「あら、起きてたのね」
おそらくこの子が自分を手当してくれたのだろう。新しい包帯が手に持たれている。包帯を変えに来てくれたのか。
「ああ、ついさっきな。とりあえず君の名前を聞いてもいいかい?」
「えぇ、けど名前を聞く時はまず自分からじゃない?」
「それもそうだな。俺の名前は
赤髪は気さくに笑顔で言う。
「そう。私は博麗霊夢。この幻想郷の巫女をしているわ。よろしくね」
「おう、よろしくな」
そういい二人は握手をする。
「なんだ、結構な怪我してたから心配したけど、案外元気そうね」
「そうでも無いさ。ただの強がりだよ」
「そうなの?てか包帯変えるからすこしじっとしててよ」
霊夢は包帯を変えてくれるという。初対面の人に対して随分と優しいのだな…と信二は思う。
「ところで霊夢。ここはどこだ?」
信二は単刀直入に聞く。
「あら?ここが自分のいた世界じゃ無いって分かるのね?」
「ああ、心当たりがあるからな。それに俺のいた世界では霊夢のような格好をしている女の子は絶対にいない」
巫女という単語も聞いたことないし何故脇の布だけ無いのか。
「そう?ここは幻想郷。人間だけでなく妖怪や神様なんかが普通に歩いてるような世界よ」
「幻想郷?聞いたことないな。てか妖怪ってなんだ?悪魔みたいなやつなのか?」
「あなた妖怪を知らないの?外の世界では妖怪を知らない人はいないって聞いているのに?」
霊夢の包帯を変える手が止まった。おそらくすこし混乱しているのだろう。自分の知っている情報と違う情報が入ってきたために。
「あー、霊夢の知っている外の世界ってのはどんな世界なんだ?」
「私の知っている外の世界は幻想郷とは随分と違うとは聞いてるわね。私も実際に見たことはないけど」
「その世界に魔法は存在するか?」
「いや、たまに来る外来人は魔法を使えたことはないから、おそらく存在していないわね。どうしてそんな事聞くの?」
「多分だが俺は霊夢の知っている外の世界から来た人間じゃな「おい霊夢ーー遊びに来たぞー」…い?」
外からまた違う少女の声がこだまする。霊夢とは違い随分と活発な少女の声。
「入るぞ霊夢」
「魔理沙…あなたまた勝手に…」
魔理沙と呼ばれた少女が部屋の中に勢いよく入ってくる。
「あれ?誰だお前?」
初対面の人間をいきなりお前呼ばわりするとは随分と肝の座っている性格をしているな…と思う信二。しかし信二はその程度では怒らない。信二もだいぶ器の大きい性格だからだ。
「はじめまして。俺の名前は火渡信二。信二って呼んでくれ」
「そうか、ワタシの名前は霧雨魔理沙!普通の魔法使いだぜ!」
少しも違和感を覚えないのかと若干呆れる信二。図太いにも程がある…。
「魔法使い?魔理沙は魔法を使えるのか?」
「ああ!と言ってもワタシ以外にも魔法を使えるやつは沢山いるけどな。」
「実は俺も魔法使いなんだよ。だから魔理沙の魔法に興味があってな。どんな魔法を使うんだ?魔理沙は?」
「おお!信二も魔法使いなのか!外来人なのに珍しいな。今度魔法見せてやるよ。その代わり信二の魔法もな!」
「もちろん、何なら今見せてあげるよ」
そう言い信二は空いている障子の先の庭を人差し指で指さす。それにつられ霊夢と魔理沙もまた外を見る。すると信二が指さした場所の当たりの地面が赤く円形に光出した。
「
そう言い信二は指してた人差し指を上にあげる。すると赤く光っていた地面から円の範囲で炎の柱が突如として現れる。柱の大きさは10mほどだろうか。普通の人間がその炎に巻き込まれた、一瞬にして焼き焦げ焼死するほどの威力はあるだろう。
「おおー!凄い魔法だな信二!炎の魔法か。信二は炎を操る魔法を使うのか?」
「ああ。俺の使う魔法はほぼ全て炎に関わる魔法だな」
「ほかの魔法も見せてくれよ!」
魔理沙が興奮気味に聞いてくる。自分の見たことない魔法を見れたのだ。探究心が深い魔理沙ならそうなるだろう。
「まぁ待てって。俺も今怪我してるし」
そんな会話をする魔理沙と信二。とてもあって数分とは思えないほど仲良さげに話している。そんな二人を見てどこか疎外感を感じたのか霊夢が少しムッとして
「そうじゃなくて!魔理沙が来たから話の腰が折れた!私が聞きたかったのは信二が何者かって話よ!」
「そう言えばそうだったな。すまんな霊夢。丁度良いから魔理沙にも話そうか」
「?なんの話だ?」
「信二が私たちの知っている外の世界以外から来たって話よ」
「そうなのか?外来人とは思っていたけど」
「ああ。…俺は戦いの最後にこの幻想郷に飛ばされたんだと思う」
少し悲しげな表情をして信二が語り始めた