ハリエット・ポッターと優しい世界   作:スターダスト

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久しぶりです、スターダストです!
遅くなってほんとにすみません!!(待っててくれた人がいればの話)
いやぁ〜学校が忙しくて全然更新できませんでした!(言い訳)

今回の話も何が書きたいんだろう?と自分で首を傾げる内容です。
早く自分の書きたい内容だけ書きたい。展開が決まらないィ…ギリィッ
とまあ情緒不安定な駄作者ですが、ご容赦ください。

前回との文字数差に死にそう。
頑張った。私はよく頑張った。




3話 魔法の横丁

 

 ハリエットがグリモールド・プレイスのブラック邸に越してきた翌日。

 今日はダイアゴン横丁という場所で入学準備をするらしい。

 確か入学許可証と同封されていたリストには聞いたこともない単語だらけで、ハリエットはとても興奮したのを覚えている。

 思い出すだけでいてもたってもいられず、朝からソワソワしっぱなしだ。

 

「おはよう、ハリー。落ち着かない様子だね」

「あ、おはよう。そうなんだよ、とても楽しみすぎて昨日はあまり眠れなかったんだ。魔女になるための準備だなんて、一昨日まで普通の女の子だったのに考えられないよ!」

 

 寝癖もそのままにハリエットは力強く言った。

 レギュラスはピョコピョコとはねる赤毛を見てクスクス笑っていた。

 

「あそこはいつも人で溢れかえっているんだ。いろんな店があってたくさん歩くだろうから朝ごはんはしっかり食べなよ」

「はい!」

「敬語」

「あ、うん!」

 

 まだどうしても敬語が抜けきらないハリエットだが、少しずつレギュラスにも慣れてきていた。

 

(最初は物静かな人っぽいなって思ってたけど、案外話しやすくてフレンドリーだ)

 

 ハリエットはレギュラスの親しみやすさに安堵していた。

 

「朝食の準備が整っております」

「いつも助かるよ、クリーチャー」

「あ、ありがとう!」

 

 少し捻くれているが、──屋敷しもべ妖精というらしい──クリーチャーにも大分慣れてきた。

 かなりみすぼらしくてアレな容姿だが、会話を試みれば主人想いで優秀な妖精であった。

 レギュラスやハリエットが感謝を述べれば、そっけない態度でも少し柔らかくなって照れているようだった。

 

(レギュラスもいい人だし、クリーチャーとだってうまくやれそうだ。2人はもちろん、ダンブルドアにも感謝しなきゃ)

 

 そう思いながら、ハリエットは朝食のサラダにフォークを突き刺した。

 

 

 

 

 

 

「──それじゃあハリー。今からダイアゴン横丁へ行くわけだけど、姿現しは知ってるかい?」

 

 朝食も食べ終わり、準備ができたところでレギュラスはハリエットに尋ねた。

 ハリエットはダンブルドアとのあの不思議瞬間移動を思い出しながら引き攣った笑みで返した。

 

「い、一応は…」

「慣れないと気分悪くなるかもだけどごめんね、今他の手段は使えなくてね」

 

 他にも移動手段があることに驚きだが、姿現しなんていうなんとも不便な移動手段を常に使う魔法使いのことだ、どうせ碌なものではない。

 

「大丈夫!…だと思うけど不安だよ。でも、ダンブルドア先生には私、酔いに強い方だって言われた」

「なら安心だ。じゃあ捕まって」

 

 何一つ安心要素はなかったが、ハリエットは意を決してレギュラスの腕を強く掴んだ。

 

「ちゃんと捕まらないとバラけるから、気をつけてね」

 

 なんと不穏な言葉を今言うのか。

 ハリエットは魔法使いはみんはこうなのか!と心の中で叫び、バチン!という乾いた音を耳にした。

 

 

 

 

 

 

「さあ、目を開いてごらん」

 

 レギュラスの柔らかい声と共に目を開けば、そこには不思議な光景が広がっていた。

 

「ダイアゴン横丁にようこそ」

「わぁ…!!」

 

 行き交う人々は皆古びたローブを纏い、中にはとんがり帽子を被っている人もいた。立ち並ぶ店は、ハリエットにはそれが何に使われるのか想像もつかないような物ばかり並べられている。目に映る物すべてに目を奪われ、感嘆の声がこぼれた。

 感動と興奮に言葉も出ないが、出てきたとしてもそれはどれも陳腐なものでしかないだろう。

 とにかく、ハリエットはその光景に心奪われたのだ。

 

「ふふ、分かるよ。僕も最初来たときは感動したからね」

「え、レギュラスも?」

 

