第1戦目の艦隊がそれぞれ自陣に配置し開始を今か今かと待っていた。
東方不敗側は新参艦であるのに対して古式側はそれぞれ歴戦の猛者達だ。
扶桑「提督、全艦配置に着きました。ご指示を」
東方不敗『うむ、まずは様子を見ながら敵の攻撃を掻い潜りこちらの有利に動きかけよ』
扶桑「了解いたしました。では出陣致します」
東方不敗『先に申したが勝敗を気にせず存分に戦って参れ』
扶桑「ふふ、そのお言葉の期待に添えるように善戦致してきます」
東方不敗『では、ゆけぇ!』
扶桑「全艦抜錨します。まずは距離をあけ相手型の出方を伺います」
第1艦隊「了解!!!」
–古式側–
山城「提督、こちらも準備できました」
古式『ええ、わかりました。おそらく相手は初陣ですので恐らく序盤は様子を見て動かれると思います。ですのであまりこちらから仕掛けないように誘導しながら戦いましょう』
山城「了解です。阿武隈には甲標的の準備をさせておりますのでそれで先手を打つ予定です。もちろん瑞雲猛者出しますがあまり効果は見込まれないと思います」
古式『そうね、ゴーヤちゃん対策として瑞雲を配備したのもありますから思う存分戦ってくださいね』
山城「了解!みんな、序盤は相手の様子見、それと相手は接近戦を得意と見ていいわ。前回の記録を見ればこちらは個々に戦い負けています。ですので距離はしっかりと取るように心がけて」
古式第一艦隊「了解!!!」
山城「では、抜錨!」
互いの艦隊が出陣し演習が開始された。
–演習海域–
山城、扶桑『敵艦発見、これより戦闘に入ります』
お互いに開戦の合図を出し戦いが始まった。
山城「阿武隈、予定通り甲標的をお願い」
阿武隈改二「改二の実力見せてあげるんだから!」
山城「私も、瑞雲、発艦!」
阿武隈の甲標的、山城の瑞雲が東方不敗艦隊に放たれる。
扶桑「甲標的及び瑞雲が敵より接近。皆さん気をつけてください」
ゴーヤ「瑞雲は任せるでち、こちらは甲標的の排除をするでち」
扶桑「お願いね、こちらで瑞雲を撃墜します。対空砲放てぇ」
島風「こんなこともできるようになったよー、連装砲ちゃん行っちゃえ〜」
すると島風は連装砲を瑞雲目掛け投げつけた。
連装砲ちゃん「キュー」
連装砲は慣れた様子で相手の瑞雲を見据え、砲撃をいとも簡単に当ててしまった。
山城「ちょ、そんなのあり?!」
島風「へへーん、これが私と連装砲ちゃんのコンビネーション技だよー、にしし」
扶桑「相変わらず型にはまらないわね。これで瑞雲は撃ちました、ゴーヤさんどうですか?」
ゴーヤ「任せるでち。せりゃぁぁぁぁ!!」
ゴーヤは甲標的に向かって拳を打ち込む。甲標的に直接当てるのではなく海中で甲標的から距離を取り拳を放った結果、海流が荒れ甲標的は海流に飲まれどこかあらぬところに飛ばされそこで爆発した。
阿武隈「う、嘘ぉ」
ゴーヤ「特訓を積んだゴーヤにとっては朝飯前でち」
扶桑「本当にすごい子達ね。なら私も戦艦としての意地をお見せしましょう」
すると扶桑は目を閉じ意識を集中し始めた。
熊野「扶桑さんが準備段階に入りましたわ。球磨さん、とわたくしは援護に、夕立さんは島風さん、ゴーヤさんと遊撃に移ってください」
球磨「まかせろクマ、機銃1つ通さんクマ」
夕立「もういいっぽい?じゃ島風ちゃん、ゴーヤちゃん、素敵なパーティー始めるっぽい」
島風「オッケー、行くよ連装砲ちゃん」
ゴーヤ「暴れるでち!」
駆逐艦と潜水艦が前衛に飛び出したことに驚く古式艦隊。
山城「くっ、夕張、五十鈴、阿武隈は飛び出した駆逐艦、潜水艦を迎撃。榛名と鈴谷と私はお姉様達を止めます。何か嫌な予感がするので」
古式艦隊も各個撃破に打って出た。
夕立「作戦通りっぽい。前衛艦隊は各個撃破にかかるっぽい。五十鈴は夕立が、夕張には島風ちゃんが当たって。ゴーヤちゃんは持ち込めるなら戦うっぽい」
島風、ゴーヤ「了解!」
それぞれが砲雷撃戦に入れる距離へと進む。が、榛名が間合いに入る前に何者かに撃ち抜かれた。
榛名「きゃぁ!」大破
山城「は、榛名?!今のはどこから」
