皆さんの期待に応えられるようガンバリマス!
高森さんは口をパクパクさせて驚いている。まぁ、たまたま道を聞いた相手が目的地の従業員(まぁ、バイトだけど)だったのだ。無理もないだろう。
「ん? 後ろのお嬢さんは友達かい? それとも彼女?」
そこに容赦なく爆撃を仕掛ける叔父さん。見る見るうちに顔が真っ赤になる高森さん。人って本当に顔が赤くなるんだなぁと思ってしまう。
「いやいや、彼女j「違います!!!」」
説明しようとしたところでようやくタコも……高森さんが復帰した。でも、そこまで力強く否定しなくても……。
「彼女とか、そういうのではなくて、あの、その、あうぅ」
高森さん《対象》完全に沈黙。これより援護を開始する。
「高森さんは彼女じゃなくて。お客さんだよ。あの雑誌……何でしたっけ?」
「えっと……これです」
高森さんは例の雑誌を取り出し叔父さんに見せた。
「あぁーっ。そういえば取材来てたね。マイナーな雑誌だから忘れてたよ」
「マイっ!」
叔父さん、ハッキリ言うなよ。少なくともその雑誌見て来てるお客さんが目の前にいるんだから。高森さんショックでフリーズしちゃったじゃないか。
でも、『月刊散歩道』……確かにあまり読まなそうな雑誌だよなぁ。というか、何向けの雑誌なんだろう? うちの記事以外の内容も気になる。
「マスター、マスコミ嫌いだもんね」
「マスコミが嫌いなんじゃない! パパラッチが嫌いなんだ!! 利益が出るならマスコミでさえ利用するさ」
胸を張る叔父さん。たくましいなぁ。その後もパパラッチに対する不平不満をつらつらと並べる。
「ごめんね高森さん。叔父さんズバズバ言う人だから」
「言いたいこと言って何が悪い。反町○史も言ってるだろ! 言いたいこと言えない世の中じゃ~poison♪」
それは言ってるんじゃなくて、そういう歌なの!
実際にバイク盗んだり窓割ったりするわけないだろう。
「アンタの場合は毒舌過ぎるんだよ。大人なんだからもう少しオブラートに包みなよ、還暦が」
「アラフィフだよ! むしろアラフォーだよ!!」
「四捨五入して50ならアラフィフだ!!」
白熱する舌戦。まぁ、日常的に行われるやりとりで常連さんなら止めない。むしろ煽ったりするが、今回は営業時間前で常連さんもおらず、それを止める乙女が一人。
「あ、あの……」
「「何!?」」
「ひうっ!」
急に矛先が向いたことで小動物のように驚く高森さん。うん。かわいい。
「お、お邪魔でしょうか……?」
「「とんでもない。むしろウェルカム」」
こんなカワイイお客さんが邪魔なわけない。むしろ邪魔なのは目の前のアラフィフの方だろう。
これにて不毛な争いは終局を迎えた。
「こちらメニューになります」
取り乱してしまったが、接客に戻る。喫茶店とは言うものの、軽い洋食屋みたいなもの。それなりに品数はあるし、ランチメニューはこのあたりでは評判がいい。
もうしばらくするとマダムたちが押し寄せ、戦場になる。
今は高森さんしかいない。十分対応出来る……はずだった。
「あの……ホッケなんてあるんですか?」
……は? ホッケ? 喫茶店にホッケ? どういうこと?イミワカンナイ。
高森さんの横からメニューをのぞき見ると……ホッケ、枝豆、モツ煮、焼き鳥etc
「マスター!! 居酒屋メニュー増やすなや!!! ここ喫茶店! ドゥユーアンダースタン!?」
「4軒隣のサブちゃんが食べたいっt「居酒屋行けや!! 却下!!」はい……」
マスターの悪い癖。近所の人が食べたいって言うと勝手に追加する。作るのは俺なんだから……。
「と、とりあえずミルクティーください」
高森さんが苦笑いを浮かべて注文した。
「かしこまりました。……たびたび申し訳ありません」
謝罪してミルクティーを作り始める。
「川嶋さんが作るんですか?」
高森さんが驚いている。まぁ、普通だよね。
「一応製法……っていうかマニュアルはありますしね」
カップを温めながら答える。
「そうなんですねぇ」
高森さんは納得した後店内を見渡した。
店内は、マスターがこだわりにこだわった英国風な造りだからね。自慢のひとつなんだよなぁ。その分外装までは回らず平凡だけど。看板でも作ればいいのに。
「高森ちゃん……だっけ? 」
手持ち無沙汰の叔父さんが話しかける。
「はい。高森藍子です」
「僕は三浦春樹。優也の叔父で、この店は僕の城」
まぁ、ご覧の通り閑古鳥が鳴いてるけどね。とマスターは笑う。
――城ときたかぁ――
「ところで王様! 本日入荷の品はどちらにありますか? 」
ビクッとする王様。
「あ、えぇ、その……」
視線を外し、口笛をふく叔父。妙に上手いのが腹立つが、そうじゃない。いやな予感……というか、態度で分かる。
開封済みの段ボールの中の伝票を確認する。
「おい、王様。また発注数間違えたな?」
前回はブルーマウンテン1瓶のところを10瓶と間違えていたが……キリマンジャロ10瓶のところ1瓶。足りない!
「こうなれば!」
同業者にお願いするしかない!
「お待たせ致しました。こちらミルクティーと日替わりケーキになります」
「えっ、ケーキは……」
「サービスです」
お騒がせしたからね。叔父さんが。結局コーヒー豆は分けてもらえることになり後でもらいに行く。
「ありがとうございます」
「いえいえ。ごゆっくりどうぞ」
頭を下げて戻る。高森さんはカップを両手で包むように持った。絵になるなぁ。
隣を見ると叔父さんも高森さんを見ている。
高森さんの周りの時間がゆっくり流れている気がした。
「ごちそうさまでした」
しばらくして高森さんが会計をする。
「あの、また来てもいいですか?」
「えぇ、またのお越しをお待ちしております」
高森さんは笑顔でドアを開けて出た。
「さてと……。ランチタイムの準備を……」
時計を確認すると……12時5分前。ん? 12時……5分前!?
「マスター!! ヤバい!! 時間ない!!」
「どうしようどうしよう!!!」
「とりあえずランチメニューをボロネーゼとバケットとサラダにしよう! 」
「よし、任せろ!! 」
その後、叔父さんがひき肉を使ったことで更なる修羅場を迎えたのだが、それは別のお話。
第二話書かせていただきました。
正直ストックも無くて、即興、即上げでやっております。メチャクチャだったらすみません。出来る限り書いていく所存です。
お気に入り、感想、励みになります!出してほしいアイドルいましたら感想にてお願いします。可能な限り出していこうと思います。
出演予定アイドル
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です。誰でしょうね。
今日から復刻限定ですね。奈緒引ければいいなぁ。
では、次回の投稿でお会いしましょう