BIOHAZARD Iridescent Stench   作:章介

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第1章 洋館事件編
第三話


―――銃声が鳴り響く。洋館内を駆け回る足音は二つ。

 

クリス・レッドフィールド、

ジル・バレンタイン

 

 アークレー山付近で多発した集団猟奇殺人事件解決のため派遣された特殊部隊『S.T.A.R.S.』ブラヴォーチームの失踪を受けて再派遣されたアルファチームの一員である。彼らはヘリの不時着現場を調査していたところ、犬型BOWの襲撃に会い、この洋館に避難してきた。実際はこうなるよう誘導されているのだが、彼らはそれを知らない。

 

 洋館内でも化物が大量発生しており、彼らは心許ない弾丸を遣り繰りして何とかこの修羅場を潜り抜けていた。実用性絶無な館の仕掛けに神経を擦り減らされ、未知の脅威に精神力を削られていた彼らに、さらなる追い討ちがかけられる。

 

 

「何なの、こいつら!さっきまでのと違うわ!!」

 

「銃が効かない、ショットガンもだ!!」

 

 

 彼らの前に現れたのは緑色の爬虫類型のBOW。こいつ自体は先程から出現していたのだが、ある時から腹に妙な機械、顔に鉄仮面の様なものを身に着けた新手が出現した。初めて遭遇した時、何も身に着けていない同種を八つ裂きにしていたので何事なのかと思ったが、そのまま襲いかかってきたので考える暇もない。応戦したが早々に逃げる羽目になった。弱点である顔は覆われており、クリスが驚異的な射撃技術で仮面の唯一の隙間である目を撃ち抜いたがそんなものでは当然死なず、腹のプロテクトはゼロ距離のショットガンすらほぼ無傷で凌がれた。吹き飛ばすことは出来たので切り裂かれることは無く、動きも少し遅いので何とかなっているが、連携して追跡され撒くことが出来ない。

 

「クリス、気付いてる?あいつら、私たちをどこかにエスコートしたいみたいよ」

 

「ああ、どこに連れて行くつもりだ?」

 

 

 そのまま発砲し続けながら洋館を駆ける。終着点は食堂、彼らが最初に探索した場所である。それ故若干の油断が生まれた。長時間追われ続けたストレスもあったのだろう。クリスの視界が突然揺れた、殴打され吹き飛ばされたのだと知ったのは古時計に激突した後だった。ジルが即座に援護しようとするが、手首に衝撃が走り銃を落としてしまう。目には何も映っていないがロープか何かで縛られているかのようで、そのまま腕を固定されてしまった。

 

 

「実戦投入も問題ないな。よくやった」

 

 

 突然聞こえてきた声の方を向くと、20代前半くらいの白衣を着た男が椅子に座っていた。周りをあの化物たちに囲まれているのにまったく動揺しておらず、襲われる気配もない。・・・なぜか少し息が荒いが。

 

 

「U.S.S.・・ではなさそうだな。唯の遭難者とも考えにくいが。なんにせよようこそ、この世の地獄に。私はハワード・オールドマン。アンブレラ社アークレイ研究所の生体工学者だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

Side ハワード

 

 つ、疲れた・・・。数日穴熊を決め込んだだけで体が鈍るとは。地下から洋館に戻るだけで息が上がってしまった。

 

 ところでこの状況、どうしよう?いや、最悪の事態ではなかったけど。一番悪いのはU.S.S.が来た場合だった。返り討ちにするのは問題ないが、あいつらが作戦完了できないと判断されたら即座に爆薬なりミサイルなりで焼き払われてしまうからな。

 

 かといって彼らで良かったかというとそうでもない。特殊部隊か何かのようだが、どう見ても救助に来たというより2次遭難に陥ってる有様だ。賭けに負けたかな。

 

 

「クリス!ジル!!?」

 

「なっ!?エンリコ!!それにリチャードも!!?・・・そっちの女の子は誰だ?」

 

