自由人のための天空城【完結】   作:おへび

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おひさしぶりです。寒くなってきたので戻ってきました。
アニメの第三期、カッツェのシーンにわくわくしてたのになんか実際みて見るとあんまりインパクトありませんでしたね。なんでだろ。CGでのっぺり感が強くていくつもの人生が蹂躙されてる感が薄かったからかなぁ。


第29話

 たっち・みーを見送った後、モモンガとリュウズはまた世界に流れる時間の川を遡ったり進んだりした。それはもう、自由自在に行き交った。

「ホワイトブリムさんがメイドで釣れるとは思っていたけど、まさかベルリバーさんのあんな所に出くわすとは……」

 モモンガが呟きながら見下ろしたのは、先程見送ったベルリバーの亡骸である。彼はとある企業のまずい情報を知ってしまい、事故に見せかけて殺された。その現場にモモンガは来ており、彼の嘆きともっといい世界に行きたいという願望を聞いて、ならばうちが最適ですよとどこぞの販売員の如く己の今居る世界をアピールして転移を促した。それが五分ほど前のことである。

 その大企業に思う所があるらしいリュウズは先程から笑みを深めた状態で黙っている。それが何か思案する姿であるということを、もう二十回以上ともに世界を渡ってきたことでモモンガは気づけていた。ただし何を考えているのかまではわからない。そして、いつまでも考え込まれていると自分のやりたいことができなくて困ってしまう。

 適当な所でモモンガは骨の右手を挙げた。先の尖った指先で、ちょい、とリュウズの素肌部分である二の腕をつつく。

「リュウズさん」

「……あ、ああ、はいはい。次ね」

「何か思うところでもあるのですか?この企業に」

 モモンガが呟いて指さしたのは蛇の文様が入ったエンブレム輝くモニターである。情報こそ削除されたがモニターの映像記録は別口で残されたらしいそれをじっと見つめ、リュウズはふるりと首を横に振った。

「ありますが、それはあなたには関係のないことです。それでは次に参りましょう」

 そう言ってモモンガが次に向かったのは武人建御雷の所だった。この人はこの肉体を軽視するご時世において武術に傾倒した人間であり、リアルの人々に前時代的と言われてきたためか、彼の死の間際には道場はとっくのとうに壊されており、彼の心の根も同じようなものだった。

 その姿を見てモモンガは最初これはダメかなと思った。二十回以上同じようなことをしていればそろそろ勘のようなものも宿ってくるのである。しかし、彼の勘は外れた。「こっちに来れば理想の肉体で好きなだけコキュートスと戦えるし、コキュートスはたぶんあなたという己が知りうる限り最強の存在と戦うことを希っている」と告げるとやる気大爆発してスキップしながら異世界にとんでいってしまった。曰く、

「俺と戦うことを望む強者がいるのなら、いかないわけにはいかんだろう!」

 らしい。彼の返答を聞いてモモンガとリュウズは顔を見合わせこれはどういう意味だろうとお互いに目線で会話したものの、二人とも武人の精神などわからないので理解を諦めてしまった。

 賭けの行為はその後も続いた。眠ることも食べることもいらぬ、肉体から離れた存在となった彼らにとって、時間感覚もまた縁遠いものなのだ。モモンガは種族的にもそうなっていたし、リュウズはというと「六百年たっぷり昼寝したからこれくらいどうってことはない」と言ってモモンガに付き合った。

 そうして彼らは、ついに、遂に、最強最悪のアインズ・ウール・ゴウンのメンバーと相対することになった。

 

 

 

 

「あっれー。なんで俺の目の前に骸骨がいるわけ?」

 そう、あっけからんとした声で言う男は三十代の後半くらいだろうか。不健康な痩せ方をしていて顔色も悪く、というか死んでいるのでそれらは最悪の状態になっている。けれど体から抜け出したらしい半透明の存在はそんな不調をものともせずにモモンガにとって聞き覚えのある声を出しながら首を傾げた。

「るし★ふぁー……」

「あっその声はモモンガさん!?アレッ俺の死神ってモモンガさんの姿で出てくるわけ!?マジで!?そんなことならモモンガさんにオリジナルアイテム渡してから引退すればよかった……!」

「されなくてよかったなと今心の底から思ってますが、ちなみにもしも渡すとしたら何を渡すつもりで?」

「んなもん『恐怖公の』無限召喚アイテムに決まってんじゃん!俺と会ったら作動するタイプのやつ!モモンガさんの骨の隙間からめっちゃ出てくるの。うっはめっちゃ面白そうじゃねーのこれ!」

 ケタケタケタケタと男が笑う。モモンガはこいつだけは正直な所呼びたいか呼びたく無いか答えを濁らせたい程度には色々と思う所があるが、まだ『成功』したのが十五人しかいないので、可能ならば彼も世界に連れていく必要がある。なので、モモンガは額に骨の手を当てながら自分がここにいる事情を説明し、彼がどうなったのか、これからどうすることができるのかを示した。

「で、どうしますかるし★ふぁーさん」

「そんなん行くに決まってんじゃん。こんなクソみたいな世界よりそっちのが面白そうだし」

「ですよねあなたそういう人ですもんね!ああもう、向こうに着いたら俺が戻る前に可能な限りナザリックに仕掛けた自爆系の罠外しといてくださいね!?」

「なんでさ」

「あっちではフレンドリーファイアが解禁されてるからシャレにならないんですよ。あんた、風呂場にゴーレム仕掛けておいたでしょう。あれで危うく守護者が怪我する所だったんですよ」

「まじでーゴッメーン」

 男はてへぺろ!と口で言いながら馬鹿にした表情を浮かべつつポーズを取った。殴りたい、この笑顔感が半端ない。モモンガは今の自分に精神高揚を抑えるスキルがあれば間髪入れずに作動しまくっているのだろうなぁ、と思いつつ、リュウズの手を借りてこの男を異世界に送り飛ばした。

 いや、モモンガの精神的にはケツを蹴り飛ばしたといった方がいいかもしれない。その証拠に、彼はるし★ふぁーを送った後思わず地面に手をついて疲労の滲んだため息をついた。だが、彼の苦労はこれだけでは終わらなかった。

「モモンガさん」

「次ですね。わかりました、さてゆきま──」

「そうじゃなくて」

 話しかけてきたリュウズがモモンガを否定する。膝をついて立ち上がりかけたアインズは、否定の言葉に少し首を傾げてリュウズを見つめた。そして彼女の目がきらきらしているのを見て、見なかったことにしようとして視線を逸らした。

 しかし一度みて仕舞ったものを無かったことにはできない。リュウズはきらきらを体全体にまとうとぐいっとモモンガに詰め寄った。

「先程の、るし★ふぁーさんという方。とても面白そうな方ですね。是非ご紹介ください」

「あの、めちゃくちゃ聞きたくないというか、知りたくないんですけど、何故……?」

「趣味が合いそうだから」

「混ぜるな危険!!」

 モモンガが絶叫したのは言うまでも無い。




モモンガによる説得ロール、1d100で50以下で成功、51以上で失敗

ホワイトブリム 30 成功
名無しの誰か 65 失敗
ベルリバー 47 成功
武人建御雷 25 成功
スーラータン 67 失敗
名無しの誰か 81 失敗
チグリス・ユーフラテス 78 失敗
るし★ふぁー 自動成功

どっちかっていうとナザリックのカオスのが書きたいけど、そのためにもさくさく進めるぜ。

成功16、失敗13
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