転生してFGOの柳但っぽくなった男が戦友達の為に刀を抜く話   作:折れたサンティの槍

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ツッコミ所多そうだし、読みづらいかもしれないですが、とにかく書きたいと思ったものを書けたので、それなりに満足してます。

オリモブキャラが割と不快な事を言ってます。
多分陰で嫌なヤツとか思われてます。

2018.1/1 気になった箇所があったので、少し描写を変えました。
2018.5/4 修正&加筆。
2019.6/26 __(アンダーバー)を──(罫線)に修正&一部地の分などの書き換え。


一切両断

アルヴヘイム・オンラインの空に浮かぶ新生アインクラッド、その27層の迷宮区、最上階ボス部屋前。

そこでアスナは……アスナを含めたスリーピング・ナイツの面々は、五十人近いプレイヤー達に囲まれてしまっていた。

 

= = = = = = = = = =

 

こうなるまでの出来事を、大雑把に纏めよう。

 

事の始まりはほんの十数時間前……昨日まで遡る。

『《絶剣》と呼ばれているプレイヤーがアインクラッド24層で、立ち合い希望プレイヤーと一人ずつ決闘している』という話に、更に『二刀を持っていなかったとしても、旧アインクラッドではソロの攻略組として最前線で戦い続けていたキリトを負かした』という話を聞いて興味が湧き、

実際に戦ってみれば、「お姉さんに決ーめた!」という台詞の後、ほとんど誘拐の様にスリーピング・ナイツの五人の下に連れてこられ、

黒鉄宮に自分たちの名前を残したい、その為に、ユウキが認めたアスナを含めた七人一パーティーだけで27層フロアボスに挑みたい、という話を聞いたアスナは、彼女らに協力することにした。

そして今日、先程ボスに挑みはしたものの全滅、更にはボス攻略専門ギルドの斥候隊(スカウト)盗み見(ピーピング)されていたことを知ったスリーピング・ナイツの面々は、24層フロアボス部屋に急ぐも、ボス部屋の扉へと至る回廊のラスト三十メートルは、ボスに挑める最大人数の約半数である、およそ二十人程のプレイヤーで埋まっており、更にそのプレイヤーたちによる妨害によってボスに挑むことができなくなってしまった。

八方塞がりで立ち尽くすアスナに変わり、目の前のノームのプレイヤーに話かけたユウキによって事態は大きく変化する。

 

「つまり、ボクたちがこれ以上どうお願いしても、そこをどいてくれる気はないってことなんだね?」

「……ぶっちゃければ、そういうことだな」

「そっか。じゃあ仕方ないね。戦おう。さあ、武器を取って」

 

そう言い、スリーピング・ナイツ全員が構えるも、ボスに挑む連結部隊(レイド)のもう半分が到着してしまい……。

 

そして、冒頭に戻る。

 

= = = = = = = = = =

 

(わたしが、くよくよ迷っていたから……)

 

アスナは悔悟(かいご)の念とともに、強く唇を噛んだ。

最初からユウキの心情に従っていれば、と。

ごめん、と口にしようとしたアスナの手に、ユウキが自らの手をそっと触れさせた。

 

「ごめんね、アスナ。ボクの短気に、アスナも巻き込んじゃって。でもボク、後悔はしてないよ。だってさっきのアスナ、出会ってから一番いい笑顔で笑ったもん!」

 

ユウキのその言葉に、アスナはユウキの手を握り返して応じた。

 

「わたしこそ、役に立てなくてごめん。この層は無理かもしれないけど、次のボスは絶対みんなで倒そう!」

 

二人のやり取りは、スリーピング・ナイツの全員にも伝わったようだった。全員がぐっと頷き、円陣を作って前後に備える。

後方から殺到してくるおよそ三十人のプレイヤーたちは、既にギルドメッセージか何かで状況を伝えられているらしく、全員が抜剣済みだ。

円陣を作った七人に対して、前後のプレイヤーたちが勝ちを確信した笑みを浮かべた…………その直後。

 

わずか二十メートル先にまで迫っていた敵増援部隊の、更に後方から。回廊の緩く湾曲する壁面上を、何かが……誰かが横向きになって疾駆してくる。あまりのスピード故に、人影は黒く霞んでいる。

人影は、超高速の壁走りで増援部隊をまるごと追い越すと、悠々と床に飛び降り、靴底のスパイクから盛大に火花を散らしながら制動。敵増援とアスナたちの中間地点で、アスナたちに背中を見せて停止した。

その人影……否、黒衣の剣士は、右手を煙る程の速度で(ひらめ)かせ、背中の黒革の鞘から薄青い刃の片手剣を引き抜くと、

 

じゃりいぃぃぃん!!

