霧と剣の少年と白龍少女のほのぼの生活   作:天覧会の部長

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 第4話。はじまるよ!!


第4話

 僕達は現在、自分達の家に戻って遠見の魔術を使って兵藤一誠達の様子を観察している。

 

 おや、彼らがフリードと接触したみたいだね。

 フリードには殺さないように言ってあるけど、どうやらフリードの隣にいる狂人神父君が殺す気満々みたいだ。

 

 あ、狂人神父君が早速襲いかかった。それを木場裕斗が魔剣で受け止める。

 ふむ、どうやらあの魔剣は光を喰らう魔剣。『光喰剣(ホーリー・イレイザー)』のようだね。

おかげで狂人君の光の剣が刃を失ったようだ。

 そこへ兵藤一誠の拳がのめり込む。

 

 へぇ〜、『戦車』にプロモーションしたんだね。でも、まだまだ本人のスペック的に『女王』になることはできなかったみたいだけれども・・・・・・・・

 

 それにしてもあの狂人神父君を吹っ飛ばすとはね。

 あの狂人君。パッと見だと『悪魔祓い(エクソシスト)』の中では中の上位の実力はあると思うんだけど。まぁ、あの狂人君。慢心しちゃってたみたいだから当然か。

 

 あ。狂人神父君がキレた。どうやら兵藤一誠に殴られた事が余程気にいらなかったらしい。

 

 激おこ状態の狂人神父君に対処すべく、三人が周囲を囲む。

 コレにはお馬鹿な狂人神父君も危機を察したらしく閃光玉で三人の目を眩ませると捨て台詞を吐いて退散していった。

 

 

―●●●―

 

 

 ・・・・うわぁ〜。あのブルド?だっけ?グレモリー眷属達に負けてから捨て台詞吐いて逃げてっちゃったよ・・・・

 

 あ、ドーモ。フリード・セルゼンでーす。見たまんま上の命令で至高の堕天使(笑)達の監視任務やってま〜す。

 んで、ブルドを倒したグレモリー眷属三人組が今度は俺っちに標的を定めちゃってるじゃねぇッスか・・・・

 

「さぁ、後は君だけだよ、神父」

 

 ・・・・うーん。ここは素直に通してあげてもいいんだけどそれじゃあ面白味に欠けるよなぁ・・・・

 

「そうっスね。・・・・それが何か?」

 

「ここでお前を倒して先に進む!覚悟しろ!神父!!」

 

 えぇ〜、なんかグレモリー眷属の『兵士』君に倒す宣言されちゃってるよ俺っち。

 

 ・・・・確か殺さなければいいんスよね?

 よし!

 

「ほい!」

 

 パキン

 

「くっ!」

 

 おぉ〜。即座に接近されて魔剣を砕かれた事に驚く『騎士』君。

 でも中々優秀じゃないッスか。

 一瞬で魔剣が砕かれた事により実力差を判断して撤退できるとはね。

 やっぱり一番才能あるのはこの子でしたか〜

 

「なっ!?」

 

 ・・・・それに対してこっちの『兵士』君は才能に恵まれていないみたいッスね・・・・ぶっちゃけ今の攻防くらい見えないと話にならないんですが・・・・

 すると、『騎士』君が何かを決めたようで。

 

「兵藤君。小猫ちゃん。君達は先に地下に向かってくれ!この神父の相手は僕がする!」

 

「そんなことできるわけねぇだろ!!俺達も一緒に」

 

「・・・・兵藤君。ここは誰かが残らなくちゃいけないんだ。君はシスターを救出するんだろう?」

 

 ・・・・ナニ?この俺の事は構わず先に行け!!的な少年漫画ヨロシクな展開は・・・・

 

 

 あーあ、なんかやる気失せましまわ。んじゃ、とっとと退散するとしましょうかね〜

 

「・・・・通っていいっスよ」

 

「・・・・どういうことだい?」

 

「言葉の通りっスよ。なんかもう面倒くさくなったので。バーイチャ!」

 

 そう言い残して俺っちは霧に包まれて転移。途中、ポカンと間抜けヅラしてる『兵士』君が見えたけどどーでもいいっスね。

 

 

 

―●●●―

 

 

「やぁ、お疲れ様、フリード」

 

「お疲れ〜」

 

「いやぁ〜疲れたッス。なんかグレモリー眷属三人組には敵視されるし、監視は面倒くさいしもう災難っしたわ」

 

 フリードを回収して引き続きグレモリー眷属達の様子を観察することにする。

 さて、ちゃんと兵藤一誠の赤龍帝の篭手(ブーステッド・ギア)は目覚めるのだろうか?

