編みて我身を遺さず 作:水系三文字
今年もたぶん六回、よろしくお願いします。
戦場に埋もれていた私は日本を夢に見る
目が覚めるとそこは腐敗臭が漂っていた。
「……!?ぅう……コホ」
辛うじて動く首を動かすと辺りには銃で撃ち抜かれたのであろう死体たちが無造作に、されど一ヶ所に集められていた。
向こうのほうをみると、そこには銃で戦う兵士たち。
戦いが静まるのを待つことにした。兵士たちの銃を見る限りどれも同じようなもので、世界大戦中に使われたものではなかった。
ならばなにか、答えはすぐに見つかった、死体たちについた国旗のようなもの、アメリカの国旗だ。さすがに星の数は少なかった。
夜になり、這いつくばるようにその場から脱出した。見回り兵などはいないらしく途中からは立ち上がり逃げることができた。
途中にいた山羊と馬が混ざったような動物を手懐け、アメリカの東部を目指す。南北戦争時代ということは日本はいま江戸の終わりということだろう。
ペリー・なんとかはもうすでに日本に行き開国を迫ったはずだ。
……日本に行けないことはない、海を渡るか陸を行くか……
どちらにせよかなりの時間がかかるだろう。一番てっとりばやいのは、人が乗ったりしても問題なく飛ぶような幻獣とかを探して乗ることだが……まあいないわけだ。
西暦一九六〇年以上にそこまで大型のやつはいなかったが……まあ小さいのはいたよ、鳩くらいのが。
一日にどれぐらい移動したかも忘れたが、ロッキー山脈を越したところまできた。長かったと言葉をついもらしてしまった。ただ同じような景色を
「ぷふぷきゃ?」
「おーよしよし……ちょっと考え事してただけだから」
「ふぷーー!」
「……うん、やっぱ変な鳴き声ね、貴方……」
「今日はここまでかしらね……?あれは……」
少し離れた所に明かりが見えた。町だ、さっそく行こうと思ったものの日がくれてしまったし、もう1つ重大なことを忘れていた。
「名前……なんだっけ」
今回は冒死体に埋まっていたから誰かに呼ばれることもなかったので名前がわからなかった、しかし名がないのも不便思ったのだ。町があるとしたら名を聞かれることも少なくはないだろう。
結局この日はその場所で一夜を明かした。
ある程度考えてルイス・マンサケシャ、由来はサンマと鮭、ルイスは適当だ。
「ルイス・マンサケシャ……良いんじゃないかしら?どう思う?」
「ぷーぷきゃきゃ!」
おーおよしよし、ご飯かい?
「ん~~リンゴ擬き、まだあったかしら?」
あーあー回らない!回らない!
次の日、私は移動を開始した。念には念をということでサブローには隠匿の魔術をかけて町に足を踏み入れた。
格好が旅人のようになっていたのが幸いしたのだろう。私は特に怪しまれることもなくすんなりと町に入ることができた。
はいってすぐにだが私は男に絡まれた。名前は
「マンサケシャだったね?僕は、エリック、エリック・
……だそうだ。
例えるならナンパというやつだろう。自分で言うのもあれなんだけど今回の顔の造形とってもいいのよ。
あれ、THE外国人ってかんじのやつ。ともかく自画自賛しちゃうくらいには美形な作りをしているということ。
取り敢えず断る、本当に言うのが恥ずかしいと感じてしまうけど、釣り合わない、自分で認めてしまうくらいの顔には釣り合わないし、この男のためにもなると思う。
こいつ明らかに自信て満ち溢れてる顔してるんだもの。これはあれよね、虎の威を借りる狐みたいな生き方してきた人間の顔よ。そういえばウルクにいたころにもいたのよね……こんな男。
「お茶……」
「ごめなさいね、私、急いでるのよ、邪魔しないでくれるかしら?」
一言一言を強く、はっきりと強調して紡いだ言葉は、人を黙らせるにちょうど良い。これは効果的だと思う。
ほら、この男だって正に絶句って顔してるわ。なんかもう、カメラが欲しかったって思うくらいの絶句顔だったわ。
まあ、後がちょーーーーーーとだけ怖かったから、即刻町から出て、海の方向に向かった。
そういえばもうちょっと早い時間帯だと西方にビリー・ザ・キッドがいたんだっけ。ちょっと残念かな~~
「サブロー!ちょっととばすよ!!」
「ぷきゃ!」
私はサブローから一旦降り、己の魔術回路を起動させ、脚部を強化、それと共に足を二歩先に踏み出す。
それはスキップに近い動きだ。どちらかと言うと水の上を走るようなことであるのだが。
一歩を出し、地につく前に二歩目を先に空を蹴る。速さをさらに速くすれば戦国
まあ四歩駆けて歩くところを二歩空中決定地面につく回数を減らしてるだけなんだけどね。
さらには魔術回路について、気にも止めていなかったことだが唐突に気がついた。この三回の転生で全部変わっている。
一回目は設置するような魔術にたけていて、二回目は物の強化に、今回は自身の強化がやりやすいようだ。
などと悟っている間にまた町についたのだった……