荒野の中に3人の男が立っている。その男達の中心に人型の、しかし人間とは形容しがたい生物が倒れている。
男達は傍から見ても満身創痍だとわかるほど傷つき、疲れている。異型の生物は体を一刀両断するかの如き太刀傷に体全体を覆う火傷のあとがある。
「ようやく死んだか…」
男の中の赤髪の男が言う。
ここはとある世界。幻想郷ではなく現代でも無い。ここでは魔法が飛び交う戦乱の世界。男達と異型の生物は先程まで死闘を繰り広げていたと見られる。
「長かったな。ここまでたどり着くのに」
「ああ、これでようやく平和な世界になるだろ」
赤髪以外の男達が言葉を漏らす。あまりの疲れからか知らず知らずのうちに座り込んでいた。赤髪もようやく緊張が解けたのか安堵のため息をだす。その時…
「…まさかこの俺を倒すとはな」
「! まだ生きていたのか!しぶといヤツだ!」
またしても全員に緊張がはしる。
「お前達をすこし見くびっていたようだ。認めよう。お前達は強い。3人の力を合わせればこの俺を倒すほどにな」
「は!やられたくせに随分と上から目線じゃねーか」
赤髪が答える。
「今のお前はもう魔力もなく、体も動かない。何も出来ないだろう。大人しくくたばりな!」
「確かにこのままだと確実に俺は死にお前達に平和が訪れるだろう。だが…何も出来ないと思ったのは誤算だったな!」
異型の生物は倒れながらも右手を挙げる。そして右手には黒い球体状の魔道具が握りていた。
「な!」
男達は驚愕する。まだ何か奥の手が残っていたのかと。
「お前達を殺す魔力は残ってはいない。しかし俺には勝つ手段がある!これはお前達を異世界に飛ばす転移道具!普段は発動が遅く当たらないが今なら確実に当てられる!!」
不味い、男達はそう思い逃げようとした。だがやられそうだったのはこちら側も同じ。体が思うように動かず、魔力も残っていない。
「お前達さえ居なければ俺は傷を癒しまたこの世界を掌握する!今度こそ!世界を手に出来る!」
異型の生物は魔道具の発動条件…球体を割ろうとしていた。球体から出るは黒い光。その光は円状に広がり当たったものを異世界に飛ばす悪魔側の最上道具。
全員が確信していた。男達が異世界に飛ばされ人間側の敗北だと。そしてこのままだと確実に当たると……。
しかし、一人だけ、全く違う発想の者がいた。不死鳥と呼ばれ人間側の最高戦力と謳われた赤髪の男。
彼は魔道具が割られる直前に魔道具を覆うように…光が漏れないように飛びかかった!
「貴様!何をしている!」
「なに、どうせ飛ばされるのならお前を巻き添えにしようとしたまでさ!」
「
異型の生物…悪魔は魔道具を割るのを辞めようとしたが時すでに遅し。遂に魔道具は割れた……赤髪と悪魔の狭間で…
「不死鳥!!!貴様ぁぁぁ!!!」
「…じゃあなお前ら。後は任せたぜ」
不死鳥は微笑み、消えた。