不道千景は勇者である   作:幻在

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絶望

想像を遥かに超える、緊急事態。

 

 

 

「つばさ・・・くん・・・?」

友奈の拳が、翼の鳩尾を貫き、そこから血が滴る。

その口から、血が吐き出される。

「おっと汚い」

その血を、友奈は拳を抜くと同時に躱した。その拳には、翼の真っ赤な血が塗りたくられていた。

そして、よろける翼を見て、友奈は笑う。

「翼君ならそう来ると思ったよ。だって、大切な者は身を挺してでも守りたいもんねー?」

「ぐ・・・がは・・・」

ついに片膝をつく翼。

「翼君っ!」

美森が、悲鳴をのように名前を呼び、翼に駆け寄る。

しかし、それよりも速く、友奈が翼を横へ蹴り飛ばす。

「がはッ!?」

地面を転がっていく翼。

そんな翼を追い越して片足で踏みつける。しかも、その位置はさきほど友奈が穴をあけた部分だった。

「ぐあぁああ!?」

「アハハ、いいよいいよ。でも違う。私が聞きたいのは悲鳴じゃないんだよ」

「そこをどけぇぇえええ!!」

すぐさま、剛の拳が友奈に迫る。

その一撃を躱すも、すかさず剛は追撃のラッシュを繰り出す。その全てを、友奈はいなしていく。

「テメェ!自分が今何をやってるのかわかってんのか!?」

「分かってますよ。その上でこうしているんです」

「ふざけんな!お前にとって、俺たちとの・・・勇者部との思い出は全部、下らねえものだったのか!あの笑顔は、全部嘘だったのか!?流した涙も、全て!」

「そんなわけないじゃないですか!」

突如として友奈から上げられる苦痛な声。

「私だって・・・私だって・・・・」

うつむいて、悲痛そうな声をあげる友奈。その様子に、剛は思わず攻撃の手を止めてしまう。

懺悔するかのような、友奈の声。

しかし―――

「―――なあんちゃって」

動きの止まった剛の腹に、拳を突き立て、背中へと突き抜けさせる。

「ごは・・・・!?」

「アハ、こんな猿芝居に騙されるなんて、とんだあまちゃんですねぇ」

腕を引き抜き、風穴の空いた剛の腹から止めどない程の血が溢れ出る。

「ごぉぉぉぉぉぉおううぅぅぅぅう!!!」

風の悲鳴が響き渡る。

「騙し討ちしやがった・・・・!?」

「なんて事を・・・・」

本来なら、絶対にありえない友奈の騙し討ちは、これ以上にない程決まった。

そして、膝をついた剛を見下して、

「アハハハハハハハ!!」

天に向かって、面白おかしく笑い声をあげた。

「無様ですねえせんぱぁい!こんな嘘泣きで騙された気分はどうですかぁ!?ねえ、どんな気分なんですかぁ!?」

「て、てめぇ・・・・」

空けられた風穴はおおきく、すぐに止血しなければならないほどの重症だ。

そして、そんな剛を嘲笑う友奈に対して、巨大な大剣が振り下ろされる。

「友奈ぁぁぁぁぁあああああぁぁあああああ!!!!」

風だ。

巨大化した剣の一撃が、友奈に振り落とされる。しかし―――

「アハハ、そう、その感情を待ってたんですよ!」

友奈の二本の指の前に、悉く受け止められていた。

「~~~~ッ!?」

「憎いでしょう?許せないでしょう?怒っているでしょう?その感情をもっと私に見せつけてください。叩きつけてください!ああ、貴方は、怒りに燃える姿が一番素晴らしい!!」