 彼は生粋の魔法使いの一族出身であり、幼い頃から魔法に触れていたと聞いたのだが、それでもやはりこの光景は幼子には魅力的に映るのだろうか。

 

「もちろん。父や母が魔法を使うのは散々見ていたけど、それでも最初はこの光景に目を輝かせた。ちょうど今の君みたいにね」

 

 ハリエットは自身の興奮を見透かされ、少し恥ずかしげに笑った。

 

「さ、まずはお金をおろそう。君の両親の金庫の鍵はダンブルドアから預かってるからね」

「銀行があるの?」

「もちろん。銀行といえばグリンゴッツだ」

 

 どうやら魔法界にはマグルの世界と違って銀行は一つしかないらしい。

 

 レギュラスの言うグリンゴッツは、小さな店の立ち並ぶ中、ひときわ高くそびえる真っ白な建物だった。磨き上げられたブロンズの扉の両脇には真紅と金色の制服を着て立っている──クリーチャーとは別物の──小人がいた。

 

「あれは小鬼(ゴブリン)って言うんだ」

 

 小さな声でレギュラスが言った。

 ハリエットは興味深そうに小鬼を眺めた。ハリエットよりも頭一つ分小さく、賢そうな顔つきで、手の指と足の先が長い。

 なんと長いんだろう、とハリエットが見つめていると、小鬼と目が合ってしまい、慌てて目線を逸らした。

 逸らした先には何か言葉が刻まれていた。

 

 ──見知らぬ者よ 入るがよい

 ──欲のむくいを 知るがよい

 ──奪うばかりで 稼がぬものは

 ──やがてはつけを 払うべし

 ──おのれのものに あらざる宝

 ──わが床下に 求める者よ

 ──盗人よ 気をつけよ

 ──宝のほかに 潜むものあり

 

「ここから盗もうとする魔法使いなんていないんだ」

 

 なんともぞっとする言葉だった。

 

 

「あれ、ハグリッドじゃないですか」

 

 急に立ち止まり、レギュラスは──小鬼と比べると余計大きく見えた──大男に話しかけた。

 

「おおレギュラス!夏休みに入って以来だな!どうだ、元気にやってるか、ん?」

「はは、ええまあ。そちらは?」

「いやなに、少しダンブルドア先生から頼まれごとをな。お前さんはどうした」

「この子の付き添いでして。ハリー、こちらはルビウス・ハグリッド。ホグワーツで働いていて、森の番人なんだ」

「ハグリッドって呼んでおくれ。みんなそう呼ぶんだ」

「わかった。私はハリエット・ポッター。よろしくね」

「ハリエット?お前さん、あのハリエットか!」

 

 急に鬼気迫る勢いで訊かれたハリエットは気圧されながらも頷いた。どのハリエットかは分からないけど、と付け加えて。

 

「随分大きくなったなあ!俺が初めて会ったときはボウトラックル並みだったってのに」

「なんて?」

 

 そのボウなんとかやらは知らないが、この大男からすればハリエットの小さい頃など豆粒みたいだったのかもしれないと思った。

 

「いやあそれにしても、お前さん傷以外は両親によく似とる!赤毛と瞳はリリー、くせっ毛はジェームズにそっくりだ。いや、ジェームズの方が暴れてたな」

「それって髪のこと?」

「どっちもだ」

 

 ハリエットは両親の顔など知らなかったが、似てると言われて嫌な気分ではなかった。傷のことは少し気にしてるのでそっとしといてほしかったが。

 

「そうだハグリッド、一緒にどうです?これから僕たちもあれに乗るんで」

「そりゃあいい。だが俺はどうもあれが好かん。お前さんに取ってきてほしいくらいだ」

「まぁまぁ。ダンブルドアの頼みなんですから」

 

 レギュラスが窘めてハグリッドは渋々付いてきた。

 しかしそれにしても、とハリエットは思う。

 

("あれ"って何だろう?)

