オリ主の指揮官。ストーリーはアニメ アズールレーンの始まる前。
その惑星は地球ではない。地球に良く似た惑星であった。
世界の7割を海洋が占めるその惑星にて、突如、『セイレーン』と呼ばれる謎の海洋勢力が出現した。奴らの使う未知のテクノロジーと兵器により、人類は9割の制海権を喪失した。
この強大な海の脅威に対抗するため、『ユニオン』、『ロイヤル』、『鉄血』、『重桜』、『東煌』、『北方連合』、『アイリス』、『ヴィシア』と言った国家は、これまで各国家間で生じていた問題を棚上げし、四つの国家が主軸とされた。
自由と共生を尊ぶ民主連合合衆国、『ユニオン』。
貴族による栄光の歴史を誇る立憲君主制国家、『ロイヤル』。
高度な機械技術の研究が続けられる軍事帝国、『鉄血』。
そして、東に位置する列島で、独自の文化を育む和の国、『重桜』。
これらの主要四大国家を中心とした軍事連合が結成される事となった。
その名を、『アズールレーン』。
人類は『セイレーン』に対して、この軍事連合による反抗を開始しようとしていた。
そしてこれは、『重桜』の母港に着任する1人の若き指揮官の物語。
ー“指揮官”sideー
軍母港に向かう船の船首に立った若者は、青空と太陽が彩る水平線の向こうを眺めていた。
「やれやれ、軍母港の指揮官に配属とはついてないな。ま、『セイレーン』と戦う艦隊の指揮官なんて危険な仕事、“落ちこぼれ”にやらせるのが一番安全だと思ったんだろうけどな・・・・」
その若者は軍の士官学校を卒業してここにいた。
『セイレーン』の出現によって、世の中は一変してしまい、軍の士官学校で劣等生のような成績を修め、士官学校で“成績優秀な主席達”は、“重桜の中央司令部”で勤務となり、主に外交や各母港の命令権が与えられ、若者のような“落ちこぼれ”は危険極まりない母港指揮官を任命された。
主要四大国家の一角である重桜でも、『セイレーン』との戦いを指揮する指揮官など、危険な職務に付きたいと望む人間は少なく、若者が選ばれてしまったが、若者自身はその事を気にしていなかった。
「『指揮官』。軍港はまだなのです?」
若者に隣に立ち、話しかけてきたのは、1人の少女だった。
クリーム色の髪をポニーテールに纏め上げ、瞳は血のような紅色。頭からは赤と白の装甲板で出来た耳か角のような物が覗き、重桜海軍の流れを汲むセーラー服に身を包んでいるが、上着の裾は短く下から覗けば適度に膨らんだ乳房の下乳が覗けそうで、スカートの丈も短く中身が見えそうで見えない魅惑があった。と、ここまで言えば露出の激しいセーラー服を着た少女軍人のよつに見えるが、その手には、少女の身の丈位の巨大な刀を握り、背中には艦船のような装備を装着した、異質な少女だった。
「もうすぐ到着するぞ、『綾波』」
「はいです」
『綾波』と呼ばれた少女は静かに頷くのを見て、『指揮官』と呼ばれた若者は隣に立って水平線の向こうを見つめる少女・『綾波』をチラッと見る。
「(『セイレーン』と対抗するために開発された素体、『艦船<KAN-SEN>』、か・・・・)」
『アズールレーン』が結成されて時を同じく、『メンタルキューブ』と呼ばれる特殊な素材から、とある画期的な行動素体が開発された。
その名は、艦船<KAN-SEN>。
人間の少女と変わらない外見を持つが、その身体能力は人間よりも優れており、個々に違った能力と艤装と呼ばれる武装を持った、人類が『セイレーン』に対抗しうる存在である。
艦船<KAN-SEN>と呼ばれる少女達は、かつてこの惑星で起こった人類間の大戦の史実を元に再現された艤装を使い、普通の人間とは比べ物にならないほどの力を有していた。
「・・・・・・・・・・・・」
そして目の前にいる少女こそ、特型駆逐艦吹雪型・十一番艦、『綾波』。
初めて指揮官が出会った艦船である。
「綾波」
「はいです」
「お前は、この水平線をどう思っている?」
「???」
指揮官がそう言うと、綾波はキョトンっと、首を傾げた。
「どう見るってどういう意味なのです?」
「あぁだから、潮風の感触とか、空や海の色とか、そういうの感じてどう思う?」