大剣を弾き飛ばし、一気に風に接近する。

「まずい――――犬吠埼のカバーに入れッ!!」

辰巳がすぐさま怒鳴る。

ほぼ一瞬で距離を詰めた友奈を横から信也の蹴りが叩きつけられる。

腕でどうにか防御したものの、勢いまでを殺せず横に吹っ飛ぶ。そこへ弘が召喚した大地のような見るも巨大な大剣が振り下ろされる。

その一撃を紙一重で躱した友奈に対して、将真の岩の拳が叩きつけられる。

「アハ、まさか即興でここまで連携出来るなんてすごいね。でも、ダメだなぁこれじゃあ」

しかし、岩の拳はあまりにも脆く砕かれ、巨大な大剣もへし折られる。

「馬鹿な!?」

「なんと・・・!?」

いともたやすく危機を突破した友奈は、笑いながら彼らに歩み寄る。

「ほら、もっと来てよ。私、まだまだ遊び足りないよ?」

「くそが・・・・」

よろよろとしながらも、剛が立ち上がる。

「戦いを、ただの遊びと興じるなんて・・・そこまで落ちぶれたか・・・!!」

翼も、どうにか立ち上がる。

「待て二人とも!そんな体でどうやって・・・・!?」

「今やらなきゃ、全員死ぬ・・・!」

「ここで意地見せなきゃ、千景に顔向けできねえだろうがッ!!」

開いた穴から血をぼたぼたと垂れ流し、二人は、友奈を睨みつける。

その視線を、友奈は妖しい笑みと共に迎え撃つ構えを取る。

「ダメよ翼君!そんな体で戦ったら・・・」

「ごめん須美ちゃん・・・でも、どちらにしろやらなくちゃ・・・」

「剛もよ!すぐに穴をふさがないと・・・」

「そうは言ってもよぉ・・・奴さんはそんなの許してくれなさそうだぜ?」

「アハハ、当然だよぉ?」

子供のように笑いながら、友奈は告げる。

「そうみすみすと逃す訳ないじゃーん、攻撃チャンス」

「友奈・・・あんた・・・!!」

「友奈ちゃん・・・」

残酷過ぎる言葉に、風は怒りをあらわにして、美森はやはり信じられないとでもいうかのような表情で、友奈を見た。

「もういい。もう黙れ・・・・これ以上、君の口から、そんな言葉を聞きたくはない」

「ええー。もう少し話し合おうよ?」

「黙ってろ、この・・・・」

二人の絶叫が響き渡る。

「馬鹿野郎がぁぁぁぁあぁあああぁぁぁぁあああああ!!!!」

「うぉぉぉぉぉぉおおおおぉぉぉぉおおおぉおおおお!!!!」

出力全開で、二人の拳が友奈に叩きつけられる。しかし、その一撃を友奈は両の掌を使って弾き飛ばす。そこから翼と剛の二人によるすさまじいラッシュが繰り出される。

常人が見れば見切れない程の速度で繰り出されるパンチやキックの連続、しかし、二人がかりでやっているのにも関わらず、友奈にはその一切が届いていなかった。

ふと友奈の拳が剛の顔面をとらえ、一瞬剛の動きを止めた。そこへすかさず翼の拳が飛んでくるも躱して掴み、体を回転させ、その反動で翼も一緒に回り、その回転を利用して地面に叩きつける。そして、その屈んだ状態から、友奈の拳が剛へと叩きつけられ、吹き飛ばす。

そんな友奈の背後から、明日香が右の大剣を薙いだ。

「おっと」

「チッ!」

すでにブラックと化した明日香の攻撃を空中へ避ける事で躱す友奈。

「馬鹿め」

そこへ優理と防人部隊の銃剣持ちによる一斉射撃が敢行される。

「知ってたよ」

友奈が手を向けた。

「『破弾・寸善尺魔(すんぜんしゃくま)』」

「ッ!?護楯隊っ!前へ!!」

友奈からの攻撃を察知した芽吹が指示して護楯隊を前に出させる。しかし―――

「ダメだよォ!逃げろぉぉぉおお!!」

「ッ!?」

雀の叫びが炸裂し、次の瞬間、友奈の手から発射された弾丸は、楯を容易に貫通して防人部隊に襲い掛かる。

「な・・・!?」

楯の強度を上回る威力の弾丸が、防人部隊を襲う。

しかし、誰かの命を奪う前に、巨大な大剣が彼らの前に掲げられる。

風だ。

剣を巨大化させてそれを楯代わりにしているのだ。

「誰も殺せなかったな」

「テメエの相手は俺たちだろうがッ!!」

剛が、掌に集めた球――――彼的に言えば、『気』の塊が友奈に向けられていた。

「ビッグ・バン・アタック―――――ッ!!!」

放たれた渾身の気弾が友奈へと迫る。

しかし、友奈はその一撃を片手で軽く弾くと、その気弾は明後日の方へと飛んでいき、地面に着弾。巨大な爆発を起こしてそこらを吹き飛ばした。

「ふーん、あれが先輩の渾身の一撃かー・・・なんだか拍子抜けだなぁ」

「ちくしょう・・・」

力を振り絞った結果か、膝をつく剛。

「あれれー?もう終わりですか?」

友奈が嘲るように煽る。

「ハア・・・ハア・・・ああ、そうだ・・・・」

「・・・・以外とあっさりと認めましたね」

「ああ・・・・テメエのなッ!!」

剛が何か、リング状の何かを投げた。

それが友奈を拘束するように体を締め上げる。

「これは・・・!?」

「やれぇえええ!!翼ぁぁぁああああ!!」

「アァァァァアアアァアアアァアアアアッッ!!!!」

右腕を肘の部分で直角に曲げて、左手はその膝に当てられて、片膝をついた状態で構えた翼の姿が、友奈の後ろにあった。

「しまった・・・・!?」

 

「マリンスペシウム光線―――ッ!!!」

 

