サイドアビス   作:こねこ

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第6話

 逆さの木を足場にして先に進んでいく、少しでも足を滑らせたらそのまま奈落へと真っ逆さま。

これで私の冒険はおしまいって事になる、それでは格好悪いので気をつけてはいる。

 

 途中でインビョウの縄張りに入ってしまい、群れに石を投げられた。

とても腹が立ったので、腹いせに全身全霊を込めて投げ返して一頭仕留めてやった。

 この場所で遺物の力を盛大に使えば、この森自体を燃やしてしまうので我慢の連続だ。

しかしながら、使い所に悩む遺物は頭を使うので面倒。

誰だこんな遺物見つけてきた奴は!

 

(ったく、インビョウは本当に面倒だ。多勢に無勢だしなぁ……)

 

 追いかけてくるインビョウを振り払い、左手の人差し指から小さく遺物の力で灯しながら先に進む。

逆さ森周辺は風が入り乱れ、気流が安定しない。

近道をしようと大きく飛べば、そのまま身体のバランスを崩してしまう。

 私の火は遺物を使用している限り、消えることは決して無い。

燃え続ける腕なのに風で消えれば、その名前に偽りだ。

 

 逆さ森を迂回してアビスの中心から離れていく、次の階層に下りるならば迂回していくのが定積。

そのまま下に降りれば近いのは当たり前だが、気流の乱れは酷く空を住処にしている生物の奇襲に対応ができなくなり命にかかわる事態になる。

 そう言う事なので、監視基地の経由は探窟家にとっての一番のルートとされている。

しかしだ、前にもいったが私は監視基地にいる防人がとっっても苦手である。

 顔を見たくないし、出来れば話もしたくない。

精神的外傷(トラウマ)だ、不動卿こと動かざるオーゼンは。

 

 ◆ ◆ ◆

 

 逆さ森の進みこと数時間、次第に気流も緩やかになり気性の荒い生物から穏やかな物へと変わる。

環境の変化が肌で感じれる程になれば、監視基地への到着はもうすぐだ。

 それに通りやすいように木の道が作られている、監視基地以外の人工物とも言えるので少しだけ気が休まる。

こちらの姿を視認できれば、監視基地に備え付けられているゴンドラが降りてきて中に入る事ができる。

 

(おぉ、ようやく見えてきた。んー……あの反射は望遠鏡かな?)

 

 監視基地が目で見えてきた、実のとこを小腹が空いるので歩く速度を少しだけ早める。

 不動卿は苦手だが、あそこにいるマルルクと地臥せりは嫌いじゃない。

マルルクに関してはカワイイ、兎に角カワイイので早いところ話をしたい。

あの不動卿の弟子とは思えない程、礼儀正しくていい子だ。

 

(けど、そんなこと言葉にしたら不動卿に殴り殺されるな。いや、そのまま放り出されるかも?)

 

 大きく大きく息を吐いて進んでいると、ゴンドラの鼓動音が聞こえてくる。

私の姿を視認して降ろしたのか、ちょうど到着と同時にゴンドラが降りてきた。

 ゴンドラに乗り込むと昇降を始める、ここでの上昇負荷でたまに吐く探窟家もいて。

昔の私も何度か粗相を晒した事を未だに黒歴史としている。

 

(あー……昔はきつかったな)

 

 過去を振り返り、少しだけ落ち込む。

最初から万能な人間はいない、アビスの上昇負荷も次第に慣れる者もいれば上昇負荷で命を落とす者も多々いる。

 数秒後にゴンドラは上昇を終え、監視基地の中へと入ろうと足を前に一歩踏み出した時--。

 

「懐かしいなぁ……久しぶりだねぇ。まだ生きていたとは驚きだ、けど雰囲気は変わったねぇ……?」

「げっ!!」

 

 不動卿、動かざるオーゼンがいた。

まるで私が嫌がる事を一番にしてやろうと、待ち構えていたかのように不気味な笑みを浮かべ、剛腕で私の両頬を掴んできた。

 私にとってはその不気味な笑みは恐怖の笑みだ、その笑みを見るたびに折られた骨が軋みそうだ。

強引に抜け出そうとするが、この馬鹿力無理に抜け出そうものならそのまま外に放り出されるだろう。

私が知っている不動卿ならそうしてくるに違いない。

 頬を触り、頭を触り、身体を触り、目を観察して、手を触り、最後に頬をつねる。

視線は首にぶら下がっている笛を見てオーゼンは言葉を漏らす。

 

「へぇ、君が白笛にねぇ……。まさかあの生意気で何も考えていない君がねぇ……」

「そういいながら頬をつまむのはやめてくれ、しゃふぇりにふぃ…」

 

 馬鹿力と思わず口走ってしまい、オーゼンからの拷問に近いつねりは数分間にも続いた。

昔からこちらを小馬鹿にする態度、この化け物じみた力には一生勝てる気がしない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




かなり微妙な文章な気がする…ちょっと考えがまとまらないけど、書かないと先に進まないしだれてしまうからユルシテ…ユルシテ。
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