追伸・暁のセリフで東方不敗のことを提督と呼んでいましたが全て司令官に訂正致しました。大変申し訳ありませんでした。
−演習場−
東方不敗「だりゃりゃりゃりゃ!!」
暁「ていやぁぁぁぁぁぁぁ!!」
鎮守府の朝に二人の声がこだまする。東方不敗がかなり手を抜いているとはいえ暁はそれに食らいついて行けるほどに成長していた。
東方不敗(ふむ、なかなかの成長速度。艦娘とは皆暁のように成長速度が速いものなのか?二割しか力を出しておらんがそれについてこれている。明日からはもう少しレベルを上げるとするかの)
東方不敗は嬉しそうに口元を緩める。そして暁に朝の稽古の終わりを告げ、鎮守府に戻りシャワーを浴びるこれがここに来てからの日課となっている。本来ならシャワーを浴びることはないのだが暁と大淀に浴びるように説得されてからは浴びるようにしている。
艦娘とはいえ年頃の少女ばかりなので東方不敗も少し気を使うように心がけている。東方不敗にはこれが一番難しいのかもしれない。何せ武術のみをやっていたのだから仕方がない。
東方不敗「さて、シャワーを浴びた事だ、朝食を取りに行くとするか」
ここ、鎮守府には食堂がありそこで朝昼晩と食事が出る。そこでは間宮、伊良湖が腕をふるっている。この二人も艦娘だ。戦闘向きではないがそういった食事による意欲向上をさせるために、各鎮守府にいる。大淀、明石にしても各鎮守府にいる。
間宮「あ、提督。おはようございます。」
東方不敗「うむ、おはよう。今日は魚定食で頼むぞ」
間宮「はい、喜んでお作りいたしますね」
東方不敗にそう告げ厨房の方へ入って行く間宮。東方不敗はここでは和食中心に食事を摂るようになった。理由は特にないが中華、四川料理といった類があまり出ないからだ。
東方不敗「ふむ、自分で作れるがあまり彼女らの仕事を取るのもよくないか...」
そう呟いていると後ろから暁がやって来た。
暁「師匠?どうしたの」
東方不敗「む、暁か。特に何もないぞ」
暁「そう?なら一緒に食べましょう」
東方不敗「そうするかの」
間宮「はい、魚定食です提督」
間宮から朝食を受け取った東方不敗は暁と共に朝食をとった。
そして執務室に戻りトレーニングをしていると大淀が現れた。
大淀「提督、お取り込みのところ申し訳ありません。少々よろしいでしょうか?」
東方不敗「む、どうした大淀。新手か?」
大淀「いえ、そうではないのですが、そろそろ新しい艦を建造されてはと思いまして」
東方不敗「ふむ、そうじゃな。暁も一人では寂しかろう。してどうすれば良いのじゃ?」
大淀「では工廠に向かいましょう」
そうして二人は工廠に向かう。
−工廠−
明石「お久しぶりですね提督」
東方不敗「うむ、して明石よ、お主なぜ食堂にも現れん?」
明石「あはは、恥ずかしながら一度熱中してしまうと時間を忘れてしまうものでして、いつも皆さんが食事を済ませた後に食事をとってるんですよ」
東方不敗「ふむ、そうか。悪いとは言わんがたまには顔を見せてやれ、暁が寂しがっとるからのぉ」
明石「以後気をつけます。で、とうとう建造ですか?」
大淀「はい、資材も十分ですし二回ほど行おうと思いまして」
明石「なら、軽く説明しますね」
東方不敗「うむ、頼んだぞ」
そうして明石からの説明を受けた。そして建造する艦種は重巡、軽巡に決まった。資材があるといってもいきなり戦艦、空母を建造するのは得策ではないと大淀が考えたからだ。
明石「では資材を投入して建造を行いますね。必ず狙った艦種ができるわけではないのでご注意くださいね」
東方不敗「わかった。では頼むぞ」
明石「わかりました!!」
そして建造を行う。そして表示された数字には01:25:00と00:24:00と書かれていた。
明石「片方は狙い通り重巡ですが軽巡狙いの方は駆逐艦でしたね」
東方不敗「駆逐艦とは暁と同じ艦種じゃな?」
大淀「はい、同じ艦種ですが、陽炎型と呼ばれる駆逐艦のようです。重巡の方は高雄型のようですね」