 

と盛大にな音を立てて足元の石畳に突き立てた。

その気迫に呑まれたかの様に、三十人のプレイヤーたちがばらばらと立ち止まる。

 

「悪いな、ここは通行止めだ」

 

びんと響くその声に、新参の三十人のみならず、アスナの後ろの二十人も、そしてスリーピング・ナイツの面々までもが絶句した。

その黒衣の剣士……キリトの肩の上では、ナビゲーション・ピクシーのユイが、アスナに向けて手を振っていた。

余りにも不遜なその振る舞いに、最初に反応したのは増援部隊の先頭に立つ痩身のサラマンダーだった。信じられないとばかりに大きく頭を振る。

 

「おいおい、《黒ずくめ(ブラッキー)》先生よ。いくらアンタでも、この人数をソロで食うのは無理じゃねぇ?」

 

全身の黒色に由来するあだ名を山程持つ剣士は、好戦的に笑いながら答えた。

 

「いいや、アンタらを相手にするのはもう一人いるぞ?」

 

そう言ったキリトはアスナに振り返る。

 

「こっちは俺たちに任せてボス部屋に進め!」

 

その言葉にアスナは、しかし動けない。

もう一人味方が来ると言ってはいるが、キリトがいたとしても、二人でこの数を相手にするのは不可能だと思ってしまったからだ。

その考えをアスナの表情から読み取ったキリトは、ニヤリと笑う。

 

「大丈夫だ、助っ人に来てくれたのはあの人(・・・)だからな!」

「あの人………もしかして!」

「ああ、そのまさか(・・・・・)だ!」

 

キリトのその台詞に驚愕するアスナ。

そしてそれを見た攻略ギルドのプレイヤーたちは、誰が来るのかと周りを見回す。

疑問に思ったユウキがアスナの方へ振り向く。

 

「誰が来るの?」

「前にユウキには話したよね、私よりもずっと強い人がいるって」

 

決闘の後、ほとんど誘拐の様な形でアスナを連れ去ったユウキに対して、アスナはそう言ったのだ。

 

「うん、アスナより、この人より、ずっと強い人がいるって聞いた。その人は確か───」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「─────黒の剣士から、話は聞いた」

 

 

 

 

その声は、それ程大きなものでは無かったというのに、確かにキリトとスリーピング・ナイツのいる場所にまで届いた。

 

 

 

 

 

───かつて《剣術無双》と呼ばれていた人だ、って……。

 

 

 

= = = = = = = = = =

 

 

もう半分のボス攻略レイドの、その後ろに現れたその男を見たプレイヤーたちの反応は、スリーピング・ナイツのメンバー達とアスナ、キリトの数人を除けば、全てが嘲笑であった。

それもそのはず、一体誰が来るのかと思ってみれば、実際に現れたのは着物に袴に羽織を纏い、二本差しした、言ってしまえば侍のような見た目をした男一人だったのだから……少なくとも、彼らにとっては。

 

 

「この世界に名を残そうとする少年少女らを阻む者たちというのは、貴殿らのことか?」

 

「いいや?俺たちはただ、この層のボスを倒すために集まってるだけで、アイツらがボス攻略させろって暴れてんだよ」

 

明らかに見下した表情と口調でそう言う目の前の、ケットシーのプレイヤーに対して、その男は「そうか……」と呟くと、そのレイドの1人に向かって、

 

「……ではどうか、此度はここで引いてはくれまいか」

 

と言った。

 

数瞬後、目の前のケットシーが「ぷふっ」と、空気を吹き出し笑った。

笑いは他のレイドプレイヤーに伝染して行き、数秒後にはレイドプレイヤーの全てが大爆笑を起こしていた。

思わず飛び出そうとしたユウキの肩を、アスナが掴んだ。

何故、と振り返ったユウキの目を、アスナはあの人なら大丈夫、と見つめた。

それを見たユウキは静かに身を引いた。

助っ人の男は、その光景を表情を変えること無く、黙って見ている。

 

数十秒後、大爆笑が収まってから、その男の目の前にいるケットシーが、笑いを含みながら言う。

 

「オイオイ冗談はよしてくれ。ボス攻略の為にこんなにも集まったってのに、今から帰ってくれだって?……まさかおっさん、もうボケ始めたのか?」

 

その台詞に、再びプレイヤーたちが笑いだす。

助っ人の男が「しかしな」と言いかけた声に被せる様にケットシーは「それにな」と続ける。

 

「俺たちが挑む前にアイツらがボスの情報を引き出してくれたんだ、その情報を元に対策を立てて挑めば、大量のユルドにアイテム、莫大なスキルアップポイントが手に入れられるかもしれないんだ………ここから引くわけがねーよ」

 

最後の一言は、脅す様に、威圧する様に、そう言った。

 

「…………どうやら自分は言い方を誤った様だな。頼み事など、ほとんどした事が無かったからか」

 

そう言ってから、数秒両目を閉じながらため息を吐くと、睨み付けるように両目を開き言った。

 

「では改めて言おう……

 

 

 

 

 

 

 

───私に刀を抜かせるな(・・・・・・・・・)。一度抜けば、斬らねばならぬ」

 

その言葉を聞いた目の前のケットシーは、肉食獣めいた笑いを隠すこと無く、見下しながら言った。

 

嫌だね(・・・)、そんなに止めたきゃ、その腰の、弱そうな剣でやってみろよ」

 

 

 

= = = = = = = = = =

 

 

 

