勇者の花と桔梗の花 勇者の章   作:水甲

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第22話 世界のその後

みんなで祝勝会ということでうどんを食べに行くのであった。友奈は神婚用の衣装からジャージに着替えていた。どうにも着替えをあっちに置いてきてしまったみたいだ。

 

「ゆーゆ、後で大赦が届けてくれるから大丈夫だよ~」

 

「うん、でも迷惑かけちゃったし……大丈夫かな?」

 

「まぁ大丈夫でしょう」

 

そんなことを話しながら、いつものお店に入る僕達、だけど僕らは目を疑った。

 

「久しぶりにここのうどん食べたな~」

 

「海くん、仕方ないよ。大変だったし」

 

「おまけにこっちでも色々とあったからな」

 

「私達の時間でもこのお店ありますけど、味は変わりませんね」

 

「おいしいね。パパ、ママ、牡丹」

 

何故か海と眼鏡をかけ、ちょっと髪が伸びた友奈と友海、牡丹がうどんを食べていた。

 

「いや、何でよ!?」

 

咄嗟に夏凛がツッコミを入れると四人は僕らに気がついた。本当に何でいるんだよ。

 

「皆もうどんを食べに?」

 

「疲れてるのに、今日くらいは休んだほうがいいんじゃないんですか?」

 

「お父様、お母様、席の方取ってありますよ」

 

「きっと来るって言ってたから」

 

「いやいやいや、平然と喋ってないで……あぁもう、とりあえず話し聞かせなさい」

 

とりあえず一旦落ち着くために、みんな注文を終え、うどんが来るまでの間海たちから話を聞くことになった。

 

「本当なら僕らも帰るはずだったんだけど」

 

「ひなちゃんからまだ女神の加護がどう影響するかわからないから、しばらくここに残ったほうがいいって言われたの」

 

「私たちもそれに付き合うことに」

 

「大赦からも話は通ってるから大丈夫だって、ひなたおばあちゃんが」

 

「「いやいやいやいやいや」」

 

先輩と夏凛の二人が焦る中、僕はさっき海が残した言葉を思い出していた。もしかしてあんなこと言った後にこんなことになったのか?それはそれでちょっと恥ずかしいよな

 

「あの、ちょっと気になったんですけど、どうして友奈さんはメガネかけてるんですか?」

 

「それにちょっと髪も伸びているわね」

 

「眼鏡はこっちの私と見分けがつくようにしているからで、髪も同じように……」

 

「まぁ年齢的にはこっちの友奈より一つ上ぐらいだから」

 

「「「「はぁ!?」」」」

 

「おい、海、お前今、いくつだ?」

 

「15だよ。時の流れとか違うから……」

 

「うん、時の流れもちょっと違うから、私もいつの間にか東郷さんより年上になっちゃったんだよ」

 

何というかそうじゃないかって思っていたけど、海の場合、僕より年上になってもさん付けで呼んでるから気にしなかったけど……

 

「それで~カイくんとゆーゆ、ゆうちゃんとたんちゃんはしばらくここにいるって言うけど~何処に住むの?」

 

そういえば住む場所とか考えてるのか?また友奈と園子の家に居候するとしても、人数が人数だし、困惑しそうだし……

 

「住む場所はちゃんと決めてるよ。ようやく大赦も準備してくれたし」

 

「夏凛ちゃんのお家の隣だよ」

 

「何というか想像はできてたけど……」

 

「そういうわけで先輩、暫くの間勇者部でお世話になります」

 

こうして海一家はしばらくこの世界にいることとなったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから数日後、少しずつだけど変化は訪れていた。神樹様が消え、世界は女神二人に守護されるようになった。今は再生した大地を天の世界の住人達と大赦で新しく作り変えている。

女神二人はこれから先、犠牲のない世界を作っていくつもりらしい。大赦も女神の言葉を聞きそれに応じるようになった。ただ気になることは、あの戦いの最中女性神官数名の下着が奪われ、燃やされたという話があったけど、その奪った人物を聞く限り海の仲間みたいだけど……海曰くしょうがないらしい。

 

勇者部の変化といえば、勇者部五箇条に一つ加えられ、六箇条になった。それは『無理せず、自分も幸せであること』だった。先輩曰く今回のことを踏まえてのことらしい。

 

そして僕はというと、大赦から貰った勇者御記を書き続けることにした。今回の戦いやこれからのことを未来に受け継いでいけるようにするために……

 

「あ、あのお父様……」

 

「ん?何だ?牡丹」

 

もう一つ変化があったとするならば、何故か牡丹が僕の家に住むことになった。海一家と住む話になったのだけど、牡丹たっての希望らしい。

 

「えっと……その……お母様と……」

 

「美森と?」

 

「その……なんでもないです。少し出かけてきます」

 

牡丹はそう言って、出ていった。なんだろう?何を言おうとしていたんだ?何というか別世界の娘とは言え、自分の娘には変わりないけど、なんというか遠慮している。どうしたものか……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「子供の気持ちがわからない」

 

「はぁ?」

 

僕は部室で先輩に相談することにしたのだけど、先輩は思いっきり困っていた。

 

「あんた、子供いないくせに何を悩んでるのよ」

 

「いや、牡丹のことなんだけど……」

 

「あぁ、そういえばあんたと東郷の子供だったわね。それでわからないって?」

 

「何というか遠慮しているっていうか……何か言いかけるんだけど、すぐに諦めて……」

 

「まぁ子育てって誰だって初心者だしね……というかこういうことは私じゃなくって東郷に相談したら?」

 

「美森にですか?」

 

「そう、別世界の子供だけど、こういうのは夫婦で何とかするしか無いわ」

 

いや、先輩、まだ僕ら結婚してないんだけど……海達も異世界では結婚はしてるけど、後々ちゃんと適応した年になったら改めて結婚するって言ってたし……

 

「とりあえず今日の放課後、デートなんで相談してみます」

 

「普通にデートとか言わないでほしんだけど……」

 

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