山城は冷静に周りを見渡したが敵影はなく代わりに水柱が上がる。
山城「潜水艦は今はいない。まさか!鈴谷!急いで間合いを詰めるわ。この距離はマズイ」
鈴谷「へ?あ、了解」
呆けていた鈴谷も意識を切り替え扶桑達がいる方角へ急ぐ。
扶桑「ふぅ、流石は山城ね。もう見破りましたか。球磨さん、熊野さん、相手が接近を始めましたので集中状態を解き、接近戦を始めますよ。私はここで援護を行いますので各個撃破をお願いしますね」
球磨「了解、戦艦は球磨がもらうクマ」
熊野「ではわたくしは鈴谷と踊ってきますわね」
扶桑「お願いしますね。2人とも魚雷を放ってから接近するようお願いしますね」
球磨、熊野「了解」
一方、分断に成功した遊撃部隊は得意な速度を活かし相手を翻弄していた。
夕張「ヒィ〜、島風ちゃん速すぎて当たらない〜」
島風「おっそーい、こんな砲撃じゃ島風は捉えられないよ。連装砲ちゃん、トライアングル」
連装砲ちゃんズ「キュー」
島風が指示を与えると連装砲が三角状に夕張を包囲し夕張の周りを高速回転を始めた。
夕張「な、なんなのこれ。動けない〜」
島風「今だ、連装砲ちゃんファイヤー」
夕張は高速で動く連装砲に対処できず、あらゆる方角から砲撃を浴び、大破の判定が出た。
夕張「こんなの無理よぉ」
島風「初勝利〜。さ、ゴーヤちゃんの支援に向かうよー」
その頃夕立は少し押され気味にあった。
夕立「うー、反撃の隙が少ないっぽい〜」
五十鈴「あら、それはこちらのセリフよ。いくら打とうが全て潰されたんじゃ話にならないじゃない」
そう、夕立は反撃ができず少し押されていたのだ。全ての砲弾を叩き潰し被害は最小限しか受けていなかった。
夕立「流石は歴戦の五十鈴っぽい。このままじゃ厳しいっぽい?」
五十鈴「お褒めの言葉ありがとう。でもここまでやるなんて、本当にあんたのとこの提督はいい育て方するわ」
夕立「当然っぽい。なんだって最強の提督だもん」
五十鈴「砲撃戦でダメなら他の策をとることをお勧めするわ。どうする?」
夕立「うー、でも」
五十鈴「提督さんに聞いてみなさいな、その時間はあげるわ」
夕立「随分余裕っぽい?」
五十鈴「違うわよ、あなた達の接近戦を間近で見るいいチャンスなのよ」
夕立「そうなの?なら聞いてみるっぽい」
こうして夕立と五十鈴が接近戦に変わる。
夕立「提督さん、いいよっていってたっぽい」
五十鈴「さ、早く始めましょ。楽しみで仕方ないわ」
夕立「ちょっと待つっぽい。ゴーヤちゃんいる?」
ゴーヤ「ここにいるでちよ?」
五十鈴「な?!」
夕立「この艤装とこの艤装、預かってて欲しいっぽい」
ゴーヤ「ん?提督から許可出たでちか?」
夕立「うん、相手が望んでいるなら存分に答えよ、だって」
ゴーヤ「了解でち」
五十鈴「ちょ、阿武隈はどうしたのよ」
ゴーヤ「ん?後ろで伸びてるでち」
阿武隈「キュー」
五十鈴(え、相手は阿武隈よ?なんでこの子ピンピンしてるの?それよりなんで阿武隈が倒れてるのよ。てか、この五十鈴が発見できないなんてどういった訓練受けてるのよ)
夕立「さ、身軽になったっぽい」
夕立は足の艤装以外は全て取り外していた。
五十鈴「じ、準備終わったのね」
夕立「お待たせっぽい。じゃぁ…」
夕立の雰囲気が変わる。先ほどの穏やかな雰囲気ではなくビリビリとする雰囲気がだ。
五十鈴「え?」
夕立「素敵なパーティー始めましょ?」
夕立が言い終わると同時に姿が消える。
五十鈴「き、消えた?いや、高速で動いてるだけね。微かだけど殺気を感じる」
五十鈴はその殺気を追いかける。そして。
五十鈴「そこっ!!」
五十鈴が砲撃を放つ。するとそこに夕立の姿があり砲弾を素手で捕まえていた。
夕立「五十鈴すごいっぽい。これ捉えられたの提督と先輩達だけだったのに」
五十鈴「あんたの鎮守府本当に怪物だらけね。それからどうやって素手で取るのよ」
夕立「慣れ?っぽい」
五十鈴「慣れって怖いわぁ」
夕立「もっともっと行くっぽい」
夕立はまた消える。
五十鈴(同じ技?いや、さっきより淀みがなくなり殺気が消えた?この子楽しくてさっきよりも楽しみの方が優ったのかしら。流石にきついわね)
