光に選ばれし勇者達   作:BREAKERZ

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今回、ウルトラ怪獣が出てます。ヒント『最初の怪獣』。



最弱無敗の古代巨人<ティガ>Ⅳ

フィルフィとの朝のやり取りを妹のアイリに見られ、小言を言われたながらルクスの本日の仕事場に案内していた。旧帝国の皇族であるルクスとアイリには新王国から『莫大な借金』があり、ルクスは雑用で、アイリは『遺跡<ルイン>』で発掘された古文書の読解や装甲機竜<ドラグライド>の指南書の更新で借金返済をしていた。因みにフィルフィとの同室をアイリがフィルフィの姉であり学園長であるレリィに報告したらルクスに「妹をよろしくね」と言われたらしい。ルクスは「何考えてるんだ」と戸惑い、アイリは「兄さんより学園長を諫めなければ」と思ったらしい。

 

アイリと別れたルクスは本日の仕事場である装甲機竜<ドラグライド>の工房<アトリエ>(装甲機竜<ドラグライド>の存在と技術はどの国においても『最高機密』である)に付き中に入ると乱雑に散らばった工房<アトリエ>のソファーに白衣を着たリーシャがいた。

 

信じられない事に、リーシャは学園の工房<アトリエ>の所長を務めていた。リーシャは独自で装甲機竜<ドラグライド>を作り出す程の機竜の技術者として途方もない才能の持ち主だったのだ。リーシャはゴルザとメルバとの戦いで激しく損傷したルクスのワイバーンを修理し、ルクスに渡した(修理されたワイバーンはドリルが装備され、激しく魔改造されていたがルクスがリーシャに頼み元に戻してもらった、リーシャがしつこくドリルを装備にと薦めたが却下された)。

 

その後リーシャに連れられルクスは王都の防衛拠点である城塞都市<クロスフィールド>で士官候補生でも特別に戦闘許可を持つ特殊部隊、装甲機竜<ドラグライド>を扱える遊撃部隊『騎士団<シヴァレス>』にルクスを推薦したが、騎士団<シヴァレス>はそれ相応の実力が無いと入れない上に、現在三年生はシャリス(勿論騎士団に在席している)を含んだ数名以外は王都に演習に行っており、『アティスマータ新王国』の『四大貴族』の一角ラルグリス公爵家の令嬢にして『学園最強』の異名を持つ三年生で騎士団長『セリスティア・ラルグリス』はかなりの男嫌いと言われており、ルクスの実力に半信半疑の騎士団員達を納得させる為、リーシャは模擬戦を行う。

 

リーシャとルクスのチームでルクスが殆ど戦おうとせず、模擬戦はリーシャが勝利を納め、ルクスの入団は反対多数で却下された。因みにルクスの入団に賛成だったリーシャを含め、神装機竜《テュポーン》の使い手であるクルルシファーと神装機竜《ファフニール》の使い手であるフィルフィは賛成派であった。

 

リーシャは追加の依頼として、ルクスを城塞都市に案内(俗に言うデート)をしようとしたが、財布を忘れていまい、ルクスに奢られる羽目になった。ルクスはリーシャの技術者としての功績を誉めるが、途端にリーシャの顔に影が射す。

 

「私の問いに答えてくれ、ルクス・アーカディア。王女とはなんなんだ?」

 

リーシャは話す、母は病死していており、父アティスマータ伯はクーデターで負った怪我が元で玉座に就く前に亡くなり、リーシャの叔母であるラフィ女王が国を継ぎ、リーシャは英傑の忘れ形見として王女に就いた『それだけ』の存在だと。周りの人間達はリーシャに王女らしい、立派な人格者であることを強要し、それがリーシャの『責任』で『使命』であると責め立てた。そしてリーシャはクーデターが起こる前に旧帝国に誘拐されクーデター計画を進めていたアティスマータ伯との取引材料にされようとしたが、リーシャの父はリーシャを見捨てられ、リーシャは『旧帝国の所有物』にされた証である刻印を烙印された。それからリーシャは監禁され『妹』はクーデターの時に殺されてしまい、叔母には子がいなかっ為にリーシャを養子にし王女の座に就かせた。旧帝国の烙印を押された事実を伏せて。

