滅びしケルト魔術の使い手   作:妖精の瞳

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こんにちは、妖精の瞳です。
今回は早めに更新できてよかったです。

リメイク版って言いながら、クオリティーが上がってないorz


内容がちょっと、無理やりなところや意味不な所とかあるかもしれません。
すいません。そのときは意見ください。

出来るだけ、訂正していきます。


魔法使いと堕天使

ウェールズの大地は広大な森に覆われ、もはや果てさえ定かではない。

こんなところにいれば、人間などほんの小さな存在だと嫌でも思い知らされるだろう。ヨーロッパの中性とは森を切り開いた歴史だというが、これらの森はそういった古い時代の面影を残していた。

 

けして、自然は人に優しいだけのものではない。

むしろ、本質的な意味においては、人間と対立するものだ。

 

ヒトが智慧を手に入れてしまった瞬間、自然と相容れぬことは不可能になった。つまるところ、そのふたつの道は決定的に分かたれ、時折歩み寄ることはあるにせよ、天敵として睨み合うことは避けられない。

 

 

 

 

その森に立ち入る二つの影があった。

 

 

 

 

「うわああああああぁぁぁぁぁぁああああっ!」

 

年は十六、七といった少年が恐怖のあまり絶叫する。短く切った銀髪を風でなびかせ、片手に水銀の十字架を握り締め"何か"から逃げるようにして木々の間を大地を蹴り疾駆する。

 

 

「飽きた、そろそろ終わりにしようか・・・人間」

 

 

漆黒の六枚羽根を背中から生やした、隊長の男性と部下であろう四枚羽根の女性六人が、銀髪の少年を中空から追尾いする。

リーダー格の男性が宙に左手を向け、1mほどの光の槍を形成する。その大きさの槍でも、人間一人殺すには十分な得物だろう。

 

それを視た少年はさらに怯えながらも、必死に死中に生を求める。それが、どんなに無様であろうとも・・・。

心が弱い者ならば、諦めその場に立ちすくみ死を待つだけだっただろう。しかし、少年は違った。木の根に足が引っかかり、バランスを崩して顔から草生い茂る地面に倒れ倒れこむ。それでも、すぐに立ち上がり逃げようとする。

 

少年の無様な姿を見下ろしていた、漆黒の羽根を持つ者---

 

---堕天使は生を求める姿をあざけ笑いながら、左手を少年へ向けて無慈悲に振るった。

光の槍は少年へ向かって一直線に飛翔する。

 

槍の速度は優に、人間の反射速度を越える。

反射速度を超えたものを、少年が避けることは不可能。

 

 

少年の胸に、赤い花が咲いた。

 

 

血であった。ふらふらと地面に倒れふす血濡れた銀髪の少年の姿は、糸が切れた人形のようにも見えた。

 

堕天使たちは、死体に目もくれずその場を後にする。

---数秒後、その場を訪れる者がいた。

 

 

「・・・・あぁ、一足遅かったですか---」

 

 

声が聞こえたのだ。先ほど息の根を止めた少年の方から。

そこには、

 

 

枯れ草色でクセ毛のある髪と鳶色の瞳を持った若者---

 

---フィン・クルーダが胸を穿たれた少年のそばに、顔を俯かせ佇んでいた。

 

死に瀕した状態の少年の頭の横に膝をつく。

少し、間があった。

それも、ほんの数秒だっただろうか。

胸からの流血で身体を赤く染めた少年へ、ただ、若者はこう尋ねたのである。

 

 

 

「---あなたの願い事、お聞きしましょうか?」

 

 

 

少年の願いを聞いたフィンは立ち上がり

 

我は命じる(ハイル)

 

その言葉とともに、フィンの手にヤドリギが握られる。

 

 

フィンの腕が霞み---少年の首を一閃する。

 

 

「これで、良かったのでしょう?」

 

若者は少年へ、柔らかな笑みを向けた。

少年からの返答は永久に返ってくるものではなかった。

 

ヤドリギを手元から消し、堕天使が去っていった方を見つめる。

 

「さて、願いを叶えましょう」

 

そう言い残して、木の上へと跳躍していった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

堕天使の小隊が森の出口へ、木々を避けながら向かっていく。

 

今日の任務について、愚痴を部下が語らっていると、

隊長の男性が急に出口の手前で止まり、部下に停止の合図を送る。

 

小隊に緊張が走る。

 

出口付近には人間一人、身を隠せる程度の巨木がそびえていた。

巨木の影から、ひとりの若者が姿を表した。

 

 

「やぁ」

 

 

と、若者が手をあげた。

 

「何者だ?」

 

堕天使のリーダー格の男が警戒しながら訊く。

 

「魔法使いだよ。ところで、ひとつ聞きたいことがあるんだけれども」

 

「ほぅ」

 

「君らが、堕天使だよね?」

 

無邪気に、若者がそう尋ねたのである。

 

「如何にも、我らが誇り高き堕天使だ」

 

堂々と胸を張り、宣言するかのように答えた。

 

「そう。なら・・・死んでくれない?」

 

「死ねだと!貴様、下賎な・・・!?」

 

若者の言葉に激昂し、臨戦態勢をとる。

 

「--我は命じる(ハイル)

 

呪文(スペル)は、それだけだった。

ただ一言で、フィンの魔術は成立した。

 

若者の手から流れ出たのは、怒涛の如き植物の蔦であった。

ケルト魔術。失われた"木と岩と歌の魔術"を、この青年は使いこなすのだ。

 

「なんだこの魔法は!!?」

 

堕天使が突然の見たことのない攻撃に驚き、後ろに退くことで僅かに隙ができる。

 

その隙を縫うように、蔦は堕天使に向かっていく。

四方八方から迫り来る蔦をを迎撃しようと、隊長の堕天使は光の槍と光の剣を自分の周りに無数に展開させ蔦を焼き切っていく。部下の女性たちも光の槍を無数に展開し射出していく。

質より、量なのだろう。

 

「--我は命じる(ハイル)

 

それ以上の詠唱はなく、しかし、フィンの右手にはみるみる一本の槍が生えたのだ。

ヤドリギの槍。

あるいは、ミストルティンとも呼ぶ。

 

 

木の陰からフィンの死角を狙いすまして、光の槍を両手に形成し突っ込んでくる。

片手の光の槍を牽制として、若者めがけて放つが

 

ヒュ!

