東方不死鳥紀   作:はまなつ

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33話です。新生活が始まりました。そのおかげで投稿が遅くなるかと。まぁ気長にお待ちを。


33話 嵐の前の静けさ

「ふふ、信二…これであなたは私のもの…」

 

(くそ、なんだこれは…!体がいうことを聞かない……)

 

「これからはずっと一緒よ、信二」

 

(輝夜……)

 

 

 

 

 

 

「ふぅーー」

 

朝から1人で大きなため息をついているのは永琳の弟子―鈴仙である。

 

「疲れたな昨日は。霊夢さんも結構危なかったし、信二さん達も慌ててたし…」

 

最初魔理沙が急いで報告してきた時はかなりの衝撃を受けた。冗談とも思ったがあまりの真剣さに本当のことだとすぐに知らされた。

 

(まぁ今は霊夢さんも大丈夫そうだし。……信二さんとお話できるかな…)

 

鈴仙の信二に対するこの態度。そう、鈴仙は信二のことを憎からず思っているのだ。

 

(どこにいるかな〜信二さん……あっ)

 

「おはようございます、信二さん♪」

 

信二を見つけ明らかに上機嫌になる鈴仙。

 

「……」

 

が鈴仙の挨拶に反応のない信二。

 

「信二さん?」

 

「…あぁ、おはよう鈴仙」

 

ようやく鈴仙に気づいたのか遅れて挨拶する信二。

 

「はい。信二さんは今何をするとこだったんですか?」

 

「霊夢の様子を見に行くところだったんだ。鈴仙も行くか?」

 

「はい、一緒に行きましょう」

 

(信二さんと会えた♪……けど信二さんが反応遅れるなんて珍しいな…)

 

少しの疑問を持ちつつ霊夢が寝ている部屋に向かう2人。鈴仙の方はどこか軽い足取りだ。

 

「霊夢、入るぞ」

 

「……」

 

「まだ寝ているみたいだな、あとどれくらいで目を覚ましそうなんだ?鈴仙」

 

「今日中は覚まさなそうですね。早くて明日ってところです」

 

「そうか……」

 

「心配ですか?」

 

「まぁ目を覚まさない限り安心は出来ないな。けど、永琳さんもいるし大丈夫だとは思ってるよ」

 

「師匠の薬はよく効きますから」

 

「あぁ、俺も使ったことがあるんだ。効力はよく知ってる」

 

「そうでしたね。…信二さん、この後お茶しませんか?私白玉楼でのことをまだ詳しく聞いてないですし」

 

「確かに鈴仙はすぐに材料取りに行ってたな。よし、話してあげるよ」

 

「では今に行きましょう」

 

ごく自然な流れで信二と話す機会を作った鈴仙は内心かなり喜んでいた。

 

……その後で2人を見て微笑むものが1人。

 

「どうしました姫」

 

「おはよう永琳。あの二人、仲がいいのね」

 

「鈴仙の態度があからさまですから」

 

「そうね」

 

「………姫、やはり…」

 

「じゃあ私は散歩に行ってくるわ、何か美しいものがあるかもしれないし」

 

「…そうですか。では私も…」

 

「1人で大丈夫よ」

 

「…ではお気をつけて」

 

「えぇ」

 

1人で竹林を抜けていく輝夜。その後を見つめる永琳の目はどこか人を疑うような目をしていた。

 

「…姫様…あなたは()()()()()()()()()…」

 

輝夜のいつもと違う様子を感じつつある永琳。しかし、永琳は輝夜の意見を尊重する。…自分のせいで輝夜はこんなところにいるのだから……。

 

そしてもう1人、輝夜の異変を感じ取ったものがいる。

 

「輝夜……。どうしたってんだ」

 

藤原妹紅である。

 

「…明日ぶっ飛ばしに行くか」

 

随分と野蛮な事を口にした妹紅。しかし、それは妹紅の愛ゆえの言動である。

 

ざわめく動物たち。彼らは感じたのだろう。明日何が起こるのかを。幻想郷の不死鳥の闘気を…。

 

 

 

 

 

 

 

「何やら騒がしいわね」

 

そして輝夜自身も妹紅の怒りを感じていた。

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