 

 ひとまず、三人と相対したフリードの感想を聞いてみることにしよう。

 

「フリード。あの三人に相対してみてどうだった?」

 

「・・・・そうっすね〜。現時点ではどう転んでも大した脅威にはなりませんわ。でも才能には恵まれてるッスね〜

・・・・あの『兵士』君以外は」

 

「・・・・そっかぁ・・・・・・・・あんなのが私のライバルって・・・・・・・・ハァ」

 

「ヴァーリ。元気出して」

 

 しまった。ヴァーリの心に更に深い傷ができてしまった!!我ながら失態だったかな。

 

「・・・・あ〜あ、これは次代に期待するしかないかなぁ?」

 

「いや、流石に早すぎないかい?せめて禁手に至るくらいまでは・・・・」

 

「・・・・そうだね。至ったら私と戦って逝ってもらおうかな」

 

「・・・・容赦ないッスね〜」

 

 若干フリードが僕とヴァーリの会話の内容に引いてる気がするけど気にしなぁい、気にしなぁい!

 

 

 それじゃあ、観察を再開するとしようか。

 

 

―●●●―

 

 

「アーシア!起きろ!アーシアァァ!!!」

 

 クソッ!どうしてだよ!!なんでアーシアが死ななきゃならないんだよ!!

 

「アハハハハ!!何!?悪魔がシスターの心配!?何よそれ!!アハハハハハハハ!!!」

 

 目の前でレイナーレは高笑いしてやがる!!

 許さねぇ!!こいつのせいでアーシアは!!

 

「ハァァァァッ!!」

 

「うるさいわね!!下級悪魔の分際で!この至高の堕天使レイナーレ様に対して礼儀がなってないわよ!!」

 

「ァァアアアッ!!!」

 

 痛え!!足に光の槍が二つ刺さった!光は悪魔にとっての猛毒。俺は力なく地面に膝をつく。

 

「そうそう!あなたみたいな下賤な輩はそうやって跪いていればいいの!!ハハハハ!!!!!」

 

 

 チクショウ!チクショウ!チクショウ!チクショウ!チクショウ!チクショウ!!

 

 なんでだよ!!アーシアはなんにも悪くないだろ!!巫山戯んなよ!!何が神様だ!!救いも何もねぇじゃねぇか!!

 

「・・・・・・・・ざけんな」

 

「ん?何か言ったかしら?」

 

「巫山戯んなァァァッッッ!!!」

 

『Explosion!!!!』

 

「チッ、ガタガタうるさいわ・・・・・・・・ね?」

 

 俺は光の槍を足から無理矢理抜いて立ち上がる。

 なんだろう?今までに無い程力が湧き上がってくる。これなら、目の前の堕天使をぶっ飛ばせるんじゃねぇか?

 

「・・・・なんでよ!!なんで立ち上がれるのよ!!それにその力の量は何!?なんで上級悪魔並の力が出せるのよ!!」

 

 何か目の前でギャアギャア言ってるけど関係ねえ!どのみち俺はあと一発殴ったら動けなくなるだろう。

 だから絶対に外さねぇ!!

 

「覚悟しろ。堕天使!!!」

 

「・・・・ヒッ!く、来るな!!!」

 

 怯えて逃げようとする堕天使に超足で近づき、その足を右手で掴み取る。そして、左手に力を一気に凝縮して殴り掛かる!!!

 

「ぶっ飛べ!クソ堕天使ィィィ!!!」

 

「イヤァァァァっっっ!!!!」

 

 殴り飛ばされた堕天使はそのまま窓ガラスを突き破って外に出た。アイツのやられた面を見ることはできなかったけど結構スッキリした。

 

「ざまー、みやがれ」

 

 力を一気に開放したからどっと疲れが押し寄せてきた。

 俺は力無くその場に倒れ込んだ。

 

 

―●●●―

 

 

「お疲れ様。一誠君」

 

 兵藤一誠VS至高の堕天使(笑)の戦いが終わってすぐに僕とヴァーリは教会に転移した。

 いきなり現れて体を支えられたからか驚きを隠せていない兵藤一誠。

 

「尊!?ヴァーリちゃん!?なんで?」

 

「うん。至高の堕天使(笑)を倒して倒れそうだったから支えてあげようと思ってね」

 

「・・・・ていうかさっきの戦い見てたのかよ!?」

 

