あの桜の下で   作:ミロロラル

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いち

──照りつけるような太陽と清清しいほどに青々とした空の下、桜の木の下で見上げている女の子を見つけた。

時間が止まったのかと思うほど美しいその姿に俺は目を奪われた。今思えば、それが君に恋をした瞬間だったのかもしれない──

高校二年になったばかりの春、転校生がやってきた。彼女の名前は中田ありさ。それほど高くはない背が長く見えてしまうのは、腰まで伸びた髪のせいなのだろう。俺はその姿に見覚えがあった。

ひらひらと散っていく桜の木の下で、道を歩く同じ学校の生徒達が歩いていく中、ポツンと一人桜並木の一番花が咲いている木の下に立っていた。上を向き、目を閉じている彼女を見つけたのだ。その姿はあまりにも美しく、不覚にも一瞬心臓の動きが速くなってしまった。

「おはよう!今日も1日頑張ろうね!」

彼女からの挨拶はいつも気持ちがいい。

『おはよう。今日も元気だな。』

初めてあった始業式の日から、俺たちは席が隣同士だった。毎日元気に挨拶してくれるのは嬉しいのだが、とてつもなく回りの視線が痛い。彼女は俺のそんな気持ちも知らずに

「そうかな?熱あるんだけどね!」

と笑っていた。

『なんで学校きたんだよ…』

「あ、そうそう!さっき校門のところで猫を見つけたの!可愛くて写真撮っちゃったー!!」とか言いながらテンション高くスマホの画面を見せてくる限り人の話は聞いていないのだろう。黙ったときの清楚なイメージはどこへいったのか。

 『そういえば数学の宿題やったの?』

「あぁ!!!やってない!」

元気に言うことじゃないだろう…

『ノート見「ありがとうございます!」

せめて最後まで言わせて…(笑)

ホームルームが始まるまであと10分、彼女のノートに俺と同じ答えが書き写される。几帳面なのだろう、俺とは比べ物にならないほど字が整い綺麗に書かれている。そんなことを考えていると彼女と目があった。

『…どうかしたか?』

彼女の視線がノートに戻る。

「ここ、計算違くない?」『えっ』

本当だ、分配法則をしていなかったようだ。一年の復習なのに…

「あーれー?この問題一年の復習だよぉ?大丈夫ですかー?」

すっっごく楽しそうだ。

『…もう宿題忘れても俺は知らんぞ』

「あー!ごめんごめん!謝るから許して!!」

──キーンコーンカーンコーン──

チャイムと同時に担任が教室に入ってくる。隣の席に座る彼女は飴ちゃんあげるから許して!!と言っているが、少し無視しておいた。口をとがらせブツブツいっているのがわかり、笑いをこらえる。




続きます
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