン博士が美味しく食べてくれる事が純粋に嬉しいからだ。

他のラボのスタッフは仕事をしながらそんな二人をにこやかに見ていた。グルマン博士は士道が飯を盛っている間に、長方体のマルチデバイスをちゃぶ台に置いた。

 

「博士、これ何なんだよ?」

 

「これは『Xio』の隊員共通通信機、『ジオデバイザー』だ」

 

「ネーミングが安直じゃないか・・・・?」

 

「まぁそこはあまり気にするな。これを君にやろう」

 

「えっ!? そんな悪いだろう! これって思いっきり極秘なモノじゃねぇか!?」

 

「何、いつもウマイ食事を作ってもらっているお礼だ。それにこれには怪獣が現れた事を検知してくれるし、『空間震』の発動も教えてくれる」

 

「えっ!? 怪獣が現れた事や『空間震』が起こる事も分かるのかよッ!?」

 

『空間震』の発動は不定期、それが分かる技術に士道は驚いた。

 

「ウム、以前話したが怪獣は『スパークドールズ』から出現する。その時『スパークドールズ』から発生する特殊なエネルギー波が放出される、このジオデバイザーはそのエネルギー波を検知してそれを教えてくれる。

『空間震』も同じだ。過去の『空間震』の発生データから解析してみると、『空間震』の発動の際に微弱な『空間湾曲』が発生するのだ。これはそれも検知してくれる」

 

「こんなに小さなデバイザーで、流石はグルマン博士、天才だわ・・・・」

 

「まぁそう誉めるな。そして士道、何故『Xio』がこの天宮市に基地を構えているかも、以前話したな?」

 

「・・・・“誰かが天宮市に大量の『スパークドールズ』を持ち込んだから”、だったんだよな?」

 

「ウム、怪獣達が封印された謎のオーパーツ『スパークドールズ』。これらは使い方によっては自然現象のように不確定に起きる『空間震』と違って、『人間の手で行える災害』だからな。『Xio』や国連としても対策を練っているのだよ」

 

「人間の手で行える・・・・でも、『スパークドールズ』から怪獣達を呼び出して操る事が可能なのかよ?」

 

士道は怪獣達を使って操り悪事を働く人間がいることが信じられないように聞く。

 

「・・・・・士道よ、自分の星の人間達を信じたい士道の気持ちは分からなくもないが、残念ながらこの星には私を含めて多くの異星人達が地球にひっそりと暮らしている。中には宇宙の警察機構から逃げ出して来た凶悪な犯罪者なんかがな。そんなヤツらが欲の皮が突っ張った邪な人間と手を組んで、『スパークドールズ』から怪獣を呼び出して操り悪事を起こす可能性があるだろう」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

グルマン博士の言葉に士道はまだ納得できない顔を浮かべていた。

 

「士道、とりあえずこのジオデバイザーは持っておけ。なるべく危険には関わらないようにするんだぞ」

 

「博士・・・・」

 

「こんなにウマイ食事を作ってくれる“友人”を、私は失いたくないからな」

 

士道を見つめるグルマン博士の突き出た瞳には、“友人の身を案じる優しさ”があった。

 

「ありがとう博士。貰っておくよ」

 

士道も“異星の友人”の言葉を聞き入れて、ジオデバイザーを持ってきていたウェストポーチに入れた。

 

「さてと、ふあぁ~~。士道済まないが少しの間寝かせてくれ・・・・」

 

ファンドン星人は一度食事を終えると食後の昼寝をする習性を持っており、グルマン博士は布団を敷いてそのまま爆睡した。

 

「ZZZzzzZZZzzzZZZzzzZZZzzzZZZzzz・・・・」

 

「食後に爆睡って、ファンドン星人の身体って良く肥満体にならないな・・・・」

 

「まあまあ士道君。これも博士の生活ライフの一つなんだからさ」

 

「そうそう♪」

 

「マモルさん、ルイさん」

 

呑気に鼻ちょうちんを出して爆睡するグルマン博士に呆れる士道に、話しかけたのは、白衣を着た小太りの男性『三日月 マモル』、黄色いカチューシャを付けた眼鏡の女性『高田 ルイ』。二人はグルマン博士の助手兼『Xio』のメカニックである。グルマン博士の食事係のような士道とは歳も近いのもあり仲良くしている。

 

「そう言えば、この間“ゴモラ”の『サイバー怪獣実験』があったって、“ワタルさん”から聞いたんですけど、どうでした?」

 

「うん、“ハヤトさん”にオペレーターをやってもらったけど・・・・」

 

「ダメだったんだよね・・・・」

 

「そうか・・・・」

 

『サイバー怪獣』。それは『スパークドールズ』を『Xio』のラボチームが解析し、エレクトロ粒子で怪獣の姿に再現した、新たな戦力である。解析した怪獣のデータを『サイバーカード』とし、ジオデバイザーに装填して出現させるのだが。

 

「粒子定着率60%までは行ったんだけどね・・・・」

 

「その前は定着率50%も行かなかったって聞きましたよ。少しずつだけど進歩しているって事でしょう?」

 

「うん、そうなんだけどね」

 

「じゃ今度はさ、もっと可愛い子で試して見ようと思うんだ! 例えば、この子!」

 

ルイがタブレットに表示したのは、『宇宙怪獣エレキング』のサイバー怪獣だった。

 

「『宇宙怪獣エレキング』って、可愛いんですか・・・・?」

 

「まぁ女の子の“可愛い”は十人十色って言うからね・・・・」

 

あまり可愛いとは言えないエレキングのフォルムを可愛いと言うルイに、士道とマモルは半眼になる。

 