 

 その答えはすぐに分かった。

 

 

 

「わー楽しい!楽しいねレギュラス!」

「よかったね。だけどあまり乗り出さないで。落ちてしまうよ」

 

 クネクネ曲がる迷路をトロッコは凄い勢いで走った。巨漢に遠心力は辛かったようで、ハグリッドは真っ青を通り越して真っ白な顔色で唸っていた。彼にはジェットコースターも無理だろうな、とハリエットは密かに思った。

 

 やがて小さな扉の前でトロッコはやっと止まり、ハグリッドは膝が震えたまま壁にもたれかかっていた。今にも吐きそうな顔色である。

 それを気にもとめず小鬼──グリップフックというらしい──は扉の鍵を開けた。緑の煙が吹き出してきたが、それが消えると、ハリエットはあっと息をのんだ。中には金貨の山があったからだ。奥には高く積まれた銀貨や銅貨の山もあった。

 それらをレギュラスは杖一振りで集めていく。必要な額だけ鞄に詰め込んでからレギュラスは言った。

 

「全部君の両親が遺した物だ。金貨はガリオン、銀貨がシックルで銅貨はクヌート。17シックルが1ガリオン、1シックルは29クヌートだから覚えといてね」

 

 なんて微妙なんだろうとハリエットは思った。姿現しといい、魔法使いは微妙に不便だと思う。

 

「次は713番金庫を頼む。ところでもうちーっとゆっくりは行けんのか?」

 

 大分顔色が良くなってきたハグリッドがグリップフックに問うた。

 しかし、グリップフックは無愛想にただ決まり文句のように淡々と言った。

 

「速度は一定となっております」

 

 

 

 これは一定ではないんじゃないか。

 

 ハリエットはさらにスピードを増して急降下を続けるトロッコの中で愚痴をもらした。後ろのハグリッドなんか気絶寸前である。

 地下渓谷の上を走るトロッコは、風だけではないだろうが、どんどん冷えびえとしてきた。

 ようやっと着いた713番金庫の前で、ハグリッドは瀕死の状態だった。

 

「下がってください」

 

 もったいぶるようにグリップフックが言い、長い指の一本でなでると、扉は溶けるように消え去った。

 

「グリンゴッツの小鬼以外がこれをやりますと、扉に吸い込まれて中に閉じ込められてしまいます」

「中に誰か閉じ込められていないかどうか、調べたりはするの?」

「10年に一度ぐらいでございます」

 

 グリップフックは意地悪げにニヤリと笑った。

 これだけ厳重に警護されてるんだもの、中にはきっと特別なすごいものがあるに違いない。

 ハリエットは期待して身を乗り出したが、すぐになんだ、とガッカリした。

 空っぽと思えるほど何もない。あるのは茶色の紙でくるまれた薄汚れた小さな包みだけだ。

 ハグリッドはそれを拾い上げ、コートの奥深くに用心深くしまいこんだ。

 ハリエットはハグリッドがそんなに大切そうにしてるそれが、一体何なのか好奇心が湧いたが、聞くことはなかった。

 

「俺の用は終わった。さ、地獄のトロッコに行くぞ。帰りの道は話しかけないでくれよ。口を閉じてるのが俺にとってもお前さんらにとっても一番だ」

「そのようですね」

 

 苦笑いでレギュラスが答えた。

 

 また猛烈なトロッコを乗りこなした後、陽の光にパチクリしながら三人はグリンゴッツの外に出た。

 なんだか数年ぶりに地上に出た気分だ、と思いながら、レギュラスの「さて、」と言う声に他2人は振り返る。

 

「買う物はたくさんあるし、ハグリッドもいるから二手に別れましょう。僕は大鍋などを揃えるのでハグリッドとハリーは先に制服を買ってきてください」

「わかった」

「選りすぐりの物を揃えるのでご心配なく。ああそれとハリー、普段着とかも買っておいで。これが必要な分だから」

 

 レギュラスから服代と思われる額を受け取り、そこでハグリッドと共にレギュラスと別れた。

 

「制服ならここだな」

 

 ハグリッドは"マダムマルキンの洋装店"の看板をあごでさした。

 

「なあ、ハリー。"漏れ鍋"でちょっとだけ元気薬をひっかけてきてもいいか?グリンゴッツのトロッコにはもう散々だ」

 

 "漏れ鍋"も"元気薬"もよく分からなかったが、すぐ戻るという声にハリエットは頷いた。青い顔をしていたので心配ではあったが、ハリエットはその"元気薬"とやらをひっかければ良くなるだろうと思いマダム・マルキンの店に1人で入っていった。

 

「お嬢ちゃん、ホグワーツかい?」

 

 マダム・マルキンは、藤色ずくめの服を着た、ずんぐりした、愛想のよい魔女だった。

 

「全部ここで揃いますよ…もう1人お若い方が丈を合わせているところよ」

 

 店の奥の方では、青白くあごのとがった男の子が踏み台に立ち、もう1人の魔女が黒いローブをピンで留めていた。

 

「あの、普段着の方も頼みたいのですが…」

「まあまあ可愛らしいお嬢さんのお洋服を選べるなんて光栄ね。ささ、踏み台に立って。まずは制服から」

 

