UA40000記念&クリスマスイブ特別編
12月24日。聖なる夜として有名で、世界三大恋人の日とかなんとかクリスマスイブとバレンタインデー……あとはいつだろうな。そもそも世界三大~ってのも言うのか言わないか知らないが。
正直あちこちで際限なくいちゃつくカップルを見ていると『リア充爆発しろ! 』と思っていたが自分がその立場になると、あぁなるほどな、と思う自分がいた。
もっとも俺らはそこまでバカップルではないのだが。
今はイルミネーションの前で待っている。待ち遠しいが、待っている時間が愛おしい。あ、やべ。手汗かいてきた。
「優也君」
呼ばれて振り向くと、待ち人来たる。
「おう、お疲れさま」
仕事が終わって急いで来たのだろう。頬が紅潮している。白いコートも相まってなお赤く見える。
「優也君もお仕事お疲れさまです」
藍子がペコッと頭を下げる。
前は『川嶋さん』、『高森さん』と呼び合っていた俺らだけれど、誕生日を期にお互いを名前で呼ぶようになった。
「藍子」
「はい?」
「今日の服もいいな」
「ふふっ。ありがとうございます」
「冬の妖精みたいだな」
「それはさすがに言い過ぎです」
「よ、時の女神!」
「えへん!」
胸を張る藍子。こんな他愛のないやりとりもスムーズに出来るようになった。
ちなみに藍子の服装は白いコートにフリルのついたロングスカート、髪は下ろして伊達眼鏡をかけている。
「寒くなかったですか?」
自分の手袋をわざわざ取って俺の手を挟んで温める。
「寒かったけど、緊張して手汗かいちゃってるから」
「大丈夫です。ところで何で緊張してるんですか?」
「それは……」
「ん~?」
「デートが楽しみだったから……です」
「はい、よく出来ました」
これも付き合ってから知ったこと。何気に藍子は天然系のSのようだ。
「あ、そうそう。これ」
ポケットからミルクティーのペットボトルを差し出す。
「あ、ありがとうございます。手汗の原因ってコレじゃないですよね?」
「アハハハチガウヨ」
――そんなわけないじゃないか――
「まぁ、いいじゃん」
そう言って手を出す。
「ふふっ。そういうことにしておいてあげます」
藍子が腕に寄りかかり、2人で歩く。
「綺麗ですよね。イルミネーション」
「あぁ。」
「そこは『藍子。お前の方が綺麗だよ』って言うところですよ?」
「……今の俺の真似かな? 」
「どうです?似てるでしょう?」
「さすが舞台やってるだけあるな」
「えへん! もっと褒めてもいいんですよ?」
「綺麗で可愛くて俺にもったいないくらい」
「それはさすがにイヤですね」
足を止めて、両手で俺の右手を握った。
「私は優也君と一緒にいたいんです」
上目づかいでそう言われた。
「あ、その……ゴメン」
「いえ、ただ自分を低く見ないで下さいね。私が好きになった人なんですから!」
あ、ヤバイ泣いてしまいそう。
鼻がツーンとしてきて、目が潤んできたのが分かる。
「優也君? 大丈夫ですか?」
藍子がのぞき込んでくる。
「俺、こんな幸せでいいんだろうか」
「いいんですよ。今日は聖夜なんですから!」
「なんだよ、それ。ハハッ」
「ささっ、行きましょう行きましょう」
藍子がグイグイと手を引いてくる。
「イルミネーションは逃げないぞ?」
「逃げはしませんけど、消灯時間はありますよ」
――あぁ。確かにな――
藍子に手を惹かれながら聖夜のお散歩デートを楽しんだ。
「明日は仕事あるのか?」
「クリスマスですから。といっても午後からですからまぁそれなりに時間はありますよ」
「帰らなくていいのか?」
「帰りたくないですね」
今は俺の部屋で少し遅めの夕飯を食べ、ゆっくりしている。
「おいおい」
「お母さんにはお友達のところに泊まるって言ってありますし。それに……」
「それに?」
「今さらじゃないですか」
「まぁ、そうだよな」