その男の目の前にいたケットシーは、デスゲームとなったSAOの帰還者だった。

第60層で、攻略組を目指して戦っていた、それなりに腕の立つプレイヤーだったと自負していた。

その中で、情報屋たちの作った新聞や、実際に見たりして、攻略組のプレイヤーのことを知ってはいた。

見学させて貰った攻略会議で《閃光》を知った。

闘技場での、《神聖剣》血盟騎士団長ヒースクリフとの決闘で、ユニークスキルによって二刀を振るう《黒の剣士》を知った。

 

 

 

そして、新聞を読んでいる中で《剣神》と呼ばれるプレイヤーいるということも知っていた。

知ってはいたが実際に見たことは無かった(・・・・・・・・・・・・)

だから目の前にいる、自分がおっさんと呼んだ男がその『剣神』であるとは分からなかった。

尖った耳、藍色がかった羽、多少変わった服装以外、SAOでの見た目と(・・・・・・・・・)ほとんど変わ(・・・・・・)りないというのに(・・・・・・・・)

 

自分がそれなりに強いからと油断し(・・・)、これだけの仲間がいるからと慢心し(・・・)、助っ人として来たらしい目の前の男の腕前は、精々自分と同程度で、数で押せば押しつぶせると決めつけた(・・・・・)───。

 

 

 

 

もしこの男も見知っていて、目にした瞬間その場から逃げ出したならば、死ぬことは無かったかも知れないし、

 

もし油断も、慢心も、決めつけることもなければ、

 

 

 

 

 

良くて数分長く生きていられたであろう。

 

 

 

 

 

 

「…………そうか

 

 

 

 

 

 

 

 

……ならば、斬り捨てよう」

 

 

 

 

 

その男が刀の鞘に左手をそえたその男を見て、目の前のケットシーたちは緩く構えた。

 

 

 

 

そのケットシーの認識はあまりにも、間違ったものであった。

この男を、たかだか数人程度で囲んで(・・・・・・・・・・・・)潰せる(・・・)と認識してしまったことは。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いざ、参る───。

 

我が心は不動、

 

しかして自由にあらねばならぬ。

 

即ち(これ)

 

無念無想の境地なり──────」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう言葉を連ねた直後その男は、音も無く三十人のレイドプレイヤーたちの前から消え失せた。

否、実際には三十人の間を通り抜けてキリトの隣へと動いたのだ。

ただそれは、その男を注視していたユウキですら(・・・・・・・・・・・・・・・・)

いつの間にかそこにいた(・・・・・・・・・・・)と認識してしまう(・・・・・・・・)程の速さであったが(・・・・・・・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「──────剣は生死の狭間にて大活(だいかつ)し、

 

(ぜん)静思黙考(せいしもっこう)の内大悟(だいご)(いた)る。

 

我が剣に、

 

お前は(いず)れを見るものか──────」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その声に、三十人のレイドプレイヤーたちの内、周りを見渡していた、通路脇にいた半分だけが(・・・・・・・・・・・)ようやく振り返りその男を見た。

その手には、いつの間にか抜かれていた刀(・・・・・・・・・・・・・)が。

そして、腰の鞘に収められようとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「─────剣術無双(けんじゅつむそう)───」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

振り返ることの無かったもう半分のレイドプレイヤーの身体に、赤い線(・・・)が浮かび始める。ある者は上半身と下半身の間に、ある者は左肩から右腰にかけて、ある者は首に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「────剣禅(けんぜん)一如(いちにょ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、

 

 

す、と、音も無く刀が鞘の中に納められるのと同時に。

 

 

その赤い線……否、居合斬りによって(・・・・・・・・)刻まれた切断面(・・・・・・・)から、

 

 

破裂したかの様に、あるいは自分が斬られていた事に(・・・・・・・・・・・)ようやく気が付いた(・・・・・・・・・)とでも言うかの様に(・・・・・・・・・)

 

 

赤い、血の如きダメージエフェクトが噴き出した───。

 

 

 

 

 

 

 

 

= = = = = = = = = =

 

 

 

かつて、旧アインクラッドにおいて、多くのプレイヤーたちにとっての希望になり、

 

 

 

 

 

一部のプレイヤーたちにとっては恐怖の象徴となり、

 

 

 

 

 

そして《黒の剣士》《閃光》たちと、戦友であった男がいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その(プレイヤー)の名は、《Ryutan(柳但)》。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

SAOプレイヤー達に《剣術無双》《剣神》と呼ばれ、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラスボス(ヒースクリフ)の体を、城壁が如き大盾ごと両断した事から、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後に、《一切両断》と呼ばれる様になった男である。




続かないので柳但の宝具ボイス全部突っ込みました。


戦友達の為に刀を抜く話(刀を抜くついでに十数人ぶった斬る)。


その後、27層攻略祝いのバーベキュー大会の後、ノリと勢いでALO有力者たち+オリ主という豪華メンバーでなだれ込まれた28層フロアボスの甲殻類型ボスモンスターは、テンションMAXのオリ主(傍目には全くそうは見えない)によって脚を両断され続け、ほとんど攻撃させて貰えずにハメ殺されました。
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