休み時間。
その使い方は人によって違う。
仲の良いグループで会話を楽しむ者。
読書に励む者。
先程の授業で分からなかった部分を先生に聞きに行く者。
そして俺はーーー。
「ねぇねぇ、ナミって好きな人居ないの?」
机に突っ伏し寝た振りをしてナミとイノの会話を聞いていた。
「え、好きな人?別に居ないなぁ」
間髪入れずナミが答える。
悩む素振りも「…マル!」無かったということは、「…きろ…!」本当に居ないんだろう。
「おい!シカマル起きろってばよ!」
「……あ?」
めんどくせー…せっかくイノがいい質問してたってのに。
「次の時間自習だってイルカ先生が言ってたってばよ!さぼろーぜ!」
正直ここから動きたくない。
この会話をの続きを聞いていたい。
しかし普段の俺なら迷わずにサボりに行くだろう。
どうする、考えろ、最善の手は何だ…。
「…あぁ、行くか」
もしここで行かなかったら、こいつらに何か疑われるかもしれない。
それは最悪だ。
この会話を聞けなくなるのは痛いが、今後のことを考えるなら今はこの場から動くのが得策だろう。
そう考え、俺は後ろ髪が引かれる思いでナルト達と教室を後にした。
ーーーーーーーー
「え、好きな人?別に居ないなぁ」
シカマル、私好きな人居ないよ!チラッチラッ
あ、シカマル寝てる…じゃあこの会話も聞こえてないか…。
「じゃあサスケ君のことはどう思ってるのよ、このクラスの女子は大体サスケ君のこと好きよ」
あ、シカマル教室から出ていっちゃった…。
って何の話してたっけ?
えっと……あ、そうだそうだ、サスケ君が好きかどうかって話か。
「……サスケ君?んー、サスケ君かー…」
正直サスケ君よりもシカマルの方が数億倍かっこいいしなぁ。
言わないけど。
「サスケ君は実技トップだしすごいとは思うけど、恋愛的な意味では好きではないかなー」
あの排他的というか、他者を見下してるような性格もあんまり好きじゃないしな〜。
っと危ない危ない、そんなことよりも。
「私、恋愛するよりもしたいことがいっぱいあってさー、今将棋にどハマりしてるんだよね!」
もちろんシカマルが将棋が好きだという事を知った日から私は将棋にハマったことになった。
いつでもシカマルの趣味にハマれるように、前々から多趣味キャラでいたから不自然な点は無いはずだ。
さぁ、イノ!今ここでシカマルの名前を出すか、後々シカマルに私が将棋にハマってることをそれとなく伝えてくれ!
「はぁーー…あんたはそういうやつだったわよね…」
「いやいや、将棋って案外奥深いんだよ!将棋をすると数手先も考えられるようになるし、軍師としての腕も磨けるようになると思うんだよ!」
いやいやほんとほんと、完全に言い訳として考えた後付け設定だけど実際相手の手を読むって将来的にかなり大事だと思うんだよ。
私は10割不純な動機で始めたけどさ!
「でも対戦相手が親しかいないし、うちの親将棋あんまり強くないからつまらなくって。だからイノも将棋やろう?」
お願い!と迫る。
人の良いイノはこのお願いを無下には出来ないはずだ。
でもイノ自身は将棋に全く興味が無いのは見ていてわかる。
そしてイノの幼馴染には運良く将棋をやっている人がいる。
そう、導かれる答えはーー
「そ、そういえば、将棋っていうとシカマルも好きだったわね」
ーー計画通り。
悪い顔でニヤッとしたいところを我慢して会話を続ける。
「え?シカマルが?なんか意外」
「そう?あー、そっか、知らないわよね。シカマルって結構年寄りみたいな性格してんのよ。将棋好きだったり、日当たりのいいところで寝るのが趣味だったり」
「あ、寝るのが趣味なのはなんか想像できる」
ふふっ、と寝ているシカマルを思い出して笑ったかのように小さく笑う。
まぁ、全部知ってたけどさ。
新しい情報はやっぱ自分で手に入れないと駄目かー。
「ありがと!じゃあ今度シカマルに対戦挑んでみるよ!」
「ええ、それがいいわよ。私とやってもきっとつまらないだろうし。あ、そういえば前シカマルが言ってたんだけど、あいつのお父さんすっごく強くて1回も勝てたことないらしいわよ。もしシカマルで物足りなかったらシカマルのお父さんに相手してもらえばいいんじゃない?」
な ん で す と !
え、シカマルお父さんに勝てたことないの?え、可愛い、なにそれ可愛い!
「そうなんだ、いい情報ありがと!あ、そうだ今日の帰り新しく出来た甘味処行かない?」
本当にいい情報ありがとう。
本当に、ありがとう。
閲覧ありがとうございました!