勇者の花と桔梗の花 勇者の章   作:水甲

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今回の話は勇者の章の前日談となります




第18話 前日談

それは僕が友奈と結婚してから一週間が過ぎた頃の話……

 

僕と友奈はめぐみんのいつもの日課に付き合っていた。激しい轟音が平原に響き渡っていた。

 

「……どうですか?ウミ」

 

「何というか前にも増して威力上がってないか?」

 

「すごいよ。めぐみんちゃん!!」

 

「こう見えて日々精進していますから、それに未来で待っている弟子に追い越されないように頑張っていますから」

 

弟子か……あの二人はちゃんと未来に帰れたのかな?いや、造反神との戦いで友海と牡丹がちょっと未来から来たから大丈夫か?

 

いつか来る未来を期待しつつ、友奈はめぐみんを背負い、僕らは街へと戻るのであった。その途中友奈がある話をしていた。

 

「そういえば東郷さんと桔梗くん、付き合い始めたんだって」

 

「……いや、何でだよ……もう少し待ったほうがいいんじゃないのか?」

 

「トウゴウは幼い子好きでしたか……」

 

めぐみん、それを本人に言ったら怒られるからな。というか何がどうなってそうなったんだ?

 

「あ、付き合うって言っても、お見合いして……」

 

見合いか……まぁそれならいいのか?

 

「私達の次は東郷さんと桔梗くんの結婚式だね」

 

「何年後になるんだよ……それにあの二人より早くに結婚しそうなのがいるじゃないか」

 

僕はめぐみんの方を見てそう言うと、めぐみんは顔を赤らめていた。

 

「な、何ですか!?私は別に付き合っている人は……」

 

「めぐみんちゃん、いつになったらカズマさんと結婚するの?」

 

「な、なななな、つ、付き合ってすらないのに……」

 

「素直にならないと駄目だぞ……僕らの時に色々と動いてくれたんだから協力くらいはするぞ」

 

「めぐみんちゃん、相談にのるからね。勇者部五箇条一つ、悩んだら相談」

 

「うぅ……」

 

めぐみんは顔をうつむかせた。というかカズマさんもめぐみんのこと意識しているんだから、近いうちにくっつきそうだな……

 

そんな話をしていると屋敷の前にたどり着いた。だけど何故か中が騒がしい。僕らは急いで中に入ると……

 

「だから私のお酒を返しなさいよぉぉぉぉぉ!?」

 

「あら、これは戦利品よ。いいじゃない。これぐらい」

 

泣きじゃくるアクアさんと何度も会ったことがある天の神がリビングにいた。僕らはカズマさんに何があったのか聞いてみた。

 

「何というか天の神が遊びに来て、アクアとトランプで遊んでたんだけど……どうにも勝負が白熱して、アクアが自分のお酒をかけに出して……」

 

「ごめん、だいたい事情は分かった」

 

ようするにボロ負けにしたんだな……というか別世界の天の神がこんな所に着ていて大丈夫なのか?こっちの天の神に怒られないのか?

 

「あぁ、それなら大丈夫。ちゃんと許可はもらってるからね。遊びに来て、女神を誂うくらいはね」

 

僕の心を読んだのか……神様って本当にずるいな……

 

「今戻ったぞ。って何だ。アクアはまた泣かされてるのか?」

 

「というかダクネスさん達も天の神がここに来ていることになれすぎてないですか?」

 

銀、僕が言いたいことを言ってくれてありがとう。まぁ僕の結婚式でエリスさんが出てきて色々と感覚が麻痺しちゃったんだろうな……

 

「さて、水の女神を誂ったことだし、私は帰ることにするよ」

 

天の神は指を鳴らしたが、何も起こらない。何度も指を鳴らすがどうやら帰れないみたいだった。

 

「ぷーくすくす、何、帰れないの……」

 

「ふむ、どうやらそうみたいね。どうにも下の連中が道を閉ざしたみたいだね」

 

「あんたの世界の住人に嫌われてるの。くすくす」

 

天の神を笑うアクアさん。そんなアクアさんを天の神はアイアンクローを喰らわしていた。

 

「全く人がいない間に面倒事を……」

 

「何だ?何かあったのか?」

 

「女神の勇者。悪いが少し君の精霊を借りるよ」

 

天の神がそう告げた瞬間、部屋の天井に穴が空き、エリスさんが落ちてきた。というか女神を普通に呼び出していいのかよ

 

「な、何ですか?何が……って、天の神……貴方が呼んだんですか?」

 

「ちょっと厄介事が起きていてね。自分の世界に戻れないんだ」

 

「はぁ……それで私は何をすれば……」

 

「色々と迷惑をかけるから、見過ごしてほしいかな。特に神器改造、神器複製やらね」

 

エリスさんはその言葉を聞いて、身体を震わしていた。改造やら複製とかって、天界規定とか何やらに触れそうだな……

 

「そ、そこまでしないと駄目なんですか?」

 

「あぁ、神の予感としては必要になるからね。そっちの女神を特典にした男にも協力してもらうからな」

 

「俺も?」

 

本当に何があったんだ?でも僕としては桔梗さんに恩が返せるからいいかな……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕は色々と準備を済ませると天の神が僕の腕輪に触れた。

 

「天の神の力で君は望んだ世界ではなく、時空を越え、制限なくいられるようにしておいた。あちらには女神二人が事情を話しておいてくれる」

 

「分かりました」

 

「海くん、気をつけて」

 

「何かあったらすぐに私達を頼れ」

 

「神くらいなら我が爆裂で吹き飛ばします」

 

「あっちの須美達にもよろしくな」

 

皆に見送られる中、この場にいないカズマさんたちのことが心配だな。カズマさんが腕輪を作り、エリスさんと天の神が腕輪に力を宿す……もしかしたら必要になるからっていうけど……

 

「まぁ保険だよ。おまけにあなたが使っている腕輪の効果に一つ加えて、こちらの世界のスキルとやらを使えるようにしてある」

 

「まぁすぐに終わらせてくるから、大丈夫だと思うけど……とりあえずいってきます」

 

僕は皆に見送られながら、世界を超えていくのであった。




何というか最終回まで耐えきれなく、前日談を書きました。

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