ストーリーは『ハンドレット Radiant Red Rose』にしてますのでクレアがメインヒロインです。エミリアもちゃんとヒロインですからあしからず。
その世界は脅威に晒されていた。《侵略者<サベージ>》と呼ばれる謎の生物達により、多くの国と人々の生命が脅かされていた。そんな世界で、《侵略者<サベージ>》と戦う事ができる人間達がいた。
隕石の欠片から発見された特定の人間が触れることで様々な形状に変化する赤い鉱石ーヴァリアブルストーンを原料とする武装兵器《百武装<ハンドレット>》。
それを用いて武装し《侵略者<サベージ>》と戦う者達を人々は何時しかこう呼ばれるようになった。
武芸者<スレイヤー>とーーーーーーーーー。
そして、ここに《侵略者<サベージ>》と同じく人類の脅威とそれに立ち向かう勇者が生まれようとしていた。
宇宙からの複数の“飛来物”が地球に落下した。落下した“飛来物”は突然溶け始め一ヶ所に集まりその形を変え岩のような体皮に三本脚のアメンボのような“異形”の姿に変わる。そして“異形<グランビア>”は近くにある空港に向かって進行した。
ー皇国ヤマト(日本)の空港ー
異形<グランビア>に襲撃された皇国ヤマトの空港で二人の少年少女が避難しようとしていた。黒髪に精悍な顔つきの高校生位の少年、長い黒髪をストレートに伸ばし儚げな雰囲気をした“車椅子に乗った”中学生位の少女。
少年の名は『如月ハヤト』
少女の名はハヤトの妹である『如月カレン』
彼等は十年以上前に海外で《侵略者<サベージ>》が初めて地球に攻めてきた《第一次遭遇<ファーストアタック>》の被害に合い両親を失い、それから施設で育ってきた。幼い頃から身体が弱く車椅子生活をしてきた妹の為にハヤトは“ある場所”に向かおうとしていたのだが、突然現れたグランビアから避難しようとしていた。
「兄さん、あれは<グランビア>一体何なんでしょう!?」
「分からない、でも急いで避難するんだ!」
だが二人が向かおうとした通路が崩壊する。
「きゃああああああああああああ!!」
「カレンッ!?」
崩壊の衝撃波で車椅子から吹き飛ばされ気絶するカレン、ハヤトはカレンに近づき気を失っているだけだと確認するとホッとするが、壊れた天井からグランビアが目の前にいた。
「こんな・・・こんな所で・・・俺は絶対に・・・諦めてたまるか!!!!」
するとハヤトの頭上に“光”が舞い降りハヤトの身体は光に包まれる。
「何だこれ?・・・・ウオオオオオオオオオオ!!!」
グランビアの足元が突然光が溢れグランビアの脚を破壊し吹き飛ばす。吹き飛ばされたグランビアの胴体と足は地面に溶け込んだ。
そしてそこから“光の巨人”が現れた。
「テヤッ!」
銀の身体に赤と青のラインが付き、額の角にクリスタルを付けた雄々しく立つ巨人だった。
溶けたグランビアの残骸が再び一つになり、今度は巨大な岩のような怪獣、“ネオグランビア”へとその姿を変えた。
「ピギュワアアアアアアアアアアアアアア!!!」
「フッ!」
雄叫びを上げるネオグランビアに構える巨人。巨人はネオグランビアに近づき、腹部に蹴りをぶつけ、更に顔部分を殴り付ける。
「ハッ!デヤッ!」
蹲ったネオグランビアの頭部を両腕で抑え持ち上げる。豪快に振り回しぶん投げる!
「デヤァッ!!」
投げられたネオグランビアは土煙を上げながら倒れる。
「ピギュワアアアアアアアアア!」
動かなくなったネオグランビアにゆっくりと近づく巨人。
だが、ネオグランビアは突然起き上がり、鼻の角から雷のような光線を放つ。
「ハッ!」
しかし、巨人はジャンプしてこれを回避する。ネオグランビアは身体全体を起こす。巨人は急降下キックをぶつけようとするがネオグランビアは湾曲シールドを張り巨人を弾き飛ばす。
「グァ!?」
弾き飛ばされた巨人は倒れるが直ぐに起き上がるがネオグランビアは自らの腕を鞭のように伸ばし巨人の身体に巻き付け電撃を浴びせる。
「グッ!グアァァッ!」
巻き付けられた腕からの電撃と光線により劣勢にぬる巨人は倒れる。追い討ちをかけるように飛び掛かるネオグランビアを倒れながらも蹴りをお見舞いしネオグランビアをぶっ飛ばす。
「ピギュワアアアアアアアアアアアアアア!!!」
「フゥゥゥーーー、デヤッ!」
倒れた隙に立ち上がり、巨人は両腕を伸ばし大きく円を描くように回して手裏剣を投げるように光線<『ビームスライザー』>を放つが湾曲シールドに阻まれる。
「フゥゥゥーーー、デヤッ!!」
二発目の『ビームスライザー』を受けてネオグランビアのシールドが破壊された。巨人は両手の手首を合わせ、十文字にして放つ必殺技『ソルジェント光線』を放つ!