「・・・・綾波は“兵器”なのです。そんなものに感傷を持ったりしないのです」
綾波は一瞬逡巡するように顔を俯かせるが、直ぐに顔を上げて指揮官に向かってそう言った。
それを聞いて指揮官は少し肩を落とす。
「つまんない生き方だな・・・・」
「つまんない、ですか・・・・?」
首を傾げる綾波に指揮官は口を開く。
「ああつまんない生き方だよ。聞いたけど、お前ら艦船<KAN-SEN>って、昔の大戦で活躍した艦船を元に、『メンタルキューブ』から生まれたんだよな?」
「はい・・・・」
「せっかく人間の身体を手にしたんだからさ。人間の身体を楽しめば良いんだよ」
「楽しむ、ですか?」
「そう。綾波はご飯を食べて美味しいと思ったか?」
「・・・・はいです」
指揮官の質問に、綾波は少し考えると、肯定するように首肯した。
「綺麗な風景を見たとき、綺麗だと思ったか?」
「・・・・はいです」
「おもいっきり身体を動かして、疲れたって思ったか?」
「・・・・はいです」
それから指揮官が色々と“ヒトの身体”を得てからの綾波の経験を聞くと、綾波は小さく首肯していた。すると、指揮官はそれを見て小さく口角を上げた。
「それで良い。旨い飯を食って美味しいって感じるのも、身体を動かして疲れたと感じるのも、綺麗な風景を見て綺麗と感じるのも、生きている人間だからこそ感じる感覚なんだよ」
「・・・・綾波は戦うための存在なのです」
「ではお前は何のために戦う? 誰のために戦うんだ?」
「・・・・綾波は・・・・綾波は兵器なのです。そんな考え持たないのです」
「頭の固いヤツだな。ま、今はそれでいいさ」
指揮官は綾波の頭にポンッと手を置いて優しくクリーム色の髪を撫でる。
「指揮官・・・・?」
「今はまだ分からなくても良いさ。これから学んで行け。お前たち艦船<KAN-SEN>の“可能性”や、内に秘めた“気高さ”をな」
「可能性に、気高さ、ですか?」
「ああ」
綾波はニッと笑う指揮官を見据える綾波は、ふと指揮官の“右腕に巻き付けたブレスレット”に目を向ける。
「指揮官。そのブレスレットはなんなのですか?」
「あぁ、子供の頃にいつの間にか持っていたんだ」
≪おい、そろそろ見えてきたぞ≫
“指揮官の頭にいつの頃か聞こえる声が響き”、水平線の先を見ると、“目的地の島”が見えた。
重桜の象徴ともいえる桜が咲き乱れる。およそ軍母港に似つかわしくない風光明媚な島だった。
「見えてきたぞ綾波。あれが俺達の基地だ」
「はいです。『海守友行<ウミモリ トモユキ>』指揮官」
≪トモユキ。これからがお前の始まりだな≫
トモユキと綾波、そして“トモユキと一心同体となっている存在”の物語が始まった。
* * *
それから一年の月日が流れ、トモユキが指揮官として華々しい戦果を上げ、いつの間にか、ある異名で呼ばれるようになった。
『海原の軍者』とーーー。
「ん、ああ?」
トモユキが朝を迎え、眠りから目を覚ますと目の前に、白く大きく深い谷間が目に入った。
「・・・・『赤城』か?」
「はい、指揮官様。 おはようございます♥」
トモユキの目の前には、黒い長髪の頭の上に狐の耳に生やし、裏地が赤の雀色の羽織を肩にかけ、胸元を大きく開き、肩を丸出しにし、白い肌を晒した露出度の高い格好で、背面から伸びたのは九尾の狐の黒い尻尾が生えた。つまり。
九尾の黒狐。
そしてその目元に赤い化粧が施され、艶やかかつ蠱惑的で自虐的な印象を受ける美しい女性が横になっているトモユキの布団に四つん這いになり、トモユキを覆い被さろうとしているようだった。
「おはよう。そしてこれはどういう状況?」
「はい。指揮官様があまりにも可愛らしい寝顔だったので、『赤城』もついつい見いってしまったのですわ」
「ふむ、そうか」
『重桜第一航空戦隊所属正規空母・赤城』
重桜でも精鋭部隊の一角を座し、重桜の軍港においては宰相的な重要ポジションに立っていた。
が、トモユキ指揮官に対しての情愛がとてつもなく大きく、トモユキが他のKAN-SENと仲良くしているだけでも怒気を放つほどである。
「・・・・・・・・」
トモユキは少し目線を下げて、赤城の四つん這いになってただでさえ大きな胸部がさらに大きくなったように見え、赤城の大きな胸部をジィッと見据える。