だからリーシャはルクスに怒っていた、『旧帝国の烙印』を『旧帝国の王子』に見られたから。リーシャは父の判断をとても勇敢で称えられるべき事だと思っていたが。

 

「だけど・・・それでも私はっ・・・・・・私は助けてほしかったよ、『国』じゃなくて『私』を選んでほしかったんだ・・・!!」

 

「・・・・・・・・・」

 

リーシャの言葉をルクスは黙って聞いていた。

 

「だから私はお姫様じゃない、そんな資格なんてないのさ」

 

自嘲気味に呟くリーシャは、話を変えるように自分が何かとルクスを誘うのかを話す。二ヶ月後に行われる各国の機竜使い<ドラグナイト>達による『全竜戦』で勝利し、『遺跡調査権』を獲得する為に最強の部隊を作るためにルクスの力が必要と考えたからだ。そしてゆくゆくは自分の初めてのパートナーとしてとも考えているが。

 

学園に戻ったルクスは取り敢えず応接室に泊まり、備え付けのソファーに寝転がりながら五年前の事を夢に見てた。信頼していた第一王子のフギルに裏切られ、帝国を崩し、皇帝を含んだ多くの機竜使い達を死なせ、慚愧に崩れるルクスをフギル・アーカディアは嘲笑いながら言う。

 

「お前が理想を果たせなかった理由はな。お前は何も世界が分かってない。『王の器』なんかじゃないのさ。『最弱』よ」

 

それから七日後に意識を取り戻したルクスが聞いたのは。

 

『帝国軍敗北』、『帝国アーカディア帝国滅亡』、『革命<クーデター>成功』、『帝国軍皇族並び要人のほとんどの死亡』、『戦いに参加した約千二百名の機竜使いの戦死』。

 

ルクスが信じた『理想の決着』なんてどこにもなかった。

 

夜が明け、夢から覚めたルクスは自分に毛布をかけてくれていたクルルシファーと少し話しをするとルクスに言う。

 

「私はある時全ての理由を失ってしまったのよ・・・ただ一つ私の中に残っている『真実』、それを知る鍵が『黒き英雄』と『あの巨人』なの。だから私は・・・それらを追っている・・・ねぇルクス君、あなたに聞きたいことがあるの」

 

すると突然鐘の音が鳴り響いた、それは『敵襲』を知らせる『警報』だった。

 

ルクスは『新王国 第四機竜格納庫』で城塞都市そして王都へ大型幻神獣<アビス>が侵攻していることを聞かされる。『第六遺跡<ルイン>箱庭<ガーデン>』から現れた巨大なスライムのような幻神獣<アビス>を迎え撃つためリーシャ達『騎士団』が討伐へ向かった。元々城塞都市は王都の防衛拠点であり、新王国で機竜使いが不足しているために候補生であるリーシャ達『騎士団』が駆り出されるのは当然の事である。クルルシファーは留学生であるために幻神獣との直接戦闘に関わる義務は無いと本国から言われていた。だがルクスは。

 

「(『戦える人間』が『戦わない』なんて・・・)」

 

『戦わない』自分がこんな事を考えるなんてと考えるルクスだが、それでも納得できない表情を浮かべるが、クルルシファーやアイリに説得され大人しく待つが『出現頻度の低い』幻神獣の一週間に二度も現れた事や、逃げ出した『怪獣ゴルザ』の事もあり不安を拭えなかった。

 

そしてルクスの不安は『最悪』の形で当たった。今まさに空を飛ぶ『青い球体』がリーシャ達のいる場所に迫っていた。

 

外に出たルクスはフィルフィから『笛』の音が聞こえると聞き、かつてフギルも『幻神獣を呼び寄せる笛』を所持していたことを思いだし、さらにクルルシファーから大型幻神獣<アビス>が自爆しそこから30強の幻神獣<ガーゴイル>が発生し『騎士団』は半壊状態になりクルルシファー達も城塞都市からの撤退することになると告げられる。

 

リーシャ達を助けに行こうとするルクスをアイリが止める。

 

「この世界にはどうしようにもならないことだってあるんです!いくら頑張っても覆せないものが!!私達は大義の為に戦ってるのではなかったのですか!?ここで死ぬつもりなんですか!?目的を忘れないで下さい!私達はこの国のために「それは違うよアイリ」・・・」

 

アイリの言葉をルクスが遮る。

 