「あぁ。君のそれが覚醒するのを見届けるためさ」

 

「ッ!?そんなことよりアーシアを!!」

 

 おぉ、自分のことよりそこに倒れてるシスターを心配するとは。

 

 すると、後ろからリアス・グレモリーが声を掛けてきた。

 

「・・・・どういうことかしら?あなた、今まで何をしていたの?」

 

「いやぁ、一誠君の持つ神器(セイクリッド・ギア)が未だに覚醒していない状態だったからね。完全に覚醒させるために向こうに倒れている至高の堕天使(笑)と一誠君を対峙させたんだよ。そして、僕達は今までその戦いの様子を観察していたというわけなんだ」

 

「・・・・死んだらどうするつもりだったのかしら?」

 

「君たちだって手を出さなかったじゃないか」

 

「・・・・」

 

 僕の返答に黙り込むリアス・グレモリー。というか君達も同じ事しようとしてただろう?手を出さなかったのが何よりの証拠だよ。

 

「ねぇ。ところで一誠君。私の前に立って何か感じるものはない?」

 

 僕達が無言の睨み合いをしていると、ヴァーリが兵藤一誠に問い掛ける。

 

「・・・・言われてみれば、さっきから左腕が燃えるような感じが・・・・」

 

 兵藤一誠がそう答えた瞬間。彼の左腕とヴァーリの光翼が光り、威厳ある声が教会に響いた。

 

『漸くお目覚めか、赤いの』

 

『あぁ、その通りだ。久しぶりだな、白いの』

 

『せっかく出会ったのにこの状況ではな』

 

『いいさ、いずれ戦う運命だ。こういうこともある・・・・それに、今戦っても結果は火を見るより明らかだからな』

 

『それもそうか。ならば暫く休戦か?白いの?』

 

『そうだな。たまにはこういうのもいいだろう』

 

 おぉ!二天龍同士の会話か!これは珍しいものが聞けたね!この会話に、僕とヴァーリ以外の皆は驚きを隠せないでいる。

 

「赤い龍。・・・・イッセーの神器(セイクリッド・ギア)はまさか・・・・神滅具(ロンギヌス)の一つ。『赤龍帝の篭手(ブーステッド・ギア)』!?」

 

「え!?何!?これ、どういう状況!?それに何か俺の神器(セイクリッド・ギア)が喋りだした!?」

 

 えぇ〜、肝心の兵藤一誠が何も分かってないなぁ・・・・

 コレには思わずアルビオンも

 

『赤いの。お前の宿主は・・・・その・・・・アレだな』

 

『・・・・言わないでくれ、白いの』

 

 うーむ。アルビオンがドライグを憐れむ日が来るとはね。世の中って不思議だなぁ。

 

「部長。俺のこれ。一体何なんですか?なんかヴァーリちゃんの神器(セイクリッド・ギア)と会話し始めましたし・・・・」

 

「・・・・いい?よく聞いて。その神器(セイクリッド・ギア)はただの『龍の手(トゥワイス・クリティカル)』ではないの。極めれば神や魔王をも超える力を得られる十三種ある神滅具(ロンギヌス)の一つ。『赤龍帝の篭手(ブーステッド・ギア)』というものなの」

 

 これを聞いた兵藤一誠は唖然としていた。

 ふむ、それもそうか。ありふれた神器(セイクリッド・ギア)だと思ってたら実は神や魔王をも超えれるとんでも神器(セイクリッド・ギア)でした。なんて知ったらこうなるか。

 

「・・・・そして、ここからが重要なの。よく聞いて。『赤龍帝の篭手(ブーステッド・ギア)の所有者と白龍皇の光翼(ディバイン・ディバイディング)の所有者は代々殺し合っているのよ」

 

「・・・・・・・・え?」

 

 うん。今度は口を開いて唖然としていた。

 まぁ、無理もないか。その殺しあっている所有者が現時点、目の前にいるからね。

 

「理解した?一誠君。・・・・あぁ、私は今ここで戦うつもりはないよ?だって一誠君。弱いし」

 

「そ、そうですか・・・・」

 

「ま、何がともあれ、改めて挨拶はしなくっちゃね!」

 

「え?あ、はい」

 

「私の名はヴァーリ・ルジーナ。今代の白龍皇だよ。

よろしくね?今代の赤龍帝。兵藤一誠君!」

 

 そう言って、ヴァーリは背中の光翼をより一層輝かせ、無邪気な笑顔と共に宣言した。




 ありがとうございました!!
続きはまた次回!!
 お楽しみに!!

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