東方黒麗教 〜the Black Maiden.   作:rii11

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東方地霊殿 〜 Subterranean Animism.
第49話こーいっし


「おはようなのです」

「ううんっ···。おはようです」

暁は目を覚ます。

「じゃあ、掃除してきます」

そうして暁は、神社の清掃の為に出る。

···とっても暇だ。

暇つぶしをしながら、暁を待つ。

 

 

 

チリンチリン

しばらくすると、鈴の音が鳴り響く。

戸を開け、来た人を確認しようとする。

···誰も居ない。

 

頼みたい事があるの

 

そう、声が聞こえる。

誰もいない筈なのに、声が聞こえる。

「誰です?」

そう答えると、目の前にとある少女が現れる。

古明地こいしだ。

「どうしたのです?」

「頼みたい事があるの」

「何です?」

「お空が暴走して、止められなくなっているの」

「止めて欲しいのです?」

そう言うと、こいしは頭を縦に振る。

「良いのですよ」

暁に一言入れ、紅炎の所までスキマで移動しようとする。

···あっ。今日は、全員で来るんだった。

「あの···」

「なに?」

「明日でも良いですか?」

「なんで?」

「用事が有ったのを忘れていたのです」

「そう···。じゃあ、また明日」

「パカパカ〜」

こいしと別れ、スキマで紅炎の所まで向かう。

 

 

 

スキマから降りると、そこには1人の男性と8人の女の子がいた。

その中には、紅炎もいた。

「来たのですよ」

「あっリー」

「いちいち来るのも面倒ですから、この中で魔力が1番高いのは誰ですか?」

「僕だけど」

「じゃあ、手を出して下さい」

男は、特に気に止めずに手を差し出す。

私はそれに触れる。

スキマを扱う。という、劣化したその能力を、付与する。

「これで大丈夫なのです」

「何をしたんだ?」

「それは後で答えるのです」

そうして、足下に巨大なスキマを発生させ、移動を始める。

 

 

 

「ここは?」

先に、男が声を出す。

ロンドン(仮)の郊外に出てくる。

「凄く···懐かしい感じがする」

「うん、だってここにティーが居たのは特定済みだから」

紅炎はこの事実を伝える。

「え?」

「少し前に、来たことが有って」

「散策とかは大丈夫?」

「勿論ですよ」

そう答えると、男は独りでに移動するが、皆が付いて行く。

はぁ···。また、暇ですね。

 

 

 

「とっても懐かしい感じがするね。ここは」

私は、そんな事を呟く。

「ここに住んでたんじゃ?」

「うん。とても懐かしいな···」

ふと、幼い頃のまだここに居た時の事を思い出す。

「あの子はまだいるのかなぁ」

「あの子ってなんなんですか?」

そう放った紅炎に続き、皆がその事について尋問をかけてくる。

「ただの、幼い頃の友達だよ」

「本当に?」

「ほんとに本当だよ!」

「まあ、そこまで言うなら仕方ない」

そう言うと、女性陣は各々アイコンタクトを取り、頷く。

···とても嫌な予感がする。




それでは、期待しないで待たないで下さい。
ダスビダーニャ

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