東方不死鳥紀   作:はまなつ

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24話です。今回は剣技について自分の意見が入ってます。実際はそんなんじゃねーだろみたいなこと言ってたらすいません。まぁ二次創作なんで大目にお願いします。


24話 剣士の対決

「そういえば妖夢は剣を持ってるけど、剣士なのか?」

 

「はい。といっても、まだまだ半人前ですけど…」

 

「剣の師匠はいないのか?」

 

「いました。…けど、今は…どこかに行ってしまって…」

 

「…そうか」

 

あまり聞いちゃいけないことだったかな。明らかに妖夢ちゃんが暗くなってる。…よし!

 

「良かったら俺と手合わせしないか?」

 

「え?信二さんと?」

 

「ああ、こう見えても剣技の心得があってな。何か得られるものくらいあると思うよ」

 

「いいじゃない妖夢。1度やってみたら」

 

「幽々子様…。わかりました。手合わせ願います、信二さん」

 

「よし、決まりだな。場所は…そこでいいか」

 

縁側の前のスペースに立ち剣を構える信二。信二の前に立ち二振りの刀…楼観剣と白楼剣を握る妖夢。二刀と一刀の一騎打ち。さしずめ宮本武蔵と佐々木小次郎の巌流島の決闘を彷彿とさせる。

 

「霊夢、合図よろしく」

 

「はいはい、じゃあ…始め!」

 

霊夢の合図を皮切りに妖夢が信二に向かって走り出す。そして右手の剣を振るう。信二はそれを受け止める。妖夢は空いた左側に剣を振るうが信二は受け止めた剣を弾き、そのまま左の剣も弾く。

 

「くっ」

 

「おら!」

 

すこし体勢を崩した妖夢に、信二は一文字に切り捨てる。が、妖夢は咄嗟に右で防ぐ。勢いの付いた信二の一太刀を受け止めることはできず、そのまま後に飛ばされる。

 

「まだまだ行くぞ!」

 

「負けません!」

 

二刀と一刀では二刀の方が有利だと思われがちだが、実際は違う。剣道にも二刀流があるが、ほとんど…いや、全く使われない。その理由のひとつに『難しすぎて後世に伝わらなかった』と言うのがあるくらい二刀流は難しい。素人目の霊夢には妖夢の凄さはまるで分からないが、二刀を扱えなかった信二には分かる。

 

(この剣の太刀筋…相当練習したんだろうな…)

 

妖夢の剣を受けながらそんなことを考える信二。だが、同時に少しの違和感を覚える。

 

(この感じ…もしかして妖夢は…)

 

(っ!そこ!)

 

信二に突きを繰り出す妖夢。決まるか…そう思われたが、信二はまるで予測してたように紙一重で躱す。

 

「なっ?!」

 

近づいてきた信二に対して刀を振るおうとするが、先に手首を手刀で抑えられる。力を逃がされ、焦る妖夢。残った方で振ろうとするが、信二は妖夢に体当たりをして体勢を崩す。

 

「終わりだ!」

 

構えをボロボロにされ、無防備な所を一閃。妖夢は直感的に負けを確信した。

 

「…信二の勝ちね」

 

信二は剣を寸止めした。どちらが勝ったかは明白だろう。

 

「…負けました。強いんですね信二さん」

 

「いやいや、妖夢こそそこまで二刀を扱えるなんてすごいじゃないか。俺にはできなかった事だ」

 

「そ、そうですか///」

 

「けど、おそらく妖夢は実践はあんまりやったこと無いんじゃないか?」

 

「! なんでそれを…」

 

「何となくそんな感じがしたんだ。太刀筋が綺麗過ぎると思ってね」

 

「綺麗過ぎる…」

 

「何も戦う時は剣だけで戦うわけじゃない。さっきみたいな相手が近い時は剣を振るいずらいだろう?そういう時は体を入れたり、妖夢みたいな二刀流だったら逆手に持って防御に専念したりするとかね」

 

「な、なるほど」

 

「まぁもう少し砕けた感じの方がいいと思うよ。今の妖夢は型にはまりすぎてる。何も型どおりにやることは悪い事じゃない…けど俺みたいな型破りな奴と戦う時に苦戦するからな」

 

「型を…破るですか…」

 

「無理にとは言わないけどな。あとはもう少し相手を疑った方がいい。隙が出来たらすぐに飛びつくのはやめとけよ」

 

「!もしかしてあの時の隙は…」

 

「わざと作った。素直だな妖夢は」

 

「す、素直…」

 

「完敗ね〜妖夢」

 

「幽々子様…はい…強かったです信二さん。私にはない強さでした」

 

「そう。…良かったわね妖夢」

 

「はい。勉強になります」

 

妖夢の視線の先には霊夢と談笑する信二が映っている。

 

(いつか…いつかあの人を倒せるだろうか…)

 

妖夢に気づいた信二が近づいてくる。

 

「信二さん。…いつかあなたを倒して見せます」

 

「そうか…楽しみにしてるぜ」

 

「大きくでたわね妖夢」

 

確かに。完敗した直後にこんなことを言うなんて自分らしくない。けど微かに、しかし確かに思ったのだ。信二さんを超えたいと。


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