「うれしいわ妖夢。ずっとあなたを食べてみたかったのよ。あぁ、私のかわいい妖夢。あなたはどんな味がするのかしら」
「…幽々子様、どうしてしまったのですか…。以前の優しいあなたはどこに」
「私はどうもしてないわ。ただちょっと我儘になっただけ。どんなに食べても満たされないこの食欲を抑えるためにね」
「……私があなたを元に戻します。他の誰でもない、この
その言葉を皮切りに幽々子に向かう妖夢。
「いいのよ妖夢。
幽々子の弾幕。それは独特な軌道を描く無差別攻撃。その最中敵を追いかける弾幕を繰り広げる。
その狙いは妖夢を一直線に進ませるため。本来なら接近戦だけで言えば妖夢の方が上手だろう。しかし、今の幽々子には白い化け物がいる。全てを喰らうこれはいとも容易く妖夢を飲み込むだろう。
「突っ込むな妖夢!喰われるぞ!」
信二がいなければ妖夢は喰われていたかもしれない。信二のその声により化け物が潜んでいることに気づいた妖夢は一時撤退をする。
「気持ちは分かるが落ち着け。猛進するだけじゃ幽々子さんには勝てないだろ」
「…そうですね。焦りすぎました」
「だが作戦には使えるぞ。俺が援護する。妖夢…幽々子さんを救うのはお前だ!」
「はい!」
「活きがいいわね。でもその方が美味しいものね。「華霊「バタフライディルージョン」」
幽々子の弾幕は基本的には先程と変わらない。ただ質量が比べるまでもなく違う。これには妖夢を討つ他に信二の視界を塞ぐ思惑もある。
「慎重にいけよ妖夢!お前がやられたら俺たちに勝ち目はない!」
「はい!必ずや期待に応えます!」
本当なら信二も参戦したいところだが今は手負いの霊夢を抱えている。その状態では信二も弾幕を避けることと、妖夢のサポートくらいしかできない。
「狙い撃ちます!「修羅剣「現世妄執」」
突きを伸ばしたような弾幕。しかし…
「浅はかね妖夢。あなたの弾幕が私に当たると?」
「当たらせるんだよ!『3連デビルバースト』!」
「っ!」
炎の柱を壁のようにする信二。
「は!」
そこに妖夢の突き。即興にしては息の合っている二人。
「…厄介ね。あなた」
化け物に妖夢の弾幕を喰わせる幽々子。
「そうするよな!『焔一文字』!」
化け物が信二の方向を向いていない時にすかさず追撃をする。サポートだけに留まらず隙あらば突く。そこに信二の技量が見える。
「浅はかだと言ったわ。「死符「ギャストリドリーム」」
大量の蝶が幽々子の周りを飛び出す。その物量によりデビルバーストを打ち消す。
「そっちこそな」
幽々子の弾幕は焔一文字を完全には打ち消すことが出来なかった。
「なっ!」
予定外の威力に被弾する幽々子。が、傷は浅い。
「妖夢!」
「人神剣「俗諦常住」!」
三方向を狙う弾幕。幽々子の逃げ場を少なくさせることが出来るだろう。
「…「幽曲「リポジトリ・オブ・ヒロカワ -神霊-」」
様々な花型の弾幕。それらが四散する。
幽々子の弾幕は威力が高い。そんな弾幕が数の暴力で襲ってくる。
「っ!なんの!」
弾幕を化け物に喰われても怯むことなく立ち向かう妖夢。
妖夢は弾幕の威力がそこまで高くない。そのため、1点に力を込めて撃たなければならない。しかし、それでは化け物に弾幕を喰われてしまう。
「『オーバードラ…』」
「あなたの相手はこの子よ」
「っぶねぇ!」
幽々子の弾幕のせいで視界が悪くあわや化け物に喰われそうになる信二。
「くそ、これじゃあ妖夢の援護が…」
襲ってきた化け物をいなす。が弾幕に、何でも喰らう化け物。さらに、霊夢を抱きながらこれらを躱すのは至難の業。援護の隙すら与えない幽々子。
「はぁぁぁ!」
「妖夢。あなたは私が直接倒してあげるわ」
幽々子と妖夢の弾幕対決。だが、明らかに妖夢が押されている。化け物抜きでも妖夢にとっては手に余る。
(くそ、あと一手足りない。この化け物相手じゃ『あれも』相性が悪い…。どうすれば…)
「くっ…」
「詰みね。妖夢」
「妖夢!…っ!」
幽々子の弾幕が妖夢に覆いかぶさる。妖夢は自然と負けたと思った。
「恋符「マスタースパーク」!」
…突如黄色い閃光が幽々子の弾幕を吹き飛ばす。
「…どうしてここにいるのかしら?……魔理沙」
「…花見にしては随分と荒れてるな、幽々子」