東方黒麗教 〜the Black Maiden. 作:rii11
第37話ボスは意外と優しい
「はぁ」
今日も此処で起きるのです。今日は、仕事の日なのです。
岸に着いたのです。さて、適当に人を探すのです。
何で霊夢さんがいるのです?
「何か幽霊が多いとおもったら、貴方がサボってたからなのね」
「サボってなんか無いのです」
「取り敢えず、どうやってこの異変を終わらせられるのか、教えて貰おうかしら?」
「え?」
「夢想天生」
霊夢の周りに8つの陰陽玉が現れ、弾幕を放ってくる。
全く、人の話しは良く聞いた方が良いのですよ。
今の私には、何も能力は無いですから、頑張って避け続けるしか無いのです。
「はあはあはぁ」
「貴方、中々やるわね。名前は?」
「リー。です」
「ふーん」
「全然亡者が来ないと思って居たら、こんな所で遊んでいたのね」
「貴方は?」
「私は四季映姫。幻想郷の閻魔をしているわ」
「つまり、貴方がこのリーのボスって理由ね」
「だったらどうするの?業が強過ぎて地獄にも行けないその体で」
「地獄になら行けなくても良いわ。あの世に行くだけだもの」
「閻魔の裁きはそんなに生易しい物では無いわ。1度決まった事は、絶対に覆せない。私だったら、貴方は黒ね」
「失礼ね!妖怪退治が仕事なんだから、仕方が無いじゃない」
「泥棒だって、人殺しだって、戦争だって、それが仕事の人もいる。仕事だからと言って、その罪が許される事は無いわ。少しでも罪を少なくする為に、善行を積みなさい」
「そう、まずはこの異変が解決してから、考えるわ」
「紫の桜の木は、罪深き者達が宿る。貴方はその紫の桜が降りしきる下で、断罪するが良い!」
異変の原因となった四季折々の咲き誇る花達も、時が経てば次第に元へと戻って行った。
「じゃあ、貴方の裁判を始めましょうか」
「はいです」
私は今、四季様の裁判を受けているのです。
「貴方は、自らが現人神になろうとして、その身を妖怪におとした。ここまでは間違って無いわね」
「はいなのです」
「じゃあ、その浄瑠璃の鏡の前で、自分の今の姿を見て見なさい」
鏡の姿を見ると、右目が青に左目が赤。そして、フランの羽。
どう見ても人では無い。
「そう、それが今の貴方の本当の姿。これじゃあ、畜生道にも行けないわね」
「何処になるのです?」
「浄瑠璃の鏡だったら未来は覗けない」
「ん?何です?」
「貴方は幻想郷に返すわ。過去を見せようかとも思ったけれど、やっぱり見せるべきでは無いわね」
個人的には、見たい所です。
「居るんでしょ?小町」
「あちゃーバレたか」
「そんな事を言っている暇が有るのなら、早く地上に連れて行きなさい。これを知っていて、貴方はこの子の体を大切に預かっていたんでしょう?」
「それも知ってたんですか···。分かりました、すぐ連れて行きます」
「その服とその鎌は、思い出位に持って行くと良い」
「はいなのです」
「その鎌には、魂を狩る程度の能力が付いている。正真正銘の”お迎え用”の鎌だ。だから、生者がそれを使う時は気を付けろよ。自分の魂が知らない間に狩られているかもだからな」
怖すぎるのです。
「まあ、そんな事は滅多に起きないから、気にした方が負けってもんだよ」
「そ、そうなのかー」
「ほら、岸にもうすぐ着くから、出る準備をしておけ」
「ありがとうなのです」
「良いって事よ。後、暇な時は此処に来てくれよ。あたいも暇だしさ」
「怒られても知らないですよ」
「怒られる前にこれば良いだけだろ?」
「それでは、ダスビダーニャ」
それでは、期待しないで待たないで下さい。
ダスビダーニャ