BIOHAZARD Iridescent Stench   作:章介

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評価バーが赤、それにお気に入り数が120・・だと・・・・・?


う、うわああああああありがとうございますううぅ!!!!
こんな拙い小説ですが、これからもがんばります!!


第六話

 Side ハワード

 

 

 

 ふう、大学を後にしてから再び夜を迎えたわけだが、まだ警察署につきません。どこかの莫迦が仕掛けた地雷に尻をローストされかけ、迂回したらヘリが不法投棄した、私の下位互換の汚物擬きをキレイキレイするのに時間を浪費し、そのあとは近道のために立ち寄った動物園で遭遇したアニマルゾンビをつい一匹残らずモグっていたら日が暮れていた。

 

 しかし資料で見たB.O.W.『エリミネーター』といい、人間以外の哺乳類動物は変異の幅が狭いように感じる。まあ、安定した変異が見込めるし、哺乳類全般にある恐怖心を克服できるので、商品価値は決して低くはない。ただ、如何せん脆く、カタログスペックが感染前と大差ないのが難点だ。けれど人間だって活性死体のような大幅な変異を起こすことだし、効果的に作用させることが出来れb『ドゴンッ!!』グエッ!?な、なんだ?

 

 ・・・なんだ、アレ?パトカーがピンボールみたいに壁を右往左往してる。車内で感染でもしたのかね?しかし警察官がひき逃げとか、平時ならマスコミが群がるスキャンダルだな『グシャッ』あれ、デジャb『プチッ☆』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ・・・・・・・・・・うん、交通事故は決して他人事じゃない。いつ誰に降りかかってもおかしくない身近な存在だ。それは知ってる。

 

 けど、1分で2回も轢かれる奴はそうはいないだろう。しかも大型トレーラーとか殺意高すぎだろう!?あ、足引掛ける所に服が絡んだあああああ痛い痛い、てか熱い!?視界が揺れ過ぎて逃げられん!!もうあれだ、擬態解くか!?解くしかないn(ry『Bomb!!!』ギャアアアアアアアッ!!?

 

 

 

 

 

 

 

 し、死ぬ・・。いや、肉体的には全く問題ないが、心が死ぬ。これ私じゃなかったらモザイク修正不可避のスプラッタ映像が出来ていたぞ。流石に頭が揺れ過ぎて体をモゾモゾとしか動かせない。あ、ちょっとマシになってきた。よっこいし『バゴォンッ!!』ょ・・・は?

 

 

「ウソ!?い、生きてる!!?ごめんなさい、大丈夫!!」

 

 

 あ、はい。むしろ貴方の足の方が大丈夫ですか?私の頭があった場所のコンクリートが粉々に・・あれ?人間の脚力で破壊出来るものだっけ?・・・・・・・・・・うん、老朽化して脆くなっていたんだ。きっとそうに違いない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「本当にごめんなさい。あの爆発の後で動き出したからてっきり『あいつら』だと」

 

 

 あの凄まじいファーストコンタクトから一転、彼女は謝りっぱなしだ。まあ、わざとでないとはいえ、人間(だと思い込んでいるもの)を殺しかけたんだから無理はないか。こちらとしては道中の露払いをしてもらってむしろ感謝したいくらいなのだが。

 

 

 しかし彼女は何者なのかな。弾が幾らあっても足りないので最低限の発砲で済ませているが、それでもほぼ全て脳天一発で仕留めている。途中銃砲店に立ち寄り、店主と思わしき哀れな犠牲者からボウガンを頂戴してからは一転攻勢、見敵必殺。一匹残らず仕留めている。しかも、倒した死体からしっかり矢を引き抜いて回収するわ、少し損傷したら銃砲店から失敬してきた工具でササッと修復するわ。そろそろ50体ほど血の海に沈めているがこちらの損耗はほぼゼロ。じつは人の皮をかぶった神話生物じゃないのか、彼女。

 

 彼女の肉体構造とタフネスについては非常に学者的好奇心をそそられるが、なぜか食欲は湧いてこない。こちらが圧倒的に有利なはずなのに返り討ちに会う未来しか想像できない。うん、このまま友好的な関係でいたいものだ。

 

 

 

 え?お前は戦わないのかって?偶にバールで撲殺したりしてるよ。ん?せめて銃使え?

