東方不死鳥紀   作:はまなつ

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9話です。本当は今回、戦闘回になる予定だったんですが次回になりました。見切り発車感が凄い…。もう少し予定通りに書きたいこの頃。


9話 まさかの?

「はい、それじゃあ包帯をとるわよ」

 

俺は今昼の検診を受けている。…本当は朝にやるはずだったらしいのだが俺が熟睡していて出来なかったらしい。確かに起きた時には昼手前だったからな。久々に寝たわあんなに。

 

「…昨日あなたが言ってた通りね。()()()()()()()…。もう治ってる所もあるくらいね」

 

「いえ、永琳さんの薬のおかげですよ。それが無ければ回復も遅かったでしょう」

 

「それにしてもよ。やはりあなたは普通の人間ではないようね。」

 

…なんだろう。これは褒められてるのか呆れられてるのか。どっちにしろ永琳さんにいわれたくないが…

 

「とりあえずあなた、今からお風呂に入ってきなさい。そんな血だらけだと衛生的に良くないから」

 

確かに今の俺は傷こそ塞がってきているがそれでも服に血や土埃がついている。丁度風呂に入りたかったところだ。

 

「あ、じゃあお言葉に甘えて」

 

「優曇華院について行けばお風呂場に着くから。宜しくね優曇華院」

 

「はい!それでは信二さん。こちらです」

 

俺は鈴仙について行く。その途中で一つ気になっていたことを鈴仙に聞く。

 

「なぁ鈴仙。昨日永琳さんにどんなお仕置きされたんだ?」

 

「……………………………………」

 

「……………………………………」

 

「……信二さん。世の中には知らない方がいいこともあるんですよ…」

 

「お、おう。そうか。済まなかったな。変なこと聞いて」

 

「いえ、気にしないでください」

 

俺は久しぶりにあそこまで死んだ目をしている人を見た。

 

(まじで何したんだよ永琳さん!)

 

「ここです。信二さん。お洋服はここの籠に入れてください。洗っときますんで」

 

「うん、ありがとう鈴仙。…次からは目を合わせて話してくれよ」

 

「!…はい。善処します」

 

そう言って鈴仙は部屋を出ていく。昨日から鈴仙はこちらを見てくれるが目を合わせてくれてなかった。最初は人見知りをしているからかと思ったが話している感じそういった感じでは無かった。おそらく鈴仙は目を合わせたがらない理由があるのだろう。

 

(後で聞いてみるか…)

 

それはさておき、お湯加減はどうかな?

 

(お、丁度いい感じだな。ありがたい)

 

俺はまずお湯を体にかける。体に付いた血を流すために。

 

「いって!やっぱり染みるな!」

 

覚悟はしていたがやはり染みるものは染みる。まぁ湯治だと思って入るか。俺は意を決して湯船に浸かった。

 

 

 

 

「輝夜ーー!出てこーーい!」

 

永遠亭の外から大声が聞こえる。妹紅の声だろう。

 

「来たわねクソもんぺ!今日こそ殺してあげるわ!」

 

「それはこっちのセリフだ!クソニート!たまには永遠亭から出たらどうだ!」

 

そう言いながら弾幕を放つ妹紅。これから始まるは永遠亭名物。妹紅と輝夜による殺し合いだ。

 

「余計なお世話よ!あなたこそたまにはタケノコ以外の食べ物を食べてみなさい!タケノコもいい加減あなたの顔見飽きてるわよ!」

 

輝夜も大声を出しながら弾幕を放つ。昨日までの姫様オーラは微塵も感じられない。

 

「なわけないだろ!不死「火の鳥 -鳳翼天翔-」」

 

妹紅がスペルカードを使う。鳥型の弾幕が弾幕を撒き散らしながら輝夜に接近する。

 

「そっちこそ!難題「龍の頸の玉 -五色の弾丸-」」

 

輝夜もスペルカードを使う。5色の玉と5色の棘が妹紅に降り注ぐ。妹紅の出したスペルカードを途中で相殺しながら。

 

「その程度じゃ私に当たらないぞ!不滅「フェニックスの尾」」

 

新たにスペルカードを発動する妹紅。妹紅を中心として前後に弾幕が飛び散る。その数はとてつもなく隙間などないくらいに。

 

「そっちこそ!甘いんじゃないの!神宝「ブリリアントドラゴンバレッタ」」

 

輝夜も負けじとスペルカードを発動。先程のスペルカードより棘が増える。しかも先程は弾幕の行く先がランダムだったが今度は違う。妹紅を射つために弾幕が妹紅を狙ってくる。

 

「まだまだー!」

 

「なんの!」

 

どんどんと激しさを増していく妹紅と輝夜。それに比例して弾幕の量も威力も増していく。殺し合いというのは伊達ではないようだ。

 

「なんだ?さっきっから凄いうるさいけど?」

 

と、そこには風呂上がりの信二。今は永琳が用意した患者用の服を着ている。

 

「あそこにいるのは…妹紅と輝夜?何でまた…」

 

「あ、信二さん、あがったんですね。どうでしたか?お湯加減は?」

 

「あぁ、鈴仙、丁度よかったよ。…ところであそこで妹紅と輝夜は何してるんだ?」

 

「はい、殺し合いです。ほぼ毎日やってますよ?」

 

「あー。そう言えば昨日そんなこと言ってたな。想像以上に殺しあってるな…」

 

「まぁ二人とも楽しんでいますがね」

 

「殺し合いなのにか?」

 

「ええ、二人は蓬莱人…死ぬことがないですからああやってお互い生を実感してるんです。口ではお互いひどいこと言いあってますけど、本当は二人とも仲がいいんですよ」

 

「そうか…いいコンビじゃないか」

 

「ええ、とっても」

 

鈴仙と二人話している間にも妹紅と輝夜の殺し合いは激しさを増していく。

 

「それでも今日は一段と激しいですね…」

 

「喰らえ!蓬莱「凱風快晴 -フジヤマヴォルケイノ-」!」

 

「終わりよ!神宝「蓬莱の玉の枝 -夢色の郷-」!」

 

お互い渾身の一撃を放つ。お互いの技を相殺し合いながらせめぎあう。するとお互いの技の一部が弾き合い鈴仙目掛けて飛んでいく。

 

「…え?」

 

鈴仙は突然の事で体が動かない。この弾幕は弾幕ごっこではなく殺し合いの弾幕。危険だと言うことは火を見るより明らかである。

 

「な!しまった!」

 

「避けて鈴仙!」

 

妹紅と輝夜も鈴仙が危険だと気づいた。しかしもう手だし出来ない。気づくのが遅すぎた。そのまま弾幕は鈴仙を貫…

 

「おらよ!」

 

…ぬく前に信二が腕を振るう。するとその軌道と同じ軌道上に炎が突如として現れ駆け抜ける。そのまま弾幕とぶつかり、弾幕を消し飛ばした。

 

「ちょっと熱くなりすぎだぜ二人とも。これは少しお灸を据える必要があるな」

 

そう言いながら信二は妹紅と輝夜の方に歩いていく。少し二人をお仕置きするために。

 

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