 そう言ってマダム・マルキンはハリエットをもう一つの踏み台に立たせ、頭から長いローブを着せかけ、素早く丈を合わせてピンで留めはじめた。

 

「やあ、君もホグワーツかい?」

 

 隣の男の子が声をかけてきた。

 とがったあごを上に反らし、見下すような目線で、ハリエットは少し居心地悪く感じた。

 

「うん。そうだよ」

 

 それを感じさせないよう、つとめて落ち着いた声音で答えた。

 

「僕の父は隣で教科書を買ってるし、母はどこかその先で杖を見てる」

 

 誰もそんなこと訊いてないと思いながらハリエットは適当に相槌をうった。

 

「これから2人を引っぱって競技用の箒を見に行くんだ。1年生が自分の箒を持っちゃいけないなんて、理由が分からないね。父を脅して一本買わせてこっそり持ち込んでやる」

 

 ハリエットには、隣の男の子の言う箒なんて掃除用しか思い浮かばなかったが、競技と言うほどだから箒を使ったスポーツが魔法界にはあるのだろうと解釈した。

 

「君は自分の箒を持ってるのかい?」

「ううん」

「クィディッチはやるの?」

「わかんない」

 

 そのクィディッチとやらが何なのかは分からないが、ハリエットは一刻も早くこの場から立ち去りたかった。

 

「僕はやるよ。父は僕が代表選手に選ばれなかったらそれこそ犯罪だって言うんだ。僕もそう思うね。君はどの寮に入るかもう知ってるの?」

「ううん」

 

 確か、レギュラスがスリザリンだったとは聞いている。

 他にどんな寮があるのか知らないが。

 

「まあ、ほんとのところは行ってみないとわからないけど。だけど僕はスリザリンに決まってるよ。僕の家族はみんなそうだったんだから…ハッフルパフなんかに入れられてみろよ、僕なら退学するな。そうだろう?」

「うーん」

 

 ちっともましな答えもできないハリエットだったが、男の子は気にしてないないようだ。

 

「ほら、あの男を見てごらん!」

 

 急に男の子は窓の方を顎でしゃくった。ハリエットもそちらを見やると、ハグリッドが店の外に立っていた。どうやら具合も良くなったらしい。ハリエットの方を見てニッコリしながら手に持った二本の大きなアイスクリームをかかげて見せた。

 

「ハグリッドだ」

 

 ハリエットは男の子の知らないことを自分が知っている、と少しうれしくなった。先程からついていけない話題ばかりでうんざりしていたのだ。

 

「ホグワーツで働いているんだ」

「ああ、聞いたことがある。一種の召使だろ?」

「ハグリッドは森の番人だよ」

 

 語尾を強めながらハリエットは言った。

 

「そう、それだ。言うなれば野蛮人だって聞いたよ…。学校の領地内のほったて小屋に住んでいて、しょっちゅう酔っ払って、魔法を使おうとして自分のベッドに火をつけるんだそうだ」

「彼は最高だと思うよ」

「へぇ?」

 

 男の子は鼻先でせせら笑った。

 

「どうして君と一緒なの?君の両親は?」

「死んだよ」

「おや、ごめんなさい」

 

 まったく謝っているような口振りではなかったが、ハリエットはそれが気にならないほど気分がよくなかった。

 こういった人種は孤児院にいたときのプライマリースクールにもいた。ズケズケと土足で踏み込んで人のことを言ってくる奴が、ハリエットは大の苦手だった。

 

「でも、君の両親も僕らと同族なんだろう?」

「魔法使いと魔女だよ。そういう意味で聞いているんなら」

「他の連中は入学させるべきじゃないと思うよ。そう思わないかい?──」

 

 それからも男の子はしゃべり続けたが、ハリエットは聞く価値もないと聞き流していた。

 少しした後、──相変わらず男の子はしゃべり続けていたが──男の子の方についていた魔女が「さあ、終わりましたよ、坊ちゃん」と言ってくれたのを幸いに、ハリエットはこれ以上男の子の"くだらない話"を聞かずに済むことになった。

 

「じゃ、ホグワーツでまた会おう。たぶんね」

 

 本当に気にくわない奴だと思いながら、ハリエットは返事をしなかった。

 

 やがて普段着の採寸も終わり、マダム・マルキンの着せ替え人形になった後、代金を払い終わって店の外に出た。

 ハグリッドにもらったアイスを食べて、その冷たさに少し気持ちを落ち着かせた。ナッツ入りのチョコレートとラズベリーアイスはとても美味しかった。

 