 ・・・・これまで一度も描写してこなかったが、わたしの銃の腕は最低の斜め上だ。どのくらいかというと、研究所に配属されて初めて感染者を『処理』するときに拳銃を貸与されたが、うん、一発も当らなかったんだ。人間辞めた後も試してみたが結果はお察しの通りだ。

 

 

 

 

 彼女とは道中ストレス緩和も兼ねて、進みながら色々と話をした。驚いたことに彼女は洋館で遭遇したタフガイ、クリス・レッドフィールド君の妹なのだそうだ。あの銃捌きも彼直伝とのこと。もっと他に教えるものがあっただろうに・・。彼もあの地獄から五体満足で生還しているし、この超人的な身体能力は遺伝によるものなのか?Tウィルスなんかよりもよほど希少な存在に見えてきたんだが。

 

 それはともかく、彼女はこの街に何度か来ているため土地勘があり、裏路地を抜けてあっという間に警察署前まで来れた。私のあの珍道中との温度差がひどすぎるような気もするが、きっと気のせいだろう。

 

 そのまま警察署内に入ったわけだが、これが妙に綺麗にされている。勿論至る所に血痕やら空の薬莢やらが散乱しているが、外で散々見た連中が一体もいない。このバイオハザードが発生してから既に二日経過しようとしているが未だ警察が機能しているのか?それなら驚きを通り越して尊敬に値するが。

 

 隣の彼女もこの状況を見て兄の生存に希望が持てたのか、先ほどより遥かに良い顔で探索している。恐らくこの街に来て初めての朗報だろう。

 

 などと浮かれていたのが不味かったのか、デスクが大量に敷き詰められた一室に入って直に一発の銃声が鳴り響き、クレアのボウガンが弾き飛ばされた。何事かと思い、銃声のなったほうに顔を向けると、これまた懐かしい人物が立っていた。彼も一瞬驚愕していたが瞬時に顔を引き締め直し、此方が両手を挙げたままでいるとゆっくり銃を下した。

 

 

Side Out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「手荒な真似をして済まない。街がこんな事態になったせいか、化物以外にも頭の螺子が飛んじまった連中が偶に入り込んできてな。そいつらの所為で同僚が2人死んじまって気がたってたんだ。

俺はエンリコ・マリーニ。R.P.D.特殊作戦部隊『S.T.A.R.S.』の元副隊長だ。あんたは?」

 

 

 危険人物ではないと判断したエンリコは出入り口を施錠し、クレアたちに適当な席を勧めた後スポーツドリンクとチョコレートを配った。極度の緊張が続いていたクレアはそれに飛びつき、人心地着いた後で彼はそう切り出した。

 

 

「私はクレア。クレア・レッドフィールドよ。連絡が取れなくなった兄を探しに来たらこんな騒ぎに巻き込まれちゃって」

 

「なに?君はクリスの・・?ならタイミングが悪いとしか言えないな。あいつは少し前にこの街を出た。生き残った仲間たちもつい先ほど護送車に乗せて離脱させたところで、署内に残っている奴は俺以外一人しかいない」

 

「一人?アイアンズ署長、それとも別の人?」

 

 

 そうクレアが尋ねるとエンリコが苦虫を噛み潰したような表情を浮かべる。まずいことを聞いてしまったかと慌てるクレアに対し、エンリコは少し長くなるが、と前置きしてから話し始めた。

 

 

 

 

「実は俺たちは、この街がこんなことになる前にも似たような事態に直面しているんだ。山の麓で猟奇殺人が発生してな。その調査に向かった俺達は其処で遭遇したんだ、今街を我が物顔で歩いてる連中にな。詳しい経緯は省くが、多くの仲間が犠牲になりながらも俺達は生還した。そしてそこで見た一部始終を打ち明けたが、反応は芳しくなかった。まあ仕方ないことではあるがな。こんな地獄、体験した奴しかわかる筈もない。

 

 ただ、全く無視されたわけでもなかった。大口径オタクの変人で通ってたバリーや若い奴等だけならともかく、長いこと此処でとぐろ撒いてた俺もいたからな。この街が少しヤバいってことは何とか伝えることが出来た。

 

 そんな中でだ、奇妙な態度を取るようになった奴がいた。そう、さっき君が名を挙げたアイアンズ署長だ。いきなり俺達に謹慎処分を下しやがった。俺たちの話にようやく皆が耳を傾けてきたって時にだ。同僚たちも抗議してくれたが聞く耳を持たない。どいつも首を傾げたさ。

 

 極めつけはこの騒ぎが始まって直に、署内の弾薬その他を出鱈目に配置し直そう、なんて言いやがった。俺は真っ向から反対したよ。この騒ぎはテロなんてチンケなものじゃねえってな。幸い仲間も署長じゃなくて俺を信じてくれた。

 

 そしたらあの野郎、俺を署長室に呼び出したかと思えば、銃を向けてきやがった。ま、お節介な奴に助けてもらったが、あの時ほどあの遅刻魔に感謝したことは無かったな。

 

その後化け物どもが群れを成してきやがったが、『S.T.A.R.S.』の私物の火炎放射器やらグレネードランチャーやらも投入して何とか迎え撃ってやることが出来たって訳だ。」

