東方黒麗教 〜the Black Maiden.   作:rii11

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夏休みにロシアに行きたい。
それではどうぞ


第14話名無しの西洋人形 後編

私は人形(ドール)。名前はまだ無い。私はとある人に作られた人形(ドール)で、その人を探している。私は、自律して動ける。だけど、エネルギーは自分で補給しなければならない。ちなみに、食べた物はエネルギーになるため、排泄物は気にしなくて良い。

 

さて、こんな話しは置いといて。此処が、ここら辺で1番大きい里ですか。流石ですね。さて、お母様はいるかな?何か、此処ら辺では見なかった洋服が、この里では見かける事があるです。声をかけてみましょう。

 

「あの、すいません」

 

「何だ?」

 

その女性は、まじまじと私を見ている。その女性は、とても美しい顔をしており、この地では珍しい銀髪で、頭には帽子?と思わしき、小さく青い物が、チョコンと乗っている。そして、青色のワンピースを着ていると思われる。

 

「あぁ、すまない。名前を言っていなかったな。私の名前は上白沢慧音。慧音と呼んでくれ」

 

「慧音さん、ですか。実は私、探し人がいまして。」

 

少女説明中…

 

「そうだったのか。しかし、そのお母様。という人の名前や姿を覚えてないとは」

 

「はい、ですが。見れば分かる気がします」

 

「その、何か覚えてる事は無いか?」

 

「えー…っと、西の方の国から来ました」

 

「西か。じゃ…あ、神社を紹介するよ、今の事を話せば、理解して解決してくれると思う」

 

「ありがとうございます」

 

「えーっと、その神社は人里外れた場所にあるんだが、それでも良いか?」

 

「はい」

 

「分かった」

 

少女移動中…

 

―――――――――――――――――――――――――――

 

「此処が黒麗神社。大きめですね」

 

あっ、参道を掃除してる人がいますね、子供でしょうか。

 

「あの…」

 

「あっ、お客さんですか?どうぞ、ご自由に」

 

「あの…」

 

少女説明中…

 

「成程...ですか」

 

「はい、そうなんです」

 

「じゃあ、見つかるまで、私の所に泊まれば良いですよ」

 

「え?良いんですか?」

 

「構わないですよ」

 

「ありがとうございます」

 

「じゃあ、今日はもう遅いから。晩御飯...カレーで良いです?」

 

「良いですよ」

 

少女食事中...

 

「ごちそうさまでした」

 

「ごちそうさまなのです」

 

「美味しかったよ」

 

「良かったです、それじゃぁ。私は、お風呂に入るです」

 

「はい」

 

少女入浴中...

 

「それじゃぁ、先におやすみです」

 

「おやすみ」

 

―――――――――――――――――――――――――――

 

翌日

 

「んんっ、あーっ。おはようございます」

起きると、少し赤くなり始めた葉っぱが付いている木々を見て、何かを飲んでいるリーの姿が有る。

 

「おはようです」

 

「水ー」

そう私が言うと、リーは立ち、奥に消える。暫くして戻った時には、湯のみを持って渡そうとしてくる。

 

「はいです」

 

「ふー」

 

「はい、朝ごはん。ピロシキです」

 

「これって確か、ロシアの料理ですよね」

 

「はい、ロシアが好きなので」

 

「うん、美味しい」

 

「です」

 

「ごちそうさまでした」

 

「ごちそうさまなのです」

 

「じゃあ、探しに行きましょうか」

 

「ちょっと手を繋ぐです、じゃないと落ちるですよ」

 

「えっ?あー!浮いてるー!飛んでるー!」

 

少女移動中...

 

―――――――――――――――――――――――――――

 

人里

 

「離れない様にして下さい」

 

「分かったです」

 

「こっちです」

 

「ん」

 

「こんな朝からいないですか、やっぱり」

 

「?」

 

「いや、次はこっちです」

 

少女移動中...

 

―――――――――――――――――――――――――――

 

アリス宅

 

コンコンコン

 

「お邪魔するですよー」

 

「はーい」

 

「じゃあ先に入るから、合図があるまで待ってるです」

 

「どういう合図?」

 

「入って来てって言うから」

 

「何してるの?」

 

そんなアリスの声が聞こえる。

 

「いや?何でも無い。じゃあ行くです」

 

「分かったです」

 

 

 

「今日は随分と急ね、何かあったの?」

 

「まぁ、仕事の関係上。かな」

 

「じゃあ、こんな所でのんびりお茶を飲んでる場合じゃ無いわよ」

 

「今日は、アリスに用が有って来たです」

 

「私に?何かしたっけ?」

 

「知らなかったら、別に良いんですけど…入って来て」

 

ギィィ

 

扉が開く、そこには、一目見て、人間。と見える程の人形(ドール)がいた。だが背丈は小さく、145cm位である。

 

「見覚えがあるような...」

 

「お母様?」

 

「お母s…、( ゚д゚)ハッ!」

 

「思い当たる節があるですか?」

 

「えぇ...。あまり、思い出したく無いのだけれど。何があったのか。この子には、ちゃんと説明しないとね」

 

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あれは、私が人形師になろう。と、修行してた時の頃。それで、人形をある程度作れるようになったわ。そこで事故は起きた。あまり覚えてないのだけれど、確か...。私は、大きめの人形を作ろうとして貴方を作ったわ。でも当時は、小さい人形でも1~2体操るのが、限界だったの。だから、置物状態だったわ。でも当時は、どうしても動かしたくて。人形を動かすには普通、魔力を使って作るのだけれど。自律型を作るには、魂を削って、その人形に入れる作業をしたの。それで、人形を持って墓に来てたの。それで、容量の半分の他人の魂は、ちゃんと出来たのだけれど。手順を間違えて、もう半分は…。私の魂を、ごっそり持って行かれたわ。もちろんすぐに、病院送りになって、人形には、会えなくなってしまったのだけれど。

 

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「そんな事故が…。何で人形師を諦め無かったんです?」

 

「当時は、心に大穴がぽっかり空いた、っていう喪失感や、絶望感なんかを感じてたから、良く覚えてないわ」

 

「辛い事を思い出させてしまったです」

 

「お母様」

 

「そう言えば、名前。付けて無かったわよね」

 

「そう言えば、そうだったです」

 

「じゃあ、名前は…何が良いと思う?」

 

「ここで丸投げですか?」

 

「私は、人形(ドール)を手放した訳だし、私が持つ資格はないわ。だからリー、貴方が所持しなさい」

 

「私がです?」

 

「えぇ貴方が」

 

「んー…。じゃあ、"暁"」

 

「暁、良いわね」

 

「私の名前は、暁です。よろしくお願いします」

 

「うん、私は黒麗漓夢。リーって呼んでです」

 

「分かりました。リー様」

 

「リー様って」

 

「ふふっ」

 

「帰りましょう、リー様」

 

「結局、そうやって呼ぶのですか。まぁいいです。じゃあ、ダスビダーニャ」

 

「えぇ。さようなら」

 

 

 

「そう言えば、人形って、"もの"なのです?」

 

「私は貴方が、男であろうが、女であろうが。私は、貴方の物です。」

 

「そうですか」

 

いったい、どこからその忠誠心が。

 

その後神社に帰り、お風呂に入って寝た。




重いなぁ、かなり重い。
話の内容も、忠誠心も。そして伏線も。
それでは期待しないで待たないで下さい
ダスビダーニャ

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