東方不敗「よいよい、誰が来ようと暁の仲間が増えることには変わりないからの」
東方不敗が建造を行なった理由は2つだった。1つは戦力の増強、もう1つは暁のためであった。修行時は厳しく接しているが基本的には孫とおじいちゃんの関係のようなものとなっている。
前の世界でも家族のような存在はドモンしかいなかったからだろうか、暁には特に優しく接している。
明石「提督、高速建造材を使いますか?」
東方不敗「高速建造材とな?」
明石「はい。基本的には書かれている時間を待たなければいけないのですが、これを使うと瞬時に終わるという優れものです」
東方不敗「ふむ、そのようなものがあったのか。わかった、許可する」
明石「わかりましたー」
許可をもらった明石が二回分使用する。すると書かれていた数字がゼロとなり扉が開く。
摩耶「よ、アタシ、摩耶ってんだ。よろしくな」
不知火「不知火です。ご指導ご鞭撻、よろしくです」
対照的な二人が建造された。
東方不敗「うむ、ワシがここの提督の東方不敗じゃ、ワシにしてやれることは修行くらいじゃ。よろしく頼むぞ摩耶、不知火よ」
摩耶「なんだ?ここの提督は爺さんかよ。まぁあんまり期待してねぇけどよろしく頼むぜ?」
不知火「摩耶さん、そのようなことを言っては失礼だと思いますが?」
摩耶「あん?意見しようってのか?いいぜ、上等だ」
真面目な性格と少し砕けた性格の二人がぶつかればこうなることはよくあるがいきなりすぎた。そして東方不敗を前に喧嘩をしたのがさらにまずかった。
東方不敗「ばかもんがぁぁ!!」
大淀、明石は予想していたのか耳を塞いでおり、摩耶、不知火の二人は直接間近で聞いてしまった為びっくりしている。
摩耶「な、なんだってんだよ!」
東方不敗「貴様らは今より同じ釜の飯を食う仲間、そんな些細なことで喧嘩してどうする!お互いが主張するぶんには構わんがそれを押し付けるでない」
摩耶「あ?爺さんが意見しようてのか?いいぜ、アタシがたっぷりわからせてやるよ」
東方不敗「ほう、ワシに喧嘩を売るのか?ふん、よかろう、その喧嘩買ってやろう。演習場まで来い」
摩耶「死んでもしらねぇぜ?爺さんよぉ」
そうして二人は演習場に向かった。
不知火「あ、あの大淀さん。二人を止めなくてよろしいのですか?司令が危険です」
大淀「あー、止めなくていいわよ。むしろ驚くと思うから不知火ちゃんも見てくるといいわ」
不知火「な、私が止めてきます!!」
大淀は東方不敗の強さを目の当たりにしているが初対面の不知火にとってはただの老人に過ぎない。不知火は慌てて二人の後を追う。
大淀「あーあ、これで二人も暁ちゃんと同じかぁ。う、そう考えただけで胃が」
大淀は胃を押さえながらよろよろと自室に戻って行った。
不知火「し、司令!危険です。ご自愛ください」
東方不敗に追いついた不知火が止めるように呼びかけるが、
東方不敗「不知火か、まぁ心配には及ばん。少し遠くから見ておれ」
そう言うと東方不敗は演習場の方までかけて行った。そう、尋常じゃない速さで。
不知火「え?」
今何が起こったか理解できていない不知火を残して誰一人その場にはいなくなった。
−演習場−
演習場には四人の人影があった。東方不敗、摩耶、不知火、そして話を大淀から聞いた暁だった。
暁「不知火じゃない!これからよろしくね〜」
不知火「暁、先に着任されていましたか。こちらこそ。それはいいとして止めなくて本当によろしいのですか?」
暁「師匠なら問題ないわよ?」
不知火「し、師匠?どういうことですか?」
暁「司令官は私の武術の師匠なのよ。むしろ摩耶の方が心配だわ」
不知火「は、はぁ」
不知火が返事をしたところで演習がはじまろうとしていた。
建造されたばかりの摩耶と東方不敗の試合が行われる。暁はワクワクしながら、不知火はオロオロしながら観戦をする。果たして結果はいかに!
次回、4話 流派東方不敗