翼渾身の虹色の光線が友奈に向かって放たれる。

それは、ウルトラシリーズ最強といわしめた怪獣ゼットンを倒した、最強の光線技。

凄まじい威力で突き進んでいく虹色の光線は、真っ直ぐに拘束された友奈へと突っ込んでいき、そして、その光線が直撃し、爆発を引き起こした。

「ハア・・・ハア・・・」

ぼたぼたと血を垂れ流しつつも、翼は、未だ粉塵の舞う、友奈が立っていた場所を見た。

そして、自分の手を見た。

曲がりなりにも、友達を、この手にかけてしまった。

その事を実感するとともに、その手は震えていた。

「・・・・友奈ちゃん・・・」

悔しがるように、翼は、拳を握りしめて、額に当てた。

「――――今のは流石に焦ったよ」

顔をあげた。

粉塵が収まってきたあの場所に、一人の人影があった。

そこには、全くの無傷でどこか余裕そうな表情を浮かべる友奈の姿があった。

「でも、どうにか防げたからいいよね」

 

『拒絶・四面楚歌』

 

彼女の、最大の防御技。

「馬鹿・・・な・・・」

翼にとっても、本当に最後の力で放った一撃だ。それを、ああも容易く防がれるなど、思ってもみなかったのだ。

「うーん、流石に今ので戦意喪失しちゃったかな?」

「誰がするかッ!!」

上空から、雅の重力砲が降り注ぐ。

それに完全に飲み込まれる友奈。

「どうだ・・・・!!」

「良かった」

片手を突き出す雅の腕を、その砲撃の中から伸びた手が掴んだ。

「まだ戦ってくれるんだね」

「――――ッ!?」

子供のような笑顔を向けられて、背筋が凍る雅。

無茶苦茶だ。触れたもの全てを飲み込むこの重力砲の中を突き進んでくるなど、常軌を逸しているとしか思えない。

否、今の彼女は人間の理から外れた存在。こんな無茶も、無茶の内に入らないのだ。

腕を掴まれた事で重力砲が終わる。

重力(グラヴィティ)展開(オン)――――」

しかし、すぐさまもう片方の手を突き出し、すぐさま友奈を重力の鎖で拘束する。

「―――『牢獄・不返(かえらず)』ッ!!」

自分の腕ごと重力の檻に閉じ込める。

「やりなさいッ!!」

「絶技―――」

そこへ冬樹が飛び込む。

 

「―――三段突きッ!!!」

 

ほぼ同時に三撃の突きを叩き込む渾身の一撃が友奈の心臓へと叩きつけられる―――しかし――――

 

「『絶砲・唯我独尊』」

 

それよりも速く、牢獄の中から砲撃。

「あ・・・!?」

冬樹を吹き飛ばす。

「冬樹ぃぃぃいいいッ!!!」

「冬樹ちゃん・・・!?」

水の楯で防ごうとしたが防ぎきれず、戦闘不能に陥る冬樹。

そして、砲撃を放った事で牢獄が壊れ、友奈は今度は雅へと意識を向ける。

(まずっ・・・!?)