「今は“ゴモラ”で起動実験しておこうって話だけどね」

 

マモルは『古代怪獣ゴモラ』の『スパークドールズ』を持ってきて、士道に渡した。

 

「ゴモラ、俺もサイバー怪獣になったお前に会ってみたいよ」

 

士道はゴモラの『スパークドールズ』を優しく撫でた。

 

「そうだ士道君、“あれ”を聞かせてあげるね♪」

 

「“あれ”??」

 

首を傾げる士道にルイがパソコンとヘッドフォンを持って来て士道にヘッドフォンを被せた。

 

「良く聴いてみて」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

♪~♪~♪~♪~♪~♪~♪・・・・。

 

ヘッドフォンから不思議と心地良いメロディーが流れる。

 

「ルイさん、これって・・・・」

 

「グルマン博士が言うには“星の声”って言うんだって!」

 

「“星の声”?」

 

「そ! 地球には宇宙から大量の電子が降り注いでいるんだ」

 

「それを音に変換して解析すれば、宇宙誕生の謎を解き明かす事もできるって、博士は言ってるんだけどね」

 

「へぇ~~・・・・」

 

カタカタカタカタ・・・・。

 

「ん? ゴモラ??」

 

士道はちゃぶ台に乗せたゴモラの『スパークドールズ』が振るえているのを見て訝しそうに見てヘッドフォンを首にかけた。

 

「士道君、ジオデバイザーにゴモラを付けてみて」

 

「ジオデバイザーの“ガオディクション”は、怪獣達が抱いている心理状態を教えてくれるんだ」

 

「あ、はい」

 

士道はゴモラの左足の裏をジオデバイザーに付けた。

 

《ガオディクション、起動します。ゴモラ、解析中》

 

《キシャアアアアアアアアアアアッ!》

 

《解析完了しました。“脅威”、“不安”、“警戒”》

 

「ゴモラが、不安を抱いている?」

 

・・・・ユナイト・・・・。

 

「ん? マモルさん、ルイさん、何か言いました?」

 

「え?」

 

「何も言ってないよ?」

 

「(おかしいな? 気のせいかな??)」

 

 

 

ー某所山中ー

 

その頃、天宮市郊外の山の川原で高校生位の三人の少女達が川原で遊んでいた。

1人はギャル風でポニーテールにした活発そうな長身の少女『山吹亜衣』。

もう1人はボブカットの髪が特徴的な無個性が個性と言わんばかりの中くらいの背の少女『葉桜麻衣』。

そして三人目は眼鏡をかけた黒髪の長髪の小柄な少女『藤袴美衣』。

横一列に並ぶと階段のように見える三人の少女。後に士道のクラスメートとなる、名物トリオである、通称『一人称トリオ』、別名『亜衣麻衣美衣トリオ』である。

春休みなので自転車でサイクリングしていた亜衣麻衣美衣は川原で休憩がてら川遊びをしていたのだが。

 

「ん? ねえちょっと、何か熱くない?」

 

「えっ??」

 

「???」

 

すると、突然川から沸騰したような気泡が溢れてきて川の温度がお湯のように熱くなっていった。

 

「うわっ熱っ!熱つつ!!」

 

「アチチチチチチチチ!!」

 

「マジ引くわーーーー?!」

 

川から気泡は幾つも吹き出し、沸騰したように湯気が立ち込め、たまらず川から出る亜衣麻衣美衣。

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・。

 

川の沸騰に戸惑う亜衣麻衣美衣のいる向かいの山で、赤い光が発光し、そしてーーーーーーーーーー。

 

『グワアアアアアアアアアアアアアンンンッッ!!!』

 

「でえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっっ!!!」

 

「ウソぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっ!!!」

 

「マジ引くわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!」

 

悲鳴を上げる亜衣麻衣美衣の視線の先には、山を砕いて現れたのは、黒い身体に炎を纏ったような怪獣、『熔鉄怪獣デマーガ』が、火炎を吐いて暴れていた。

そしてデマーガを見るや否や、亜衣麻衣美衣は自転車に乗り込み、競輪選手も真っ青になるほどのスピードでデマーガから逃げ出した。

 

『グルルルルルルルルル・・・・!!』

 

デマーガは亜衣麻衣美衣が逃げる先、天宮市の方へと目を向け、地鳴りを上げながら天宮市へと進行していった。

 

 

 

ー士道sideー

 

士道が『Xio』の基地を出て少し買い物をしようと天宮市の商店街に向かうと。

 

ウゥーーーー!! ウゥーーーー!! ウゥーーーー!!

 

「っ!? これって、怪獣警報!?」

 

・・・・ユナイト・・・・ユナイト・・・・ユナイト・・・・ユナイト・・・・。

 

「またこの声? ジオデバイザーからか?」

 

士道がジオデバイザーを取ると、謎の声が聞こえていた。

 

ユナイト・・・・ユナイト・・・・ユナイト・・・・。

 

「あぁたくっ、何なんだよ!・・・・・・ん?」

 

ジオデバイザーから聞こえる声に辟易している士道の周りが突然暗くなった。

 

「何だ? 曇り空か・・・・?」

 

振り向いた士道の目の前にいたのは、『熔鉄怪獣デマーガ』が現れた。

 

「ウッソ~~・・・・」

 

『グワアアアアアアアアアアアアアアアンッッ!!!』

 

「マジかよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっ!!」

 

突然現れたデマーガに、士道は悲鳴を上げた。

 




ウルトラマンXのEDを聴いていたら、デート・ア・ライブと合うんじゃないかなぁ?と思って書きました。

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