もしもシンゴジが艦娘の存在する世界で現れたら 作:watazakana
相模湾沖 大島付近ーーー
「両舷、全速前進!」
横須賀鎮守府は先日の一件以来、巨大不明生物の捜索に当たっていた。
「パッシブソナーの感なし、アクティブソナーに切り替える」
「了解。アクティブソナー起動」
「アクティブソナー起動」
横須賀鎮守府、工廠棟ーーーー
「あれから二日、旧時代のディッピングソナーと対潜ヘリを全国から掻き集めて、交代制で探しても成果なし、か…手強いですね…」
明石はソナーを難しい顔でいじりながら五十鈴と話していた。
「これだけ探しても見つからないなんて…対潜女王の名が泣くわ…」
海に潜る敵はいの一番に叩きのめすーーーそれが五十鈴の当たり前であり、自負であった。だが標的も大きく、直ぐに見つけられると踏んでいたあの巨大不明生物には、対潜装備も自分の能力も、まるで歯が立たなかった。
「東京湾底…下手したら相模湾深部にいるかもですね。そうなるとこれはもう技術的に難しいです。五十鈴さんのせいじゃないですよ」
明石はどう励ましたら良いのか分からず、技術者としての言葉しか送れなかった。
「あはは、そう言われると頑張るしかないじゃない。さてと、そろそろ時間か…それじゃ、行ってくるわね。その装備の改修お願いね?」
五十鈴は笑っている。力ない微笑みでも、笑っている。ーーーこんなので挫けてはいけない。みんな全力で探している。だったら私も、全力で頑張るしかない!
「了解しました!」
明石は笑顔で了解してみせた。
同鎮守府 執務室ーーー
「ゴジラ?」
「
米国から来た特使、パタースンはゴジラの資料を唐澤に渡した。
「ゴジラ、か…だいぶ言いやすい名だ。これは、内閣にも渡したのか?」
「ええ、それと頼みごとも少々」
ううむ、と唐澤は唸る。
「古代生物が放射性物質の放つ放射線に耐え、さらにそれを餌に昇華、進化。今に至るわけだ」
「yes」
「陸軍省の陸型艦娘即応隊の話を聞く限り、ヤツの進化は「バージョンアップ」、「更新」に近い。水生生物から陸上生物への進化も然り、二足歩行も然り。アメリカもこうなることは予想できていたのか?」
「できてたらこんな事にはなってないわ。こんなの、DOEの予測を完全に超えてる。残念だけど、私達が教えられるのはここまで。あとは、“Personal Service!”」
はっきり言ってこの解析や分析は内閣の仕事であり、依然として海軍にとって有益な情報は少ないままだ。ややシニカルに言うところも若干憎いが、それでも情報を提供してくれたのは事実。一応の礼を唐澤はした。
パタースン退室後ーー
「長門」
「なんだ?」
「索敵は対潜ヘリに任せる。艦娘は東京湾に集中配備、旧式も使う。旧式は相模湾だ。恐らくゴジラは見つからない。だが、我々は東京に、関東に住まう国民を守らなければならない。次出て来たときに即ぶちのめせる準備をしろ」
「了解した、失礼する」
三日後ーー
どこまでも深く暗い深海の底で、蒲田を壊滅させた巨大生物、ゴジラは目覚める。破壊神の目は、今開いた。
現在
死者 約5300人
負傷者 約12000人