「まったく酷いぜ信二。乙女を縄で縛るなんて」
「縛ったのは小悪魔だけどな。それにあんなことするのは乙女じゃないでしょ」
「あんなもんに閉じ込めやがって…本当に熱かったんだぞ!」
「そうじゃないとお仕置きにならんでしょ。ほら、パチュリーに謝んな」
「絶ッ対にやだね!」
「ったく、強情だな」
「いいのよ信二。謝ってもらわなくて。今に始まったことじゃないし」
「いいのかパチュリー?」
「その代わり…本は返してもらうわよ?」
…すごいな、パチュリーの後ろから炎が見えるほどの威圧感だ。
「お、おい待てよパチュリー…何をするつもりだ?」
「何って……あなたが本を返したがるようなことよ」
パチュリーが微笑みながら言う。…ハッキリ言っていい笑顔だ。いや、怖い的な意味で…。
「ちょ、ちょっと待てよ!おい信二!助けてくれ!」
「魔理沙……自業自得だ」
「信二のバカーーーああーーー!」
魔理沙の俺への罵倒は次第に悲鳴に変わっていった。
(…なんか幻想郷に来てからお仕置きみたいなのよく見てるな)
俺はそんなことを思いながら一瞬にして気絶した魔理沙を見ていた。
「さて信二。ありがとうね、魔理沙を捕まえてくれて」
「どういたしまして。流石にあれは見逃せないからな」
「お礼と言ってはなんだけど好きな本貸してあげるわ。ただし、ちゃんと返すならね」
「魔理沙じゃないんだ。ちゃんと返すよ」
「ならいいわ。あとこれ、さっき言ってた本よ」
「空を飛ぶ方法が載ってる本か!サンキューパチュリー」
「ええ、頑張ればあなただって飛べるわ」
「おう!では早速…」
俺は本の中を読み始める。これで空を飛べるのかは半信半疑だったが…。
〜青年修行中〜
「うお!ちょっと浮いた!」
「あら、意外と早いわね。二日はかかると思っていたのだけど」
「それで…ここから更に魔力を変換させて…」
先ほど少しだけ浮いていた信二は徐々に上昇する。
「おお!飛んでる!」
「飛べたわね信二。そこからもっと早く移動するのは慣れてくれば自然とできるようになるわ」
「そうか、ありがとうなパチュリー」
「私は何もしてないわ。あなたの頑張りと才能よ。魔法使いとしてもかなり出来上がってるわ、信二は」
「そ、そうか?パチュリーの方がすごいと思うけどな」
「私とはまた違ったものよ」
「そうなのか?あまり俺には分からないな」
「そのうち分かるわよ」
「ねぇパチュリー。その人は?」
「?あぁフラン、来てたのね。」
「パチュリー、この子は?」
突然目の前に現れたのは金髪に帽子をかぶり背中に宝石を散りばめたような羽?をしている少女。
「この子はフランドール・スカーレット。レミィの妹よ」
「レミリアさんの?はじめまして、火渡信二です」
「はじめまして!フランだよ。信二は何しに紅魔館に来たの?」
姉のレミリアさんと比べるとまだ幼さが残る印象だ。
「今幻想郷を回ってて、初めに紅魔館に来たんだよ。ここには図書館もあるし」
「そうなの。いいなー。私も幻想郷を旅してみたい」
「出来ないのか?」
「フランとレミィは吸血鬼だから太陽の光に弱いのよ。それにレミィに止められてるのよ。紅魔館を出るのを」
「止められてる?なんでだ?」
「ああ見えて心配性なのよレミィは。フランを危険な目に合わせたくないのよ」
「私なら大丈夫って言ってるのにお姉様は許してくれないの…」
「そうか…まぁいつか外を出られるようになるよ」
「そうかな…」
「いつかフランが1人前になったらな。そうなったら俺が一緒に幻想郷を回ってあげるよ」
「本当に!約束だよ信二!」
「ああ、約束だ」
フランと約束する。後で聞いたがフランは495年も地下にいたそうだ。それなら外に出たい気持ちも分かるな。
「じゃあ信二!今遊んでくれる?」
「いいぜ。何して遊ぶ?」
「わーい!それじゃあ弾幕ごっこね」
「弾幕ごっこか…大丈夫かパチュリー。こんなとこでやって」
「魔法で壁をはっておくから大丈夫よ」
「そうか、ならやろうかフラン」
「わーい!それじゃあいくよ!禁忌「フォーオブアカインド」」
フランがスペルカードを発動する。いったいどんな弾幕が展開される…
「え?フランが4人?!」
「いっくよー!」
4人のフランが一斉に弾幕を放つ。一人でも結構多いのに4人となるとおびただしい。
「反則じゃね?!」
叫びながら避ける信二。