 

首を傾げるだけで、槍は空を切り、フィンは笑う。

 

双方の携えた、1m以上の緑の槍と光の槍が弧を描く。

光の飛沫が、鬱蒼とした森林を照らす。

閃光と見えたそれは、常人にさえ見えるほど圧縮された呪力と魔力だった。

拮抗が僅かに続き、一際強く槍が打ち合った。

 

「「「てやああぁぁぁっ!」」」

「・・くたばれ」

「消え失せろっ!」

「死んでちょうだい!」

 

部下の女性六人が蔦を全て焼き切って、フィンの背後を光の槍を放ってくる。

槍を打ち合った衝撃で、反転し攻撃してくる方に向き直る。

 

 

あわせて、若者の指が円石(サークルストーン)を光の槍へ向かって弾いた。

 

「--我は命じる(ハイル)

 

呪力はなく、呪力を励起する仕草もない。だが、ただそれだけの言葉で、光の槍と相殺しうるだけの呪力を得た。

 

「「「な、なに!!?」」」

「なん・・だと!?」

「・・・・!?」

「うそ!?」

 

部下たちは自分の全力の放った槍があっさり相殺されたことに驚きを隠せずいた。

 

 

「--我は命じる(ハイル)

どっ、と若者の身の内で呪力が逆巻いた。

ヤドリギの持っていない片手を振ると、純白のスーツの内側から、複数のヤドリギが自動的(・ ・ ・)に六人に向かって解き放たれる。

 

槍を打ち消されたことに驚愕していた、部下は自分たちに向かってくるヤドリギの矢を迎撃しようとするが、一瞬遅れる。

回避する為に木の影に身を隠そうとするが、ヤドリギの矢は自動追尾(・ ・ ・ ・)だったのか複雑な木の間をすり抜け、堕天使の心臓を---穿つ。

 

「ティーチ!!」

 

仲間の堕天使が胸を穿たれた女性の名を呼ぶ。その一瞬が命取りになった。

木の影から現れた、死角からのヤドリギの矢によって、背中から心臓を---貫かれる。

 

「ニヤ!!」

 

仲間が次々消えていく、その絶望に身体が硬直する。

正面から飛翔してきた、ヤドリギの矢を力を振り絞って焼き切るが上と下から迫る矢には気づかなかった。心臓を貫かれ、堕ちていく。

 

「クーフェ・・・」

 

 

次々と堕天使が命を落としていく。全員がヤドリギの矢に貫かれるのも時間の問題だろう。

 

 

「貴様ぁぁぁぁっ!!よくも、よくも我が同法をっ!殺す、絶対に生かして返すものか!!」

 

リーダーの男性が声を森に轟かせながら、フィンに突っ込んでいく。

 

「なぜだ!?なんの恨みがあって、我らを殺す?!!」

 

仲間を殺された男は、フィンの槍と噛み合せたまま、我々になんの怨恨があるのかと問う。

 

 

 

「--勘違いされていますね」

 

 

 

フィンがことりと、首を傾げた。同時にまた一人、堕天使が命を落とす。

 

「ええ。僕は貴方たちを殺していますが、別に恨みがあるわけじゃないです。ただ、"堕天使を無力化して欲しい"と頼まれただけなんですよ」

 

堕天使の、眉が歪む。

すぐに、それは更なる憤怒へと変わった。また一人、地面に墜ちていった。

 

「なら、殺さなくても良かっただろう!力の差を見せつけて、退ければよかったではないか!!」

 

「だって、これが一番効率がいいでしょ?」

 

いま地に墜ちていった、堕天使を指さして、フィンが言う。

 

「死んでしまえば、何もできなくなります。結果として、"無力化"できているでしょ?」

 

「・・・・・!」

 

絶句するしかなかった。そんな理由で仲間が殺されてしまったのだ。

 

「さて、あとは貴方だけです。堕ちた、天使さん」

 

堕天使に向かって、いつもの様に微笑む若者。

 

 

 

「ーー我は命じる(ハイル)

 

身の内から漏れる呪力が地面の方に向かっていく。

 

 

「さようなら」

 

「な、なにが・・っ!!?」

 

 

堕天使の男を無数のヤドリギの矢が貫き、ミストルティンを一閃。

力を無くした男は、胴体と首が分離し墜ちていった。

 

 

 

 

 

純白のスーツを紅に染めた若者は老樹の元へと戻ろうとするが

 

 

 

 

「ちょっと、待ってくれないか?」

 

 

 

 

 

ローブに身を包んだ、聖職者らしき女性から呼び止められる。

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?

かなり、展開が無理やりだったと思いますがお手柔らかに。

フィンの表現の仕方も賛否両方あると思いますが、アドバイスください。お願いします。

感想や評価お待ちしております。
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