「『死拳・疑心暗鬼』」

死の拳が迫る。

だが、そんな友奈の手を弾くかのように、どこからか飛んでい来た刃が、雅の腕を掴んでいた手も、今叩きつけるはずだった手も弾き飛ばす。

「うわ!?」

「あれ?」

「そこまでだよ。ゆーゆ」

そこには、千の刃を従えて、友奈を睨みつける園子の姿があった。

「アハ、今度はそのちゃんが遊んでくれるの?」

「悪いけど、私、遊んでいられるほど余裕ないんだ・・・」

園子の表情は、あまりにも友達に向けるものからはかけ離れている。

「園子・・・!」

園子が咆哮し、千の刃が一気に友奈に襲い掛かる。

しかし、友奈はその千の刃の悉くを、圧倒的な火力をもって吹き飛ばす。

そこへ園子が突っ込み、全力で槍を突く。その一撃は淡くも躱され、そしてカウンター気味に腹に一撃を入れられる。

「ぐぅ」

すさかず顎に膝蹴りを喰らい、さらに左拳、右拳と立て続けに叩き込まれ、よろける。

そして、腹に添えられた掌から、とてつもない衝撃が園子の体を突き抜ける。

「かっはぁ・・・・!?」

「そのっちぃぃいい!!」

へこまされた腹、口から吐く血、そして両膝を着く。

「もう終わりなの?」

園子の装束の胸倉をつかみ、倒れないように引き寄せる。

「それなら、さっさと・・・」

「―――園子から離れろ」

背後から、銀が戦斧を掲げて襲い掛かってくる。

「やっぱり」

しかし、それすらも読まれていた。

振り下ろされた二対の戦斧を振り上げた腕で受け止め、その瞬間に園子を掴んでいた手を離し、強烈な一撃を叩き込んだ。

「が・・・・は・・・・」

軽々と宙を舞い、地面に落ちる。

「銀!!」

「が・・・くはぁ・・・・」

腹から血を吐き出して、うずくまる銀。

「アハハ、皆やる事分かりやすすぎるんだよ。誰かがピンチなら必ず助けに行く。勇者って、皆同じ行動をとるよね」

そう言って嘲笑って見せる友奈。

あまりにも、自分たちの性格を知り尽くされている。その上、異常に強すぎる。

どうやら、それぞれに特化した技を持っているようだが、その特化力が常軌を逸している。

唯我独尊なら放った時の殲滅力に長けているし、生離死別は斬る事に特化している。

四面楚歌は完全無欠の全方位防御。

あまりにも隙がなく、そして思い切りが良い。

力が、あまりにもかけ離れている。

「もうやめて!」

「おっと?」

突然、友奈の体をワイヤーが縛る。

「もうやめて友奈さん!これ以上戦っても、何の意味も・・・・」

「説得は無駄だよ。いーつーきーちゃーん!」

それを力だけで振りほどき、ワイヤーを掴めばすぐさま引っ張っては樹を振りまわす。

そして、ハンマー投げの要領で樹を地面に叩きつける。

「樹ぃ!!」

風が悲鳴を上げる。

「く・・・はぁ・・・・」

取り着く島もなく、沈む樹。

「アハハ、まだまだやれるよねぇ?」

子供のように笑う友奈。

その笑顔が、今は恐ろしく感じて仕方がない。

今の友奈は、あまりにも異常だ。

とてもではないが、人と呼べるものじゃない。否、元々、彼女は人なんかじゃないのだ。

だからこそ、背後から襲い掛かった者は容赦なく刃を振り下ろした。

「ッ!?」

空ぶった剣は地面に叩きつけられるかと思ったら、あまりにも急激に方向を転換させてややしたから友奈を追撃する。

斬撃が迸る。

友奈の左腕が、二の腕から上が飛ぶ。

ざわりと場の空気が変わる。

攻撃が、届いた。

「アハ、やっぱり凄いなぁ、春信さんは」

斬り飛ばされた左腕を右手で抑えつつ下がる友奈。

その視線の先には、春信が、大剣を振り切った状態で佇んでいた。

「あ、兄貴ぃ・・・!!」

思わず、泣きそうになる夏凜。

(春信がいればこの状況を覆せるか・・・・!?)

春信の実力は歴代最強。その斬撃なら、あるいは友奈の命に届くか・・・?

「流石に春信さんとはやりあいたくないからね・・・この人たちに相手をしてもらってよ」

だが、友奈は春信との対峙を拒否、差し出した掌から真っ黒い、ガソリンのような、泥のようなものが溢れ出て、それが地面に広がったかと思うと、その泥から人型の何かが這いずって出てきた。

「『召喚・暗黒時代』―――さあおいで、過去の敗北者さんたち」

這いずってきた者たちは皆、武器を持っており、その武器をもって春信に襲い掛かる。

「そんな有象無象・・・!!」

しかし、春信はそんな事しった事ではないとすぐさまその泥人形たちを切り捨てようとする。

しかし―――春信の神速の初撃を、その泥人形の一体が防いだのだ。

「!?」

「嘘!?」

これには、周りだけではなく、春信でさえも驚いた。

「ここにいるのは昔名のを馳せた武将や侍さんたちだよ。主に鎌倉が中心かな?知ってる?鎌倉時代ってね・・・・武士が最も強かった時代だったんだって」

源氏、平家は当たり前、藤原、北条など、ありとあらゆる鎌倉の武将たちが春信に襲い掛かる。

一体一体が雑魚ではなく、その中には春信に迫る技量を持つ者もいた。

「くそッ!!!」

数の暴力とはこの事か、圧倒的な強さを持つ春信でも、それらすべてを一瞬の内で片付ける事が出来ない。

「アハ、しばらく足止めされててもらうよー」

友奈の斬られて半ばとなった左腕の傷口から管のようなものが出てきたかと思うと、それが斬り飛ばされた左腕の傷口につながり、一気に戻って繋げてしまう。

「よし、これで問題なしだね」

そう言った直後、背後から翼が襲い掛かる。

その左手の先からは、山吹色に輝く刃が出現していた――――だが、その左腕が突如として消し飛ばされる。

「――――ッ!?」

「ふふ、背後から奇襲を警戒しない訳ないじゃん」

肩越しに、極小の『唯我独尊』を放ったのだ。それが、翼の左腕を半ば消滅させて、その上を吹き飛ばしたのだ。

最後の力だったのか、膝をつく翼。

「あれれ~?どうしたの翼君?もう終わり?」

「ハア・・・ハア・・・」

もう、答える余裕もないぐらいに、翼は消耗しきっていた。

いや、それ以前に、出血の量が多すぎる。

「ねえ、それ、苦しいでしょ?」

友奈が、訪ねた。

翼は、どうにか顔をあげる。

「私が、その苦しいのをどうにかしてあげるね」

そう目一杯笑う友奈の顔を見て―――

 