夕立が五十鈴に拳を打ち込むが寸止めで止まる。五十鈴が両手を上げていたからだ。
夕立「どうしたの?っぽい」
五十鈴「降参よ、殺気がなくなったんじゃ私には捉えられないわ。死にたくないしね」
夕立「そんなに思いっきり当てるつもりはないっぽい」
五十鈴「夕立は手加減を覚えてからまた相手してちょうだい。体がいくつあっても足りないわ」
夕立「ぽい?」
夕立が五十鈴を見ると既に大破状態になっていた。
夕立「ど、どうしたのっぽい?」
五十鈴「やはり無自覚か、貴方高速で動いてた際何度も拳を叩き込んでたのよ。流石にきっついわ」
夕立「ご、ごめんなさいっぽい」
五十鈴「いいわよ、最後ちゃんと寸止めしてくれたんだし」
夕立「ありがとうっぽい」
こうして遊撃部隊の戦いは勝利に終わった。
一方扶桑達は激戦を行なっていた。
球磨「流石は戦艦。固えクマ」中破
山城「流石に軽巡にはやられたくないもの」小破
熊野「くっ、ごめんなさい扶桑さん、相打ちでしたわ」大破
鈴谷「いやぁ、熊野もなかなかやるじゃん」大破
扶桑「山城、流石ね2人を相手してここまで攻めれるなんて」中破
山城「扶桑姉様の射撃の癖はつかみましたので」
この山城も歴戦の猛者である。そう簡単にやられてくれるはずがなかった。
球磨「このまま負けるわけにはいかないクマ」
球磨が高速で飛び出すが中破してしまった状態なので速度が出ない。そこを山城は見逃さなかった。
山城「そこぉ!!」
球磨「うぐ、もうダメだクマ」大破
扶桑「球磨!」
少しよそ見をした扶桑に砲弾が迫る。
山城「扶桑姉様、よそ見はよろしくありませんよ」
扶桑「ぐっ、このままでは…」大破
しかし放送が流れる。
古式『そこまで、時間ですのでこの勝負、東方不敗鎮守府の旗艦が戦闘不能になった為、古式艦隊の勝利となります』
無情にも敗北が告げられた。
–鎮守府–
扶桑「申し訳ありません。私が油断をしていなければ」
東方不敗「悔やむでない。これでお主の弱点がわかっただけでも収穫であろう。先に述べた通り勝敗を気にするでない。各々克服点がわかったならそれを克服しさらなる高みを目指す。それで良い」
扶桑「は、はい」
一試合目は負けてしまったが各々見直す、克服する点を見つけた東方不敗鎮守府。彼女達はリベンジに燃えさらなる高みを目指すであろう。
古式「一戦目、お疲れ様でした」
東方不敗「うむ、こちらの弱いところが出てしまったな」
古式「いえ、山城が頑張らなければこちらが負けていましたので」
山城「いえ、あそこで扶桑姉様が油断していなければ確実にとられていたでしょう」
東方不敗「山城とやら、光るものがあるがまだ少し荒い。お主は火力に長けておるであろう?」
山城「は、はい」
東方不敗「扶桑が見せたあの砲撃をどう見る」
山城「かなり洗練された射撃と思いました。それに集中力、そこに秘密が隠されているのかと思いました」
東方不敗「うむ、合格点であろうな。あの集中力の源は味方への信頼にある」
山城「信頼、ですか」
東方不敗「さよう、信頼しきれていない状況であれば目を閉じ精神集中ができんであろう。全幅の信頼から生み出される狙撃があの長距離射撃を可能としておる」
山城「そう、ですね。確かにまだまだ未熟な点がいくつも浮き出て来ます。東方不敗提督、御指導感謝いたします」
東方不敗「何、アドバイスにすぎん。これを磨くかは己次第じゃ」
山城「はっ、山城さらなる精進を重ね、扶桑姉様に負けないよう努力いたします」
古式「東方不敗提督、私からもお礼を言わせていただきます」
東方不敗「うむ、さらに高みを目指すが良い」
軽い意見交換も終わり第2戦の準備が始まった。
第2戦目が今はじまろうとしていた。相手も屈強な艦隊、気合いを入れ直す東方不敗鎮守府の面々、さらなる激戦が待っていた。
次回、17話 引けない戦い
今回少し遠距離戦をはさみましたが結局インファイトが長く続いてしまいました汗
もしアドバイス等ありましたらコメントいただければ幸いです。