東方不死鳥紀   作:はまなつ

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21話です。何とか年内にあげられました。しかも今回で紅魔館編は終わりです。ものすごくキリがいいですね。狙った訳では無いですけど。それで次回からは白玉楼編に突入します。次回投稿は未定ですが…。まったり待っていてください。それでは皆さん良いお年を。


21話 終わりよければ

「お嬢様!大丈夫ですか?!」

 

咲夜がレミリアに寄っていく。信二は暴走したレミリアとフランを見事に止めてみせた。

 

「怪我はしてるけど多分大丈夫だよ。致命傷にはなっていないはず」

 

「すごいわね信二。本当にあの二人を倒すなんて」

 

「結構強かったよ。それより怪我、大丈夫か霊夢?」

 

「何とかね」

 

「全然そんなふうには見えないけどな。顔、青いぞ」

 

「血が足りてないのかしら。咲夜、タオルとかある?止血したいのだ…

 

けどぉ?!…渡し方ってもんがあるでしょ!」

 

霊夢の顔に突如タオルが現れる。おそらく投げつけたのだろう、霊夢が激昂している。

 

「それどころじゃないの!察しなさい!」

 

「ほんっとにレミリアのことになると過保護よね」

 

「良くあることなのか?」

 

お嬢様が今回みたいにピンチになることなんて想像つかないが。

 

「ええ、ほぼ毎日。逆に今回みたいなカリスマに溢れたレミリアなんて今後見られないかもね」

 

「…嘘でしょ?」

 

「本当よ」

 

「マジか…」

 

俺の中のお嬢様が崩れていく。…いや、霊夢がこう言ってるが実際は違うかもしれない!今回よりちょっとカリスマが落ちるくらいで毎日咲夜に心配をかけさせることなんて…

 

「う、うーん。お腹痛い…」

 

「お嬢様!気が付かれたのですね!」

 

「咲夜?どうしたのそんなに慌てて…それにこの傷は?」

 

「お嬢様が暴走して霊夢に怪我させたあと信二が止めてくれたのです」

 

「…え?暴走?そんな覚えないけ…ど…」

 

レミリアがあたりを見渡す。そこには頭から血を流す霊夢と怪我をして倒れているフランの姿があった。

 

「…嘘…これ私がやったの…咲夜」

 

「…はい」

 

「怪我させた詫びにご馳走でもてなししてもらうから」

 

「…う…」

 

「お嬢様?」

 

「うわーーー!ごめんなさーーい!」

 

…そこには泣き崩れひたすら謝るお嬢様の姿があった。

 

「…霊夢さん。あれがお嬢様の日常ですか」

 

「そうよ、あれがお嬢様(笑)よ」

 

「えーーー」

 

俺の中のお嬢様が完全に崩れ去った。今の姿は見た目相応の女の子だ。

 

「はあー、カリスマブレイクしたお嬢様かわいい…」

 

咲夜も若干壊れている気がする。しかし、疲れていた俺はそのうち考えるのをやめた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「本当にごめんなさい信二。止めてくれてありがとう…」

 

あのあとレミリアが泣き止むまで時間がかかり、フランが目を覚ました時フランを暴走させたのがレミリアと知った瞬間、また泣いて謝るレミリアが出来上がるという若干めんどくさい状況になっていた。

 

「いいんですよ。お嬢様(笑)のためですから」

 

「わ、笑うなー!」

 

その後霊夢が言った通りもう1晩泊まらせてもらった。―ものすごいご馳走が出たことをここに記す―そして翌朝。霊夢も普通に歩けるまで回復したので紅魔館を去ろうとしている。

 

「すっかりお嬢様に対して敬意が無くなったわね信二」

 

「仕方ないだろ。あんなの見ちゃったらな」

 

「う、うるさい!」

 

そして俺のお嬢様に対する態度は180°変わっていた。もう完全に小さい女の子と接し方が一緒になっていた。例?チルノです。

 

「お姉様ったら、はしたないよ。自分の非は認めなくちゃ」

 

「うっ」

 

「私に怪我させたこと、まだ許してないからね」

 

「ううっ」

 

「レミィたら毎度なにかやらかすんだから…」

 

「うううっ」

 

「お嬢様(笑)泣いてどうぞ」

 

「うわーーーー!咲夜ー!みんながいぢめるーー!!!」

 

「はいはい。お嬢様はいつでも完璧ですよ」

 

「だめだなこれ」

 

「信二」

 

「ん?どうしたフラン…っと」

 

フランが急に抱きついてくる。

 

「ありがとう。狂気に囚われた私を救ってくれて」

 

「いいってことよ。また困ったことがあれば何でも言ってくれ」

 

「うん!」

 

「魔理沙みたいに本、奪わないでね」

 

「そんなことしないよ。今度返しに行くよ」

 

「ならいいわ」

 

「ほら、お嬢様も別れの挨拶を」

 

「うん、あ、ありがとうね信二。またいつでも来なさい。歓迎するから」

 

「ああ、また今度な。」

 

「いつでもいらしてください。信二さん」

 

「美鈴はもうちょい仕事しような」

 

「よ、余計なお世話です!」

 

「はは。じゃあなみんな」

 

「ええ。また今度」

 

皆が手を振る中紅魔館をあとにする。俺の幻想郷初の観光?地は濃い時間を過ごせた。

 

「いろいろあったわね」

 

「ああ。本当にいろいろあった」

 

だが、一つ気がかりなことがある。レミリアが自分がしたことを覚えていないことだ。さらに俺のことも知らない素振りを見せていた。まるで赤の他人に体を乗っ取られたように…

 

「思い過ごしだといいんだが…」

 

「?何か言った?」

 

「いや、何でもねぇ」

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