朝、目が覚めて自分の右隣に違和感を感じた。
布団をめくってみるとそこには一糸纏わぬ自分の彼女の姿。
・・・・しまった、昨夜の出来事の後、服着せるの忘れてたんだった。
風邪は引いていないだろうか・・・・
とりあえず、朝から目の保養にはなったがこのままにしておくわけにもいかないので、目の前の彼女を起こすことにする。
「ヴァーリ、もう朝だよ。起きて」
すると、これが聞こえたのかヴァーリは目を擦りながら。
もたれかかってきた。
・・・・まだ寝惚けてるみたいだね。
もたれかかってきたヴァーリの温もりと柔肌を堪能しつつ、僕は彼女を起こすための最終手段を使う。
「・・・・そろそろ起きないと僕一人で学校行くよ?」
これが僕の最終手段。一人で学校に行くこと。
何故かヴァーリはいつも一緒に行きたがるので僕が一人で学校に行くことを極端に嫌がる。
すると、これが効いたのか。
「!?ダ、ダメ!!!」
うん、ちゃんと起きてくれたね。
もちろん、今のは冗談のため即座に否定する。
「いやぁ、ごめん。中々起きなかったもんだからつい、ね?」
少しの謝罪を含めた否定の言葉。
すると、この冗談が気に食わなかったのか。
「ヒドい!!私がものすっっごく!朝弱いこと知ってるくせに!!」
うん、すごく怒ってる。
でも顔を赤くして怒っているからか、全く怖くない。
そんな可愛すぎるヴァーリを収めるために、僕は彼女の頭を撫でてあげる。
「へへへ〜」
うん、チョロいね。でもそこが可愛いんだよねぇ。
さて、こんなことしてても埒があかないので、そろそろヴァーリを着替えさせてリビングに行くこととする。
リビングに行くと、テーブルの上に一通の置き手紙。
多分母さんのものだ。ええっと、何何?
『今日は
・・・・またかぁ。相変わらず気紛れな人だ。
母の気紛れさに若干呆れつつ二人で朝食を食べる。
「またお義母さんどっか行っちゃったの?
てことは今日の夜は二人っきり!?」
?ヴァーリが心なしか喜んでいるような気がする。
というか二人っきりの時なんてよくあることじゃないか?
なんで喜んでるか疑問に思ったのでちょっと聞いてみることにする。
「ヴァーリ、どうしたのさ?二人っきりの時なんてよくあることだろう?なんでそんなに喜んでいるんだい?」
すると、この問に対して、ヴァーリは勝ち誇った顔で答えてくれた。
「当然でしょ!だって二人っきりだよ!お義母さんやお義父さんの目を気にせずあんなことやこんなことができるんだよ!?こんな天国はないじゃん!!」
・・・・予想の斜め上の回答だった。
というかそういうことは母さんや父さんがいる中でもやってるよね?
そんな疑問はひとまず置いておいて、朝の準備が完了したため、二人で学校に登校する。
登校する途中、すれ違う人々のほとんどがヴァーリを見ていた。
まぁヴァーリは贔屓目抜きに見てもとびっきりの美少女だから仕方ないと思う。
そんなことを考えながら、僕達は二人で教室に入る。入った途端、他の男子生徒達から嫉妬のこもった目を向けられたが、いつものことなので気にしないでおく。
すると、その中の嫉妬の目線を向けてきた男子の一人である兵藤一誠が僕達に話しかけてきた。
「なぁ、尊。今日リアス部長がお前のことを呼んでるみたいなんだ。一緒に来てもらっていいか?」
あぁ、やっぱりか。予想はしてたけど使いが彼だということには驚いた。てっきり木場裕斗辺りがくると思ってたんだけども。
そんな事を頭の隅で考えながら授業が終わった。
さて!悪魔との会談。どう接すればいいだろうか。
・・・・とりあえず堕天使総督の息子って事は黙っておこう。流石に向こうも堕天使総督の息子の顔は知らないはず・・・・知らないよね?
となるとヴァーリの正体も伏せておいた方がいいだろう。
この町に堕天使総督の息子と旧魔王の血縁者がいましたって事がバレて魔王が派遣されてきても困る。
「というわけで尊、今からついてきてくれるか?」
おおっと、深く考えている内に呼び出されてしまった。
まぁ方針も決まったことだし大人しくついていくことにする。
「わかった。ところでヴァーリも連れてっていいかな?理由は後ほど説明するからさ」
「?あぁ、わかった。・・・・・・・・リア充め」
なんか最後にボソッと恨み言を言われた気がするけどスルーするとしよう。
兵藤一誠についていくと、この学園の旧校舎に辿り着いた。
・・・・それにしても結界がお粗末だなぁ、これじゃあ侵入してくださいって言ってるようなものだよ。
(ミコ。この結界脆すぎない?)
