「霊夢!」
霊夢に向かって飛び出してきた白い化け物。悪魔の気配を感じ先に臨戦態勢に入っていた俺は化け物に飲まれそうになっていた霊夢を後に寄せる。
『バクン!』
そんな音が聞こえるほど勢いよく噛みついてきた化け物。俺が霊夢を退かしていなかったら確実に噛みちぎられていただろう。
「無事か霊夢!」
「うぅ…」
「霊夢?」
化け物の噛みつきは霊夢には当たっていない。それなのにぐったりとしている霊夢。顔色もどこか悪くなっている。
「…幽々子さん。これはどういうことですか……」
「どうも何も、さっき言った通りよ。
生命力を食べる?幽々子さんはもう死んでいるのに?それにあの化け物…。あんなものを幽々子さんが出せるなんて聞いていないし、妖夢も呆気にとられているところを見ると妖夢も知らなかったのだろう。……やはり悪魔が関係しているのか…。しかし、俺が今1番聞きたいことはそんな事じゃない。
「何故急に霊夢を食べようとしたんですか」
俺は幽々子さんに聞く。いつ先程の化け物が襲ってきてもいいように臨戦態勢を解かないまま。
「簡単なことよ。お腹が空いたから。何かを食べる理由なんてそれしかないわ」
「そう…ですか。…そっちの白い化け物は?」
「ふふ、やっぱり気になるわよね〜。すごいのよこの子。何でも食べちゃうんですもの。でも詳しくは教えない。信二、あなたを味見していいなら教えてあげるけど」
「お断りしますよそんなの」
「そういうと思ったわ。それじゃあ仕方ない。力ずくで食べてあげる」
満面の笑みを浮かべる幽々子さん。それと同時に化け物が襲ってくる。
「誰がそう簡単にやられるかよ!『オーバードライブ』!」
襲ってくる化け物に対して技を繰り出す。比較的単調な動きをする化け物に攻撃を当てるのは簡単だった。…倒せるかは別として。
「あら、すごい炎ね。でもちょっと火力不足よ」
信二の技を正面から受けた化け物。普通ならここで相殺、もしくはどちらかが押勝ところだ。しかし、この化け物は違う。幽々子が言った通りこいつは
「なんだと?!」
信二の炎を食らう化け物。その勢いは止まらず信二に向かっていく。
「くそ、なんだあいつは!」
「逃げちゃダメよ華霊「ゴーストバタフライ」」
弾幕を張ってきた幽々子。その弾幕は対象者をいくらでも追いかけ、近づいた瞬間拡散するもの。逃げる相手には持ってこいの弾幕。
「ちっ!『デビルバースト』」
弾幕が近づく前に処理しようとする信二。が技は化け物によって食われる。化け物と弾幕の二重の構え。1人ならさばき切れるが、今は手負いの霊夢を抱えている。この状態ではいくら信二でもさばき切れない。
「くそ!…妖夢!」
「は、はい!」
信二は今まで状況を飲み込めないでいた妖夢を呼ぶ。
「手を貸してくれ!このままじゃ二人ともやられる!」
「え、で、でも…私は…幽々子様の従者で…。従者が主人に歯向かうなんてできません…」
「ばかやろう!ただ主人に従うだけが従者の役目じゃない。主人が間違った時に正してやるのも従者の役目だ!今の幽々子さんは正気じゃない。それは妖夢、お前が1番分かってるはずだ!」
「っ!」
「幽々子さんをこのままにしておいていいのか!妖夢!」
「…」
そのやり取りの中でも化け物と弾幕は止まらない。
「ちっ!」
信二が化け物を対処している時に後から弾幕が。挟み撃ちにされた信二。その背中に弾幕が当た…
「ごめんなさい、幽々子様!」
…る前に妖夢が切り伏せる。
「あらあら、妖夢まで。でもこれなら妖夢を堂々と食べれるわね。ずっと食べてみたかったのよ、妖夢」
「あなたは私が元に戻します!」