東方不死鳥紀   作:はまなつ

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34話です。最近バカテスの方もやっと始められました。なのでこっちしか見てないという人は是非見てみてください。


34話 信二?

「…動物達が騒がしいわね」

 

夜、永遠亭の縁側で外を眺めながら言う輝夜。

 

「あなたはどう思う?信二」

 

「さぁな。お前のせいなんじゃないか輝夜」

 

「あるいはそうかもしれないわね」

 

「ったく、本当は分かってるんじゃないか?」

 

「何のことかしら」

 

「白々しいな。今のお前は明らかに異常だ。……いつの間にこんなにものを集めてたんだ」

 

信二の見つめる先には沢山の物が置かれていた。美しい装飾品から、綺麗な和服、なかには凛と咲く花までその種類は多岐にわたる。

 

「言ったでしょう。私は永遠に生きる。だから美しいものは朽ちる前に集めておきたいの」

 

「これらにも俺と同じく呪いがかかってるのか?」

 

「呪いなんて失礼ね。この能力は私の愛よ。皆朽ちるのは嫌でしょう。だから私の力でその形を保ってあげてるのよ」

 

「俺みたいに人間に使うと絶対服従になるのか」

 

「まだ分からないわ。人間に使ったのなんてあなたが初めてだもの。でも私に逆らえないのなら好都合。永遠の命になるのかは分からないけど」

 

「くそ、おかげでお前の異変を誰かに伝えることも出来ない」

 

「異変じゃ無いわ、愛よ。…だからあなたも私を愛して信二」

 

信二は輝夜にもう逆らえない。姫に従う従順な騎士であり、奴隷になったのだ…。

 

 

 

 

 

朝信二はまた霊夢の様子を見に来ていた。

 

「……まだ目を覚まさないか」

 

ぐっすりと眠っている霊夢。日に日に顔色は良くなっているが目を覚ます様子はない。

 

「…早く目を覚ましてくれ霊夢。お前ならこの……」

 

異変を解決出来るかもしれない。しかしこの言葉が発せられることは無い。輝夜がそれを望んでいないのだから…。

 

「………!」

 

霊夢の前にいた時不意に気配を感じた。それは殺気か、あるいは存在感か、いや闘気か。とにかく強大な存在が近づいてくるのを肌で感じた信二は咄嗟に外に出た。

 

「……妹紅…か?」

 

信二が感じた存在感の正体は妹紅だった。その顔はいつになく真剣…と言うよりものすごく切れている様子だった。

 

「どうしたんだ妹紅。随分とご機嫌がよろしくないな」

 

「ほっとけ。それより輝夜を呼べ信二」

 

「理由を聞かせてもらおうか」

 

「いつも通りぶん殴りに来たんだよ」

 

「それにしてはこないだとは比べ物にならない殺気を感じるぞ」

 

「………お前は気づかなかったか。輝夜の異変を」

 

「…何のことだ?」

 

「知らないのならいい。早く輝夜を呼んでくれ」

 

「…とりあえず呼んでくるよ……」

 

そう言いながら踵を返した信二が急に立ち止まる。

 

「…………信二?」

 

「……先に謝っとくぞ…妹紅」

 

「何を言って……!」

 

炎を纏いながら妹紅に突撃する信二。妹紅も驚きながらも炎を出して対抗する。

 

「何すんだ信二!」

 

「…輝夜にでも聞くんだな」

 

「輝夜?!やっぱりあいつか!」

 

お互いの炎が次第に強くなっていく。

 

「そこをどけ信二!邪魔するなら容赦はしないぞ!」

 

「どけるもんならそうしてるさ。出来ない理由があるんだよ!」

 

お互い距離をとり妹紅は信二に向かって炎を突き出す。信二はそれを炎で打ち消す。

 

「邪魔だ!不死「火の鳥 -鳳翼天翔-」」

 

鳥型の弾幕が信二に襲いかかる。

 

「『キングバーン』!」

 

周囲を爆発させる魔法で弾幕を弾く。妹紅の攻撃が信二に届かない。信二もまた攻撃を防ぐものの妹紅を襲う様子はない。

 

「……クスッ」

 

その戦いを見物している者がいた。

 

「!輝夜ァ!」

 

「今日はまるで獣のようね…妹紅」

 

「一体信二に何をした!」

 

1度攻撃の手を止めて輝夜に問いかける妹紅。体から炎がにじみ出るほど感情が昂っているようだ。

 

「それが知りたいのならここまで来てみなさい」

 

「上等!」

 

輝夜の元へ向かおうとする妹紅の前に立ちふさがる信二。

 

「くっ!」

 

「流石信二。もう私の立派な騎士ね」

 

「……」

 

「本人が肯定してないようだが!」

 

「否定もして無いわよ。それだけで充分。さて、いつになったらここに来れるかしら」

 

「なめんなよ!」

 

どんどん炎の出力が上がっていく妹紅。しかし届かない。完璧に攻撃を相殺していく信二はまさに鉄壁の壁だ。

 

「1人じゃどうしようも無いのではないの妹紅。加勢でも呼んできたら?けどそんな人あなたにはいないわよね」

 

「それぐらい居るわ!」

 

輝夜に反抗するが段々と体力が落ちてきている妹紅。不死とは言え、体力も無尽蔵にあるわけではない。しかしそれは信二も一緒。このまま平行線だとどちらかが倒れるまで続くだろう

 

「……!」

 

「何ですかこれ?!」

 

信二が一足早く人が竹林から出てくるのに気づいた。薬を人里に配りに行っていた鈴仙が帰ってきたのだ。

 

「ここは危ないからどこかに行きなさい鈴仙」

 

「どうして妹紅さんと信二さんが戦っているのですか!」

 

「私は妹紅と戦いたくないのよ。だから信二が代わりに戦ってくれているのよ」

 

「そんな……本当ですか信二さん!」

 

「………」

 

何も言わない信二。

 

「だから早くどこかに…」

 

「…っ!」

 

輝夜に向かっていった拳銃の弾幕を刀で弾く信二。

 

「…何をしているの…鈴仙」

 

その発言にはどこか怒気が含まれていた。

 

「…信二さんが本当に妹紅さんと戦いたいとは思えません

 

鈴仙には信二が自分からやっているようにはとてもみえなかった。

 

「それに今の姫様からは優しさが感じられません。…私の知っている姫様には見えないんです!」

 

愛する者達のために奮い立つ鈴仙。

 

「私は戦います!信二さんと姫様のために!」

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