再度、やはり俺は本物を求める   作:火南 蛍

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久しぶりの更新……すごい遅くなってしまって申し訳ないです(´;ω;`)


彼女の名前は今も俺の心の中に存在する

 ショッピングモールでの買い物を事なきを経て、俺たちはスイーツカフェへと向かっていた。

 

「ねえ先輩」

 

「どうしたんだ?」

 

「やっぱなんでもないです~」

 

「そうか」

 

 先ほどから一色が折々こちらを見てくるのだが、非常に落ち着かない……。

 変に思われないように平然を装いながら進む。

 

「そういやお前、今年も続けて生徒会長やるのか?」

 

「ふぇ?急にどうしたんですか」

 

「いや、なんとなく……もう三ヶ月もしたら生徒会役員選挙の時期だからな」

 

「ん〜、多分続けると思いますよ」

 

「そうなのか、意外だな」

 

 正直一色のことだから、「なんで私がそんなことしなきゃいけないんですかー」と言い出すくらいにはやる気がないものだと思っていた。

 

「あーっ、今心の中で私に対して無礼なこと考えましたよね!先輩酷いですー」

 

「悪かったって……」

 

「これでも生徒会のこと結構気に入ってるんですよ。みんないい子ですし、楽しいですし。あと内心貰えるので」

 

「最後のがなかったら素直に褒めてたのにな」

 

「なんでですかーっ」

 

 頬をふくらませながらそっぽを向く一色。

 少し顔を赤らめながら、掠れるような声量でボソッと本音を吐き出した。

 

「…………一緒に先輩といる時間も増えますし」

 

「ん、なんか言ったか?」

 

「なんでもないですよー。あ、あそこです、早く行きましょ!」

 

「はいはい」

 

 目前にあるスイーツカフェが見えたことによって足早になる一色。それに俺もついていき、洒落た看板がかけられた扉を開け進んでいく。

 

「お客様、二名様でよろしかったですか?」

 

「はい、大丈夫ですっ」

 

 ではこちらになりますと、店員が案内をする後に可愛らしくとてとてと一色が追っていく。

 

 うわー、あざといなぁ……さすがあざはす。

 スタッフはイケメンの男性ではなく楚々な女性だったのに、こうも可愛く振る舞いをしていると素直に誉め言葉しか出てこない。あざはす。

 

「では注文がお決まりになりましたらお呼びください」

 

「はーい!先輩なににします~?」

 

「俺は別になんでも……一色はどうするんだ?」

 

「ん~、私はこのパンケーキとプリンアラモードにしようかなと。友達からこれが美味しいと聞いたので」

 

「お前……そんなに食べるのか」

 

 女子なのにな……と一色の方へ半ば哀れみの意を込めた落胆の眼を向ける。

 

「な、なんですか。どうせ私たくさん食べても太らない体質ですしいいんですー」

 

「はいはい、じゃあ俺はこのコーヒーゼリーパフェってやつにするよ」

 

「じゃあ店員さん呼びましょうか」

 

「そうだな」

 

 テーブルに置かれているベルを鳴らす。

 後は一色が注文をしてくれるだろう。なんせ俺、こういうところ来ないから苦手だし。むしろ人と接するの苦手だし。

 

 それにしても……少しリア充が多すぎじゃないか……青春を楽しむ愚か者ども、砕け散れ。

 しかし、この状況。傍から見れば俺が思ってることを他の人たちも思っているのでは?それはそれで嫌だな……。

 

「せーんぱい、暇なんでなんか話してください」

 

「お、おう。もう注文は終ったんだな」

 

「は?何言ってるんですか、先輩が自分の分言わないからさっき先輩の分まで言ってあげてたじゃないですか」

 

 ガチトーンで声を発しながら、ため息をつかれる。

 いや怖い、俺が全体的に悪いんだけども。

 

「す、すまん……」

 

「もういいです。ところで先輩、もう志望する大学とかって決まってますよね?」

 

「ああ、そりゃ決まってるけど。それがどうしたんだ?」

 

「いえ、なんとなく。……結衣先輩とかと、一緒だったりするんですか?」

 

「——ッ!?」

 

 つい肩を上げてしまった。

 由比ヶ浜の名前を聞いて、俺は心臓の鼓動が一瞬爆発的に早まったように感じる。

 

「……いや、聞いてないからわかんないな」

 

 いけないな……こんなことで動揺してるようじゃ……。

 

「そうですか……ごめんなさい、変な事聞いちゃって」

 

「問題ない、たまに他のやつからも聞かれたりするからな。それより、とっとと食べようぜ。乗ってるアイスが溶けちゃうから」

 

「はい」

 

 前回ので俺はしっかりと学習したからな。

 一色と無駄話や写真なんか撮ってるのに付き合っていたらデザートが台無しになってしまうことを。

 

 先ほど運んできてくれた店員さんにも申し訳がたたなくなる。

 

 ちょっぴり苦いコーヒーゼリーを口にしながら、俺は先ほどの会話を頭の中から切り離した——。

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