「もう!彼女はつい最近配属された新人よ。初任務がこれって災難だったわね。怪我はない?」

「はい!」

 

 

 あ、忘れてた。感染してない人間が居たら殺さず連行して来いって命令してたんだっけ。地下で蹲ってたのと、ジャンボサイズの欠伸蛇に食べられかけていた2人組。後者は完全におまけだったが前者はなかなか重要な情報をくれたので手当してやった。というかこいつらよくこの状況で和気あいあいとできるな。一応BOWの群れのど真ん中なんだが・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 とりあえず落ち着いたところで拘束を解いてやった。連中もこいつらの相手は無理とわかっているのかおとなしい。ところで君たちは脱出手段を持ってるのか?それの有無で君たちの扱いが大きく変わるが。

 

 

「仲間のヘリが近くにある。連絡手段がなくて呼び戻せないんだ」

 

 

 おお!ここで初めて良いニュースが聞けたな。通信機器の類は残念ながらこの施設にはないが、屋上に出ればどうにでもなるだろう。面倒な仕掛けはBOWがこれだけいれば力ずくで大概どうにかなるしさっさt(ry『ドゴォンッ!!!!』はぁ!?何事!??

 

 

「ジル、クリス無事か!」

 

 

 は!?グレネードランチャー?なんでたかが市警があんなもん携行してるんだ!?くそ、せっかく脱出の手段が転がり込んできたのに『ドォンッ!』ガッ!?もう一人いたのか!BOWに目も呉れずに鉛玉を御馳走してくれたってことはあのグラサンが裏切り者か。最悪だ、このウィルスの坩堝で外傷なんて負ったら感染する可能性が高い。出来れば使う機会があってほしくなかったが、『保険』を打つか。とりあえずハンター5体に殿を任せて撤退だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 はあ、何とか研究室兼自室に戻ってきたが、もう手遅れか。この『保険』は『ターブル』を応用して作った脳機能保護薬で『デュボネ』と呼称した。マイクロチップに「現在の脳の形状・中身を記憶しながら浸食し、一切劣化することがないよう変異体を脳から排除すること」をプログラミングしたもので、本来は人間ベースのBOWに投与し、知性や記憶を維持したままTウィルスの変異を損なわないようにするための代物だ。一応一体だけだがBOWに臨床実験を行い、結果も問題ない。素体は別の研究施設にサンプルとして送られてしまったが。

 

 それはともかく、これをうまく使えば脳限定ではあるが擬似的な抗ウィルス剤代わりになる。ただし、脳以外は当然変異していくが。抗ウィルス効果が確認されているハーブを使用した治療薬と合わせて服用すれば、初期症状ならTウィルスを抑制できたはずなのだが、私の体は十人に一人の抗体どころか他人よりもウィルスが作用しやすい体質だったらしい。つくづく運がない。

 

 手駒もすでに壊滅した。途中で遭遇した見覚えのない鎖の化物の所為でもうハンター、変異体共に一体ずつしかいない。あぁ、あの耳障りな音が聞こえる。まったく、死にかけなんだから放っておいてくれれば良いものを。もう頭に霞がかって歩くことすら億劫だ。唯一救いなのが、痛覚が鈍って派手に吹き飛ばされても痛くなく、これから下に落下していくこともあまり怖くない。受け身も取れずにこの高さでは、間違いなく死ぬな。いや、確か下には『あいつ』がいたな。最後まで有効活用する術が思いつかなかったが、せめて最後位クッション以上の価値を見せてほしいものだ・・・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『テケリ・リ、テケリ・リ』

 

『テケリ?テケリ・リ。テケリ』

 

『テケリ・リ、テケリ・リ。テケリ・リ、テケリ・リ。テケリ・リ、テケリ・リ。テケリ・リ、テケリ・リ』

 




第三話にしてようやくオリ主の名前が出せました。そしてそのあとすぐにボッシュートですが(笑)
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