奈良シカマルが好きなんです!   作:あるか

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その4

 

私は、シカマルが好きだ。とても好きだ。

好きだからずっと見てきた。

好きだから、ただそれだけの純粋な想いだった。

まさかそれがこんなことになるなんて。

 

お願い!誰か助けて!!!!

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

時は遡ること数分前、忍術の授業だった。

今日はナルトはサボってないからイルカ先生が怒ることも無く、私はいつも通りシカマルの斜め後ろをキープ出来た。

なんて事ない、いつも通りの日のはずだった。

 

「よし、今日は変化の術の応用だ!」

 

イルカ先生が言うには、変化の術は化けて終わりというものでは無いらしい。

見た目が完璧でも性格や素振り等で簡単に見破られてしまうという。演技力が大切なのだ。

 

なるほどな、と思った。

確かに今までは変化後の自分の見た目だけ気にしていたが、振る舞いなどは一切気にしていなかった。

授業でイルカ先生に化けた時も、普通に普段の口調や振る舞いをしていた。

それだと実戦だとすぐにバレてしまう。

変化の術を使ったら振る舞いは勝手についてくる訳じゃないのだ。

 

「ということで、全員変化の術を使って俺になるんだ!もちろん最初から完璧に演技ができるとは思っていない。そこで、変化した状態で近くにいる奴と話し、そこで感じた違和感などを指摘し合うんだ」

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

という所で冒頭に戻る。

これ上手く行けばシカマルと話せるんじゃない?と思った私が馬鹿でしたすみません。

確かにシカマルとは話せた。というか現在進行形で話してる。

 

「ーーーで……どうした?」

「あぁ、いや、なんでもない」

 

この目の前にいるイルカ先生は間違いなくシカマルだ。

席が近かったし、重心のかけ方も、呼吸のペースも、口調のイントネーションだってシカマルそのものだ。

でもそれが本来なら気付かないはずの特徴だってことは分かってる。

というか私なんでこんなこと分かるんだよ!びっくりだよ!正直引くよ!

 

「お前はイルカ先生に比べて、少しぼんやりしてるとこがあるな」

「あ、あぁ、ありがとう。気をつけて振舞ってみるな」

「おう、それで俺はどうだ?」

 

どうって言われてもシカマル本人にしか見えない…。

いや、考えろ、考えるんだ私!何か手はあるはずだ!

 

「とりあえずイルカ先生は、“おう”とは言わないよね」

「おい、口調戻ってんぞ」

「あっほんとだ!って、それを言うならそっちこそ!」

 

なんでシカマルと話せてるのにこんな嫌な緊張してるんだ私は!

あとあとえーとえーと、他には他にはうーーーん。

 

「あと、イルカ先生はそんなに片脚に重心を掛けないな。頭をかく癖も注意だぞ」

「あぁ、確かにな、ありがとう」

 

はーー、よかった。何とか絞り出せた。

きっとそんなに疑われてないよね?

にしてもシカマルがイルカ先生口調かぁ、そう思うとなんか可愛く見えてきた。うふふ。

 

「…ん?どうした?そんなニヤけてるんだ?」

 

やっべバレた。

 

「えっ!いや、なんでもないけど」

「いやなんでもない事無いだろう、俺に話してみろ」

「うぐっ、ふふっ、いや…」

「ん?どうした?何か言えないことでもあるのか?」

「ふふ…、あっははは、だって、シカマルがイルカ先生口調だと思うと面白くって!」

 

よし、どうにか面白がってる方向に持ち込めた。違和感は無いはず。

ナイス私、英断だぞ私。

それにしてもシカマルのちょっと不満げな表情も可愛いなぁ。

 

「……お前、俺って気付いてたのか」

 

あっ………ミスった。死んだわこれ。

 

 

ーーーーーーーーー

 

 

変化の術してクラスメイトと話し違和感を指摘し合う。それが今日の授業内容だった。

内容を聞いた時、ナミと話せるチャンスだと思った。

全員がイルカ先生に変化してて誰が誰に話しかけているかわからない状況。

俺が下心を持ってナミに話しかけていることはバレないはずだ。

 

 

「ーーーで……どうした?」

「あぁ、いや、なんでもない」

「お前はイルカ先生に比べて、少しぼんやりしてるとこがあるな」

「あ、あぁ、ありがとう。気をつけて振舞ってみるな」

 

今俺はナミと話している。

何故分かるかって?

そりゃ席が近かったからな、変化の術使った後も視界の端で追ってれば見失うことも無い。

 

「おう、それで俺はどうだ?」

「とりあえずイルカ先生は、“おう”とは言わないよね」

「おい、口調戻ってんぞ」

「あっほんとだ!って、それを言うならそっちこそ!」

 

……可愛いな。

見た目がイルカ先生でも、中身がナミって分かってると途端に可愛く見えてくる。

俺も末期だな。

 

「あと、イルカ先生はそんなに片脚に重心を掛けないな。頭をかく癖も注意だぞ」

「あぁ、確かにな、ありがとう」

 

さっきまでぼんやりしてたと思ったら、次は微笑み始めたな。

どうしたんだ?聞いてもいいのかこれ。

まぁ、俺だってバレてねーし、もしかしたらもっとナミのことを知れるかもしれねーな。

聞いてみるか。

 

「…ん?どうした?そんなニヤけてるんだ?」

「えっ!いや、なんでもないけど」

「いやなんでもない事無いだろう、俺に話してみろ」

「うぐっ、ふふっ、いや…」

「ん?どうした?何か言えないことでもあるのか?」

 

ナミとこんな会話ができるなんて。

にしても笑顔可愛いな、見た目はイルカ先生だけど。

 

「ふふ…、あっははは、だって、シカマルがイルカ先生口調だと思うと面白くって!」

 

………は?

ナミ、お前、

 

「……お前、俺って気付いてたのか」

 

一体いつからだ…?

 

「だって席近かったから、消去法でシカマルかなってね。正解?」

 

そういうことか…。

つーことは、俺もこいつがナミってことに気付いていないとおかしくねーか?

だが、最初から気付いていたとバレるとナミだから話しかけたのがバレちまう。

どうする、考えろ俺。

 

「……つーことは、お前はナミか?」

「正解!というか気付いてなかったんだね、結構口調ガバガバだったのに」

 

確かにこいつ、普段の口調結構使ってたよな。

それで俺が気づかなかったっていうのは無理があるか?

最初から気付いててしかもそれを隠そうとしたなんてバレたらダセーなんてもんじゃねぇぞ。

 

「あはは、私の変化の術もなかなか捨てたもんじゃないね!」

 

大丈夫そうだな。

 

 




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