「・・・愛してるよ、須美ちゃん」

 

そう、呟いた。

 

 

 

 

 

――――直後、翼の首が跳ね飛んだ。

 

 

 

 

 

一瞬、時が止まった気がした。

 

溢れ出る血、崩れていく体、飛んでいく首。

 

それらすべてが、映画のスローモーションのように、その場にいた者たちの視界に、ゆっくりと流れていく。

 

やがて、司令部分を失った体は倒れ、飛んだ頭は、美森の前に落ちた。

 

 

 

そして、時が戻った瞬間―――

 

 

 

「――――いやぁぁぁぁぁあぁぁあああぁぁぁあああああぁぁあああああ!!!」

樹の悲鳴が轟いた。

「やり・・・・やがった・・・」

「信じられない・・・」

信じられない目の前の光景に、阿鼻叫喚となる場。

「そん・・・な・・・翼・・・様・・・」

「翼・・・嘘だ・・・そんな・・・・事・・・・」

夏凜と佐奈は、目の前で起きた光景が信じられる、思考が停止している。

だが、そんな二人を嘲笑うかのように、威勢の良い笑い声がその場に轟いた。

「―――死ーんじゃった死んじゃった、つーばさ君がしんじゃった♪」

まるで遊ぶかのようにステップを踏んで歌う友奈。

そして翼の胴体を蹴り飛ばす。

「アハハ、たかが一人死んだぐらいで騒がないでよ!()()()()()だよ?これからもっと死ぬのに何をいまさら騒いでるのかなぁ?」

アハハ、と嘲笑う友奈。

その表情は、本当に嘲っているようで、その場にいる者たちを見下していた。

「・・・・・・・」

「ん~?あれれ?東郷さんはまだ現実に帰ってきてないのかなぁ?」

気付けば、美森は翼の生首を見たまま固まっていた。

「まずい、思考停止してやがる・・・!!」

「わっしー・・・・!!」

ダメージで動けない銀と園子。

そしてそんな美森に歩み寄っていく友奈。

「ちゃあんと、現実に戻してあげないとねー」

何をするのかは分からない。だが絶対に良くない事だけは確かだ。

だから、辰巳が飛び出す。

「そこまでだ!」

恐ろしいほど低い態勢から放たれる斬り上げ。しかし友奈はそれを片手で受け止める。

「これがどうしたのかな?・・・!?」

受け止めた。しかし、そこから先が辰巳の狙いだった。

 

「刮目せよ。我は邪竜、我は竜殺し、故に我は黄昏の覇者」

 

詠唱と共に、剣から黄昏色の光が迸る。

 

「邪悪なる竜は失墜し、英雄は竜の血を浴び、栄光をその身に受ける」

 

その光はどんどん輝きを増していき、やがて――――

 

「させないよ・・・!!」

しかし、それを阻止するかのように、友奈が自爆覚悟に技を発動させた。

 

「『滅陣・暗箭傷人』」

 

立ち上る闇色の光が辰巳と友奈を飲み込み、やがて爆発を引き起こす。

「ぐあぁああ!?」

師匠(せんせい)!!」

吹き飛ばされる辰巳。

「ハア・・・ハア・・・流石に、その技だけは喰らう訳にはいかないよ・・・」

「そうかよ・・・」

「!?」

いつの間にか、剛が背後に立っていて、両手を合わせた状態で友奈にそれを向けていた。

「だったら、これを受け止める勇気があるか・・・!?」

「しまっ・・・・!?」

 

「『ファイナルフラッシュ』―――――ッ!!!!!」

 

閃光が、友奈を包み込む。

剛の合わせられた両掌から放たれた眩い光が、友奈を襲い、崩れた街を駆け抜ける。

「ハア・・・ハア・・・」

光が収まり、走り抜けた先に友奈の姿はなく、大きく抉れた地面が一直線に現れていた。

そして、そこに、友奈の姿はなく――――

 

「ざぁんねんでした~」

 

剛の心臓を背後から貫いていた。

「が・・・・」

「一度避ける事が出来れば、あとは何も出来ないから背後に回って不意打ちしちゃえば簡単だよ」

腕を引き抜けば、心臓を潰される以前に血を失い過ぎていた剛は、そのまま地面に倒れ伏してしまう。

「・・・・剛?」

目の前の光景に、翼とは打って変わってあまりにも現実味の無い現場。

「剛・・・・」

呼びかけても、彼は動かず。その目からは、光はすでに失われていて―――――

 