「デヤッ!!!」
「ピギュワアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
『ソルジェント光線』を腹部に浴びて、ネオグランビアは爆散した。
戦いが終わると巨人は光に包まれその姿を消した。だが、人々は見た。ネオグランビアを倒した巨人の“強さ”と“勇姿”を。
気絶しているカレンの側にハヤトが現れる。ハヤトは自分の身に起きた事に困惑していた。
「一体・・・俺はどうなってしまったんだ?・・・」
するとハヤトの足元に光る物があった。ハヤトの手の平サイズの赤い長方形で下部分に巨人の顔が刻まれた物体<リーフラッシャー>を手にするハヤト。
「・・・俺が・・・“光の巨人”?・・・そんなバカな・・・冗談だろ?」
するとハヤト達がいる所に救助隊が駆けつけ保護されるハヤトとカレン。これから事情聴取とカレンの回復を考えると数日後に控えた“入学式”に間に合うかなと、ハヤトは不安であった。
ー???ー
どこかの執務室で金の髪をツインロールにした豊満なプロポーションを赤い制服で包んだ気品ある少女が中学生位の小柄な少年のヤマトで起こった事件を聞いて怪訝そうに整った顔をしかめる。
「“クリス”、その報告は冗談ではないのね?」
「はい“クレア”様、僕もヤマト政府から送られた映像を見るまではとても信じられませんでした」
“クレア”は“クリス”から渡されたタブレットに映る映像を見て訝しそうにする。そして自分の座る執務机の側に控えている青い制服を着た茶髪のショートヘアーに眼鏡をかけた知的な少女と同じく青い制服を着た凛々しい雰囲気と褐色の肌に緑色の髪をポニーテールにしたグラマラスな少女にもその映像を見せる。
「“エリカ”、“リディ”、貴女達はどう見る?」
「正直信じられません。こんな生物や巨人がいるだなんて」
「只でさえ《侵略者<サベージ>》の対処で忙しいと言うのに、《侵略者<サベージ>》以上の巨体の生物にそれと戦う巨人ですか・・・」
「この巨大生物は最近、月面や地球軌道上に現れた“球体”と関係しているのね?クリス」
「はい、その“球体”が地球に落下した直後の地点からこの巨大生物が現れた事から恐らく・・・・・・それと、この襲撃で“こちら”に来る筈だった、武芸者<スレイヤー>候補とその妹が事情聴取を受けているそうです」
「あぁあの“期待の新人”ですか。それは災難ですわね」
「如月ハヤト、皇国ヤマト出身で剣道有段者で適正試験では歴代一位の反応数値を示しています。幼い頃に両親を亡くし入学まで妹と共に施設暮らし、その妹は現在ワルスラーン社の医療チームのもとで治療予定です」
「・・・“妹”」
エリカからの報告の一部分に僅かに反応するクレア。
「・・・既に生徒からはクレア様を凌ぐとかウワサに・・・」
「だがそれはあくまでも適正数値が高いだけで・・・!」
“世界的エース”であるクレアを尊敬する二人はクレアを凌ぐと言われているハヤトに渋い顔を浮かべるが。
「いいでわありませんか、優秀な武芸者<スレイヤー>が増える事は喜ばしい事、そう思いませんか?」
「「・・・は、はいっ!」」
毅然とし懐の深いクレアの言葉にリディとエリカは頷く。が、エリカは。
「ですがクレア様、一年生で優秀な武芸者<スレイヤー>が現れれば他の一年生や上級生達の気が緩みます」
「・・・・・確かにそれは言えますわね」
「ですから、ここは一つデモンストレーションをやってみてはどうかと・・・」
「エリカ、どうするの?」
はい、と頷くエリカはクレアに“作戦”を伝える。
「・・・他の生徒達の気を引き締めるのに良いかも知れませんわね。分かりました。準備をお願いしますよ、クリス、エリカ、リディ」
「「「お任せください」」」
クレアは椅子から立ち上がり、窓から広がる青空を眺めながらいずれ来る如月ハヤトに思いを馳せる。
「さぁ、来なさい若き武芸者<スレイヤー>。この『無敗の女王<パーフェクトクイーン> クレア・ハーヴェイ』がその実力試させて貰います!」
『薔薇の守護者<ローズ・ガーディアン>』とも呼ばれる世界的エースは知らない、この『如月ハヤト』が自分の運命に大きく関わって行くことを彼女も、そしてハヤト自身を知らない。
ハヤトのハンドレットもパワーアップします。