コレにはヴァーリも思わず小さな声でツッコんできた。まぁ当然だよね。
結界の出来にダメ出ししつつ、僕達は『オカルト研究部』通称悪魔の溜まり場にお邪魔することにする。
「部長。連れてきました!」
「えぇ、入ってきてちょうだい」
それを合図に僕達は中にお邪魔する。すると、中にいたリアス・グレモリーが怪訝な顔をしてヴァーリを見てきた。
「・・・・どういうことかしら?ヴァーリさんは呼んでいないはずなのだけど」
「いやぁ、実はこの子も僕と同じ裏の関係者でねぇ、同時に説明した方が楽だと思って連れてきたんだよ」
「・・・・そう。ならいいわ」
どうやらこの説明に納得してくれたようだね。
まぁ納得してくれなくても無理矢理話を通すつもりだったから別にいいんだけども。
「少し予定が狂ったけどまぁいいわ。柏木尊君、ヴァーリ・ルジーナさん。貴方達を歓迎するわ。」
「それは悪魔としてだろう?」
「・・・・・・・・えぇ、その通りよ」
よしッ!多分セリフの後で悪魔としてねとか言ってカッコつけようとしてるところを邪魔してやった。
その証拠にほんの少しリアス・グレモリーの眉間にシワがよってる。
「早速だけどこの生徒手帳。あなたの物で間違いないかしら?」
「うん、間違ってないよ。ありがとう」
渡された生徒手帳を確認して何か細工がされていないかを確認する。
うん。特に何もされていないみたいだね。されてても今のリアス・グレモリー達程度の細工だったら僕達には意味ないんだけども。
そう考えていると、早速リアス・グレモリーが話を振ってきた。
「ところで柏木尊君。貴方は何者なの?昨日のはぐれ悪魔を単独で殺すなんて」
・・・・うーん。ここはどう答えるべきだろうか。
二つの神器を見せるのも悪くないんだけどややこしくなりそうだからとりあえず片方の神器だけを用いて剣を創る。
「!裕斗と同じ創造系の神器!?それで昨日のはぐれ悪魔にも勝てたのね」
よし。見事に勘違いしてるみたいだ。流石にこちらが堕天使と人間のハーフで神器を二つも宿しているなんて事はわからないだろう。
「となるとそちらのヴァーリさんも何か神器を宿しているのかしら?」
すると、今度はヴァーリに話を振ってきた。
ヴァーリはこっちを見てどうすればいいかを目で伝えてくる。
僕はヴァーリの神器を展開する事の許可を首を縦に振ることでで伝えると、ヴァーリの背中から青白く輝く翼が展開された。
「!?嘘でしょ!?貴方の神器はまさか
うん。すっごい驚いてる。他の眷属の皆も目を丸くしてるのが分かる。
すると、リアス・グレモリーは目を輝かせ。
「貴方達。悪魔にならない!?悪魔になれば「結構です」っ!!」
おぉっと。僕が断る前にヴァーリが話を遮って断ってくれたみたいだ。すると、リアス・グレモリーは諦めきれないのか。
「・・・・一応理由を聞いてもいいかしら?」
「はい、単純な話、メリットが一切ないからです。それに、貴方の実力では私達を転生させることは確実に不可能ですので、この話は断らせていただきます」
ヴァーリがきっぱりと敬語まで使って拒絶の意思を見せた。
しかし、まだしつこく言ってくるリアス・グレモリーに嫌気が刺したので、少し力を開放しながら話しかける。
「・・・・ねぇ、こっちはハッキリと拒絶したよねぇ。いい加減しつこいよ?」
「ッ!!!?」
僕から発せられる圧力にリアス・グレモリーとその眷属達は目に見えて震えている。特に兵藤一誠なんかは膝をついてしまっている。
「・・・・わかった。今回は諦めるわ。でもここは私達の領土なの。だからこの部活には入部してもらうわ」
「うん。それくらいならいいよ。むしろこちらからお願いするよ」
そう言って、僕とリアス・グレモリーは握手をした。コレには他の眷属の皆もホッとしている。
・・・・ていうかまだ諦めてないんだね。
その図太さには呆れを通り越して感心するよ。
こうして、僕達と悪魔の会談は幕を閉じた。
明日から部活。行かなくちゃなぁ。
ありがとうございました!次回もお楽しみに!!