勇者の花と桔梗の花 勇者の章   作:水甲

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第4話 誰のために

僕らが美森のことを思い出したと同時に部室に現れた巫女上里海と同じ顔をした少年……僕はこいつのことをよく知っている。

 

「手助けって……ちょっと待ちなさい。まずあんたは誰なの?そっちの巫女と同じ顔をしてるし……」

 

「そうですね。こっちでは初めましてになるかな。僕は上里海。言うなれば別世界の勇者って感じかな」

 

「別世界の……」

 

「ねぇ、それって桔梗が前に言ってた……」

 

夏凛の言うとおり、こいつは別世界の勇者であり、共に造反神やキメラ・バーテックスと戦ったこともある。

 

「海……お前、どうしてここに……」

 

「そうだね。まずは現状何が起きてるかの説明をするべきだね」

 

海は語り始めた。自分の世界に天の神が訪ねてきたことを……

 

「天の神は僕がいる世界にちょっとした用事で来たみたいなんだけど、まぁ用事というべきかなんというか……」

 

何となく察しがつく。あの女神を誂いに来たのだろうな。というか別世界の天の神は何も言わないのかよ

 

「天の神が帰る時に、異変が起きたんだ。何故か天の神が元の世界に帰れないっていうね」

 

「それじゃ~天の神様はカイくんのいる世界にいるんだね」

 

「あぁ、何が起きているのかわからないみたいでね。そこで天の神はある方法で僕をこの世界に送り込んだ。異変を解決のためにみんなの手助けを……」

 

「ちょっと待って、海くんは東郷さんがいなくなった理由を知ってるの?私……忘れないって約束したのに……」

 

「友奈、僕にも原因がわからない。ただ何かしら大赦が関係してるみたいだからな」

 

「だから私がここに来ました。勇者部の皆さん、今回の件についてはまだ調査中ですが……悪意を持った誰かのせいというわけではないとうことは断言できます」

 

上里がそう言う中、僕は部室を出ようとした。

 

「ちょっと桔梗。あんたどこに……」

 

「何が起きてるのかわからない以上、出来ることをやるだけだ。探してくる」

 

僕はそう言って美森を探しに行くのであった。きっとこの世界の何処かにまだいるかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「桔梗……あいつ、私達も探しに行ってくるわ」

 

先輩たちがそう言って部室から出ていった。確かに桔梗さんの言うとおりまだこの世界の何処かにいるかもしれないけど……

 

「どうしましょうか?改めて大赦の幹部に聞いてみますか?」

 

「それだったら私も行くよ~もしかしたら誰かが隠し事をしてるかもしれないしね」

 

上里家と乃木家の二人か……何だか話しかけられた人は可哀想だな……子供とは言えトップ二人だし、下手なことをすれば首が切られるかもしれないしな。

 

「あんまり脅すなよ」

 

「脅しじゃないよ~お話をするだけだよ~」

 

「そうですよ。それにあなたが言っていた推測が正しければその痕跡もあるだろうしね」

 

二人はそう言って部室から出ていった。何というかこの二人だけは怒らせないほうがいいな。さて僕は……

 

「…………奉火の儀が関係してるとしても皆の記憶からいなくなるってことはあり得るのか?」

 

僕は端末を取り出し、ある人に連絡を取った。あの人ならそこら辺詳しいだろうけど……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勇者部の皆で探し回ったけど、結局美森の姿形どこにもなかった。それに写真や樹が持っている応援の紙にも美森がいたという痕跡がなかった。

 

「何ていう質の悪いいじめなのよ」

 

「東郷さん……」

 

全く見つからず、僕らはただ暗くなるだけだった。だけどその時部室に園子と海の二人が入ってきた。

 

「改めて大赦本部で話を聞いてきたけど、みんな震えながら知らないって……こうなった以上コレに頼るしかないみたいだね」

 

園子は持っていたケースを机の上に乗せ、開けるとそこには勇者端末があった。

 

「園子……まさか」

 

「ケースの中には端末が6つあったはずなんだけど、ほらわっしーの分がない。だけど私の端末には反応がないっていうことは……」

 

園子は頷きながら端末を見せた。確かに反応はない。だとしたら……

 

「壁の外!?」

 

「東郷はぶっ飛んでるからありえるわね」

 

「そう、だから皆で勇者になって探しにいこう」

 

美森が壁の外にいる。それだったら僕は迷わない。僕と友奈は同時に端末を取ろうとしたが、先輩と夏凛の二人が止めに入った。

 

「待ちなさい」

 

「そうよ。あんたら少しは待ったほうがいいわ」

 

「でも」

 

「先輩、夏凛。止めるな」

 

「部長として私はみんなをおいそれと変身させる訳にはいかないの」

 

「僕は何度か変身しました。だから……」

 

「それは特例みたいなもんでしょ。あっちでは満開も散華もなかったみたいだけど、今回、何が起きるか……」

 

「乃木、あんたもね」

 

僕と友奈は二人の言葉を聞き、改めて考えることにしたのだった。これから先何が起きるかわからない以上、そして先輩も前みたいに皆に辛い思いをさせたくないから……

 

「そうだよね。二人の言うとおりだよ。でも今回はちゃんと私が聞いて、全部話してくれた。大赦も今後何も隠し事をしないって……だからこそ昨日カイちゃんがここに来たんだと思うよ。皆に信じてもらうために……」

 

大赦のトップでもあり巫女である人間がここに来たことにそんな意味が……それだったら僕は……

 

「信じる。僕は大赦を信じる」

 

「私も……信じる」

 

皆が端末を取り、大赦の言葉を信じ、美森を助けに行くって………

 

「あれ?海さんは……」

 

樹が海の事を心配そうにしていた。海の分の端末がないことが気になっているだろうけど、こいつの場合は僕らよりかなり特殊だ。

 

「僕は大丈夫。皆とは違って専用の端末があるからな」

 

海は端末を取り出し、白い衣装に身を包んだ勇者に変身し、みんなも勇者に変身した。

園子は改めて今回バージョンアップした勇者システムを説明した。ゲージが最初から溜まってる状態だが精霊がバリアで守る度にゲージはなくなる。ゲージも回復することもない。満開はゲージが溜まってる状態なら使えるけど、一気にゲージを消費してしまい、更にゲージがない状態だと攻撃を受けた瞬間、死に至ることもある。

「きょうくん。天神刀は逆にゲージがなくなった状態でしか使えないから気をつけて……」

 

「分かった」

 

「それとカイくんの場合はどうなの?私達とはぜんぜん違う感じだけど」

 

「僕の場合は精霊のバリアは完全に守ってくれることはない。バリアを破られることもあるけど……おまけに満開も使えて、散華も一日経てば戻る。だけど使用は一日一回だけ」

 

「ちょっと待って、それってあんた、一番危ないんじゃ……」

 

「その分、僕の場合、西暦時代の勇者が使っていた力もある。それに命がけっていうのはなれてるからね」

 

「なれてるって……」

 

「先輩、夏凛。こいつが言っているのは本当のことだ。こいつがいる世界はかなり特殊だからな」

 

魔物とか戦ってる分、こいつの実力は多分園子と同じくらいだ。それに手助けに来た人間を待機させるっていう訳にはいかないからな

 

「それじゃ皆、行こう!!東郷さんの所に」

 

 

 

 




何だかグダグダに……

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