「そうだ、忘れるところだった。ほんのちょっと待っててくれ」

「うん」

 

 溶けるのを心配する暇もなく3口でアイスを食べ終えたハグリッドは、何かを思い出したように言った。

 その入れ替わりのように人混みの中からレギュラスが戻ってきた。

 

「遅くなってごめん、偶然同僚に会ってしまって」

「大丈夫。ちょうどハグリッドがどっか行っちゃったからよかった」

「おや、そうだったんだ。まったく、ハグリッドはどこに行ったのかな?」

 

 慌ててたようだから急ぎなんじゃないか、と適当にレギュラスと雑談を交えながら、ハリエットはアイスを消費することにした。

 

「一口いる?」

「おや、いいのかい?じゃあお言葉に甘えて」

 

 やや溶け始めているベリーのアイスをペロリと舐め、レギュラスは美味しいと笑った。

 

 ──なんだか本当の親子みたいだ。

 

 それを言うのはなんだかレギュラスを困らせるような気がして、ハリエットはそんな思いを胸に留めるだけにした。

 

 

「ハリー!レギュラス!ちと遅くなってすまんな」

「ううん大丈夫。何してたの?」

「これを買いに行ってたんだ」

 

 ほれ、と大きな背中から出てきた──ハグリッドと比べて──小さな籠をハグリッドは手渡してきた。

 不思議に思いながら中を覗くと、なんと雪のように白い梟が一羽凛々しく佇んでいた。

 確か、ホグワーツでは梟や猫なんかのペットが許可されている。

 ハリエットはそのことを思い出した。

 魔法使いの伝達方法が梟であることも。

 

「え、なんで、急に…」

「お前さんの誕生日だろうが。子供はおとなしく受け取っとけ」

「誕生日は昨日でしたが」

 

 そんなことはわかってる、なんて豪快に笑うハグリッド。

 ハリエットは不安だった。

 今まで祝ってもらうことがなく、嫌な思い出しかない誕生日に、急に家族ができ、こうして誕生日プレゼントを貰う。それはハリエットにとってとても大きなことだった。

 抑えようのない興奮と、ムズムズした嬉しさがハリエットの幸せを人生最高潮に攫っていき、しかしそれと同時に壊れてしまう不安と恐怖が湧く。

 一度味わってしまえば、もう戻れない。

 それがわかってるからこそ、ハリエットはいつかこの幸せが終わってしまうんじゃないかと、恐る恐るハグリッドのプレゼントを受け取った。

 

「ありがとう、ハグリッド。でも、ほんとにいいの?」

「何度も言わすな。ハリー、誕生日おめでとう!!」

「、うん。ありがとう!」

「ハグリッドに先越されてしまいましたね」

「え?」

 

 もったいぶるように笑ったレギュラスは、杖を軽くヒョイと振った。

 パッと現れた小さな箱を、ハリエットは戸惑いながら掌の上で恐る恐る受け取り、レギュラスに問うた。

 

「誕生日プレゼントですよ。これを受け取りに行ってたんだ」

 

 上質なワインレッドのリボンを解き箱を開けると、そこにはエメラルドグリーンの石がたくさん散りばめられていた金のバレッタだった。

 

「わぁ…!綺麗…」

「それはリリーがつけてた髪飾りじゃないか!」

 

 ハグリッドの言葉に驚き、ハリエットはレギュラスを見上げた。

 

「学生時代につけてたんだよ。あの日に壊れてしまってね………この前から修理に出していたんだけど、誕生日に間に合わないとは思ってなかったんだ」

「ああ、その髪飾りにはジェームズが魔法をかけてたからな。修復には時間がかかるんだろう」

「魔法?」

 

 まだ姿現ししか知らないハリエットからすれば、魔法はいまだ慣れ親しむようなものではなく、ついハグリッドの言葉に反応してしまう。

 懐かしむように笑うハグリッドは、ハリエットを見て目尻に皺をつくる笑みで言った。

 

 

 

「なあに。()()()()()()()()()()()()()

 

 ──そして、()()()()()()()()()()

 

 

 

 後に続いた言葉の意味を、ハリエットはまだ知ることはない。

 

 

 

 

 

 




意味わからなすぎて死ねるorz

途中から買い物そっちのけだし杖買い忘れたけど(めっちゃ大事)、ホグワーツ特急内での回想で出すから許して。

ハグリッドの言葉はもっともっと後になって分かる。(きっと。多分)
本音を言うと、おっちょこちょいでチョロいハグリッドに意味深な言葉を言わせたかった勢いで書いた。←
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