 

 

次の瞬間、その頭を踏み砕かれた。

 

 

 

『――――ッ!?』

その、予想外の行動に、全員の息が詰まる。

そして――――その場に友奈の笑い声が轟いた。

「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!」

面白おかしく、飛び散った血溜まりの上で、笑い転げる。

死んだ人間に対する、さらなる追撃。まさしく冒涜というに相応しい、その行為は、もう、彼女が自分たちの知る彼女ではないと理解させられるには、十分過ぎた。

「あに・・・き・・・・兄貴ぃぃいい――――ッ!!!!」

周囲の物質を取り込んで治癒した銀が立ち上がり、その手をかみ砕く。

その瞬間、銀の体から凄まじい程の蒸気が放たれ、それが銀を包み込み、まるでプラスチックが連続でひび割れるかのような音と共に、巨大なシルエットが形成され、そこから、見るも巨大な骨の怪物が姿を現す。

『OOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!!』

咆哮をあげて、怪物化した銀は友奈に向かってその巨大な拳を叩きつける。

「アハ、いいよいいよ!その感情を待ってたんだよ!!」

その怪物に対して、友奈は歓喜するかのように拳の一撃を弾き飛ばし、そして、もう片方の地面につかれた腕を駆けあがって、顔の前に飛び出すと――――

 

「『鉄拳・諸行無常』ッ!!!」

 

強烈な拳の一撃が銀の怪物の顔に炸裂し、大きく吹き飛ぶ。

さらに、その最中で衝撃が怪物の体を駆け巡り、体内にある本体に到達、衝撃が本体そのものに叩きつけられる。

そのまま地面に落ち、沈黙する。

「ミノさん!!」

「銀・・・!!」

沈黙した怪物。

その様子を見て友奈は嘲笑い、そして視線を巡らせた。

圧倒的すぎる強さを誇って、周囲の戦意を喪失させた。

そして、残酷過ぎる仕打ちを行い、ついに自分にかつての面影はないのだと知らしめた。

額から伸びる角は彼女を人外と認識させる事とさせ、その赤黒い肌から禍々しい雰囲気を醸し出し、その顔で他者を嘲笑う。

まさに、『鬼』。

今の彼女は、まさしくそう呼ぶに相応しい。

そして、彼女は、また、誰かの想いを踏み躙らんと行動を起こす。

すぐさま、それを阻止しようと、勇者や、救導者が動こうとする。

防人部隊はさきほどの攻撃でほとんどが戦闘不能となっているため動けず、襲撃者たちは、そんな防人たちを守ろうとしていた。

そして、彼女が狙った次なる獲物は――――

 

 

 

 

美森の目の前で、翼の跳ねられた首を潰す事だった。

 

 

 

 

飛び散った血は美森の顔に僅かにかかり、潰された翼の頭は原型をとどめず、その瞬間を見てしまった美森の時間は強制的に動き出し、周囲の人間は目の前で起きた事に思考を停止させて、やがて美森は友奈の顔を見上げた。

しばし、視線が交錯し合った後。

 

友奈が、嘲笑った。

 

「―――――」

その瞬間、美森の中で何かが切れた。

「ぁ・・・ぁぁ・・・・」

胸の中を駆け巡る激情、腹の底から煮えたぎるマグマのような熱さ、理性が蒸発し、堰き止められていた感情が爆発する。

「ぁぁぁぁ――――――」

目の前が真っ白になり、思い出は消し飛び、想いは消え去り、、かつての友情は――――もうそこにはなかった。

 

「あぁぁぁぁぁぁあああああぁぁぁああぁぁあぁぁぁぁぁぁああああぁぁあああああ!!!!!!!」

 

爆発した感情のままに、美森は、満開を発動させた。

昇華との併用により、あの巨大戦艦は姿を消し、代わりに二対の弓が彼女の手にはあった。

剛が『地球』、翼が『光』、園子は『刃』というのなら、美森のそれは『月』。

太陽の光によって輝くその星の光は、ありとあらゆる戒めを解き、夜の象徴として君臨せしめし、その力は――――例え神が施した封印だろうと、全てを解き放つ。

 

その名は『満開・破魔ノ月弓(ハマノツキユミ)』。

 