「僕の目的は帝国を討つことだ、僕か、大切な人を奪うあの敵をたおすことだ。大丈夫だよアイリ。僕は君を一人になんてしないから・・・」

 

そう言ってアイリの頭を撫でながらルクスはアイリから離れる、そして向かう『戦場』へと。

 

リーシャの前に幻神獣<ガーゴイル>を笛で使役する機竜使いの男が佇んでいた、王都から配備された警備部隊隊長、その正体は『アーカディア帝国近衛騎士団長ベルベット・バルド』である。この男の目的は『旧帝国の復権』がである、シャリス達は機体が大破してしまい撤退していた、リーシャは殿を務めた。

 

リーシャの《ティアマト》はほぼ大破し追い詰められ、追い討ちをかけるように旧帝国の反乱軍が現れた。幻神獣<アビス>の残党十数体に汎用機竜が約百機、更にベルベットは追い討ちをかける。

 

「俺だよ!!お前の腹に帝国の印を入れたのはな!!!」

 

「あ・・・あ・・・あ・・・ああああああああああああああああああ!!!」

 

忌まわしき記憶が甦り、悲痛の悲鳴を上げるリーシャは五年前の記憶が甦る。

 

『自分に機功殻剣<ソードデバイス>を渡した男』、そして『帝国を滅ぼした英雄』の事を。

 

リーシャはベルベットに言う。

 

「所詮旧帝国に良いように使われ、今も誰かにうまいこと言われて乗せられているだけの下っ端に過ぎない」

 

と、安い自尊心を刺激されたベルベットの『機竜息砲<キャノン>』を放たれるが、『何か』が防いだ。リーシャが目を向けるとそこには。

 

「《ワイバーン》・・・?」

 

「・・・すみませんリーシャ様。せっかく直してもらったのに・・・・・・壊されちゃいました」

 

「ルクス・・・!!!」

 

ルクスは『黒い機功殻剣<ソードデバイス>』を抜刀し、詠唱する。

 

「『顕現せよ、神々の血肉を喰らいし暴竜。黒雲の天を断て』!!!」

 

そして解き放つ!

 

「《バハムート》接続・開始<コネクト・オン>!!!」

 

その姿を見てリーシャは呟く。

 

「お前は・・・黒き・・・英雄・・・?」

 

「時を喰らって加速しろ《バハムート》、《暴食<リロード・オン・ファイア》」

 

その時、一瞬で襲いかかってきた反乱軍を薙ぎ倒すルクス。

 

その光景を遠距離で見ていたノクトはアイリに聞き(シャリス達を撤退させるために学園に戻った時に連れてきた)、アイリも答える。ルクスが旧帝国を滅ぼした英雄『黒き英雄』であると。『旧帝国』を滅ぼしたのが『帝国の王子』である事にノクトは驚く。さらにアイリは言う。

 

「“封印と解除”、あるいは“抑圧と解放”の神装。《暴食<リロード・オン・ファイア>》ーーーーあれが《バハムート》の持つ圧縮強化の神装です。更に兄さんは敵の攻撃予備動作を見切り、相手が仕掛けた瞬間《暴食》での斬撃でそれを追い抜く事ができる。兄さんの間合いで剣を振りかぶれば、銃のトリガーに指をかければ、その瞬間勝負が決まる。その技の名は・・・『即撃』!!!」

 

しかしそれほどの強さがあるのに何故『無敗の最弱』なんてとノクトが質問にアイリが答える。相手を確実に撃破するためにその隙を完全に突かなければならない、敵の動きを完全に見切るために果てしない修練をつまなけばならないのだ。それ故ルクスは《バハムート》でも同じ感覚で扱えるように調整した《ワイバーン》を使って王都のトーナメントで今のスタイルが生まれたのだ。全ては《バハムート》を使いこなすために。

 

「つまり兄さんは・・・最強を為すための最弱!!!」

 

ベルベットはリーシャにやったように時間を稼ぎ『機竜の起動時間』を消費させようとするが、アイリはノクトの『竜声<通信>』でルクスの機竜適性値は女性より上と告げる。

 

ベルベットは目の前の現実を認めたくないのか、ルクスが何者なのかと喚きだす。

 

「僕の顔に覚えはないか?ベルベット近衛騎士団長よ」

 

