勇者の花と桔梗の花 勇者の章   作:水甲

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第11話 世界の違い

桔梗SIDE

 

風先輩の所に行こうとしていたが、突然友奈から呼び出され僕は友奈の家に来ていた。友奈の部屋に入るとそこには友奈、海、そして大赦の人が集まっていた。

 

「神宮様、来ましたね」

 

「………なるほどな。大赦も僕と友奈の事を調べてくれたのか。それに海、お前は……」

 

「二人の身に何が起きているか分かったから……」

 

「……そうか」

 

海は気がついていたのか。この痣について……だけど本当に話していいのか?

 

「詳しい話は私がいては話せないですね。なので話を勧めます。まずこちらを……」

 

大赦の人は僕と友奈の二人に一冊の本を渡してきた。本のタイトルは勇者御記と書かれていた。日記をつけろっていうのか?

 

「御記は必ずつけてください。そして結城友奈様、こちらで調べたことを話しておきます。今現在、神樹様が作った体、御姿。それが貴方です」

 

「御姿………」

 

聞いたことのない言葉。それに神樹様が作った体って……どういう事だ?

 

「春頃より起きた戦いにて、勇者たちは満開し、散華をした。散華して失ったものは返されたものではなく、神樹様が作った新しいものです」

 

皆の体が神樹様に作られたもの……それだったら僕の右腕は失っていたからこそ戻らない。まぁ戻ったら戻ったで怖いけど……

 

「結城様は強引な満開を行ったせいで、体の大部分を失い、殆どが作られたもの……神様に愛された者です」

 

「神様に愛されたもの……」

 

「だからこそ貴方は天の神が作った呪いを引き受けようとしたのでしょう……それでは」

 

大赦の人はそう言い残して出ていった。呪いを引き受けるってどういう事だ?美森を助けようとした時に僕と友奈の二人に写ったんじゃないのか?

 

「あのね。桔梗くん、桔梗くんが来る前にさっきの人と言われたの。私は神様が作った体。だからかな、東郷さんを助ける時に呪いを引き受けたいって願ったから……」

 

「だけど、僕は……散華で失ったものは右腕と皆から僕という存在の記憶だけ……友奈みたいな……」

 

「桔梗くん、痣、広がってる?」

 

「い、いや……まさか……」

 

友奈は黙ったまま頷いていた。そんな、僕の場合は友奈と一緒に助けたから少しだけど呪いの影響を受けた……誰かに話したりしたら災いが降りかかるだけ……だけど友奈は呪いの大半を受けたせいで……

 

「ごめん、友奈。僕が受けるべきものなのに……」

 

「そんな事ないよ。私の方こそごめんなさい。巻き込んで……」

 

お互い謝る中、海は何かを考え込んでいることに気がついた。

 

「海に呪いの影響がないのは……」

 

「僕は精霊の加護が強く受けすぎてるからか。呪いとかは効かないみたい。ただ気になることがあるんだよ。友奈、あの時の戦いでお前は無茶な満開をしたって言ったよな。その後しばらくの間動けなく、心もなかったって聞いてるけど……そこら辺の記憶はあるか?」

 

「うん、えっと……」

 

友奈はあの戦いで敵の御霊に触れたせいで、魂だけは美森がいたあの空間にいた。どこまでも進んでもたどり着くことのなかった。どうしようもなくふさぎ込んでいた時に、美森の声と共に青いカラスが友奈を導いた。

 

「それで戻ってこれたんだけど……海くん?」

 

「………ちょっと気になることがあるんだ。ちょっとごめん」

 

海は端末を取り出すと、端末から光の玉が現れた。これが海の精霊なのか?

 

『どうかしましたか?ウミさん』

 

「エリスさん、頼みたいことがあるんだ」

 

『頼み事?例のものでしたらまだですよ』

 

「いやそれじゃない。そっちにいる友奈に聞いてくれないか?」

 

海はエリスって呼んでいる人にこっちの友奈と同じことが起きてないか聞くことになった。確かに同じことが起きてるはずだけど……

 

「海くん、あっちの私は違う感じなの?」

 

「いや、まだわからないけど、その何もない空間には言ってない可能性があるんだよ」

 

「どういうことだ?」

 

「そこら辺は分かってから話すよ。とりあえず友奈、桔梗さん、辛くなったらいつでも話してくれ。僕なら大丈夫だ」

 

「………ヤバそうだったら話すの止めるからな」

 

「わかってる」

 

「あの、海くん、聞きたい事があるの。海くんが死んでるってどういう事?」

 

「………そうだな。話すべきだな」

 

海は友奈に語った。自分自身が行ったことを……

 

海は元々勇者たちの監視役の役目をやっていたが、勇者たちの傷つく姿を間近で見ていたこともあり、自分も勇者になって皆を守りたいと願い続けていた。

だけどそんな願いはいつまで経っても叶うことはなかった。

 

そして勇者部みんなが散華によって体の機能を失ってしまった。海はなんとかして救う方法がないか考え、その結果、自分の命と引き換えに神樹様に皆から奪ったものを返してほしいと願ったのだった。

 

「その後僕の魂は女神様がいる所に行き、新しい肉体と勇者の力を得たんだ」

 

「海くんが……私達のために……」

 

「色々とあって皆と再会できた時に怒られたけどね」

 

海は苦笑いをしているけど、自分の命を引き換えか……だけどちょっと気になることがある。海がいた世界に行ったことがあるけど、友奈も東郷も普通に元気だった。

 

「海、お前の世界では奉火の儀は行ってないのか?もしかして別の誰かが犠牲になったのか?」

 

「それは天の神に聞いたら、ある人間の遺体を使って行ったらしい。その遺体は……僕だ」

 

海曰く巫女の家系のおかげで生贄としての価値は大きく、十分役割を担えるらしい。だからこそ今回の騒動は起きていないのか

 

「海くん……」

 

「海、これからどうするんだ?僕は大丈夫だろうけど……友奈は呪いが大きすぎていつか……」

 

「なんとかするしかない。なるべく諦めない。そうだろ友奈」

 

「……うん」

 

少しだけど友奈は明るさを取り戻した。だけど本当にどうにか出来るのか?いやこれが天の神の力だとしたら……

 

「海、天の神に……」

 

「無理だよ。僕もどうにか出来ないかって聞いたけど、呪いは天の意志関係ないらしい。ただ……」

 

海が何かを言いかけた瞬間、突然海の端末から白い光の玉が現れた。

 

『ウミさん、お待たせしました』

 

「どうだった?」

 

『お聞きしましたけど、ウミさんが言っていたようなことはなかったです。本当に気がついたらこちらの世界に来たみたいで……』

 

「そこから変わってるのか……ありがとうエリスさん」

 

『ご無理はしないでください。ウミさん』

 

光の玉はすぐに消えると、海はまた考え込んだけど、すぐにため息を付いた。

 

「友奈、何か変わったことがあったらすぐに知らせてくれ」

 

「うん」

 

「僕はどうする?」

 

「桔梗さんも呪いを解く方法を一緒に探してほしいんだ。なにかあるはずだ……何か……」

 

「海くん、桔梗くんありがとう……」

 

僕と海は必ず友奈を救うと誓いあった。それに今回の件は勇者部の皆を巻き込めない。僕らだけでどうにか……




今回の話はオリジナルの話でした。海の方の友奈はあの世界に行かずに直接このすばの世界に来た感じですね。
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