 

 

 

 

 

 

クレアは開いた口が塞がらなかった。兄が自分より先にこの地獄を経験していたこと、その苦しみを家族に一言も漏らさなかったこと、今もどこかで戦っていることを・・・。

 

 

「なあクレア。上の階に俺たちの執務室がある、まだ色々と使えるものがあったはずだ。取ってきてくれないか?おれはちょっとこっちの坊主に話さなくちゃならないことがあってな」

 

 

 そういわれて一度ハワードと顔を見合わせた後、彼女は部屋を出た。このままだとどうしようもないことを延々と考えてしまいそうだったので、渡りに船だった。それに、街の部外者であるクレアには聞かせたくない話もあるかもしれない、と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やあ、久しぶり、といったところかな?おまわりさん」

 

 

「・・・やはり君か。まさか生きていたとはな」

 

 

「お互い様だろう。手当はしたが、結構重傷だったろう」

 

 

「頼りになる同僚がいたからな。・・・君はアンブレラの研究者だったな。感染者の治療は出来るか?」

 

 

「程度による。抗ウィルス剤は持っているし、処方の心得もある。さっき言ってた『もう一人』か?」

 

 

「そうだ。あいつは自分の身の危険も顧みず俺達を守ってくれた。死なせたくないんだ」

 

 

 

 そういってエンリコはハワードを伴ってすぐそばの応接室へと向かった。ドアの鍵を開けて入った途端怒鳴り声が響いた。

 

 

 

「エンリコ、俺を撃つ気がないのなら開けるなといったはずだ!俺もじき『あいつら』の仲間入りだ。迷惑をかけたくないんだ・・・。わかってるだろう!」

 

 

「マービン、俺も言ったはずだ。お前を撃てるはずがないだろう!誰よりも素晴らしい警察官であるお前を。医者を連れてきたんだ。ハワード、頼む」

 

 

 

 私は科学者なんだが、と一人ごちながら、てきぱきと処置をしていく。傷口を一通り止血した後、抗ウィルス剤を投与した。

 

 

 

「正直、期待は薄いと思ってくれ。感染者との接触が多く、何より失血が酷すぎる。抗ウィルス剤がうまく機能しない可能性が高い」

 

 

 

 ハワードがそう説明すると、エンリコの表情が酷く歪んだ。マービンの方は最初から期待していなかったのか、変化は無かった。

 

 

 

「ただ、貴方のウィルスへの抵抗力はとても高い。普通ならとっくに変異している。貴方の血液を使えばより効果のある抗ウィルス剤を作れるかもしれないが、どうする?」

 

 

 

 そう尋ねてやると、初めてマービンの表情が変わった。彼は即座に了承した。

 

 

「どうせ要らなくなる血だ。幾らでも持って行ってくれ。それであいつらが少しでも安全になるのなら本望だ」

 

 

 

 ハワードも返事を予想していたのか、すでに注射器を手にしており、わずかな量を採った後、「これは餞別だ。私が使っても資源の無駄だからね」と言って拳銃を傍に置いた。

 エンリコは慌てて取り上げようとしたが、マービンの安堵した表情を見てしまい、何も言えなくなった。

 

 

 

「恩に着る。まだ弾に余裕はあるが、警察官として貸与されたこれを自殺に使うのはどうしても気が引けてね。・・・わがままを言って済まない。エンリコ」

 

 

「いや、いいんだ。お前は本当によくやってくれた、マービン。俺はお前という同僚を持てたことを誇りに思う。後のことは任せろ」

 

 

 

 最後に握手を交わした後、エンリコとハワードは応接室を後にした。

 

 

 

「これからどうするんだ?」

 

 

 試験管を懐にしまいながら、ハワードは尋ねた。エンリコは目元に涙を浮かべながらも、毅然とした声で答えた。

 

 

「俺はここに残る。まだジルやブラッド、リチャード達が戻っていない。幸いリチャードが此処を出る前にバリーと連絡を取ってくれた。あいつは決して俺達を見捨てない。だから俺はここを守る。あいつらが戻ってこられるように。あんたはどうするんだ?」

 

 

「私はここの地下に少し用があってね。親切心5割、下心5割といったところか。・・・・ああ、そんなに睨まなくても、あの警察官の思いを踏みにじるつもりはないよ。彼から貰ったものは、少なくとも私の為だけに使うことは無いよ」

 

 

 

 そう答えた後、彼もまた部屋から出て行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「地下にはどうやって行こうか。秘密の入り口・・となると署長室が怪しいな。下水道は最後の手段にしたいところだね」

 

 そう独り言を呟きながら、試験管の中身を飲み干した。

 




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