もしもシンゴジが艦娘の存在する世界で現れたら 作:watazakana
東京都大田区 多摩川丸子橋緑地
「稲村ガ崎沿岸より沿岸部隊、上陸阻止失敗!繰り返す、上陸阻止失敗!!」
「そんなことはわかっている!旧式で固めるからだ!洋上の従来型ほど強いものはないのに…ッ!」
長門は奥歯を噛みながら艤装に当たる。しかし、そんなことをしてもゴジラが来る事実は変わらない。既に彼の姿は見えている。
「長門さん!
「わかった、砲撃はもう少し待て!」
タバ作戦、フェイズ1ーーー対戦ヘリに搭載されている機関砲を全弾発射。のちに誘導弾で頭もしくは脚を狙うーーー
「全弾発射ぁ!」
一言無線で合図があったのち、ヘリは鈍重な雄叫びをあげて機関砲を撃ち続けた。旧時代兵器の生き残りは久々に出撃できたことに恍惚を覚えているようだった。そして撃つ弾がなくなると、誘導弾を惜しみなく使う。全弾が命中。爆煙がゴジラを取り巻いた。しかし、ゴジラは怯む気配すらなく、悠々と進撃していく。
「全弾命中、しかし効果認めず!」
「旧時代の、艦娘にも劣らない最新鋭機の機関砲16000発に誘導弾だぞ⁉︎なんて外皮硬度だ!」
「C01より打電!『タバ作戦フェイズ1失敗、フェイズ2に移行セヨ』!」
「よし、陸一戦!何としてでもここで食い止めるぞ!作戦開始、この長門に続けぇ!」
タバ作戦 フェイズ2ーーー陸一戦による火力の総攻撃ーーーー
「全主砲、斉射!撃ェエエエエエエエエエエエッ!」
長門の41cm砲による砲撃を合図に、戦艦重巡の主砲が轟音とともに火を吹いた。
脚と頭に集中して爆煙が広がり、ゴジラの進行スピードは
僅かに落ちる。
「ゴジラっておっそーい!陸一戦駆逐艦島風、五連装対地ミサイル、標準設定完了しました!行っちゃってー!」
火力の総攻撃と揶揄されるだけあって、流石の音と爆発がゴジラを襲う。
『8、7、6、5、4、3、弾着、今!』
瞬間、対地ミサイルは全弾が命中。さらに速度は落ちた。
「もうそろそろで基地航空隊と鶴翼が来るぞ!一旦退避!」
タバ作戦 フェイズ3ーーー基地航空隊と鶴翼の集中爆撃ーーー
『基地航空隊到着!爆撃開始!』
『Cleared attack.』
『Cleared attack. Fire. Ready...now. Bombs away. Laser on.』
『Lasing.』
『Completed!』
爆発。圧倒的な火力。他に形容のしようがない火力は、ゴジラに一切の容赦をしなかった。第二波、第三波も第一波と同様に続いた。
ーーーさすがにこれにはゴジラといえど耐えられまいーーー
その場にいる皆と状況を見ていた内閣、横須賀鎮守府はそう思っていた。確信していた。しかしーーー
長門の顔がさっと青ざめた。
「な……ッ⁉︎総員退避、退避!何が何でも逃げろ!」
長門達が見たもの、それは宙に放り投げられ、今まさにこちらへ落ちてくる橋だった。
ドスンともドガンともつかない轟音で倒れ込んだ橋は、陸一戦の士気を完全に削ぐには十分すぎるものだった。
「…嘘だ…」
悲鳴と怒号が交錯する。当のゴジラは知らん顔で悠々と進撃を再開した。それも無傷で。
「我が国の最新鋭最精鋭の兵器群が…戦略的兵士である艦娘が…負けた?……」
「長門さん…陸一戦の残弾ゼロ、戦艦大破4、中破以下3、重巡大破5、中破以下2…ゴジラは多摩川を超え、東京に侵入しました…これ以上の戦闘行動は無意味であると具申します…タバ作戦は……っ!失敗です…!」
横須賀鎮守府ーーー
「タバ作戦は失敗した。洋上の艦娘は横須賀鎮守府に帰投せよ。繰り返す。タバ作戦は失敗。洋上の艦娘は横須賀鎮守府に帰投せよ」
唐澤はそう言って無線を切り、大きなため息ひとつ。
「大淀、これから俺は海軍省に行く。ここのことしばらく頼むぞ」
「また軍法会議ですか?銃殺刑にならないといいですね」
「ばーか、なるわけねーだろ。今回は海軍省のお偉方に助力と言う名の挽回をしに行くんだよ。まだ退職金も貰ってねぇのに、死ねるかってんだ」
その台詞を聞いた時、大淀は微笑んで「いつも通りの提督で良かったです。安心しました。ゴジラに気をつけてくださいね」と言った。
「それはフラグだっつの…まあいいや。行ってくる」
唐澤はヘリに乗り込む。手に『米国による大使館防衛を目的とした爆撃作戦の概要とその爆撃範囲』という書類を握り締めて。
ゴジラは健在。なおも進撃中ーーー
死者 約12000人
負傷者 約53000人
損害 旧式艦娘 戦艦2隻 駆逐艦2隻 轟沈
陸型艦娘 戦艦3人 重巡洋艦4人 死亡 戦艦10人 重巡洋艦8人 重軽傷
陸型艦娘は兵士と同じ扱いです。なので数え方は「人」です。