「あら指揮官様? 赤城のおっぱいが気になりますか?」
「ウム。確かに赤城のおっぱいは魅力的だからな。このおっぱいに見惚れない男がいるならば、その場で男を廃業しろって気持ちだ」
「ウフフフありがとうございます。でしたら、触っても良いですわよ、指揮官様♥」
「ナヌッ?」
「ウフフフ・・・・」
明らかに、“罠”である。
ここで赤城のおっぱいをまさぐるように、揉みしだくように触れば最後、一生赤城だけのトモユキになってしまう。
トモユキもそれは分かってはいるが、赤城の美巨乳を見るとその手を伸ばしそうになりーーー。
「姉様。指揮官は起きました・・・・」
そこで指揮官の自室の扉を開いて入室してきたのは、白銀の狐耳が生え、白銀の髪を肩口まで伸ばし、厳かで戒めの雰囲気を含んだ声色に、スラッとした高い背丈、赤城と同じく露出の高い青い着物からは真白く、赤城と同じ位の胸の谷間が垣間見え、氷を思わせる眼差しは気高く、背面から覗くは白い九本の尾。
赤城が九尾の黒狐ならば、こちらは九尾の白狐。
赤城の妹、『重桜第一航空戦隊所属正規空母・加賀』であった。
「「「・・・・・・・・・・・・」」」
加賀は目の前で姉の赤城が、指揮官に覆い被さり今にも夜這いイヤ、朝掛けをしようとしている姿に硬直し、赤城もどうしたものかと固まるが、トモユキはポンッと手を叩くと。
「ウム。よし加賀お前も来い。カモンっ」
「・・・・・・・・・・・・カモンではない」
とりあえずボケてみたトモユキに、加賀はこめかみに指を当てながら頭痛を堪えながら、呻くように呟く。
◇
トモユキ指揮官は軍服に着替えると、赤城と加賀を引き連れて、桜が咲き乱れる場所に置かれた神社の社で小さい二人とその二人の護衛のように佇むKAN-SENと話をしていた。
二人の小さいKAN-SENの一人は、『BIG SEVEN』の1隻にして、神木《重桜》の神子でもあるり、『第四代重桜艦隊旗艦』。艶やかな黒髪と丸い頬、そして犬や猫と比べて、所謂モフモフ感に秀でた狐の耳をした可愛らしい少女、『長門型戦艦一番艦・長門』。
もう一人は長門と似た容姿をしているが、髪型はショートヘアーにした長門の妹、『長門型戦艦二番艦・陸奥』。
そして神子の長門と妹の陸奥の護衛として佇む銀髪の少女は、『白露型駆逐艦九番艦・江風』であった。
トモユキは重桜軍上層部からの報告書を読むと、渋面を作り、それを見て長門が口を開く。
「指揮官。上層部は何と言ってきておる?」
「あぁ、鉄血が妙な動きを見せている。このままじゃいずれ、アズールレーンを脱退し、新しい陣営を設立するかもしれない」
『っっ!?』
トモユキの言葉に長門達も驚く。今はセイレーンと言う人類共通の脅威が迫っていると言うのに、四大国家の中でも科学技術が発展している鉄血が脱退する事に驚いたからだ。
「・・・・・・・・・・・・」
「指揮官様。上層部は他に何を書いておりますの?」
「鉄血がアズールレーンを脱退するおそれがある故に、これから軍本部で緊急議会を開くから、俺に単身で本部に赴くようにってさ」
「大丈夫なのか?」
「鉄血がどう動いた時の対策を練る議会さ。行ってくる」
≪トモユキ。上層部はお前の事を嫌っているからな、気を付けろよ≫
海守友行と、トモユキの体内にいる存在の言葉を聞きながら、社を離れた。
それが、『運命の分岐点』になることを知らずにーーーーーー。
オリジナル主人公・『海守友行<ウミモリ トモユキ>』
CV.小野大輔(テニスの王子様・徳川カズヤ。宇宙戦艦ヤマト2199・古代進)
容姿・『うたの☆プリンスさまっ♪・皇綺羅』の髪の色を茶髪にして、髪型を『K・夜刀神狗朗』にした容姿。
性格・クールでスケベなおっぱい星人。しかし内に熱い想いを持ち、艦船<KAN-SEN>達全員を大切にしている。
タイガ・タイタス・フーマとは一心同体のバディ<相棒>と思っている。
能力・指揮能力は高く。他にも“特殊能力”を持っている。
大まかな設定ではこうですね。次回でタイガに変身し、トレギアとも遭遇してから、『アニメ アズールレーン』が本格スタートする設定です。
正直連載してみたいです。