「ほーう!興味深いな」
信二の浮かれた声が図書館に響く。信二は早速図書館の中から自分が気になった本を手に取っていた。
「あなた、中々魔法について知ってるじゃない」
「俺の世界でも色々な魔法使いがいたからな。それなりに知ってるつもりだ。けど、俺の知らない知識もまだまだあるもんだな」
「当たり前よ、知識に終わりは無いもの」
「同感、それがまた楽しいところだ」
「それで?聞きたいことってなに?」
「ああそうだ。俺空を飛べないんだよ。だから空を飛べるような魔法を教えて欲しいんだ」
「あら、魔法使いなのに空を飛べないの?」
「恥ずかしながらな。そういう文献は見たことなかったもんで」
「そうなの。魔法が使えるなら空を飛ぶのは簡単よ。コア、本をとってきて欲しいのだけど」
「はい、パチュリー様、どの本ですか?」
奥から出てきたのは赤髪と小さい羽が付いている少女。この少女が小悪魔らしい。なるほどどうして、聞いていた通り害は無さそうだ。
「ではとってまいります!」
「…いい子じゃないか、元気でハキハキしてる」
「結構ドジやらかすけどね。仕事はちゃんとやってくれるわ」
幻想郷にはこんな悪魔がいるのか。どうしても俺は悪魔と聞くと悪いイメージしかない。…少しずつ払拭していくしかないな。なんてことを思っていると
「魔理沙さん!いつの間にいたんですか!」
「魔理沙?!また来たのね!」
「魔理沙?いるのか?」
どうやら魔理沙が図書館にいるらしい。本当にいつの間に来てたのか。だが少し様子がおかしいな。
「ちょっとの間本を借りるだけだって」
「その前に今まで持っていった本をかえして下さい!」
「返すよ、私が死んだら」
「ほとんど泥棒じゃないですかー!」
「人聞きの悪い事言うなよ。ちゃんと返す気はあるんだからさ」
「そういう事じゃないわよ、今日こそ今まで奪っていった本を返してもらうわよ」
「おうパチュリー、この本借りてくぜ!」
そういい魔理沙は箒に乗る。
「逃がさないわ!コア!」
「はい!」
小悪魔が魔理沙を捕まえようとするが…
「遅いぜコア!そんなんじゃこの魔理沙様は捕まらないぜ」
ひょいと軽く躱す魔理沙。
「待ちなさ…」
「先手必勝!」
パチュリーが弾幕を放つより先に魔理沙がパチュリーに弾幕を当てる。予期してなかったのかパチュリーは弾幕を躱せず被弾する。
「む、むきゅー…」
「パチュリー様?!」
「じゃーなパチュリー!」
そのまま魔理沙は図書館の出口へまっしぐら…とは行かなかった。何故か?俺が立ち塞がったからだ。
「おっと信二、何のつもりだ?」
「どうも何も、会話を聞いていると魔理沙が悪いようにしか聞こえないんだが?」
「だから死ぬまで借りてくだけだぜ」
「それはあまりにも強欲過ぎるぞ魔理沙。1週間くらいで返すならまだしも、死ぬまでなんて理不尽だろ」
「何を言われようが考えは改めないぜ。どうしても通さないなら、信二も倒すだけだ!」
魔理沙は弾幕を放ってくる。
「甘いぜそんなん」
俺は炎でかき消す。しかしその間に魔理沙は出口へ一直線に向かう。
「させるか!
俺はすかさず出口の手前に火炎柱を放つ。
「うお!あぶねーよ信二!当たったら黒焦げじゃないか!」
「そんなへましないさ。さー魔理沙。本当に黒焦げになりたくなかったら大人しくするんだな」
「まったく、あんまり派手なことはしたくなかったけど仕方ないな」
そういう魔理沙はミニ八卦炉を取り出す。
「充分派手なことしてるだろ…」
「こんなんで派手とか言ってたら幻想郷で生きていけないぜ!くらえ信二!恋符「マスタースパーク」」
魔理沙が技を出す。ミニ八卦炉から放出されたのは今まで見てきたような弾幕ではなく、光の光線だった。
「ほう。そんな弾幕もあるのか。けど少し手加減しすぎだ。
信二も炎の爆炎を出し対抗する。そして二人の技はぶつかる。だが数秒拮抗したあと信二の技が魔理沙のマスタースパークを飲み込む。
「なに?!あぶね!」
魔理沙は炎に飲まれないように横に避ける。
「予想通りだ!
信二は左手で魔法を繰り出す。その魔法は魔理沙を攻撃するための技では無い。魔理沙を拘束するための魔法だ。
「あっつ!しかも出られないじゃないか!」
その技は魔理沙の周りを囲むようにして燃えさかる。魔理沙も出ようと弾幕をだすが弾幕は全て炎に飲まれて消えてしまう。
「無理に出ようとするなよ。その炎は見た目以上に威力が高いよ」
「あつい!出してくれ信二!」
「逃げようとするなよ?逃げたら本当に炎当てるぞ?」
「わかったから!早く!」
「…小悪魔、ロープ持ってきて」
「…あ、はい!直ちに持ってきます」
「はーやーくー!」
「はぁー、やれやれ」