もしもシンゴジが艦娘の存在する世界で現れたら 作:watazakana
あの日から10日が経った。
横須賀鎮守府ーーー
「はぁーっ、こっからでも見えるんか、ゴジラさんは」
東京のビル群はゴジラの熱線や定置爆破、戦艦組の砲撃の余波、それと無人在来線爆弾に不知火落としの衝撃でほぼ瓦礫の山と化しているので、遮るものが一掃された東京都心は横須賀鎮守府からもよく見えている。
ゴジラーーーあの生物は一体どこから現れたのか、どうやってあのような異常な進化スピードを得たのか…考えれば考えるほどわからなくなってくる。まあ世界中の研究機関の話題はゴジラで持ちきりなので、いずれ分かることなのだろうが。
旧式…いや、船体召喚型の艤装は維持費がかかるため、全て解体処分だそうだ。(もちろん彼女たちが路頭に迷わないようにプランを立ててある)
不知火は艦落としをしたので、船体は喪失してしまった。もう艦娘としての仕事はできない。よって彼女は元の名前を名乗ることになり、今度は提督になるため勉強をしている。
八雲はこの国が復興するまで今の役職を責任持ってやり通すそうだ。和泉と共に。
東京は、この国は、ゴジラによって大きく変わってしまった。あの玉の音が日本全土で、戦場で放送された日から今日まで積み上げたものが、一ヶ月もない間にただの瓦礫になってしまった。さらに今度は米国ではなくゴジラと付き合っていかなければならない。だが、だからといってうだっている暇はない。幸い日本には艦娘技術と知恵がある。
「何かありゃあ、何度だって立ち上がれるんだよなぁ…」
ゴジラを見つめて、ひとり物思いにふける唐澤。しかし、横須賀鎮守府ではそんなサンチマンタリズムは一瞬でかき消されてしまう。明石の執務室突撃によって。
「提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督提督ぅううううううううううううううう!」
と明石は青ざめた顔で押しかけてきた。
「ぅおわっ⁉︎明石か!びっくりした!ど、どうした⁉︎」
「すみません!ゴジラの体液やら細胞やらいじってたら…!」
「えっ…」
足音…というより何かが這いずる音。嫌な予感。来る、来る、絶対来る…!そんな嫌な予感とともに姿を見せた者とは、ラブカのような巨大不明生物ーーーではなく、ちっこい不明生物だった。
「……えっ?」
「おそらくゴジラ…です。ゴジラから直接採取したものですから放射能は問題ないのですが、ストレスを加えるとあのゴジラになる可能性があり、どうにかしてください…」
「簡潔に言うと?」
「面倒みてください」
「素直でよろしい」
ダメだけど。えぇ…これどうすんの?核兵器をここに降らせるリスクと毎日付き合うとか禿げるわ!と思案しても仕方ない。殺せるはずもなく、かといって機関や政府に差し出したくない。血液凝固剤も克服しているはずだ。ならば取るべき行動はただ一つ。
「しゃあねえ、わかったよ。これは横須賀鎮守府で内密に飼う!んじゃ、明石、施設内のヤツ全員に説明よろ」
「え⁉︎ちょっと待ってくださいよ!「ばーかお前が作ったんだろ?責任持って説明しろー」そんなあ‼︎ちょっと、ほんっとまだ解析終わってませんので!黄昏てる中将とは違いますので!!」
「んなっにをう⁉︎あーもう上官命令だ!絶対説明してもらうもんねー!絶対説明しろよ!全員に!」
横須賀鎮守府は、これからも波乱万丈に楽しく運営されていくだろう。
東京都 丸の内 東京駅跡ーーー
憎らしいほどの晴天、ゴジラの尾には幾「人」もの修羅にも似た何かが…
現在
横須賀鎮守府に新たなペットが加わった!
おしまい!
さて、ここまでやりました!やりきりました!
さて、ここまで見てくださりありがとうございました。一応この作品の本編はこれにておしまいです。番外編とかやるかもです。
その時は何卒宜しくお願いします^ ^
感想とかもよろしくお願いします!