それは、退魔、破魔に優れた満開。即ち、魔へと落ちた友奈に対しての――――特攻属性。

「あぁぁぁぁぁあああぁああああ!!!」

絶叫と共に、双弓から二本の矢を放つ。

それは真っ直ぐに友奈へと飛び、それを友奈は弾こうとする。だが―――

「ぐぅ!?」

その矢は弾こうとした友奈の手を()()()()()、それに猛烈な悪寒を感じた友奈は体をのけぞらせて躱す。

どうにかその一撃をかわしたが、しかし美森の追撃は終わらない。

その弓は、近接戦闘が可能なように、刃がついているのだ。

「あぁぁああ!!!」

「うわ!?」

振り下ろされた左の弓が、地面を断つ。

「あっぶなぁ・・・!?」

距離をとっても、美森のそれは遠距離武器。悪手である。

「あぁぁああああ!!」

がむしゃらに、ただ友奈を仕留める気満々で光矢を連続して放つ。

それを、友奈は美森を中心に弧を描くように動きながらかわしていく。

ただ、美森は今、理性が完全に蒸発している。だから、無差別だ。

「うおあ!?」

信也のすぐ横を矢が通りぬける。

「くっそ!滅茶苦茶しやがる!!!」

「当然よ!あんな事されて、怒らない訳ないじゃない・・・!!」

冬樹を抱えて、飛んでくる光の矢を躱しながら、砕かれた翼の頭を見て、顔を歪める白露。

「くっ!」

「佐奈さん!もっと下がって!!」

「しかし、このままでは東郷が・・・!!」

見れば、美森の皮膚に亀裂が走っている。

「なんだアレは!?」

「鷲尾須美・・・いや、東郷美森の満開はエネルギーが凄まじいんだ!おそらく、理性が吹き飛んで力の制御を誤っているんだろう・・・だが、このままでは、奴の体は確実に崩壊するぞ!!」

「なんですとぉぉお!?」

美森の体にどんどん亀裂が入っていく。

彼女の満開に使われる膨大なエネルギー。本来の精神状態、そして使用なら問題なく扱えただろう。だが、今の美森は理性が蒸発し、そして力のリミッターを外している。

矢を形成し、放つ際のエネルギーに、体が耐え切れず、崩壊を始めているのだ。

このままでは、美森の体は崩壊して、死に至ってしまう。

「ッ!やむを得ないか・・・明日香!東郷を剣で叩け!!」

「やっていいんですか!?」

「構わない!これ以上、死人を増やすなァ!!」

辰巳の怒号に、明日香は、その迫力を間近に受け、そして頷く。

「了解!!」

「困るなぁそれは」

「ッ!?」

いつの間にか、友奈が明日香の後ろにいた。

「ッ!?」

「今良い所なんだから、邪魔しないでよッ――――」

しかし、友奈のその言葉が最後まで届く事は無かった。

「それは、こちらのせりふだ・・・・!!」

春信が蹴り飛ばしたのだ。

「行け!明日香!」

「ハイ!ありがとうございまぁぁすッ!!!」

春信の援護により、明日香は『(ブラック)』化に成功。そのまま一気に美森に突撃する。

「あぁぁぁあああぁぁぁぁあああああ!!」

もう、顔にまで亀裂が走ってきている。

「一撃を許してくれ・・・!!」

背後で友奈が邪魔しようとする。しかしそれを、春信の大剣が邪魔をする。

それがなくとも、もうすでに手遅れである事は変わりはない。

明日香の大剣の一撃が、美森に叩き込まれる。

「――――ァ」

短い声を漏らして、美森の変身が解除される。

あるべき姿、元の、人としての姿に『正』されたのだ。

美森の体に走っていた亀裂からは、僅かばかり血が流れている。

「ふぃー・・・」

「あの光そのものは神の光・・・・異能が作用していた部分が彼の能力で()されたのね・・・」

奏の推測通り、異能によって変えられてしまったものを『正』すのが明日香の能力だ。今回の亀裂は、美森の体内で暴れていた異能であり、明日香の正す能力によってすでに異能が作用していない部分以外は修復されたのだ。

そして、明日香の一撃と共に、正気を取り戻した美森は、泣いていた。

「・・・・どうして・・・・」

もう、原型をとどめていない翼の頭を見て、美森は・・・

「どうして・・・・・こんな事に・・・・」

現実を受け止めきれないのか、ただ俯いて、泣いていた。

そんな、悲しい雰囲気をぶち壊すかのように、春信によって斬り飛ばされた友奈の腕が宙を舞う。

「くッ!!」

距離を取り、斬り飛ばされた腕の傷口を抑える友奈。

「あーらら、元に戻っちゃったよ」

「黙れ。もうその汚い口を閉じろ」

春信の、友奈を見る視線は、すでに、汚物を見るかのようなものだった。

「・・・・流石に限界かな」

なにかを呟き、友奈は空を仰いだ。

「ねえ、見てるんでしょ?隠れてないで出てきてよ」

その友奈の声に、答えるかのように、仮初の空に、またマギアクルスが現れる。

『何の用だ?』

「私を匿ってくれないかな?」

その言葉に、場が騒然となる。

『我が貴様を匿って、こちらに利益はあるのか?』

「別にタダって訳じゃないよ。匿ってくれたら、そっちに味方してあげる」

『ふん・・・その為にかつての友を殺したのか・・・』

見下すように、マギアクルスは友奈を見下ろす。

「貴様・・・まさか、敵に寝返りたいがために・・・・六道と三ノ輪を殺したのか・・・・?」

春信の持つ剣の切っ先が、震える。

「・・・そうだ、って言ったらどうする?」

瞬間、友奈のもう片方の腕が斬り飛ばされる。

「ァッ・・・!?」

「今すぐ斬り殺す・・・!!」

距離が開いているのにどうして斬撃が届いたのか。

(これは、マズイかも・・・・!)