その時ベルベットは気付いた、彼がルクスが、『アーカディア帝国第七皇太子殿下 ルクス・アーカディア』であると。ベルベットは帝国側であるはずのルクスが何故新王国側に付くのか理解できずまたもや喚くが、ルクスはリーシャに『あること』を告げる。

 

自分は母を失い、身近な大切な人達を失うのが怖く、大義の為に強くもなれず、全ての人を救おうとしたが失敗し、二度も繰り返さないように使命を果たすために『雑用王子』として隠れていたと告げる。

 

「だけど・・・やっぱり助けたい。新王国の王女に相応しいあなたに、認めてほしいと思ったんです」

 

「ルクス・・・」

 

「だから・・・僕は英雄なんかじゃない、帝国を滅ぼす、最弱の機竜使い<ドラグナイト>だ」

 

ベルベットの反乱軍は一斉にルクスに襲いかかるが、相手は弱冠12才で最強の機竜使いになった少年、ベルベットの反乱軍はまるで相手にならず全滅した。

 

「嘘だ、嘘だ、嘘だ、嘘だ、嘘だ、嘘だ!!!!」

 

ヤケクソになったベルベットは笛を鳴らし幻神獣<ガーゴイル>を呼び寄せルクスにけしかけるが、ルクスの懐に忍ばせていたスパークレンスが光る。するとルクスを中心に光が溢れリーシャ達やベルベットも目をつむる。

 

ルクスが目を開くと白い世界で『巨人<ティガ>』が目の前にいた。ルクスはティガの『心』を感じた。

 

「ティガ・・・『力』を貸してくれるの?」

 

ティガは黙って頷く。

 

「僕に・・・君の『力』を振るう『資格』なんてない、でも、リーシャ様を皆を守れるなら、お願いだ!僕に『力』を!!!」

 

ティガが光輝くとルクスは光に包まれる。

 

リーシャ達が目を開くとルクスの《バハムート》の姿が変わっていた。装甲はそのままだが、『黒き英雄』の証である黒い装甲に幾つもの『銀の線』が走った《バハムート》に。

 

これが、ティガの『力』を受け入れた新たな《バハムート》、《バハムートティガ・マルチ》だ!

 

ルクスは今までよりもスピードが増した《バハムート》で幻神獣<ガーゴイル>を圧倒する。

 

「機竜が進化したのか?」

 

リーシャは先程と違う《バハムート》に驚き。

 

「アイリ、あれも《バハムート》なのですか?」

 

「いいえ、私も知りません。《バハムート》にあんな力があったなんて・・・」

 

ノクトとアイリも驚きを隠せなかった。だがそれ以上に驚いていたのはベルベットだった。自分達が『敗北』した事実を受け入れられないように「嘘だ、嘘だ、嘘だ、嘘だ」と壊れた人形のように憐れに呟く。ルクスはベルベットに向かって真っ直ぐ言う。

 

「さようならベルベット。僕はもう皇族としてあなたを裁く事はできないけれど、僕はここで戦います。僕が王子だった帝国じゃなくて、貴方達じゃなくて、僕が認められたいと思う彼女達の為に・・・」

 

ルクスの言葉が届いていないのかベルベットは『現実』を否定していた。そんな無様な男を尻目にルクスは彼女の元へ向かい、姫君に手を差し伸べる、その手をとってリーシャは呟く。

 

「・・・・・・がとう・・・ーーーーありがとう、ルクス・・・・・・」

 

涙を浮かべながらも笑顔を見せるリーシャをルクスは優しく微笑む。

 

 

 

 

 

しかし。

 

 

 

 

 

ドオオオオオオオオオオンンン!!!!

 

 

 

「「!!!???」」

 

 

 

突然『青い玉』が上空から二人の近くに落ちてきたルクスもリーシャも、遠くから見ていたアイリとノクトも『それに』目を向けるとそこには。

 

背中を棘に覆われ黒い寸胴体型に細く小さな手をした横に広がった口をした『怪獣』。

 

 

 

『宇宙怪獣ベムラー』。

 

 

 

 

「ギュアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」

 

 

 

ベムラーの叫び声が城塞都市の空に響いた。

 

 

 

 

 




今回はここまで、前書きの答えは昭和ウルトラマン最初の怪獣ベムラーでした。

次回で『最弱無敗の古代巨人<ティガ>』を終わらせたいです。後、登場人物紹介もします。
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