放課後、美森とデートするために学校の校門前で待っていた。先輩には美森にも相談した方がいいと言うけど、お互いまだ子供だし……問題が解決できるものか……
あっちでは牡丹とそれなりに仲良く出来たのは、牡丹が今よりも少し成長していたからっていうのもあるしな……
本当にどうしたものか……
「お待たせ、桔梗くん」
「あぁ、みも……」
悩んでいると美森に声をかけられ、振り向くと何故か美森の隣に牡丹がいた。これはどういうことなんだ?
「あの、お母様。本当にお邪魔じゃないですか?」
「大丈夫よ。ごめんね桔梗くん。風先輩が牡丹ちゃんと一緒に出かけてくれないかって言われて……」
「僕は別に大丈夫だけど……」
風先輩なりに気を使ったって言うことかな?
「こちら友海。対象三人が動き出しました」
「了解~追跡行うよ~」
「いや、あんたら何してるのよ?」
「というか友海、お前もそのっちに付き合うなよ」
「えへへ、何だか楽しそうで~」
「一度二人のデートを見てみたくって~」
「園子さん、流石に尾行するのは……」
「今回ばかりはあの三人がどうにかするしかないわ。私達がどうこうすることもできないしね」
「えぇ~わっしーときょうくんのデート見たかったのに~」
「そのちゃん、一緒に出かけたりしなかったの?私、二人のデートについてったことあるよ」
「「友奈(さん)…………」」
「何というか、大物ね。友奈って……」
「というか普通ついていくか?そこの所どうなんだ?友奈」
「私も普通はついていったりしないけど……」
「え?え?」
「どうしたの?桔梗くん、さっきからキョロキョロして?」
「いや、何だか見られてる気がして……」
一瞬だけど視線を感じた。まさかと思うけど尾行されてるとかじゃないよな。でも何でまた尾行なんて……園子あたりは考えそうだけど……
「お父様、疲れてるんじゃ……」
「なのかもしれないな」
気のせいだと思いながら、三人で楽しむ中、牡丹の様子がちょっとおかしい。さっきから手をのばすけど、すぐに引っ込める。それを繰り返している。何なんだ?
「牡丹ちゃん、どうしたの?」
「えっ?いえ……何でもないです」
本当にわからない。こういうことは両親に聞けばそれなりに分かるのだろうけど……いないし、保護者のあの人にはあの人でまだ未婚だしな……
「………」
美森は牡丹を見つめ、そっと牡丹と手を繋いだ。
「はぐれたりしたら、大変だからね」
「え、その……」
「ほら、桔梗くんも」
「あぁ」
僕も言われるまま、牡丹と手を繋いだ。牡丹は恥ずかしそうにしているけど、何故か嬉しそうにも見えた。もしかして……牡丹は
「ありゃ、仲良く手を繋いでるわよ」
「結局尾行するのね」
「夏凛、これぐらい予想はできてただろ」
「まぁね」
「でも、牡丹ちゃんは何について悩んでいたんでしょうか?」
「樹お姉ちゃん、それはね、牡丹は甘えたかったんだと思うよ」
「甘えたかったって……東郷をもっと固くした感じのあの子が?」
「昔のわっしーにそっくりだよ~固くって~」
「でも甘えん坊なんだよね。一緒に寝ようとしてるけど、中々言い出せなかったり~」
「何というか子供らしいところがあるのね。子供なんだけど……」
また何かしらの視線を感じた。これって絶対に誰かしらに尾行されてるだろう。あと問い詰めるとして、今は牡丹はトイレに行ってるし、美森に話しておくか
「牡丹と暮らしてて、どこかよそよそしい感じがしてな。さっきようやくわかったんだ」
「牡丹ちゃん、甘えたかったんだね」
友海の場合はあの性格だから甘えられるけど、牡丹の場合は甘えたくっても恥ずかしくって、甘えられないみたいだしな……
「もし、私達に子供が出来たらいっぱい甘えられるようにしようね」
「そうだな……名前はもちろん」
「「牡丹」」
僕らは同時にそう言うと、お互い笑いあった。何というか未来のことを考えるっていうのはいいことかもしれないな。
「ねぇ、桔梗くん……」
美森はそっと目を閉じていた。公園とは人の目があるけど……僕は気にせずそっとキスをしようとしていると、
「あ、あの……」
「「!?」」
トイレから戻ってきた牡丹が物凄く戸惑っていた。こういう時ってどうすればいいのか……
「す、すみません。気を使えば……」
「いや、気を使わなくっていいからな」
「そ、そうよ。大丈夫よ」
「い、いえ、本当にごめんなさい」
戸惑う牡丹をなだめていると、今度は皆からメッセージが入った。確認すると……
『友海と樹の教育に悪いから、ひと目を気にした方がいいですよ』海
『出来れば教室でもね』夏凛
『もう春がきたんだね~』園子
『あんたら、節操っていうものをね……』風
『お幸せに~』友奈
『結婚式とかの相談だったら乗るからね』上里友奈
『牡丹は気を使ってるけど、もっといちゃついてほしいって思ってるから気にしない方が良いよ』友海
「あいつら……全員で覗き見してたのか……」
これは後で全員お仕置きが必要だな
「牡丹ちゃん、お詫びに何かしてほしいことある?」
「えっと……お詫びなんて……あっ、でも、出来れば……その、お母様、今日泊まっていってくれませんか?」
「「んん?」」
「出来たらその……一緒に寝たいです」
「えっと……」
「何というか……」
こういう時、本当にどうすればいいのか……
結局説得しても、牡丹は頑固で聞き入ってもらえず、美森が僕の部屋に泊まりに来るのであった。
「何だかきゅうにごめんね」
「いや、気にするな。とはいえ、食料有ったっけかな?」
「それじゃ荷物置いたら、一緒に買物に行こうか。牡丹ちゃんも」
「はい」
まぁこういうのもいいかもしれないな……
そう思いながら、僕の部屋の前に行くと帽子をかぶった女性が立っていた。
「お客さん?」
「………もしかして……」
僕はあの人が誰なのかすぐに理解した。まさか……帰ってくるなんて……
「……桔梗。おかえり」
「えっと、桔梗くん?この人……」
「お父様?」
「何で連絡しないんですか。姫野さん」
僕は名前を告げた。この人は僕の保護者であり、長い時の中で色々と関わりのある人でも有るのだった。