初めに泊まった時は台風が来た夜。あの時はおじさんの家に無理矢理泊めた感じだった。
それからも頻繁とはいかないものの何度か泊まっていくことがあった。
「そもそも優也君なら大丈夫だと思いますよ。……お母さんにはバレてますし」
――what?今なんと言った?――
「えっと、高森さん?」
「藍子」
「藍子さん? それはどういうことかな?」
「お母さんにプリクラ見られちゃいました」
てへぺろとする藍子。
とりあえずノータイムでチョップです。
「痛いです」
「プリクラってあのプリクラ?」
「はい。あのプリクラです。でも前から気づいてはいたみたいです。あれが物的証拠になっただけで」
――なん……だと……!?――
「お母さんって時々鋭いところありますよね。隠しててもバレちゃうんですよね」
「そのうちご挨拶に行かないといけないな」
「お正月に来てもいいんですよ?」
にこやかに恐ろしい提案をする藍子。
「ゴメン。藍子のうちに行くだけでもハードル高いのに、元旦にご両親に挨拶はかなりヤバい」
「お父さん、お母さん。藍子さんとお付き合いさせていただいている川嶋優也です。ご挨拶が遅れてすみません。
そしていきなりではありますが、藍子さんとの結婚を認めていただきたく参りました。娘さんと結婚させてください。僕が命をかけて娘さんを守っていきます!」
「やめて! ホントにやめて! これ以上は俺のメンタルが持たないから。そもそもいろいろ順序があるでしょう。まだ本人にプロポーズしてないのに……」
「ん?」
「へ?」
藍子がズズイと寄ってくる。
「今なんて言いました?」
えっ、今……あっ!?
恥ずかしくなり顔を背ける。
藍子は俺の足の上に乗る。ちょうど足を伸ばしてたから、逃げ場を無くされた。
さらに押し倒され、顔の横に藍子の両手がドン! とつかれた。
壁ドンならぬ床ドン状態だ。
「今なんて言いました?」
「あ、えっ、その……」
「ん~?」
「まだ本人にプロポーズしてないのにって……」
「『まだ』と言うことは、するつもりはあるんですよね? 」
「そ、それは……」
「あるんですよね?」
「はい。あります」
「よし、では楽しみにしてますね?」
そう言って藍子は俺から離れ、自分の荷物から何やら取り出した。
「はい。コレ、クリスマスプレゼントです」
ラッピングされた何かを渡された。
開けていいのか、目線を送ると。
「開けてみてください」
許可が出たので開けてみるとマフラーだった。
「手編みで作ってみました。うまくいったかは分かりませんが……」
「ありがとう。家宝にするよ」
「いえ、使ってください」
――まぁ、そうだよな――
「俺もプレゼントあるんだ。気に入っていただけるか分からないけど」
そう言って包装された細長い箱を取り出す。
「なんでしょう? 開けていいですか?」
「もちろん」
藍子が破かないように包装を剥がし、箱を開ける。
「ネックレスですか?」
小さなロザリオのついたネックレス。オレンジの宝石だろうか? が真ん中にはめ込まれている。
「気に入らなかったら言ってくれ」
「いえ、嬉しいです。つけてもらえますか?」
藍子がネックレスを渡し、背を向ける。
少し苦戦しながらつける。
「どうでしょう?」
「うん。似合ってる」
「嬉しいです」
「おい、笑顔がだらしなくなってるぞ?」
「幸せなんだからいいんです~。それに優也君しか見てませんし」
「それもそうだな」
「優也君のおかげで今日はいい夢が見られそうです」
藍子が俺に寄りかかりそういった。
2人きりの聖夜はこうして更けていった。
時系列的にまだ春なので、こんなクリスマスイブに出来るようにという妄想入れながら書きました。
あーちゃんのコレじゃない感ハンパない。
時々cv竹達さんになってるキガス。
ともあれ、イブ投稿には間に合いました。
では、次の投稿でお会いしましょうノシ