東方黒麗教 〜the Black Maiden.   作:rii11

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第56話 紅の館

「久しぶりね」

「久しぶりなのです」

ここは魔法図書館。世界中の魔法の書(グリモワール)のが集まる図書館である。

私は今、紅茶を飲みながらパッチェとの会話をしているのです。

「そういえば、何かと言ってあまりここに来ないわよね」

「暇なのですが、こっちに来れる程では無いのです」

「へえ、そうなの」

「それにしても、暇なのです」

「そうね。私も、いつも暇だけど、動かないもの」

そのタイミングで、飲み終わった紅茶をこぁが淹れてくれる。

「ありがとうです」

「いえ。いつもの事ですので」

「そうなのですか」

「こぁ、続きの本を」

「はい、パチュリー様」

そう言い、今読んでいる本を渡す。

「チェック」

盤上の駒を動かし、パチュリーはチェックと言った。

そう、チェスをしていたのです。

私も動かすのですが、パチュリーの勝ちで終わってしまった。

「負けちゃったのです」

「でも、貴方が本気を出せば、絶対に負けないのでしょ?」

「まあ、そうですけど。使わなければ、その程度という事なのです」

「まあ、そういう事で良いわ」

「なんか静かですね」

「そうね。毛玉も最近出ないし」

「咲夜さんが、掃除をしているのですかね」

「って、止まるんじゃねぇぞって言わせたいだけでしょ?」

「バレたですか」

「一応、外の世界の事については詳しいつもりだからね」

「そうだったのですか」

「ってこぁ、フリージアを流さ無いの」

「すいません。つい」

「まあ、完全に静かよりかはマシなのですよ」

「それはそうだけど」

「···暇ですね」

「そうね。館内を回ったら良いんじゃないかしら」

「そうですね。館内を回ってみるのです」

 

 

 

そうして、歩いているとフランを見つける。

「あっ。リーだ!」

「久しぶりですね」

「ねえ、遊びましょう?」

「なにで遊ぶのですか?」

「隠れんぼがしたーい」

「分かったのです。どっちが鬼なのですか?」

「リーに頼んでも良い?」

「良いのですよ?」

そう言い、私は目を隠し、数を数えていく。

「もう良いですか?」

「良いよー」

声がした為、隠れている筈のフランを、探しに行く。

 

 

 

···見つけたのです。適当に部屋を探していると、部屋の奥に、うずくまっているフランを見つけたのです。

隠れてすら無かったのです。

「見つけたのです」

「見つかっちゃった」

「隠れて無かったですよね?」

「気の所為ですよ」

「そうなのですか」

「こんどは何をするのですか?」

「うーん。トランプをしたいです」

「何をするのですか?」

「ポーカーをしたいのです」




それでは、期待しないで待たないで下さい。
ダスビダーニャ

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