両腕を切り飛ばされ、成す術のないように思える。

それすらお構いなしに、春信は再度、その包丁のような大剣を振り下ろす。

斬撃が、飛ぶ。目に見える形で、三日月型の斬撃が友奈に向かって突き進む。

直撃する。誰もがそう思った時―――

 

目に見えない障壁によってその斬撃は霧散してしまう。

 

「な・・・!?」

『―――いいだろう』

声が、轟いた。

『貴様を、我が宮殿に招き入れよう』

「アハ、やったあ」

その答えを聞いた友奈は、すぐさま両腕を回収、腕を繋ぎ合わせる。

「何を・・・言ってるんですか・・・・!?」

その答えに、奏は、怒りを露わにして叫ぶ。

「貴方は・・・お前は・・・・断罪の神なんでしょう!?なのになぜ、罪の塊である彼女を招き入れるのですか!?」

断罪の神であるなら、友を殺した罪人を受け入れるわけがない。

何故、そんな事をする?何故そんな、自身の矜持を否定するような事をするのか。

そして、返ってきた答えは、あまりにも予想に反するものだった。

『―――我は、常に『あの御方』の御意思にのみ従っている』

「・・・・は?」

『故に、この行動は、我が主の意思である』

その言葉の後、友奈が光に包まれる。

「バイバーイ」

「待て・・・・待ちなさいよ!!」

夏凜が吼える。

「あんた・・・どうしてそんな簡単に逃げられるのよ!?どうしてそんな簡単に人を殺せたのよ・・・・どうして、どうしてそう簡単に裏切れるのよぉぉぉおおお!!」

泣き崩れる夏凜を目にして、友奈は―――

「だって・・・・」

その声は、酷く切なくて。

 

「―――だって、千景君のいない世界なんて、嫌なんだ」

 

その言葉を最後に――――友奈は、マギアクルスと共に消えた。

全ての脅威が過ぎ去り、静寂が訪れる。

その静寂が、酷く痛くて、苦しくて、失ってしまったものが、あまりにも大きすぎて。

やがて、一人の絶叫と共に、失ってしまったものを認識した。

絶叫が、壊れた街に響きわたり、しかし次の瞬間、空に、大きな方陣が展開される。

 

中心に『修復』の文字の入った、真っ白な方陣。

 

小さな光の粒子をまき散らして、壊れた街に降り注ぎ、やがて崩れた瓦礫が持ち上がって、建物が修復されていく。

まるで、何事もなかったかのように、全てが元に戻っていく。

「・・・・創代様、酷いですよ」

涙を流しながら、奏は、自らが信仰する主神を罵倒した。

「・・・あの子が、戦った証を・・・消さないでください」

しかし、その声は届かず、街は修復されていき、しかし失った命は返らず、砕かれた体は修復されず。

ただそこには、誰かを失ったという、絶望に打ちひしがれる者たちしかいなかった――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――香川防衛戦、報告書にて。

 

功績―――敵勢力の大多数の撃破に成功、撤退に追い込む。

 

被害―――結果的に、一切の被害は無く、協力者が信仰している神のお陰で全て修復された。

 

しかし、協力者の内、一名と、勇者二名が死亡。

 

どれも、戦力の中核を担う。

 

名を以下の記載。

 

 

不道千景―――身体の消失により、死亡。

 

六道翼――――失血、及び頭部の破壊により、死亡。

 

三ノ輪剛―――失血、及び心臓、頭部の破壊により、死亡。

 

なお、これらの死亡により、勇者及び、協力者の精神に、多大なるダメージが確認される。

 

 

 

そして、今回の戦闘で出た、『裏切者』について。

 

元『結城友奈』を、今後、災厄の意として『サイカ』と呼称。

 

以前より計画されていた『神婚の儀』は、これにより中止を具申。

 

今後、最重要討伐対象とす。

 

 

なお、敵勢力にさらに『上』が控えている可能性大。

 

さらなる勢力の存在を警戒すべき。

 

今後、対策を立てる必要有り。

 

 

以上、報告終了。

 

 

作成者―――三好春信。

 

 

 




次回『上里家』

全てを牛耳る一族。
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