22話 新天地へ
紅魔館での騒動から数週間。俺は博麗神社でのんびりしていた。本当は幻想郷を見て回りたかったのだが、霊夢が紅魔館で怪我したので安静にするために回れなかった。まぁ急いでいるわけでもないし、怪我人を連れ回すほど俺は鬼ではない。それに完全に回れなかったわけでもない。
霊夢に道を教えてもらって人里に行った。前から思っていたが、幻想郷の人達の生活は俺の世界とは随分と違う。ここはなんというか…質素と言うか…。だが、自然と共存している感じがする。とてもいい場所だ。
あと、人里で妹紅に会ったのが意外だったな。妹紅の家は迷いの竹林にあるって言ってたし、人里にあまり用がないと思ってたんだが…。まぁ付き添いで来たって言ってたしな。そうそう、そこで慧音さんに会ったんだよな。上白沢慧音さん。綺麗な人だったな。とにかくこの数週間でも色んなことがあったってことだ。
「霊夢、調子はどうだ?」
「もうバッチリよ。心配かけたわね」
そして霊夢の傷は完治していた。紅魔館から帰ったあともまだ顔色が悪そうだったからな。結構深い傷だったんだろう。それも完治したから一安心だ。
「看病してくれてありがとうね信二。おかげで助かったわ」
「なに、初めに霊夢に看病してもらったんだ。これでおあいこだ」
「ふふ、そうね」
霊夢が微笑む。いや本当に元気になって良かった。
「それじゃあ次の場所に行きましょうか」
「お、いいね〜。次はどんな場所に連れて行ってくれるんだ?」
「そうね。信二も飛べるようになった事だしあそこがいいかしら…」
「あそこ?」
「名前は白玉楼。場所は冥界よ」
「え?冥界?それって死後の世界じゃないのか?そんなところに行って大丈夫なのか?」
「ええ、大丈夫よ。何回も行ってるもの私」
「マジか…」
確かに幻想郷には変わったことがいくつもあった。しかし、冥界に当たり前のように行けるなんて…常識外れにも程があるだろ。
「それに今の時期なら白玉楼で綺麗な桜が見えるわよ」
「桜?聞いたことないな」
「あら?知らないの?ピンク色の花を咲かせる木よ。とても綺麗なの」
「へぇー。そんな木もあるのか…。俄然興味が湧いてきた!」
「それなら白玉楼で決まりね」
「ああ!」
「それなら花見ようにお酒を買いに行きましょう」
「花見?」
「綺麗な花を見ながらお酒を飲んだり食事をとったりすることよ。結構乙なものよ」
「ふーん、いろいろあるもんだな」
そう言いながら人里に酒を買いに行く。
「よし。このくらいでいいわね」
「結構買ったな。酒以外も」
「白玉楼の主人は大食漢だから、これでも足りないくらいよ」
「ほー中々の大食らいだな…。ん?あそこにいるの魔理沙じゃないか?」
「確かに、何してるのかしら」
「おーい魔理沙ー」
魔理沙を呼ぶとすぐにこちらに気づき寄ってくる。
「よぉ、信二に霊夢」
「おっす魔理沙。何してたんだ?」
「ちょっと捜し物をな。信二達こそ何してるんだ?結構な荷物だが」
「これから白玉楼に行ってお花見でもしようと思ってたのよ」
「花見か!いいなそれ、私も行くよ」
「おう、人数は多い方が楽しいからな」
「ちゃんと手土産持ってきなさいよ」
「分かってるって。それじゃあ後で向かうぜ」
「ああ、また後で」
そう言って魔理沙と分かれた後、白玉楼に向けて出発した。